仕事を「6倍速」で回すための情報収集術

2013.06.06 08:00
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『仕事は6倍速で回せ!』


仕事は6倍速で回せ!』(石塚孝一著、祥伝社)の著者は、アメリカの大学を飛び級で卒業後、29歳でロイター通信の最年少部長に就任。その傍らで青山学院大学大学院でMBAを取得し、34歳で中国系金融情報サービス会社の新華ファイナンスジャパンに就任したという人物。さらに35歳でベンチャー企業を起業し、38歳で東証二部上場会社の社長に就任したそうです。他にも多くの実積を持っているのですが、「最速で出世し、かつ社外での勉強も平行できたのは、人の倍のスピードで働いていたからだ」と自負しています。


私は会社勤めをしていたころ、16時間働いていた。人の3倍の能率で人の2倍働く、これが本書のテーマである「6倍速」で仕事をするという意味である。(4ページより)


情報収集についてのテクニックを紹介した第4章「6倍速を支える情報収集術」からいくつかを引き出してみます。


ワンテーマの本を集中して読む(127ページより)


読書も情報収集の手段のひとつ。そこで得た知識をビジネスに活用すれば知識・見聞は広がり、その道のエキスパートになることも可能だとか。そして著者が重視しているのは、ワンテーマの本を集中して読むこと


情報はバランスよく収集しないといけないので、1、2冊だけ読んで判断するのは危険だ。できれば両極端の意見の本を、両方読んだほうがいい。また、同じ著者の本だけを読むと見方が偏る可能性があるので、異なる著者の本も選ぶのがベストだ。(128ページ)


そうすればおのずと、共通点と問題点が見えてくるというわけです。また本にはアンダーラインを引いたり、ページの端を折り曲げたり、書き込みをしたりして、教科書代わりに利用するといいそうです。


必要なところだけをピンポイントで読む読書術(130ページ)


ビジネスに関係のある情報を拾えればいいと考える「速読派」の著者は、本は熟読する必要はないと割り切っています。そして勉強の過程で気づいたのは、テキストのすべてを読まなくても、章の表題と最後を読めば、だいたい内容を把握できるということ。「重要そうな箇所を正確に見つけられれば、1冊丸々理解したのと同じである」と断言しています。ちなみに本を選ぶ際、真っ先に読むのは著者のプロフィール。


プロフィールを読むと、その人の専門がわかる。専門がわかれば、どういうことを問題としてとらえていて、どのようなことを主張しようといているのかがおぼろげながら見えてくるからだ。(中略)プロフィールからは、どういう立場でものを言っているのかもよくわかる。たとえば同じ経済であっても、インフレターゲット(一定の物価上昇率を目標として金融を緩和すること)賛成派の専門家もいれば反対派の専門家もいる。(中略)背景も知らずに本に書いてあることを鵜呑みにしてしまったら、偏った知識が身についてしまうのだ。


あとは目次に目を通し、著者がもっとも主張したい項目だけピンポイントで読めばいいというわけです。


雑誌は隙間時間に立ち読みする(134ページ)


ラジオも聞かないし、テレビもあまり見ないという著者は、日々のニュースをネットでチェックしているそうです。新聞ではなくネットを利用しているのは、世界のどこかで事件が起これば、それに連動してマーケットも動くから。世の中の流れは刻々と変化するので、絶えず情報を仕入れる必要があるということです。

雑誌は、「週刊ダイヤモンド」「週刊東洋経済」など主要なビジネス誌を欠かさずチェック。「自分のビジネスに直結しない」から、ファッションや流行には目を向けないという徹底ぶり。ただし雑誌は、書店やコンビニに行った際に立ち読みで済ませるのだといいます。「だいたいの内容がわかればいいので、その号のテーマと目次を読むだけで、おおよそのトレンドや情報を理解できるからだ」(135ページより)というのがその理由です。


これらの考え方からは、著者が実践する「6倍速」の秘訣のひとつが「合理性」であることが推測できるはず。その方法論を取り入れれば、ビジネスを加速させられるかもしません。


(印南敦史)

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