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平成25年5月3日
日トルコ経済合同委員会における安倍総理あいさつ

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 チャーラヤン経済大臣、ペカルン・トルコ日本経済委員長、リファト・トルコ商工会議所会頭、米倉経団連会長、釜(かま)経団連日本トルコ経済委員長、御列席の皆様、
 おはようございます。ギュナイドゥン。

 トルコ、トルコ、トルコ。それは、たくさんの日本人にとって、やさしく響く名前です。変わらない、親愛を思い出させる響きです。

 トルコと日本をつなぎ、働くことのできる皆様は、幸せな方々だと思います。両国の間には、友情と、信頼があります。あの、エルトゥールル号事件以来、心と、心で結び合った絆があるからです。

 日本から、初めて外務大臣がトルコへ参りましたのは、ちょうど、30年前のことです。
 30年前の外務大臣とは、私の父・安倍晋太郎です。私は、その秘書官でしたから、やはり30年前に、初めてこの地を踏みました。今度の旅は、私にとって、ちょっとした、「ノスタルジック・ジャーニー」であります。

 皆様がた、日トルコ合同経済委員会ができたのは、その4年後、1987年のことでありました。本日は、その20回目ということですから、大変いい節目に、来ることができました。

 今回の、私の訪問がさらなる弾みとなって、あらゆる面で、互いの対話と、関係が深まり、具体的で、血の通った協力案件が、たくさんできればいいと思っています。

 近年、トルコの成長は、目覚ましいですね。成長率たるや、G20の中で、一、二を争うくらいであります。しかも、平均年齢が、29歳、素晴らしい。

 「若いって、すばらしい」。日本に、そんな歌があったのを思い出します。
 今日はこの歌は歌いませんが。29歳ですから確かにはやく走ることはできます。日本も遅れないように走っていきたいと思います
 日本のビジネスリーダーたちが、トルコの皆様、勤勉で、前向きな皆様に、熱い視線を送るのは無理もありません。

 日本とトルコが組んだら、どんなに素晴らしいだろうかと、誰もが思うからです。私も、思います。どうか今日お越しの経済界の皆様。先ほど経済大臣がおっしゃった「もっと投資をしてもらいたい」この呼びかけに応えていただきたいと、こう思うところでございます。

 日本には、技術があり、産業の知見、ノウハウがあります。経済規模も、世界の三番目です。若いトルコとの間には、絶好のシナジーが生まれるに違いありません。

 原子力発電など、その最たるものでしょう。トルコで生まれる電力は、国境を超えて、たくさんの家庭に届きます。

 それから、橋です、そして地下鉄です。

 もともとトルコは、東西の交通を結ぶ国です。そこで、往来を楽にし、人の移動を円滑にできれば、波及効果は、もうこれは、「プライスレス」でしょう。

 それだけの意味がある仕事を、トルコと一緒にできるのです。日本のエンジニアたちは、頑張ってきた甲斐があったと思うに違いありません。

 実際、両国の協力に、際限などありません。「あるとしたら、それは、青天井だけ」という、決まり文句が当てはまるくらいです。通信衛星など、宇宙の協力のことを、いま私は思っています。

 こういう、頭脳と、頭脳の協力でしたら、教育、医療と、分野はますます広がります。ところでトルコは、料理大国ですから、日本の食材にも、大きな市場となるでしょう。

 トルコの躍動に少しあやかって、日本も、もう一度若返り、力を取り戻せたらと、思いを強くいたします。

 昨年7月には、両国政府間で、貿易・投資促進のため、具体的なやり方を話し合う枠組みができました。
 早速、日本には、トルコの大きなプロジェクトを受注し、進める企業が現れました。嬉しい進展です。

 政府には、政府の仕事があります。私は、皆様がた、合同経済委員会と力を合わせながら、宿題をきちんと解いていきます。

 トルコとのEPAに関する共同研究は、着実に進めます。社会保障協定を結ぶ作業も、鋭意進めていきます。

 本日午後は、エルドアン首相と、政治や、経済、様々な問題について、率直な意見交換をします。外交当局同士の、戦略対話に力を入れていくことや、防衛の分野を含む、政府間協議を始めることを、話し合います。

 これで、日本と、トルコの関係が、新しい次元に入っていくと信じています。

 最後に、イスタンブールと、東京のお話をさせていただきたいと思います。
 もし、イスタンブールが五つの輪を射止めたら、私は、誰より先に、イスタンブール、万歳、と申し上げようと思っています。そのかわり、もし東京が五つの輪を射止めたら、トルコの皆様、世界中の誰よりもはやく、万歳と叫んでいただきたいと思います。
 これからますます日本とトルコの友情が深まっていくことを祈り、私のごあいさつとさせていただきたいと思います。
 ご清聴ありがとうございました。テシェッキュル・エデリム。

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