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国際
〝腐敗の温床〟中国鉄道省、解体へ 温首相が主導、最後の大仕事
2013.3.5 06:51
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【北京=矢板明夫】中国で高速鉄道の建設などを管轄する鉄道省が、5日に始まる全国人民代表大会(全人代=国会に相当)を経て、解体されることが決まった。複数の中国政府関係者が明らかにした。今回の全人代で引退する温家宝首相が主導したという。巨大利権を背景に独立王国を築き、「腐敗の温床」と指摘されてきた同省は60年以上の歴史に幕を下ろす。
中国政府関係者によれば、解体に伴い鉄道省内の多くの部署が廃止、縮小される中、行政部門は「鉄道管理総局」として交通運輸省に吸収される。実際の鉄道運行を担う営利部門などは国有資産監督管理委員会の下に置かれ、国有企業「中国鉄道総公司」として再出発する。鉄道省の職員は約210万人に上るため、移行作業が完了するまでに1年以上かかるという。鉄道省幹部は「日本の国鉄民営化の経験は参考になる。将来的には地域ごとにいくつかの会社に分割することも視野に入れている」と話している。
戦争に備えて軍隊や武器なども輸送する鉄道省は共産中国の建国後、長い間、鉄道兵部隊を持つなど「準軍事部門」の扱いを受けていた。近年、高速鉄道の建設ラッシュに伴う財政支出で巨大な利権ネットワークが形成され、江沢民前国家主席に近い政治家たちが同省を牛耳るようになった。
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