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日本版NIHに7学会が声明6月10日 18時45分
アメリカの国立衛生研究所=NIHにならい、医療の研究開発の司令塔として創設が議論されている「日本版NIH」について、医療や生物学に関わる7つの学会が緊急声明を発表し、実用化が期待される分野に限らず基礎研究に対しても幅広い支援を行うよう訴えました。
政府は経済の成長戦略の柱の1つに医療産業を位置づけていて、アメリカの国立衛生研究所=NIHにならい、薬や医療機器などの研究開発の司令塔として、予算を一元的に管理する日本版NIHの創設を議論しています。
これについて日本癌(がん)学会など医療や生物学に関わる7つの学会は10日、記者会見し、緊急声明を公表しました。
声明では日本版NIHの創設は「優れた医療技術の創出に大きく貢献することが期待される」とする一方で、実用化が期待される再生医療などの分野に研究予算が集中しすぎる懸念があるとしています。そのうえで、「長期的に次々と産業化に結びつけるには、間口の広い基礎研究が不可欠だ」として、基礎研究に対しても幅広い支援を行うよう訴えています。
記者会見した日本生化学会の石川冬木会長は「iPS細胞のような重要な発見の多くは、知的好奇心に基づく基礎研究が元になっている。今回の声明を施策に生かしてほしい」と話していました。
政府は、日本版NIHの構想を含む経済の成長戦略について議論を進め、今月14日に閣議決定することにしています。
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