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朝比奈のモツレク

Posted in クラシック音楽, 声楽曲. on 木曜日, 3月 26th, 2009 by 岡本 浩和 Tags: モーツァルト, 大阪フィル, 朝比奈隆
3月 26

mozart_requiem_asahina.jpgかつての「朝比奈会」、そう、先生が亡くなった後「朝比奈協会」として再発足し、初期の頃はそこそこ活発に活動していた彼の協会は今どうなっているのだろう?年会費は確か¥1,000で、年に数回の会報も送られてきていたし、時にはプライベート盤の頒布などもあり、それが結構な名演奏揃いで、一般には手に入れられない音源などが多々あったものだから実は大いに楽しみにしていた。協会員だった方ならご存知だと思うが、ある日突然1枚のCDが送られてきて、これでしばらく協会の活動は休止するというような旨の連絡書が同封されており、後味の悪い終わり方だった。とはいえ、十分楽しませていただいたのでガタガタ騒がず、それはそれで良しとしたが・・・。

「終わり良ければすべて良し」というが、世の中最後の詰めの甘い輩が多い。あまり傲慢になってもいけないし、かといって遠慮がちで腰引けるのもよくない。何事も謙虚にほどほどなのが一番良い。今日も打合せで、結局人生というのはゼロサム・ゲームで、利得の総和は最後はゼロになるものゆえ、慌てず騒がずゆるりと人様のために一生懸命頑張れば必要な分のお金は後ろからついてくるものだよという話になった。お金をもってあの世には行けないし、遺産相続の問題などで骨肉の争いをしている家族などを見たりすると、持ち過ぎてなくて良かったなどと本当に思う。過ぎたるは及ばざるが如しだ。

ところで、前述の朝比奈協会から送られてきた音盤(年会費分との相殺ということで勝手に送られてきたのだが・・・)。その直前の頒布時に正規料金を支払って買っていたものだから結局僕はこれを2枚所有していることになる。

モーツァルト:レクイエム ニ短調K.626
豊田喜代美(ソプラノ)
西明美(アルト)
若本明志(テノール)
福島明世(バス)
京都シティ・フィル合唱団、京都バッハ合唱団
朝比奈隆指揮大阪フィルハーモニー交響楽団(1991.12.5Live)

モーツァルト没後200年の命日であるその日に大阪のいずみホールにて開催された特別演奏会の実況録音。いまだ一般市販されないいわゆるプライベート盤である。確か同じ日海の向こうのウィーンではショルティが同曲をシュテファン寺院だかで演奏したと記憶する。もちろんショルティ好きではない僕は残されたその録音(映像も)を聴いたことがない。評判も知らない。それでも明らかに朝比奈隆が演奏したこの録音の方が数倍も良いだろうと勝手に想像して楽しんでいる。
朝比奈のモーツァルト演奏は第39番の交響曲以外実演では聴いたことがないので、言及するのはなかなか難しいのだが、素朴で朴訥とした中にどっしりと重量感のある安定した剛演で、素晴らしい(と思う)。ただし、録音がいまひとつなのか音そのものが軽く感じられることが難点といえば難点。


9 Comments

  1. 雅之 on 3月 26th, 2009

    こんばんは。
    朝比奈先生の「モツレク」のプライベート盤をお持ちとは、羨ましい!私は、朝比奈先生の宗教曲の演奏は、録音でも、あまり聴いたことがありません。1991年の先生の宗教曲の演奏の録音といったら、東響他とのブルックナーの「テ・デウム 」を思い出しますが、あの演奏に似た雰囲気なのでしょうか?使用版は、ジュスマイヤー版なのでしょうね(ショルティの同年同日盤はランドン他の版)。この曲も補筆完成の曲なので、私も各版のスコア片手にいろいろ研究しているんですが、朝比奈先生の演奏が聴けたら、版の問題なんてどうでもいいです!
    重ねて言います、本当に羨まし~い、です!

  2. 岡本 浩和 on 3月 26th, 2009

    >雅之様
    こんばんは。
    東響との「テ・デウム」ですね!あれは実演に接してますが、素晴らしかった記憶が蘇ります。そう、まさにあの雰囲気です。版に関してはあまり詳しくはないのですが、ジュスマイヤー版だと思います。モツレクに関しても雅之さんにいろいろとご教示願いたいところですね。
    >重ねて言います、本当に羨まし~い、です!
    そこまで言われたら・・・(笑)。わかりました、2枚所有しているのでいつもお世話になっているお礼に差し上げます!

  3. 雅之 on 3月 27th, 2009

    本当ですか? 感謝、感激です! とてもうれしいです! ありがとうございます。
    今日、岡本さん宛に、マーラーの交響曲第10番補筆完成版について、分かりやすく書かれた文章のコピーを宅配便でお送りしました。参考にしていただければ幸いです。

  4. 岡本 浩和 on 3月 28th, 2009

    >雅之様
    こんばんは。本日午後郵送でお送りしました。ぜひ聴後の感想をお聞かせください。
    >マーラーの交響曲第10番補筆完成版について、分かりやすく書かれた文章のコピーを宅配便でお送りしました。
    ありがとうございます。何かバーターのようで恐縮です。

  5. 雅之 on 3月 28th, 2009

    こんにちは。
    私の方にも、朝比奈先生の「モツレク」のCD、本日無事到着しました。こんな形でこの幻の名盤をゲット出来るとは・・・、感無量です。宝として一生大切にします。ありがとうございました。
    私事で恐縮ですが、今日3月28日は母の命日で、今年はちょうど30回忌です。また、この演奏が録音された1991年は、私の結婚した年でもあります。何か運命的なものを感じます。
    今晩、しみじみと味わって聴きたいと思っております。亡き母の供養を兼ねて・・・。

  6. 岡本 浩和 on 3月 28th, 2009

    >雅之様
    こんばんは。これくらい喜んでもらえる方に差し上げることができて良かったです。
    >今日3月28日は母の命日で、今年はちょうど30回忌です。
    何と!こういう偶然というのも不思議なものですが、やっぱり縁がありますね。今晩はぜひご堪能ください。良いタイミングでした。

  7. まーの on 3月 29th, 2009

    雅之さん
    すごい不思議な偶然ですね。
    ちなみに、私がウィーンに住んでいたとき
    ウィーン時代の学生オケと一緒に、「テ・デウム」歌いました。
    それも、楽友協会の大ホールで!
    学生だったから、出来たんですよね。
    内田光子クラスじゃないと大ホールの舞台に立てませんからね!
    ということで、私のムジークフェラインのデビューは
    ピアニストとしてではなくて、歌手ということで。(笑)

  8. 雅之 on 3月 29th, 2009

    岡本様
    昨夜、いただいた朝比奈先生の「モツレク」のCD、聴きました。「ラクリモサ」では、不覚にも、涙しそうになりました。特別な思い入れの影響もありますが、録音のせいか、先生指揮の「テ・デウム」と同時に、有名な聖フローリアン大聖堂でのブルックナーの7番のライヴ録音と同質のものも感じました。いずれにせよ、期待通りの素晴らしい「モツレク」でした。
    まーの様
    楽友協会の大ホールでブルックナーの「テ・デウム」を歌われたことがおありなんですか!
    それは凄い!、羨ましい限りです。私も一度でいいから、あの舞台で演奏してみたいなあ、たとえシンバルの一打でも・・・(笑)。
    ブルックナー作品に親しまれているお二人に、お薦めのCDがあります。それは、知る人ぞ知る、ブルックナーの「レクイエム」(M・ベスト&イギリス室内O他)です。
    http://www.hmv.co.jp/product/detail/78044
    ブルックナーが24~5歳くらいの時の、彼の最初の管弦楽付きの作品なのですが、モーツァルト作品と同じ二短調で、相通じる空気もありますし、書法も充実していて、ブルックナーらしさも存分に発揮した、隠れた傑作だと思っています。私はこの作品、昔から大好な数少ない宗教曲のひとつなんですが、実演も録音も「テ・デウム」に比べ、うんと少ないのが残念です。未聴でしたら、ぜひ!

  9. 岡本 浩和 on 3月 30th, 2009

    >雅之様
    こんばんは。いやぁ、感動していただけて良かったです。甲斐があります。
    ところで、ブルックナーの「レクイエム」は知りませんでした!雅之さんおススメならばこれは聴かねばですね。
    ありがとうございます。



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アレグロ・コン・ブリオ~第5章

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