サヨナラ2ランで試合を決めたマートン(左端)を歓喜の表情で迎える阪神ナイン=甲子園球場で(飯室逸平撮影)
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◇阪神4−3ロッテ
阪神が逆転サヨナラ勝ちで4連勝、単独首位に立った。2−3の9回無死一塁、マートンの6号2ランで勝負を決めた。藤浪は被安打12で6回途中3失点。救援陣が好投し、福原は2勝目。ロッテは抑えの益田で逃げ切れず3連敗。
◇
阪神・藤浪の甲子園不敗神話がついに終わると思われた時、神懸かりな一撃が左翼席に飛び込んでいった。1点ビハインドのまま迎えた9回、先頭の鳥谷がヒットで出塁すると、続くマートンが益田の甘いスライダーを完ぺきにとらえた。6号逆転サヨナラ2ランで7日ぶりに単独首位に立った。
「普段はホームランを打たずにヒット、ヒットのバッターなんですけど。9回はもしかしてラッキーイニングになるんじゃないか。そういうふうに思いました」。3日前、6日の西武戦で来日初のサヨナラ弾を放ったばかりのマートンは予感めいたモノを抱いて打席に入った。それはベンチの誰もが同じで、劣勢に立たされても負けの空気はみじんもなかった。
その原動力は藤浪だった。この日6回途中3失点でロッテに2点リードされたまま降板したが、土壇場で黒星が消えた。春夏連覇を飾った甲子園では高校時代から無傷の12連勝中。この日も神話は生きた。和田監督は「(藤浪が)甲子園で負けていないという。何とか追い付いて、ひっくり返すという雰囲気になった」と、不敗神話に乗る形で逆転にこぎつけた総力戦を振り返った。
一振りで藤浪を救い、チームを1週間ぶりの首位に導いたマートンが「10月終わった時に1位になっていることが大事」と語れば、和田監督も「まだまだ守る時期じゃない。攻めの気持ちで交流戦終わるまでは一戦一戦やっていく」と気を引き締める。甲子園で負けない藤浪−。虎の勢いに拍車を掛けていく。 (中谷秀樹)
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