犬の糞の不始末。道を歩いている時に視界に入ると、とても不快なものだが、立て看板を立てようと、直接注意しようと、残念ながら、一向になくならないのが現実だ。
だが、スペインの首都マドリードから32kmほど西にあるブルネテでは、飼い犬の糞を始末しない不届きな飼い主を改善させる、画期的な方法が開始された。
道路に放置された犬の糞を、「落し物」として、親切に郵便で飼い主の元に戻すことにしたのだ。
(画像:Oddity central)
確かに、数日前に道路に放置した飼い犬の糞が、宅急便で自分の元に戻って来たら、どんなに不届き者の飼い主でも、もう2度と糞を放置しようとは思わないだろう。
だが、一体どのようにして犬の糞の飼い主を見つけ出すのだろうか?
市役所から、その名も『
ウンコ・エキスプレス』キャンペーンを行うことを無料で引き受けた広告代理店は、多数のボランティアを募り、街中をパトロールしてもらった。その際、注意して見てもらうのは、飼い犬の糞を始末していない不届き者だ。
糞を放置して立ち去ろうとしている飼い主を見つけるやいなや、ボランティアはその飼い主に駆け寄り、話し掛ける。だが、
「犬の糞をきちんと片付けなさい!」
と言うのではなく、
「
あら、かわいいワンちゃんですね。名前は何て言うのですか?種類は何ですか?」
と、犬に興味があるようにして、話し掛けるのだ。
そんな風に言われると、たいていの飼い主は嬉しそうに自分の飼い犬のことを話し始める。
ボランティアは、飼い主との会話を通して、犬の名前と犬種を突き止める。これが『ウンコ・エキスプレス』キャンペーンにおいて非常に重要で、この2つの情報さえ分かれば、市役所に登録されている犬のデータベースから、飼い主の名前と住所を特定することができるのだ。
犬の名前と犬種を突き止めたボランティアは、飼い主がその場を去ると、すぐに糞を拾ってビニール袋に入れ、「ウンコ・エキスプレス」の箱に梱包して市役所へ持って行く。
数日後、データベースから住所を特定された飼い主の元に、
「
市役所からアナタ宛に、落し物が届いています。」
と、飼い犬の糞が届けられる。
「ウンコ・エキスプレス」は147件もの糞の落し物を飼い主の元に届け、ブルネテの犬の糞の不始末は70%も激減した。
まさに、効果てきめん、大成功だ!
「ウンコ・エキスプレス」キャンペーンは、イベロ・アメリカの広告フェスティバルで賞を獲得し、ブルネテの街の内外からも高く評価された。
ブルネテ市役所は、せっかく身に付いた糞の始末への高い意識を維持しようと、リモコンで動く電動ウンコを作って道路に置き、「僕を放置しないで!ちゃんと拾って!」というバーナー付きで、時々犬の飼い主や歩行者を追い回している。
【記事:りょーこ】
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