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【スポーツ】

室伏が19連覇 父、妹と合わせ一家で48冠

2013年6月10日 紙面から

男子ハンマー投げで大会19連覇を達成した室伏広治=味の素スタジアムで(佐藤哲紀撮影)

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◇陸上日本選手権<最終日>

 (世界選手権=8月、モスクワ=代表選考会を兼ねる)▽9日▽東京・味の素スタジアム▽男子ハンマー投げなど決勝18種目

 男子ハンマー投げに出場したアテネ五輪金メダリスト、ロンドン五輪銅メダリストの室伏広治(38)=ミズノ=は76メートル42で19連覇を達成。父重信さん、妹由佳さんと合わせ、日本選手権室伏家48冠に到達した。室伏は世界選手権の出場こそ明言しなかったものの、来年の日本選手権での20連覇達成に意欲を見せた。

 泰然自若と、雄たけびを上げることもなかった室伏の1投目。重さ16ポンド(7・26キロ)の鉄球が、美しい放物線を描いて75メートル41センチ先の芝生に着地する。この瞬間、日本選手権19連覇が事実上決まった。「ロンドン五輪以降初めての試合だったが、日本の皆さんの前で無事投げられて良かった」。柔和な笑みを浮かべた世界の鉄人。その後5投目に76メートル42まで記録を伸ばし、偉業に花を添えた。

 38歳にして、進化を求める姿勢はますます盛んだ。「10年前と同じ(体の)マネジメントをしていたら、優勝できないどころか壊れて引退している」。肉体の衰えを技術と飽くなき探求心でカバーする。今回の日本選手権に向けてはズルハネというイランに古代から伝わる肉体鍛錬法を取り入れた。「重い弓矢やこん棒を使ったり。今のトレーニングは体をつくることを目的にしているが、技術を考えていない。技術が先にあればケガをしないトレーニングができる」。鍛錬で使う弓矢やこん棒は自分でコンクリートから作ったという。投網、赤ちゃん動作に続く新機軸。「イランの選手も喜んでくれた」。期せずして国際交流にも貢献した。

 心優しい鉄人の姿も健在だ。この大会には、東日本大震災で津波の被害を受けた宮城県石巻市の高校生2人も招待した。「きょうも被災地から友達が来て応援してくれた。努力を続け、連覇をできることと勇気や希望を伝えられればと投げた」。2年前から続く交流。20歳以上離れた高校生を友達と公言してはばからない、人間的器の大きさも兼ね備えている。

 前回の大邱大会(韓国)で優勝し、主催者推薦で出場権を持つ世界選手権出場については「コーチや周りと十分相談してから決めたい」と明言を避けたが、「私にとって誰と戦うかというと、私に勝たないと出られない。難しいけど面白い」とも。ただ来年の日本選手権については「20連覇は何とか達成したいと思っている」と早くも前向きな姿勢を見せた。今大会で室伏家通算48冠目。「それは別の意味ですごい」と驚き、笑う室伏。49、50と数字を積み上げる…。そんな可能性も秘めるのが19年にもわたり日本の頂点に君臨し続ける、世界の鉄人たるゆえんだ。 (川村庸介)

 

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