社台スタリオンの角田獣医は王様にとって、つまり吉田勝己社長にとって、本当に何でも話せて頼りになる参謀なのだということが今回すごくよくわかりました。王様は孤独ではないのですね?
なにせサンデーサイレンスを看取った獣医で場長、人間の精神科医にもなる素養のある人、角田さんの存在は社台グループにとって半端ない、と思います
角田さんは私にとっても、なぜか何でも話せる頼りになる存在です。なぜか・・・・というのは私にとってそういう存在は世の中にそう何人も、いえ角田さんと
あと一人くらいしかいないからです。(探してもいないものは、ない。今から突然でてきたりもしない、ハリーポッターの必要の部屋にも絶対にありません。)
角田さんの立場や職業が問題なのではなく、本能的に自分より強い人、優しい人だと感じるので、お腹を見せちゃうしかない。馬を挟んで知った人だから余計それがわかるのかもしれません。
でも角田獣医は王様の家来で参謀なのですから、今回の交渉は難しく一度では済みませんでした。
角田さんには私はかつての仕事でとてもとてもお世話になっています。そして私も少しは角田さんのお役に立っていたのではないかという自負もあります。
日本の競馬の歴史を変えたサンデーサイレンスが死んだとき、(生きているとき、見ておきなさいと言ってくれたのも角田さんで、150メートル離れたところから睨まれて、威圧されてあまりの眼光の強さに逃げ帰ったのが思い出です)
サンデーがこの世を去って、角田獣医ははまず何をしようかと思ったか・・・サンデーサイレンスと11年間格闘したご自分の部下を、なんとか立ち直らせなければと思った。一頭のものすごい馬と関わり格闘し愛し、その存在を失うと廃人のようになってしまう人を、彼は何人も見てきたからです。愛する伴侶を失うことの悲しさに加えて、プレッシャーの喪失感・・戦いの終焉・とダブルトリプルで空虚感が襲ってきます。競走馬の厩舎関係者では、私もそういう人を目撃しています。角田獣医にしてみればもちろんその部下が優秀だったから、これからも仕事を続けてもらうためもあったでしょう。 私はその人にぶつけるのにはかっこうの存在でした。安西美穂子、じゃなかった、菅野美穂なら彼、サンデーサイレンスと11年間向かい合った男を癒すことができると踏んだのです。
サンデーとの日々は激しいなんてものじゃない。まさに毎日の世話も命がけの日々。種牡馬はその職業上、特にサンデーサイレンスは猛獣のようなプライドを持ち、攻撃的で人に心を許さない。でも死ぬ前の4年間は、殺されそうになって向き合った7年のお返しだった・・・彼らは大親友になり、理解し合った蜜月の時間があったのだ・・・彼も私もオイオイ泣きながらの取材になった。私がある雑誌に書いた記事は、他の雑誌にそのまま盗用(!)され、その記事は多くの人を癒した・・。
ノーザンテーストの落日のときもまた、私はその人ノーザンテイストにすべて捧げた人のもとに行っていました。
角田さんの私へのお礼(といっても雑誌社からは別途原稿料は支給されていたが)は、釧路行きだった。そこには治療中のウオーエンブレムがいて、丹頂鶴がいて、真っ白な乗用馬の種牡馬がいて、パロミノがいて、
馬の原点・・ともいえる凄い景色が展開された。社台スタリオンのスタッフと一緒にお食事をいただき、次の日はスタッフの先生付、未調教の2歳の馬に乗せてもらう日が待っていた。今から思うと超ユニークなお礼だ
そして私がバスガイドとなり大型バス二台で北海道の牧場を巡る旅・・・角田さんは私の主催する「おうちへ帰ろうクラブ」の人たちに特別に種牡馬を目の前で見せてくださった。そこでトウカイテイオーを目の前で見た、ミスタービーン・・・・
今から思うと「ご縁です」としか言い様がない。
まだ角田さんの管野美穂へのお礼は続いていた・・・思い出したくもないことと思い出さなければならないことをすべてを角田さんにぶちまけ、今は妙に癒された静かな気持ちだ。忘れようとして、思い出せない~♪アラジンのジー二ーの歌が頭で鳴り響く・・・
もしかしたら、私は病気だったのかもしれない。適応障害が治っていなかった。仕事がしたくてたまらない病。私は本物のプリンセス・雅子様も同じ気持ちだったのだと思えてならない。雅子様は、そのキャリアからして海外でお仕事なさる方である。オランダ国王の即位式の日の笑顔の理由である。
さて、ミスタービーンは大声でわめいて車道に飛び出す・・そんな私を1度も怒らずに保護し、病気は治ると信じた。私はもう一度生まれてもミスタービーンのようにはなれません。親友・・とはいえ社長とはいえ大尊敬です。だから王様はちゃんとミスタービーンにはご褒美をあげてください。
管野美穂は一連のことを早く忘れて、王様と一緒にハルウララの仕事をしよう、させてもらおうと思います。
ハルウララは、ちゃんと高知へ一時帰郷させて・・・・
王様の参謀長官の角田獣医がそれを望むなら・・・・。
やっぱり私って、馬だったの?!