あまちゃん:じぇじぇじぇの真相

毎日新聞 2013年05月18日 11時31分(最終更新 05月18日 12時52分)

左から、母役の小泉今日子さん、ヒロイン・アキ役の能年玲奈さん、祖母役の宮本信子さん=岩手県久慈市小袖地区で2012年11月1日、安藤いく子撮影
左から、母役の小泉今日子さん、ヒロイン・アキ役の能年玲奈さん、祖母役の宮本信子さん=岩手県久慈市小袖地区で2012年11月1日、安藤いく子撮影
東日本大震災の津波で流された小袖海女センターの仮設事務所前で、記念写真に納まる中川沙耶さん(右から2人目)=岩手県久慈市で、土屋渓撮影
東日本大震災の津波で流された小袖海女センターの仮設事務所前で、記念写真に納まる中川沙耶さん(右から2人目)=岩手県久慈市で、土屋渓撮影

 「じぇじぇじぇ!」。4月から始まったNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の登場人物たちが、驚いた時に使う耳慣れない言葉が人気だ。舞台となる北三陸の方言らしいが、実際に使われているのか。その真相は……。【土屋渓】

 「じぇ」は、ドラマの中で東京からきた高校2年の主人公・天野アキ=能年(のうねん)玲奈さん=らが連発する。ロケ地となった岩手県久慈(くじ)市の海岸に位置する小袖(こそで)地区は、東日本大震災の津波で被害を受けたが、ロケ地効果もあって土日は家族連れなど観光客でにぎわう。

 「方言は恥ずかしいのでみんなあまり使いません。ドラマが始まって気軽にじぇじぇーと出るようになりました」。そう話すのは「小袖北限の海女の会」の会長、大向(おおむかい)広子さん(53)。約190世帯が暮らす小袖だけで使われる方言で、70代以上の高齢者が頻繁に使う。脚本を手がける宮城県栗原市出身の宮藤官九郎さん(42)が取材で訪れ、お年寄りの海女が実際に話すのを聞いて採用したという。

 ドラマでアキは「じぇ」を強い調子で5回も6回も繰り返したりするが、正しくはせいぜい3回まで。「じぇじぇじぇー」と語尾を伸ばして上げるのだとか。

 久慈市観光物産協会の柾木之弥(まさき・ゆきや)さん(52)によると、小袖地区以外では一般的には「じゃ」を使う。県中部から遊びにきた主婦は「小学生の子がまねて『じぇ』を使っています」。兵庫県出身の能年さんも「音の響きが面白い」と普段からよく使う。「ここぞとばかりに『じぇじぇじぇ!』と言ってます。みなさんにも楽しく使ってほしい」。ちまたでは「我が家の流行語になっている」「口癖になりそう」との声が上がっている。

 一方、アキと同じ高校2年で、小袖で実際にウニを取る海女のアルバイトをする本物の“あまちゃん”中川沙耶(さや)さん(16)は「『じぇ』も『じゃ』も使わない。ドラマが始まって学校で使う子もいるけど、私は使わない。聞き取りにくい」。地元の若者には、方言への抵抗感もあるようだ。

 「じぇ」に限らず、「〜してけろ」など方言が多用されているのが「あまちゃん」の特徴。NHKの訓覇(くるべ)圭プロデューサー(45)は「方言の楽しさ、豊かさを表現したいというのが、このドラマの出発点。地元の言葉に極めて近い形にしようと踏ん張っている」と強調する。

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