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最初に、これまでの職歴、現在携わっているお仕事を教えてください。また、杉山さんが現在のお仕事に就く決心をしたのはいつ頃、どんなことがきっかけでしたか? その時のエピソードなどと合わせてお聞かせ下さい。 |
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杉山氏:
1993年に株式会社ヴァンガードを設立して、数多くのゲームに関わってきました。代表的なものとして、通称『GNO』、『GNO2』と呼ばれている『ガンダム ネットワーク オペレーション』シリーズや、ニンテンドーDS向けの『SDガンダム GジェネレーションDS』、ゲームボーイアドバンス向けの『SDガンダム Gジェネレーションアドバンス』、ワンダースワン向けの『SDガンダム Gジェネレーション ギャザービート』シリーズを手がけました。また、携帯電話のコンテンツも幅広く手がけてまして、例えば『GNOモバイル』や『SDガンダム Gジェネレーションi』などがあります。新作は、残念ながら内容をまだお話できないのですが、上記のタイトル同様の「いいゲーム」を開発中です。
ゲーム制作を仕事にしようと決心したのは高校生のときです。当時は、コンピュータゲームといえばパソコン、しかも8bitのものが中心の時代でして、今のゲームとは比べ物にならない性能でした。しかし、荒削りではありましたがとても楽しいゲームも多く、それをプレイしながら、自分もこんなゲームをつくるんだと心に決めていました。ゲームクリエイターに「なれる」とか「なれない」とかではなく、自分はゲームクリエイターに「なるんだ!」と思っていたわけです。で、ゲームクリエイターになりました(笑)。 |
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前回ご登場いただいた、宮崎さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。 |
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杉山氏:
宮崎さんとは、私がヴァンガードを設立する前、フリーのゲームクリエイターをやっていたときにお会いいたしまして、ファミコン向けのゲームソフトを一緒に作りました。宮崎さんから会社の設立や経営のアドバイスをいただいて、なんとかヴァンガードを設立したのですが、なんと初仕事までお世話になってしまいました。ヴァンガードの初受注は、宮崎社長のビッツラボラトリー社からの『愛・超兄貴』制作なのです。とても感謝しています。 |
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これまで、自分の仕事に影響を与えた出来事、大きな転機となった出来事などはありましたでしょうか。これまでのお仕事の中で、“これは良い”と感じたアイディアが浮かんだ瞬間は、どんなときでしたか? |
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杉山氏:
やはり、大きな転機となったのは会社設立ですね。いいゲームをつくるためには、「実績を積むこと」と「優秀な開発の仲間をもつこと」がとても重要だと思っています。フリーのクリエイターを数年する中で、実績の蓄積と仲間の維持がとても難しいと感じました。ですので、自ら社長になり会社という形というか器を作って、それを年々拡大していく。経験をそこに蓄積して、いい仲間を集めていくわけです。会社を経営することは、より多くの責任を持つことにもなるのですが、それだけに、自らの意思が反映でき、次のいいゲーム開発につながるようになるのだと思います。
アイディアはいつでもどこでも考えることが自分の習慣になっています。特に製作サイドが、思慮を重ねて巧妙にアイデアを盛り込んで作られている作品を見たときに、アイディアのヒントをもらうことが多いです。参考にした例としては、米国ではプロスポーツを題材に「ファンタジーゲーム」というものが盛んに行われているのですが、これは既存のプロ選手の中でお気に入りの選手を集めて「マイチーム」をつくり、実際の活躍成績によって勝ち負けをつけるゲームなのです。自分の好きな選手でマイチームをつくることにもワクワクするし、試合結果を待っているときにもドキドキする。こんな風にマイチームを作り、そして結果を待つのは楽しいものなんだな、と解りました。これが、『GNO』での部隊編成とランキングの基本コンセプトになっています。 |
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これまで杉山さんが携わってきた作品の中で、特に思い入れが深い作品をいくつか挙げてください。それでは、自分がプレイしたことのあるゲームの中で、「名作」と呼ぶべきゲーム作品を1タイトル挙げるとすれば何ですか? |
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「こんなゲームをつくりたい」「こんなゲームで遊んでみたい」など、今後のゲーム・エンタテイメント業界におけるご自身の展望や、業界全体への希望などをお聞かせ下さい。そして最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、作品作りにおいて一番大切だと思うこと、作品を世に送り出すにあたって心がけていることをお聞かせ下さい。 |
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杉山氏:
時間的な制約や負担が少なく、オンラインゲームの楽しみが大いに享受できるゲームをつくりたいですね。
他のユーザーとのコミュニケーションがあるオンラインゲームは、新たな可能性に満ちていると思います。同時に現代はとても忙しい時代です。子供や学生であっても、社会人であっても、生活し社会的に評価されるためには多くの時間を費やさなくてはなりません。結果、なかなかゲームで遊ぶ時間がとれない。一生懸命作った作品でも、楽しむ時間がないのです。私も皆さん同様忙しく、なかなか以前ほどゲームがやれないのですが、そんなゲームなら私も楽しめますから(笑)。
次にくるアイテムやサービスが何か、ということにも非常に興味があります。ファミコン、携帯電話、i Podなどは、我々の生活を変えるインパクトがあったアイテムです。また、自分がそのようなアイテムを作り出すことに挑戦したいとも思います。ソフト開発にたずさわる身ですから、現状、ハードが関係する開発についてはやや縁遠いのですが、ハード系とのコラボレーションにもとても魅力を感じます。チャレンジしてみたいですね。
ゲーム開発で常に心がけていることは「ユーザー中心」と「オリジナリティ」です。この2つを備えることがもっとも大事だと思っています。「ユーザー中心」は、あくまでゲームはユーザーに楽しんでもらうことが目的であるということ。自分がツマラナイと思うものは作ってはいけませんが、それ以上に常にプレイしてくれるお客様のことを第一に考えて開発をすることが重要なのです。「オリジナリティ」はその作品の存在意義に関わります。オリジナリティがないということは、似たようなゲームがあるということで、わざわざ開発する意味はないわけです。
新作でも、この2点をしっかり踏まえて開発を進めています。どんな作品なのかお話できないのが本当に残念なのですが、是非、期待していてください! |
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プレイする人のことを第一に考え、他のタイトルとは違うオリジナリティを持った作品を作ることが大切とおっしゃる杉山さん。確かに、作った自分だけが納得できても、プレイするユーザーが楽しめないタイトルではただの独りよがりになってしまいますし、オリジナリティが無ければ、“○○みたいな”作品になってしまうでしょう。杉山さんの新作はどのようなタイトルなのでしょうか? 発表が待ち遠しいですね。まだまだたくさんのお話をお伺いしたいところですが今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。 |
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杉山氏:
工画堂スタジオの谷逸平社長をご紹介します。PCゲームソフト制作の大先輩であります。谷さんと懇意にさせていただいてから、幅広いゲーム業界関係の方々を紹介いただいて、たくさんの方と懇意になることができました。とても感謝しています。これからもPCゲームを一緒に盛り上げていきたいです。 |
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『蒼い空のネオスフィア』、『パワードール』シリーズなどの作品を生み出してきた工画堂・谷さん。一体、どのようなお話をおうかがいできるのでしょうか? 次回もお楽しみに。それでは杉山さん、今回は本当にありがとうございました。 |