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食品と放射性物質 全国の小中高で授業 消費者庁など検討

 東京電力福島第一原発事故を受け、消費者庁と文部科学省は全国の小中学校と高校を対象に、食品と放射性物質に関する授業を導入する方向で検討に入った。食品中の放射性物質のリスクを正しく伝え、本県農産物の風評払拭(ふっしょく)につなげる。消費者教育の一環として、社会科や家庭科などで取り上げることを想定しており、来春にも始まる見通しだ。近く閣議決定する消費者教育の推進に関する基本方針に盛り込む。
 食品の放射性物質の検査方法と、放射性物質の濃度による健康への影響、昨年4月に厳格化された食品衛生法の基準値、風評被害にあえぐ本県の現状などを教える。これから消費者として農産物などを購入する機会が増える若い世代に、放射性物質に対する正しい知識を身に付けさせ、適切な判断力を養う。
 具体的な教育手法は各校ごとに決めるが、消費者庁などは悪質商法やクーリングオフの方法などを学ぶ消費者教育に取り入れるほか、課外授業などで親子で一緒に学ぶことなどを想定している。本県の放射線教育を先進事例として指導法に生かすことも検討する。
 基本方針では、平成25年度から向こう5年間の消費者教育の方向性、推進内容などを示す。ただ、強制力を持たないため、授業を実施するかどうかは各学校の判断になり、教育関係者に理解を求めていくことが課題になる。さらに、放射線の健康影響を児童生徒に伝える教員の指導力向上も欠かせない。消費者庁は「多くの子どもに学んでもらえるよう、各教委などに働き掛けていく」としている。県農林水産部は「子どものうちに正しい知識を学ぶ意義は大きい。風評払拭につながる」と期待している。
 県教委は25年度からの県総合教育計画で公立小中学校全校での放射線教育の実施を掲げている。独自に作成した指導資料には放射線の基礎知識に加え、食品の放射性物質の検査状況なども盛り込んでいる。

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