10年前より平均身長が低くなった韓国人、その理由とは

原因は肥満とダイエット

■平均身長が低くなる理由

(1)「 太るのが怖い」、食事量を制限

 韓国人は長身と共に肥満という特徴を同時に獲得した。「身長の限界」に達した状態では、「肉類」を毎日食べたところで、それ以上は身長が伸びず、逆に太るだけになってしまう。太ることに対する恐怖心が拡大したことで、「ずうたいのデカい美男子」への憧れはかき消された。代わりに、スマートな体型が好まれるようになった。栄養を摂取しても身長の伸びにはつながらなくなったため、肥満人口も増加した。保健福祉部(省に相当)によると、青少年に占める肥満の割合は1980年代に2%だったが、97年に6%、2007年には11%と大幅に増加した。

 2000年代に入ると、「怠け者に見える」「動きが鈍い」といった、太っている人に対する否定的なイメージを嫌う欲求が、社会的なダイエットブームを呼び起こした。ダイエットの必要がない人までが、ダイエットに没頭するようになったのだ。

 歌手RAIN(ピ)のように割れた腹筋「シックスパック」の全盛期は、2000年代後半には幕を閉じた。これに代わって、細身で女性を思わせるような外見を誇るチャン・グンソクのような「美しい芸能人」が脚光を浴びるようになった。日本の「成長」が止まった1990年代に「男性らしさにとらわれない若い男性」を意味する「草食男子」が登場したのとよく似ている。「上着を脱ぎ捨てるヒョンビン」の時代から「守ってあげたいテミン(SHINeeのメンバー)」の時代へと変化したのだ。コーロンFnCマーケティングチームのヤン・ムニョン次長は「どのブランドも最近ではぴったりとフィットする『スリム』が流行している。特に20-30代をターゲットにしたブランドは、体にフィットする細身の服をこぞってデザインしている」と話す。

 「スリム」が美しさの条件とされるようになると、母親たちの食卓での小言は「たくさん食べなさい」から「そのぐらいでやめなさい」に変わった。子どもたちは子どもたちなりに、憧れる芸能人を見てダイエットに夢中になる。淑明女子大学食品栄養学科のイ・ジョンウン教授は「減量の必要がない正常値の青少年が無理なダイエットに走ると『自発的低栄養状態による低成長』を招く恐れがある」と警告する。

オム・ボウン記者
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