(2)栄養過多で成長が早く止まる
これとは反対に、栄養を必要以上に取り過ぎることで成長板(骨の両端の骨が成長する部分)が早く閉じるようになってしまったと説明する専門家もいる。江南セブランス病院小児青少年科のチェ・ヒョヌク教授は「カロリーの取り過ぎは性ホルモンの分泌を促進する。性ホルモンが多く分泌されれば、初潮が早まるなど第2次性徴が早く現れる」という。これまでに比べて早く「大人」になることで、成長が早い段階で止まってしまうというわけだ。
技術標準院が5-7年ごとに発表している標準韓国人資料(19歳の男性基準)によると、1997年から2004年にかけて韓国人の体重は身長よりもはるかに早いペースで増えていった。この期間、韓国人の身長は1.8センチ高くなったが、体重は4.2キロも増えた。平均身長が限界に達した2003年までの時期に、体重の急増が発生したというわけだ。ソウル牙山病院医学遺伝学センターのユ・ハヌク所長は「成長の余力が残っている時期はたくさん食べることで成長が促進される。しかし、今の韓国のように成長の限界に達した状態では、食べ物の摂取量を調節することが性早熟症を防止し、成長をむしろ助けることにつながる」と説明する。
(3)過度な競争社会、睡眠・運動が不足
背を高くするために重要なことは、運動と睡眠だ。ところが、勉強という過度な競争社会を生きる韓国人の子どもたちは、より一層睡眠時間が短縮され、より一層運動できなくなっている。青少年の睡眠時間は10年前に比べて短くなっている。1992年に8時間48分だった小学生の睡眠時間は、2009年には8時間38分に減ってしまった。同期間に中学生の睡眠時間も7時間48分から7時間38分に減少した。「背を高くしたい」という側面から見れば、深刻な改悪現象だ。米国睡眠財団が勧める1日の適正睡眠時間は8時間30分だ。今年4月に行われたソウル市の調査によると、高校生の実際の平均睡眠時間は6時間12分にすぎない。また、運動量も不足している。韓国青少年政策研究院の調査結果では、小学5、6年生と中高生の3分の1が「1週間の運動時間は30分以下」と回答した。
江南セブランス病院小児青少年科のチェ・ヒョヌク教授は「背を高くするためにはそれを妨げる要素があってはならない。成長期に十分な運動時間と睡眠時間が確保されなければ、栄養状態がいくら良かったとしても、十分な身長まで到達できない可能性がある」と話した。