ガルパン:3分で分かる人気の理由
2013年06月09日
「ガルパン」という作品をご存じだろうか? 正式タイトルは「ガールズ&パンツァー(ガルパン)」で、美少女たちが戦車に乗り込み、戦車同士の戦いを繰り広げるというテレビアニメだ。12年10〜12月と13年3月に放送されるとたちまち人気となり、舞台となった茨城県大洗町に多くのファンが訪れる“聖地巡礼”現象も起こっている。さらに5月27日付のオリコン週間DVDランキングではコラボレートした自衛隊の教養DVDが発売初週で1万5000枚を売り上げ、総合首位に輝いた。同作の魅力を解説する。(毎日新聞デジタル)
◇乙女のたしなみ「戦車道」
タイトルの「ガールズ&パンツァー」の「パンツァー(panzer)」とは英語で「戦車」を意味する。かつてはドイツ語で鎧(よろい)や装甲を意味していたが、いまは「戦車」そのものを意味する言葉となった。
「ガルパン」の舞台は、華道や茶道などと同じく、戦車を扱う「戦車道」が「乙女のたしなみ」として存在する世界。転校生の少女・西住みほが、友人たちとともに、戦車チームを組んで学校ごとに戦い、全国大会優勝を目指すという内容だ。
そして、みほが戦車道のエリートである「西住流」の出身で、家を飛び出して転校してきたこと、全国大会に優勝しないと母校が廃校になることが明らかとなり、最後は姉が率いる名門校と激突。圧倒的不利な戦力で、強大な敵に立ち向かうシーンが圧巻だ。いわゆる原作のマンガやアニメがないオリジナル作品となる。
◇ギャップが魅力 スポ根要素も
作品の魅力は、愛らしい少女たちの学園生活シーンと重厚な戦車を扱うというギャップにある。特に戦車の動きはリアルで凝っており、大きなエンジン音や車両の揺れ具合、砲塔の回転などにも重みを感じさせ、人気を呼んでいる。
またスポ根要素にも注目だ。主人公の学校は、予算不足のためルール上定められた最大限の戦車の数を集められず、ハンディーを抱えて大会に挑む。劣勢の中、車長が一発逆転の作戦を考え、操縦手が見事な運転技術を披露、砲手が一発で敵を撃破して逆転勝利を飾るなど、一糸乱れぬチークワークには引き込まれるものがある。
むろん戦車は被弾しても人が死ぬことはなく、戦闘不能になると戦車の上に白旗が上がって負けとなる。つまり、部活動のノリに近く、友情、努力、勝利の3要素も盛り込まれているスポ根の王道を行っている。