■コンピュータの構成
コンピュータは、中央処理装置(CPU: Central Processing Unit)、
主記憶装置(Main Memory、単にメモリと呼ばれることがある)、補助記憶装置(HDD: Hard Disk Driveなど)、
および、キーボードやディスプレイ等の入出力装置が、バス(Bus)と
呼ばれる情報伝達路で結ばれている(図1)。
図1 コンピュータの構成
- 主記憶装置: プログラムやデータを置いておく場所.
50〜60 nsec 程度の高速な読み書きが可能であるが、CPUの
処理速度に比べると遅い。
電源を切ると記憶内容が失われる(揮発性メモリ)。
- CPU: 主記憶装置上に置かれたプログラム(命令の集まり)を
バスを経由して順次読み込み、高速(1nsec(10億分の1秒)/命令
程度)に実行する.
★CPUの動作の詳細はこちら★
- 補助記憶装置: プログラムやデータの永続的な保管場所.
読み出し/書き込みの速度は主記憶装置に比べるとはるかに遅いが、
電源を切っても、記憶内容は保持される(不揮発性メモリ)。
- その他,キーボードやマウスなどの入力装置,ディスプレイや
プリンタなどの出力装置などもバスに接続される.
■プログラムの実行
Q: 文書ファイルのアイコンをダブルクリックしたとき,
コンピュータの内部で何が起きているのかを考えてみよう.
Q: ワープロを使い終わったとき,通常,文書を「保存」する.
このとき,コンピュータの内部では何が起きているか.
図2 メモリの状態
- 文書ファイルをダブルクリックすると:
オペレーティングシステム(OS: Operating System)が
ディスク上にあるワープロのプログラムをメモリ上に
コピー(ロード)する.
- 次にワープロのプログラムを実行し,アイコンで示された
文書ファイルをメモリ上にコピー(ロード)する.
- 以後,ワープロのプログラムは,キーボードから入力された
文字列をメモリ上の文書ファイルに追加するなど,利用者からの
指示に従って,メモリ上で文書の編集を行う.
- ワープロで「保存」メニューを実行したとき,
ワープロのプログラムは,メモリ上の編集中の文書を
ディスク上のファイルとして保存する.
「保存」せずにワープロを終了してしまうと,編集内容
はファイルに反映されない.
■オペレーティングシステムの役割
- メモリ領域の管理:
メモリのどの部分が何に使われているか?
メモリのどの部分が未使用であるか?など
- ディスクの管理:
ディスク領域をファイルとして扱えるように管理している.
どのファイルをどこに置くのか?
ファイルの所有者はだれか?
★ファイルシステムを調べてみよう
- 入出力装置の管理:
キーボードからの入力,プリンタへの出力など.
プログラムに対して抽象化した入出力を提供する.
(ハードウェアの違いを吸収)
- プロセスの管理:
複数のプログラムが並行して動作可能である.
次にどのプログラムを動かすべきかを決める.
★どんなプログラムが動いているか調べてみよう.
<<まとめ>>
ハードウェア,OS,アプリケーションプログラムの関係を図3
に示す.
図3 コンピュータのソフトウェア階層
■代表的なオペレーティングシステム
- Windows (3.1, 95, 98, ME, 2000, 2003, XP, Vista, 7):
最も普及しているパソコン用のOS.
主にIntel系のマイクロプロセッサ(CPU)上で動作.
- UNIX (Mac OS X(Apple), Linux, FreeBSD, Solaris(Sun Microsystems))
米国AT&Tで開発されたOSで,様々なコンピュータ上で動作する.
その多くはソースコードが入手可能なこともあり,計算機科学の研究の多くは
UNIX上で行われてきた(Internetを含む).
携帯電話会社のサーバはすべてUNIX.
インターネットプロバイダのサーバもほとんどUNIX.