県調査の鉄軌道ルート、3案提示

県が検討する鉄軌道ルート

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2013年6月7日 09時51分
(47時間49分前に更新)

 沖縄本島への鉄軌道導入を目指し県が2012年度実施した「実現化戦略調査」結果が、6日までにまとまった。那覇空港から沖縄市などを経由し、名護市まで13の拠点駅を置く総路線延長約69キロのルートを検討。建設費を概算で5600億円と積算した。県が鉄軌道実現へ向けて具体的なルート案と建設費を示すのは初めて。インフラ部分を全額、国などが負担し運行事業者は運行に専念する「上下分離方式」を採用すれば運輸収入で経費をまかなえ、単年度黒字化は可能と試算した。

 始発の那覇空港から沖縄市まで約24分、終点の名護市まで約58分で結ぶ。県は同ルートでA案、B案、C案を柱として示した。

 実現すれば、工事着手まで10年から15年、工事期間は約10年とされ、開通は最短で2033年ごろとなる見通し。

 米軍普天間飛行場の返還を見据え、同跡地も通り、基地でゆがめられた交通網の南北骨格軸を形成。鉄軌道の駅を拠点に新たに路面系のLRTを導入、バスなどとの連携による総合的な交通体系の構築を目指す。

 市街地部は連続的な用地確保(買収)が困難なため国道上へ高架橋を建設することや地下の利用も検討。総延長の71%がトンネルとなり、16%が高架橋となる。

 小型車輪とリニアモーターを組み合わせた小型鉄道を想定。最高時速100キロ、将来の輸送ニーズ増加を見越して4両編成とした。

 1日の利用客数を一般・観光客合わせ3万2千人~4万3千人と試算。利用が3万2千人にとどまった場合は毎年約8・7億円の赤字、4万3千人だと9・8億円の黒字と見込んだ。

 運行事業者が車両を購入し保有する場合でも、1日4万人程度の需要があれば、数年で単年度黒字化が可能と試算している。

 路線全区間の整備を前提としながらも、人口が多く採算が比較的取りやすい那覇-中部の一部区間を先行的に開業することも検討する。県が約4600万円をかけて調査した。

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