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ミャンマー「観光を1兆円産業に」 同国政府が方針

2013/6/7 22:06
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 ミャンマーの首都ネピドーで7日まで開かれた世界経済フォーラム東アジア会議は、同国の持続可能な発展に向け意見が交わされた。政府は主要産業の観光分野で、2020年までに7倍の年750万人の観光客を誘致し、1兆円産業を目指す基本計画を発表。豊富な自国産天然ガスの活用では、輸出偏重を見直して国内向け供給を優先する方針を表明した。

 テイン・セイン大統領は昨年6月、民主化に続き経済発展と国民生活向上に取り組むと表明。年率7.7%の経済成長を通じ、現在26%の貧困率を16%に引き下げ、25%の電力普及率は75%へ高める目標を打ち出した。

 同国は低コストの生産基地や潜在市場として期待されるが、外資の視線はヤンゴンなど大都市に集中。国民の7割が住む地方農村へ発展の恩恵を及ぼす、仏教寺院や天然ガスなどの「資源」を有する観光、エネルギーの両分野がカギを握る。

 このため政府はアジア開発銀行(ADB)、世界最大のコンサルティング会社アクセンチュアなどの協力を得て、両分野の開発に向けた基本計画や報告書を作成した。

 観光の基本計画は12年に106万人だった観光客数の大幅増で、20年の関連収入は19倍の102億ドル(約1兆円)、就業者数は5倍の149万人に達すると予測した。

 「以前は外国人の立ち入りを制限した地方の訪問を解禁し、観光客に魅力が増した」。テイ・アウン・ホテル観光相は民主化改革の成果を強調しつつ「社会に対する負の影響は抑える」と語った。

 ヤンゴンはホテル不足で宿泊費が高騰。地方でも環境や少数民族の生活を脅かす乱開発が懸念される。計画には国際空港の拡張、河川埠頭の整備など38のインフラ事業への5億ドルの投資計画を盛り込んだ。

 一方、エネルギー分野では、電力需要が年率12%のペースで増加すると予測。ただ季節に左右される水力発電への依存度が7割と高く、5年ごとに発電能力を倍増させても需要増に追いつくのが精いっぱいと指摘した。

 対策として発電・送配電設備の増強投資に加え、埋蔵量豊富な天然ガスの活用を目指す。米欧の経済制裁下の旧軍事政権時代は、外貨獲得のため隣国のタイへ輸出してきた。ティン・アウン副エネルギー相は「今後はまず国内向けに使い、余剰分を輸出する」と戦略転換を説明。外資企業に開発権益を与える際にも「(国内供給義務を)契約に明記する」と述べた。

 東アジア会議に参加した大手企業トップからは「タイと並ぶ東南アジアの農業ビジネスのハブになり得る」(米飲料大手ペプシコのインドラ・ノーイ会長)、「観光振興には現金の引き出しや両替など金融分野の環境整備を急がないと」(エアアジアのトニー・フェルナンデス最高経営責任者)などミャンマーへの期待や注文が相次いだ。(ネピドー=高橋徹)

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テイン・セイン、トニー・フェルナンデス、インドラ・ノーイ、エネルギー、アクセンチュア

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