除染:福島県内で放射線量25%減 環境省追跡調査
毎日新聞 2013年06月07日 21時05分(最終更新 06月07日 22時21分)
環境省は7日、東京電力福島第1原発事故を受け、福島県を除く東北、関東の7県の住宅で今年3月までに除染を終えたのは4分の1にとどまるなどとした進捗状況を発表した。また、福島県内の除染モデル事業地区での1年以上追跡した放射線量が初めて公表され、平均25%減ったことを明らかにした。
政府は、福島県を除く東北・関東の7県で、国の財政支援で除染する「汚染状況重点調査地域」(58市町村)を定め、進捗状況を定期的に集計している。
3回目となる今回は、3月末時点の分析で、学校・保育園の98%、公園・スポーツ施設の80%でそれぞれ除染作業が完了した。しかし、住宅での除染は昨年12月から約1万戸多い3万4500戸まで進んだが、希望者が増えたため、予定数13万8700戸の4分の1にとどまっている。また、生活圏に近い森林の除染は、市町村の計画見直しで予定面積が減ったが、進捗率は1%という。
一方、追跡調査は、地元の了解が得られた福島県内の14地区(8市町村)で実施した。
その結果、2011年末の除染によって放射線量は実施前に比べ平均60%減少した。さらに、昨年10月には11年末と比べて同19%、今年3月に同25%それぞれ減ったことが分かった。放射性セシウムの自然減衰や雨などによる流出が原因という。地区内では昨年10月と今年3月に線量が上がった一角もあるが、環境省は「全体として除染効果は維持されている」としている。【阿部周一】