民事再生:広島県農林振興センターが申し立て
毎日新聞 2013年06月03日 19時17分
広島県が全額出資している財団法人「広島県農林振興センター」(小原辰男理事長)は3日、広島地裁に民事再生手続きの開始を申し立てた。負債総額は約468億円。県はこのうち333億円の債権を放棄する。事業は県が引き継ぐ。
同センターは1965年設立の県造林公社が前身。地権者と契約を結んだ山で育てた木材を販売し、収益を配分する「分収造林事業」を手がけた。しかし、国産木材価格の低迷で収益が悪化。県は債務返済のめどがたたなくなったとして昨年12月に同センターの解散を決めていた。
再生計画案などによると、県が放棄する債権以外の負債約135億円のうち、6億円分はセンターが県に森林資源で代物弁済する。残りの129億円は日本政策金融公庫からの借入金で、うち127億円は県が第三セクター等改革推進債(三セク債)を使って損失補償し、2億円はセンターの資産で返済する。
県は今後、販売力の向上やコスト削減などによって、事業の収益を改善させるとしている。湯崎英彦知事は「適切な森林管理と徹底した収支改善に最大限取り組む」とコメントした。【中里顕】