◆中区の６０代が３８００万円被害

　横浜市中区に住む６０代の女性が５日、息子を装った男らに現金３８００万円をだまし取られた、と１１０番通報した。山手署が手渡し型の「振り込め詐欺」事件として調べている。

　同署によると、同日午前１１時半ごろ、女性宅に息子を装った男から「小切手入りのかばんを盗まれた。『中野の遺失物係』から連絡があったら知らせてほしい」と電話があった。その後、遺失物係を名乗る男から連絡があり、かばんの持ち主との関係のほか、女性の氏名や住所などを聞かれた。

　直後に、再び息子を装った男が電話で「金を貸してほしい」と依頼。女性は自宅に保管していた現金３８００万円を紙袋に入れ、息子の部下を装って訪問した男に渡した。

　その後、息子から連絡がなかったことから不審に思い、女性が自ら通報した。

　同署によると、現金を受け取りに来た男は２０代後半くらいで、黒色の上下のスーツを着ていた。

　県内では３月、川崎市川崎区で４５００万円をだまし取られる振り込め詐欺事件が起きている。

◆金沢区では８００万円
　
　横浜市金沢区の男性が５日、息子を装った男らに現金８００万円をだまし取られた、と１１０番通報した。金沢署は手渡し型の「振り込め詐欺」事件として調べている。

　同署によると、同日午前９時半ごろ、男性宅に息子を装った男から「電車にかばんを忘れた」と電話があり、１時間半後に「下請け会社に払う金が入金された通帳が入っている。８００万円貸してほしい」と２度目の電話があった。午後０時半ごろ、訪ねてきた息子の会社の後輩を名乗る男に現金を手渡したという。

　同署の調べでは、息子を装った２回の電話の間には「東京駅忘れ物管理センター」の係員を名乗る男から「かばんが届いている」との電話があった。紛失を信用させる手口だったとみられ、男性は息子が帰宅した後にだまされたことに気付いたという。

　金沢区では同日、同様の手口で女性が８００万円をだまし取られており、同署は同一犯とみて捜査するとともに、注意を呼び掛けている。