厚生労働省は5日、2012年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むとされる子供の数)が前年を0.02ポイント上回る1.41だったと発表した。上昇は2年ぶりで、1.4台の回復は1996年以来16年ぶり。30歳代の出生率が伸びたためで底打ちが鮮明となった。一方、出生数は過去最少で、人口減は続く。結婚や子育てを促す施策が求められる。
合計特殊出生率を押し上げたのは、第2次ベビーブーム期(71~74年生まれ)世代の「団塊ジュニア」に連なり、人口構成比の大きい30歳代の出産が増えているからだ。12年の出生率を年齢別でみると30歳代の上昇幅が大きく、10歳代と20歳代で低下した分を補った。40歳代も増えた。
出生率は80年代半ばの1.8台から、バブル崩壊を経て急速に低下。05年に過去最低の1.26となった。高学歴化に加え、経済低迷による先行き不安で、団塊ジュニアらが20歳代での結婚・出産をためらったのが大きい。
その団塊ジュニアらが30歳代半ばを迎えた06年以降、出生率はプラス基調に転じた。人口構成でボリュームの大きな層が結婚や出産のタイムリミットを意識した結果だ。
12年の平均初婚年齢は男性が30.8歳、女性が29.2歳。過去20年間で2~3歳上昇し「晩婚化」が進んだ。第1子出産時の母親の平均年齢は30.3歳で過去最高となり、「晩産化」も進んでいる。第1子の出生率は下がったが、30歳代の母親が再び産んで第2子や第3子以上の出生率は伸びている。
ただ、30歳代による押し上げ効果はいつまでも続かない。国内で生まれた赤ちゃんの数を示す出生数が、厳しい現実を示す。12年は103万7101人で、前年より1万3705人減少。2年連続で減った。一方死亡数は、戦後統計を取り始めた47年以降で最多の125万6254人。出生数と死亡数を差し引くと、6年連続の自然減だ。
合計特殊出生率が上昇したといっても、1.41は「人口を維持するためにはまったく高くない水準」(厚労省幹部)。他の先進国の11年の出生率をみれば、フランスが2.01、英国が1.96、米国が1.89といずれも高い。人口減に歯止めをかけるには、30歳代の働きながらの子育て環境を整えるだけでなく、低迷したままの20歳代の出生率も上向くような環境づくりが重要になる。
厚生労働省、出生数
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