韓国政府は7日「原発関連汚職総合対策」を発表した。原発部品の試験結果報告書の偽造により3基の原発が稼働を中断してから10日。この種の原発汚職対策は今年に入ってからすでに2回目で、昨年から数えると5回目になる。そのため政策の実効性に疑問を投げ掛ける声も根強い。
チョン・ホンウォン首相はこの日、ソウル市中心部の政府中央庁舎で上記の汚職再発防止策を発表する際「『原発汚職との戦争』という強い意志を持って原発産業の構造的汚職を撃破したい」と述べた。チョン首相はさらに「原子力安全委員会は近く、現在稼働中あるいは建設中の原発28基全てを対象に、ここ10年間の(部品)検査報告書12万件を全数調査し、(報告書の)真偽をはっきりとさせたい」と意欲を示した。
互いの利害関係が複雑に絡み合った原発関連機関の構造的な汚職について、今回はこれを阻止する対策も同時に発表した。チョン首相は「韓国水力原子力と(原発部品)検証機関の退職者が部品メーカーや関連会社に再就職することを禁止し、退職者を活用した入札への参加も制限する」と述べた。さらに「既存の試験機関による検査結果を国立機関が再検証する『ダブルチェック制度』も導入したい」とも表明した。
しかし政府が提示したこれらの対策が効果を発揮するかは未知数だ。昨年以降、原発汚職や事故が表面化するたびにさまざまな対策が発表されてきたが、どれもこれといった効果を出していないからだ。これまで政府が発表した対策には例えば昨年3月の原子力安全委員会による安全改善対策をはじめとして、原発運営改善総合対策(昨年4月)、韓国水力原子力刷新対策(昨年7月)、原発産業の根本的体質改善・革新案(今年1月)などがあるが、業界関係者の間からは「原発業界の長い病弊に改善は見られない」との声が上がっている。
これらの対策はいずれも「その場しのぎ」的なものばかりで、根本的な汚職構造そのものにメスを入れられなかったとの指摘もある。また「わずか2-3カ月の短い期間に12万件以上といわれる報告書の全数調査が本当にできるのか」という疑問の声も出ている。