(cache) 県立３高校が公費をＰＴＡ会費で補填

県立３高校が公費をＰＴＡ会費で補填

　和歌山県和歌山市内の県立高校３校で、ＰＴＡ会費など保護者徴収金が学校の修繕費や臨時職員の給与の一部に使われていたことが21日までに分かった。昨年９月、県監査委員の指摘を受けていたが、公表していなかった。県監査委員はＰＴＡ会費について統一的な取り扱い基準を検討すべきだとしている。県教委は「違法ではないが、実態把握に向けて調査に取り組む」と話している。

　２０１０年度の県歳入歳出に対する定例監査で昨年９月に県監査委員が指摘した。指摘を受けたのは星林と和歌山西、和歌山北の３校で、星林では臨時職員の給与の一部、和歌山北では寄宿舎の配水管の修繕費が公費以外で支払われていた。和歌山西では新入生から集めているＰＴＡ振興費の入学協力金の使い方に問題があるとしている。

　県監査委員はＰＴＡ会費について、県教委が使途や管理などについて取り扱い基準の策定を検討すべきだとしており、県教委は事務長会を開いて検討を進めている。一方、他学校の現状については現時点では把握していないという。

　県教委によると、ＰＴＡ会費は各ＰＴＡごとに管理している。一般的に見守り活動など健全育成に関連した取り組みや、学校と連携した研修会の開催費などに使われている。

　県教委は県立学校の修繕費について、一般的に県費で支払われていると説明。監査委員の指摘については、生徒の活動に関連した使い方であり違法性はないとした上で、ＰＴＡ会費の適正な使用方法について検討したいとしている。

　仁坂吉伸知事は、同日の定例記者会見で「公私混同だ。過去の慣例なのだろうが、どこまでをＰＴＡの会費で賄うかなどをきちんと決め、正すべきだ」と話した。

(2012年03月21日更新)