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三菱重工、米原発で破損した蒸気発生器の問題を事前に認識

2013年 03月 11日 13:51 JST
 
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[ヒューストン 8日 ロイター] 米カリフォルニア州サンオノフレ原発で三菱重工(7011.T: 株価, ニュース, レポート)が製造した蒸気発生器の配管に破損が見つかり、昨年1月から運転を停止している問題で、同原発を所有する米電力会社サザン・カリフォルニア・エジソン(SCE)は8日、両社ともに蒸気発生器の設計上の問題を事前に認識していたとする三菱重工の指摘に異議を唱えた。

サンオノフレ原発2号機と3号機の蒸気発生器は2010年と11年に交換された。

米原子力規制委員会(NRC)は8日、三菱重工が提出した原因分析報告書を公表。報告書は、SCEと三菱重工の設計チームが、交換用の蒸気発生器の配管の設計が従来の設計では想定されなかった問題を引き起こすと認識していたと指摘。また、この問題に対処するためのさらなる設計変更がなされなかった一因に、設計変更により、NRCなどによる追加審査を伴う「認可修正手続き」が必要になる可能性があったことを挙げた。

これとは別に、三菱重工は、同社とSCEが「振動による配管の摩耗を最小化することを最優先していた」ことを報告書は示していると述べた。

一方、SCEの原子力部門最高責任者ピート・ディートリヒ氏は、三菱重工は「設計の有効性についてSCEに繰り返し説明した」と主張。三菱重工が想定した問題が蒸気発生器の配管の破損につながる可能性があることはSCEにはまったく伝えられていなかった、と述べた。

SCEはまた、NRCによる追加審査が必要になることを理由に問題解消のための設計変更を拒否していないと主張した。

民主党のバーバラ・ボクサー上院議員(カリフォルニア州)とエドワード・マーキー下院議員(マサチューセッツ州)は、三菱重工の報告を受け、サンオノフレ原発の2・3号機の再稼働が認められる前にNRCによる本格的な調査が必要との認識を示した。

ボクサー議員は声明で「NRCが、SCEがサンオノフレ原発の設備管理上の法的責務を完全に果たしているかどうかについて、包括的な調査を完了することが重要だ」とし、「2・3号機の再稼働が安全かどうかの決定において、本格的な調査が不可欠だ」と述べた。

SCEはカリフォルニア州の電力会社エジソン・インターナショナル(EIX.N: 株価, 企業情報, レポート)の傘下にある。サンオノフレ原発はカリフォルニア州最大の原発。

 
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