原発が再稼働すれば何てことない:九電相談役が発言撤回

毎日新聞 2013年06月08日 09時35分(最終更新 06月08日 09時48分)

松尾新吾相談役=福岡市中央区で、津村豊和撮影
松尾新吾相談役=福岡市中央区で、津村豊和撮影

 九州電力相談役の松尾新吾・九州経済連合会名誉会長の「原発が再稼働すれば何てことない」という発言を巡り、福岡、佐賀両県議会に反発が広がっている問題で、福岡県議会の松尾統章議長は7日、松尾氏から発言撤回と謝罪の文書が届いたことを明らかにし、謝罪を受け入れることを表明した。しかし、佐賀県議会に文書は届いておらず、議会運営委員会は同日、発言への抗議決議を6月定例会に提案することを申し合わせた。

 松尾議長は7日に記者会見し、松尾氏の文書が「発言の一部で表現に配慮が足りないところがあり、福岡県、県議会、県民に不快の念を抱かせたことは本意ではなく申し訳なく思う。おわびするとともに一連の発言を取り下げたい」という内容だったことを説明。同県議会では発言への抗議の動きがあったが、松尾議長は「松尾氏に自らの立場と責任を自覚した行動と配慮を強く求め、謝罪を受け入れる」とした。

 一方、佐賀県議会議運理事会は7日に開かれ、終了後、藤木卓一郎委員長は報道陣に「(松尾氏の)発言に県議会として憤っており、11日の本会議冒頭で決議する」と述べた。今後、決議文の内容を協議する。

 松尾氏は5月29日、佐賀県の九州国際重粒子線がん治療センター開設の記念式典であいさつ。その際、センターへの九電の寄付金が30億円以上滞っていることに対し「原発が再稼働すれば何てことない」などと発言した。

 福岡県はセンターに約6億円の補助金を出しており、原発再稼働には県民から賛否の声が上がっている。このため福岡県議会は「他県の施設への補助金に異論がある中、苦渋の決断で支出を決めたのに、福岡県や県民への侮辱で、軽率な発言」と反発していた。

 佐賀県議会では、九電による「やらせメール」問題の審議が今も続くため、玄海原発(同県玄海町)の再稼働を議論する段階ではない。このため議会で不満の声が上がり、九電副社長らが3日に県議会を訪ね、「申し訳なく思う」などの松尾氏の釈明を伝える事態となっていた。【林田雅浩、蒔田備憲】

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