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トリプシン 【トリプシン】
5件の用語解説(トリプシンで検索)
世界大百科事典 第2版の解説
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トリプシン【trypsin】
消化酵素の一つで,タンパク質分解酵素。膵臓から不活性のトリプシノーゲンtrypsinogenとして十二指腸内に分泌され,エンテロキナーゼにより分子の端が切断されてトリプシンとなり,pH8.0付近で活性をもつ。トリプシン自身もトリプシノーゲンを活性化するほか,他の不活性の酵素前駆物質を活性化する。腸内で食物中のタンパク質を分解する。トリプシンはタンパク質分子の端から分解していくのではなく,分子の内部,すなわちポリペプチドの中のアルギニン,リジンのカルボキシル基のところを分解するエンドペプチダーゼである。 -
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百科事典マイペディアの解説
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トリプシン【】
タンパク質分解酵素の一種。膵臓(すいぞう)から不活性のトリプシノーゲンとして分泌され,小腸でエンテロキナーゼによって分子端が切断されて活性化される。タンパク質を末端から分解するのではなく,ポリペプチド中のアルギニンやリジンのカルボキシル基を選択的に切断。
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栄養・生化学辞典の解説
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トリプシン
[EC3.4.21.4].膵液に含まれるプロテアーゼの一つ.トリプシノーゲンはその前駆体.ペプチド結合の中の塩基性アミノ酸のカルボキシル側のペプチド結合を加水分解する.エステラーゼ作用ももつ.
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デジタル大辞泉の解説
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トリプシン 【trypsin】
消化酵素の一。膵臓(すいぞう)から分泌され、腸内で活性化され、たんぱく質を加水分解してペプトンやポリペプチドにする。
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監修:松村明
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大辞林 第三版の解説
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トリプシン【trypsin】
膵液(すいえき)に含まれる消化酵素の一。腸内で食物中のタンパク質およびその分解産物であるプロテオースやペプトンに作用し,ポリペプチドと少数のアミノ酸を生ずる。
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世界大百科事典内のトリプシンの言及
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【加水分解酵素】より
…生体内では種々の化学結合が,それぞれ特異的な加水分解酵素の作用によって切断される。アミラーゼ,ペプシン,トリプシン,リパーゼなどの消化酵素は消化管内に分泌され,食餌中の高分子物質等を単糖,アミノ酸,脂肪酸など吸収可能な低分子量の構成単位に加水分解し,異化的代謝の第一段階を担う。細胞内にも高分子物質をその構成単位に分解する酵素が種々存在し,外来性の異物の分解や,細胞内で不要になったタンパク質や,核酸などからのアミノ酸やヌクレオチドの回収を行っている。… -
【酵素剤】より
…また,乳糖不耐性の乳児(小腸に固有の消化酵素であるラクターゼの遺伝的欠損によってミルク中の乳糖が消化されず,下痢を起こしやすい)に対する補充療法剤としてのβ‐ガラクトシダーゼ(ラクターゼと同様に乳糖を消化しうる酵素)もこのカテゴリーに入る酵素剤である。
[いわゆる消炎酵素剤]
キモトリプシン,ブロメラインその他の動植物,微生物起源のタンパク質加水分解酵素類や細菌細胞壁のムコペプチドの分解酵素であるリゾチームなどは,これらを内服した場合に種々の炎症症状を改善する作用,副鼻腔や気管支における分泌物,膿汁などの粘度を下げ排出を容易にする作用などが認められるとして,これらの目的で歯科領域,耳鼻咽喉科領域などで使用されているが,理論的裏づけは不明確のまま残されている。
[その他の酵素剤]
ヒト尿から抽出されるウロキナーゼ(血液凝固機構によって析出凝固したフィブリンすなわち繊維素を溶解する作用をもつ繊溶系の活性化酵素)は,血栓性の疾患に対して血栓の溶解を期待する治療剤として静脈内に注射される。… -
【消化酵素】より
… 唾液の中にはデンプン分解酵素である唾液アミラーゼ,胃液中にはタンパク質分解酵素であるペプシンがあり,酸性の環境ではたらく。膵液中にはデンプン分解酵素として膵アミラーゼ,タンパク質分解酵素としてトリプシン,キモトリプシン,カルボキシペプチダーゼ,エラスターゼなど,脂肪分解酵素としてリパーゼ,ホスホリパーゼなどがある。これらは中性ないし弱アルカリ領域ではたらく。… - ※「トリプシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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トリプシンに近い言葉→キモトリプシン|トリプシン阻害剤|抗トリプシン指数|α1アンチトリプシン|トリプシンインヒビター|トリプシノーゲン|キモトリプシノーゲン|膵トリプシノーゲン欠損|膵トリプシノーゲン欠損症|先天性トリプシノーゲン欠損
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