ヘイトスピーチ
2013年6月7日
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政治が決然と指弾せよ
「表現の自由」をはき違えていないだろうか。在日コリアンへの差別的表現を連呼する「ヘイトスピーチ(憎悪発言)」だ。悲しく、浅ましい行為である。不快感を超え、多くの人々に恐怖感を与えており、看過できない。ヘイトスピーチは、東京・新大久保や大阪など、在日コリアンの多い地域で行われ、「良い朝鮮人も悪い朝鮮人も殺せ」といった言動を繰り返している。人権問題に取り組んできた弁護士からは「刑法に直接触れるとは即座に言えないが、社会通念上、脅迫、名誉毀損(きそん)や侮辱と見なされるような振る舞いも含まれている」との指摘も上がっている。
海外ではヘイトスピーチを規制する国が少なくない。最近の情勢を受け、日本でも法規制を求める声が上がっているが、何よりもまず、政治が毅然(きぜん)たる姿勢を示すことが先決だ。
安倍晋三首相は先月の国会答弁で、「一部の国、民族を排除しようという言動は極めて残念」「他国の人々を誹謗(ひぼう)中傷することでわれわれが優れているという認識を持つのは全く間違っている。結果として自分たちを辱めている」と批判。谷垣禎一法相も「誠に憂慮に堪えない。品格ある国家、成熟した社会づくりの方向と、真っ向から反する」と指弾した。
極めて当然の見解だが、政治全体の総意とは受け取ることができない。「全国民の代表」たる国会に、差別をあおる議員がいるからだ。顕著な例は、西村真悟衆院議員。「日本には、韓国人の売春婦がまだうようよいる。『おまえ、慰安婦やろ』と言ってやったらいい」などと発言し、日本維新の会を除名されたが、党幹部の議員辞職要求を無視している。
維新の会が本気なら辞職勧告決議案を提出すべきだが、そぶりさえ見えない。それどころか、複数の党幹部から元従軍慰安婦を侮蔑する発言が相次いだ。維新の会に自浄作用がないことが明確になった以上、他党が国会の意思として辞職勧告を出すことが、ヘイトスピーチをはじめとする差別への厳格なメッセージになるはずだ。
折しも、国連の拷問禁止委員会が、橋下徹大阪市長(維新の会共同代表)の発言を念頭に、元慰安婦への中傷に反論するよう、日本政府に対して要求した。日本が孤立と軽蔑の瀬戸際に立たされかねないと認識し、安倍政権は事に当たるべきだ。
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