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改正道路交通法が成立
6月7日 15時30分

改正道路交通法が成立
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特定の病気で車の運転に支障を及ぼすおそれのある症状の人が、症状を隠して免許を取ることに新たに罰則を設けるほか、信号無視などを繰り返した悪質な自転車の運転者に安全講習の受講を義務づけることなどを定めた改正道路交通法が可決、成立しました。

悪質な交通違反を巡っては、おととし、栃木県鹿沼市でてんかんの症状を隠して免許を取った男がクレーン車を運転して小学生の列に突っ込み、児童6人が死亡したほか、去年、京都府亀岡市で無免許の少年が運転する車が小学生の列に突っ込んで10人が死傷するなど、重大な事故が相次ぎました。
このため、7日の衆議院本会議で可決成立した改正道路交通法では、てんかんや統合失調症などの病気で運転に支障を及ぼすおそれのある症状の人が症状を隠して免許を取ることに新たに罰則を科すほか、症状がありながら運転を続けている人などを医者が診察した場合、都道府県の公安委員会に通報できるようにします。
無免許運転については、罰則を現在の「1年以下の懲役、または30万円以下の罰金」から「3年以下の懲役、または50万円以下の罰金」に引き上げ、無免許運転をするおそれがある人に車を提供した場合も、無免許運転と同じ罰則を科します。
また、自転車については、信号無視などを繰り返した悪質な運転者に、安全講習の受講を新たに義務づけます。
改正道路交通法は、2年以内に項目ごとに順次、施行されます。

事故の遺族「子どもに報告できる」

改正道路交通法が成立したことを受けて、おととし、栃木県鹿沼市でてんかんの症状を隠して免許を取った男が運転するクレーン車によって小学生6人が亡くなった事故の遺族が記者会見し、「悪質な運転から命を守る法律ができたと子どもに報告できます」などと心境を語りました。
この事故では、クレーン車を運転していた男がてんかんの症状を隠して免許を取ったうえ、過去にも発作で繰り返し事故を起こしていたことが分かり、遺族らが道路交通法の改正などを求めておよそ20万人の署名を集め、国に提出していました。
7日、10人の遺族が衆議院本会議を傍聴し、改正道路交通法が可決成立すると、議員から大きな拍手が送られ、遺族は涙を浮かべながら議場に向かって一礼しました。
このあと、遺族は記者会見し、9歳だった息子の大芽くんを亡くした伊原高弘さんは「署名してくれた20万人一人一人に感謝したい。悪質な運転から命を守るための法律ができたと子どもに報告できます。二度と悲しい事故を繰り返さないというみんなの思いを実現していく法律になってほしい」と今の心境を語りました。
また、当時11歳だった息子の卓馬くんを亡くした大森利夫さんは「息子の写真を見るたびに今も悔しい気持ちでいっぱいになりますが、新たな法律が成立したことはよかったです。今後も実際の運用の中で足りないところが明らかになれば、法律の改善を続けてほしい」と述べました。

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