アユモドキ:亀岡のスタジアム建設問題 「絶滅の懸念深まった」 魚類学会、府と亀岡市に2回目の意見書 /京都
毎日新聞 2013年05月30日 地方版
府が亀岡市に計画している球技スタジアムをめぐり、予定地に生息する国の天然記念物の淡水魚「アユモドキ」が絶滅する恐れがあると指摘している日本魚類学会が29日、府と同市に対し、計画の撤回を求める2回目の意見書を提出した。同学会によると、今年3月の意見書に対し、府と市から、アユモドキの生息環境を保護する「共生ゾーン」を設置するなどと回答があったが、同学会は「科学的根拠が乏しく、絶滅の懸念を深めた」としている。
建設予定地はJR亀岡駅北の水田12・8ヘクタール。事業主体の府と、計画を誘致した市によると、敷地内の「共生ゾーン」(約3・6ヘクタール)に人工水路などを整備する。また、今年5月に魚類研究者らによる環境保全専門家会議(10人)が発足し、アユモドキなどの保護に向けた調査や施設・工法の検討を始めている。
これに対し同学会は2回目の意見書で「環境調査は計画決定の前に行うべきで、2015年に着工し、16年に完成を目指すという事業計画は現時点で不可能」としている。【村田拓也】