史上初の3兄弟世界王者を目指し、WBO王座に挑戦する和毅(右)。左は長男・興毅=東京都葛飾区の亀田ジムで(山崎照朝撮影)
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亀田3兄弟の三男でWBO世界バンタム級5位の亀田和毅(21)が6日、東京都葛飾区の亀田ジムで記者会見し、8月1日にフィリピン・セブで同級王者パウルス・アンブンダ(32)=ナミビア=に挑戦することを発表した。王座を獲得すれば、男女通じて初の日本人WBO王者。兄2人に続く3人の世界兄弟王者も史上初の快挙となる。
「とうとう来たなという感じ。長かった。絶対WBOの第1号になる」。和毅が意気込んだ。上下を白のスーツとピンクのネクタイで決めて現れた記者会見場。悲願である3兄弟全員の世界制覇へ、ついにチャンスがめぐってきた。「(兄たちから)死に物狂いで取ってこい、絶対に1回で取れと言われた。これはおやじの夢や。俺にかかっとる」と、厳しい口調で言い切った。
兄たちとは異なり、アマ経験を積んだ後、中学卒業後にメキシコでプロデビュー。その後も海外を主戦場にしてきた。「つらかった。メキシコは言葉が通じない、食べ物がまずい、治安も悪い。毎日お兄ちゃんに電話してた」と回想。しかし、その苦労が27戦(18KO)無敗の戦績に。一方のアンブンダは、詳しいデータはないものの、20勝(10KO)無敗のボクサーファイター。今回の戦いは、全勝同士による決戦となる。
日本ボクシングコミッションは4月にWBOに加盟。日本プロボクシング協会の内規で、国内での世界挑戦は東洋太平洋か日本王座の獲得選手に限られるため、陣営は海外での試合を模索してきた。
長男の興毅は「古代ローマ時代から3兄弟で世界王者はいない。歴史的瞬間や。ギネスブックへ申請する」と、目前にした亀田家の夢の実現に意欲満々だった。 (山崎照朝)
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