6回、安打を放つ阪神・鳥谷=甲子園球場(撮影・白鳥恵)【拡大】
「左打者がポイントになると思っていた。好投手というのはわかっていたし、西岡、鳥谷というところで初回に1点取れたことが大きかった」
背番号「1」は六回にも左前にはじき返し、マルチ安打をマーク。春先は打率2割台前半だったが、気温とともに・281まで上昇。「鳥谷の状態が少しずつ上がってきている」と指揮官の笑みも絶えなかった。
グラウンドに立つ前には海の向こうの超一流の技術に心を躍らせる。誰もが驚く練習の虫は甲子園のホームゲームの場合、ナイターであっても、午前11時までには球場入り。基礎体力作りを怠らない。そのとき足を運ぶ、ウエートルームにはメジャーの熱戦がテレビで流れている。肉体をいじめながら、最高峰のプレーを食い入るように、見つめる。多大な刺激を受けて自身の戦いの場へ、踏み出している。
「(牧田を)攻略というわけではない。最後にマートンが決めてくれた」
勝った。でも、満足はできない。そのどん欲なまでのキャプテンの姿勢が今の猛虎に浸透している。 (小松 真也)
(紙面から)