案内犬ゴンが童話に 参詣人と高野山登る
弘法大師の母を祭る和歌山県九度山町の慈尊院から、約20キロ離れた高野山まで参詣人を“道案内”すると話題になった雑種犬「ゴン」の姿を、ノンフィクションライター関朝之さんが童話にした「高野山の案内犬ゴン」が、このほどハート出版(東京)から出版された。
「ゴン」はもともと慈尊院近くの橋をねぐらにする雄の野良犬。1989年ごろから高野山参詣の表参道「町石道(ちょういしみち)」の登り口にある同院から高野山までの険しい山道を6、7時間かけて参詣人と一緒に登るようになり、心引かれた慈尊院の住職が飼い主に。
その後も巡礼姿の人を見ると、たびたび道案内し、いつしか「弘法大師の使いの名犬」と呼ばれるようになったが、昨年老衰でこの世を去り、今は石像が境内に立てられている。
同書は参詣人を気遣いながら山を登るゴンの姿や道中の出来事、近所の子供たちとの触れ合いなどが豊富な写真とともにつづられている。
「高野山の案内犬ゴン」は1200円(税別)。問い合わせはハート出版、電話03(3590)6077。
【共同通信】
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