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俺の妹がこんなに可愛いわけがない ~とある電撃娘(コラボ)の人生相談(ガールズトーク)~/第1話「俺の妹が超電磁砲とコラボなんてするわけがない」
2013-06-07 00:00
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はじめましての人もいるだろうから、自己紹介から始めるべきだろう。
俺は高坂京介。ごく普通の高校生だったものだ。
思わせぶりな言い方をしたが、気になるやつは電撃文庫『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』を読んでみてくれ。
宣伝の義務が終わったので、本題に入ろう。
俺がいつものように帰宅すると、妹がリビングのソファに座って電話をしていた。
「えー! ほんとですか! ぜひぜひ、やらせてください!」
どうやら仕事の電話らしい。
俺の妹・高坂桐乃は、読者モデルをやっていて、雑誌に写真が掲載されたりする。
最近は、千葉モノレール、千葉マツダを初めとした色々な企業と契約し仕事をしているので、街を歩いていて意外なところで妹の写真を見かけることがあった。
――たいしたもんだよ。感心しちまうぜ、ったく。
本心から、そう思う。
「はい、はいはい。じゃあ詳しい話は打ち合わせの時に!」
桐乃は、ぴ、と電話を切るや、
「ふ、ふふふ……ふふふふふふ〜」
だらしなく頬を緩ませた。
――なんだこいつ、いきなり気味悪ぃな。
「どうしたんだ?」
「え? なんだ、あんた帰ってたんだ」
「いま帰ったとこだよ」
「ふーん」
ツン、とすげない態度の桐乃。
まぁ、そこはいつもどおりなんだが、
「ふへっ……へへへ」
スマホのスケジュールアプリに文字を打ち込みながら、よだれをたらさんばかりにデレデレしていやがる。
「……エロゲーの発売日でも決まったのか?」
「はぁ? 違うっつーの。ふん、なに? 気になんの?」
気になるというか、頭の病気じゃないことを確認したいというか。
正直に言うと喧嘩になるので、俺はこう答えた。
「まぁな、教えてくれよ」
「え〜、どーしよっかなぁ〜。そんなに知りたいんだぁ〜」
……このウザい妹との話を打ち切って、自分の部屋に帰りたくなってきたぜ。
「教えてくれる気がないなら、諦めるわ」
「ちょ、んなこと言ってないでしょ! なんでそこで諦めちゃうわけ? もっと粘ればいいじゃん」
部屋に戻るそぶりを見せたところ、慌てて止めてきた。
こいつ……そんなに喋りたいなら、もったいぶらずに言えよな。
「……ちっ、まぁいいや。あんたの態度は気に入らないケド、特別に教えてあげる」
「へいへい、そりゃどーも」
俺は桐乃の隣、三人掛けのソファに、一人分の間を開けて座った。
「で? エロゲーの発売日が決まったんじゃないとすると、そんなに楽しい仕事が入ったのか?」
「まーね! 今回のは、マジですごいよ!」
「ほう、おまえがそこまで言うってんなら、相当なんだろうな」
「ふへっへ……まーね! まーね!」
桐乃は距離を一気に詰めて、超嬉しそうにスマホの画面を見せつけてきた。
「じゃーん! 『俺の妹×超電磁砲コラボ企画「とある電撃娘(コラボ)の人生相談(ガールズトーク)」』! あたしと美琴さんが、ニコ動でガールズトークをすんの! どう!? ヤバイっしょ! チョー凄くない!?」
「………………お、おう」
「は? なにそれ。リアクション薄くない?」
いや、だってよ。
「ニコ動って何? 美琴さんて誰? アイドルか何かか?」
「全然違う! まあある意味アイドルだけど、そうじゃなくて――! ったく、『とある科学の超電磁砲(レールガン)』のコトは、前にも教えてあげたでしょ!」
「そうだっけ? そういやゲー研の連中がハマってたアニメが……そんな名前だったような」
「ハァ〜、しょーがない。あたしが、バカなあんたにも一目瞭然でわかるよーに教えてあげる」
……恩着せがましい妹である。
桐乃はスマホを操作し、俺にこんな動画を見せてきた。
「このサイトがニコニコ動画――略してニコ動で、この動画に映ってるのがアニメ『とある科学の超電磁砲』と、その主人公である御坂美琴さん! どう? カッコいいっしょ!」
「おう、イケメンで強そうな女の子だな」
「でしょでしょ?」
みたところ、桐乃と同じくらいの歳かな。
おそらく地毛だろう茶髪にスカート、その下には短パンを穿いている。
そして足下を飾るのは、懐かしのルーズソックスときたもんだ。なんとも独特のファッションだった。
「こっちの黒髪ロングの女の子は?」
「佐天涙子さん」
「この娘かわいいな。――あ痛!」
頬をひっぱりやがったコイツ!
「ロリコン! 年下には興味ないんじゃなかったの!」
「別にいやらしい意味で言ったんじゃねーよ! 邪推しすぎだ!」
「ふんっ、どーだか」
「ちなみに、こっちの娘は、なんで頭に花つけてんの?」
「えっ? さ、さぁ……」
桐乃にもわからんらしい。……謎だ。
「ま、まぁとにかく……話はわかった。ようするに、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』と『とある科学の超電磁砲』のコラボイベントがニコ動ってとこであって、それにおまえと美琴さんが一緒に参加するってことか」
「そーいうコト。『ニコニコ生放送』ってのに出るの」
「へえ……すごいじゃん」
「だから最初からそー言ってるでしょ」
そうだったな。
「同じ電撃文庫ヒロインの先輩だから、一度会ってみたいと思ってたんだよね」
あ、あの桐乃がここまでリスペクトするなんて。
いったいどこが――
「可愛い妹が九千九百七十二人(※1)もいるとか美琴さんマジぱねぇ――! フヒヒ、仲良くなったら妹達を紹介してもらえるカモ……!」
「そこか! おまえが美琴さんを尊敬しているポイントはそこなのか!」
「本人も可愛いんだケド、妹ちゃんたちがさらに輪をかけて可愛いんだって! えろくて帽子がキュートな一〇七七七号ちゃんは超健気で萌えるし、ガチで悪い子っぽいのに存在のすべてがあたしのSっ気を誘いまくってくる番外個体(ミサカワースト)ちゃんは、是非ともこっそり覗き見したいし、でもやっぱあたしは打ち止め(ラストオーダー)ちゃんていう一番ちっちゃい娘が……!」
「はいはいわかったわかった! おまえの熱意は伝わったから!」
くっついてくるんじゃない!
ったくこいつは……俺のことを嫌ってるような態度を取るくせに、夢中になるとこうだもんなあ。
俺は妹を手で押しのけつつ、
「楽しそうな仕事でよかったな」
「うんっ! チョー楽しみ!!」
珍しく素直な返事に、俺はドキリとしてしまう。
ま、妹のこんな顔を見ることができただけでも……御坂美琴って娘には感謝だな。
「じゃ、がんばってこいよ」
「は? なに言ってんの? あんたも行くに決まってんでしょ?」
「なっ」
なんだとぉ――!
※1『新約 とある魔術の禁書目録』7巻時点。今後もうちょっと増えるとのこと。
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第2話「俺の妹が『空間移動能力者』と下着トークをするわけがない」
に続く。
に続く。
次回更新予定日は6月14日00:00です。
※第1話「俺の妹が超電磁砲とコラボなんてするわけがない」は6月27日23:59 で公開終了となります。
※第1話「俺の妹が超電磁砲とコラボなんてするわけがない」は6月27日23:59 で公開終了となります。
【お知らせ】
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高坂兄妹が活躍する、電撃文庫『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』全12巻、発売中です!
上条当麻と御坂美琴が暴れ回る、電撃文庫『新約 とある魔術の禁書目録』1~7巻、電撃コミックス『とある科学の超電磁砲』1~8巻、発売中です!
(C)TSUKASA FUSHIMI/ASCII MEDIA WORKS
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