ストーリー概要
第1巻:女神転生 |
天才プログラマー・中島朱実は、コンピュータを使い”デジタル・デビル”を生み出してしまった。
古来、悪魔は特定の場所にしか出現できないと言う制約があったが、デジタル・デビルは、
コンピュータのオンラインを利用して、世界中のいかなる地点へも一瞬のうちに到達できるのだ。
自ら生んだ悪魔・ロキによって恋人・白鷺弓子を失った中島は、この恐るべき敵との戦いを決意する。
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第2巻:魔都の戦士 |
デジタル・デビルは”ロキ”だけではなかった!中島が作り上げた降魔プログラムを利用し、
黒魔術師イスマ・フィードは、最強の悪魔”セト”をデジタル・デビルとして呼び出してしまったのだ。
人類の叡智を集めた”退魔プロジェクト”は、果たして”セト”を葬りされるのか?
そして、再開も束の間、愛する弓子を”セト”に奪われた中島の新たなる戦いの結末は?
いま舞台は、東京から漆黒の宇宙空間にまで広がる……。
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第3巻:転生の終焉 |
セトの死が確認されてからひと月が過ぎた。瓦礫の新宿に美しい歌声が流れ、
若者たちの間からその歌声の主”セイレーン”を教祖とする教団が生まれた。
増大する”聖セイレーン教団”。陰で操る”魔王ルシファ”……。
熾烈な戦いを終え、帰還した朱実と弓子に新たな魔の手が忍び寄る。愛し合う二人は
安らぎを求め、飛鳥へと旅立つが……。
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主な登場人物紹介
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中島朱実
十聖高校選抜クラス3年生の天才プログラマー。同時に日本創造の神・イザナギ神の転生した姿でもある。
復讐を果たすために前世の妻である弓子をも悪魔への生贄を捧げようとするが、イザナミ神の力により、自らがイザナギ神の生まれ変わりだということに気づき、再び弓子に惹かれていく。
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白鷺弓子
北海道から十聖高校に転校して来た美少女。日本創造神・イザナミの転生した姿。中島により悪魔ロキの生贄にされるが、イザナミの力を借りて窮地を脱出・中島を助けると同時にその命を失う。
前世からの絆で結ばれた中島とイザナミの力を借りて再び命を取り戻し、イザナミの理力を受け継ぐ。
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小原教諭
十聖高校の古文教師。中島の暴力事件を黙認した教師への復讐として悪魔ロキへの生贄として捧げられ、ロキと交わり悪魔の子を孕む。
愛する悪魔ロキを中島に倒された後、中島と弓子への復讐を決意する。
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デジタル・デビル ロキ
中島の悪魔召喚プログラムによりアッシャー界(我々のいる現実世界)に実体化を果たしたデジタル・デビル。中島は当初ロキを実体化させるデータ処理をしていなかったが、ロキが小原を利用してプログラムを改良、アッシャー界に姿を現す。
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ストーリー詳細
ここまでの話で大まかな概要はこれで御分かりいただけたと思いますが、
なぜ中島がコンピュータで悪魔を召喚する”悪魔召喚プログラム”を作成したのかの経緯が記されていません。何故悪魔を呼び出す必要があったのか?
中島は当初、「ゴールデンドーン新説」という本を読むうちに魔術とコンピュータ二つの類似性に魅入られ、コンピュータによる悪魔召喚のプログラムを
完成させます。中島は苦悩します。
「…理論上これで悪魔を召喚させることは可能だ。しかし悪魔を呼び出して、一体何をさせる気だ……」と。
しかし皮肉なことに彼にその悪魔召喚実験を決意させる重大な事件が起こります。空手部・近藤による中島への暴力…。
空手部の近藤は中島の通う十聖高校のボス的存在であり、同高校内にいるスケバン高見沢京子と交際していました。
しかしやはりスケバンはスケバン。気が変わるのも早いのでしょう。京子は高校内でもずば抜けた美貌をもつ中島朱実に執拗に交際を迫ります。
中島はそんな京子を相手にしませんでした。
スケバンというプライドからか、相手にされなかったことに怒りを覚えた京子は近藤に「中島から迫られた」という狂言を吹き込みます。
怒り狂った近藤はクラスメートが見ている教室内で中島を叩きのめします。中島には何のことだかわかる由もありません。
…しかし、殴られている最中、一人こちらに冷ややかな笑顔を投げる者がいました。
そう、暴力事件を起こした張本人・高見沢京子です。このとき中島は全てを把握したと同時に、この二人に対する復讐心が生まれました。
全ては中島の復讐から始まったのです。この経緯を知らないで軽く原作に触れた方の中には
「中島はいじめられっこ」とおっしゃる方もいますが、その表現は正しくありません。
彼は「いじめられっこ」というよりはクラスメートから一目置かれる存在だったのです。
真・女神転生if...には狭間偉出夫という人物が登場しますが、彼は典型的なイジメから狂気に走り学校を魔界に陥れました。
中島の場合はこのハザマの場合とは大きく違います。
中島は理不尽な暴力を奮った近藤・京子を筆頭に、その暴力事件を目の当たりにしながら何の助けも出そうとしないクラスメート、はたまた
「こんな奴等も放っておけばいずれ卒業するだろう」と、事態を黙殺しようとする教師に復讐しようと誓います。
中島が取った行動が正しいものとは到底言えませんが、彼の復讐心は痛いほどに分かります。こういう点が多くの読者の共感を呼び、
原作ファンを作っていったのではないでしょうか。
今までのヒーローはとにかく徳のある人物が多い中、「業(カルマ)」を背負って生きるヒーローが活躍するという話も魅力のひとつです。
この後、中島はその事件を起こした張本人としての責任を自ら問いかけ、その悪夢から脱出するために…
幾千年も前から…まだ人間として生まれていない頃から愛しつづけてきた恋人・弓子を守るために…壮絶な戦いを強いられます。
彼の未来はどうなるのか…興味のある方は原作小説を是非読んで見て下さい。