日本W杯決定:渋谷の「DJポリス」はこんな人
毎日新聞 2013年06月06日 08時00分(最終更新 06月06日 10時03分)
◇20代の剣道4段、アナウンス競技会優勝
「皆さんは12番目の選手です」−−。サッカー日本代表が2014年ワールドカップ(W杯)ブラジル大会出場を決めた4日夜、東京・渋谷のスクランブル交差点で交通誘導をした警視庁機動隊員の機転の利いたアナウンスぶりが、インターネット上で「DJポリス」と話題になっている。
警視庁によると、アナウンスしたのは警備部第9機動隊広報係に所属する20代の男性隊員。剣道四段で武道小隊の一員だったが、昨年9月に同係に異動。その前後から花火大会などのイベントで誘導指示などの経験を積み、今年1月に庁内であったアナウンス技術の競技会で優勝。この日に抜てきされた。
◇実は、サッカーより野球好き
歓喜するサッカーファンが殺到し、騒然とするスクランブル交差点の指揮車の上でマイクを握ったのは4日午後9時半。「こんな良き日に怒りたくはありません。私たちはチームメートです。どうか皆さん、チームメートの言うことを聞いてください」
交差点付近で胴上げが始まると「それはイエローカードです」とやんわり制止。青信号になると「ゆっくり前に進みましょう。けがをしてしまっては日本代表のW杯出場も後味が悪くなる」と誘導した。さらに「怖い顔をしたお巡りさん、皆さんが憎くてやっているわけではありません。心ではW杯出場を喜んでいるんです」などと語りかけると、一部の若者から「お巡りさんコール」が起きた。
今回のアナウンスの文言は男性隊員のアレンジというが、本人はサッカーより野球観戦が好きという。ネット上で話題になっていることに「日ごろの訓練が生きただけ」と恐縮しているという。【岸達也、斎川瞳】