五味の内の一つである塩辛い味は、五臓の中の腎臓に入っていって栄養になると言われています (下図を参照してください)。
正しい塩を、失われた分だけ補給することによって、腎臓は順調に活動するのです。適塩によって、腎臓が正しく機能すると、相生の関係で肝臓が強化され、目がよく見えるようになります。塩を水に入れて飲むと、30〜40分後、視力が回復するという事実が確認されているのです。
腎臓は、膀胱に働きかけて尿の排泄力を高め、耳の聞こえを良くして、骨を丈夫にし、脳の働きを活発にする関係があります。子宮や卵巣の機能、精子造りの能力を高め、優秀な子孫を増やすのに役立ちます。そして下半身を丈夫にし、いくら走っても歩いても疲れない、精力的な活動力を高めてくれるのです。
相剋の関係で、腎臓機能が高まると心臓にも良い影響を与えることになります。小腸の機能を高めて、消化、吸収、造血力を高め、血管の血流を良くするために、適塩はかえって血圧を正常にするのです。
舌は言葉を表現する上で絶対に必要な器官ですが、減塩によって腎機能が低下すると、相剋の関係で舌の働きが低下して、ろれつが回りにくくなるという事も考えられます。 陽性の塩を減塩することは、私たちの体質を陰性体質に傾けてゆるんだ体質にしてしまうことになります。陰陽バランス食事 小橋規實男 より抜粋 |