アサヒ漢薬行へようこそ!!

このページは漢方薬屋であるにもかかわらず敢えて、漢方処方については他の多くの漢方屋さんが解説をしていますので書きません。処方解説はそちらにお任せして、それでもなかなか治らないのは、どうしてかを考えて見たいと思います。

ほとんどの病気は食事の仕方に問題があります

《食は医也》

毎日食べている食品が身体の健康を維持するためにどんな仕事をしているか、東洋薬学的に観察してみることにしましょう。栄養素やカロリーなどは誰でも知っているのですが、ここではそんなありきたりな話ではありません。

自然に恵まれた食材にはそれぞれに味があります。 酸、苦、甘、辛、鹹(かん)という五つの味があります。

この五つの味が調和し、身体の各部署の働きを助けているのです。

各味にはおおよそ次のものがあります。

五味調和

 

眼 筋肉酸】肝 胆  

 

 

 

腎 膀胱 骨髄 耳【鹹】

 

 

肺 鼻 皮毛 大腸【辛】             

     

 

 

 

 

【苦】心 血脈 小腸 舌

 

 

【甘】胃 口唇 脾 肌肉

 

 

 

        味

人体との関係

作  用

欠乏すると

食べ物

摂り過ぎると

味の組み合わせ

酸  味

肝・胆・筋・眼

収斂作用

肝臓の負担を軽くする

食品の腐敗を防ぐ

鮮度を保つ

脂肪を中和する

口中を爽やかにする

血液の酸性化を弱める

疲れを癒す

肝炎、肝硬変

目の疾患、

  血、   

ガン、

アレルギー性

疾患を招きやすい

梅干、酢、すだち、柚子、

かぼ、レモン、みかん、

ダイダイ、

スモモ、金柑、オレンジ、

プルーン、プラム、

りんご、カリン、やまもも、

さくらんぼ、杏、びわ、トマ

小便不通の状

態となり、脾気

がめぐらず、筋

肉が収斂して、

唇の皮膚が荒

れてめくれる。

酸味には甘

味を添える

苦  味

心・小腸・血

脈・舌

消炎・固める作用

軟らかいものを固める

湿りを乾かす

体内の不要なものを

 泄する、

 冷やす作用  炎症を消す

熱を冷やす、血を止め

痛みを鎮める。

狭心症、

心筋梗塞、

動悸、

息切れ、

不整脈

緑茶、コーヒー、紅茶

、ビール、苦瓜、ほうれんそう、

ごぼう、ちしゃ、よもぎ、

筍、アロエ、菊花、春菊、

銀杏、ふきのとう、うど、

三つ葉、豚、鶏、レバー

脾気が潤いを無

くして、胃気が混

濁し、嘔吐をひ

きおこす、また

皮膚が栄養不

足で枯れ、毛が

抜ける。

苦味には辛

味を添える

甘  味

脾・胃・肌肉

口 唇

滋養、強壮作用、

急激な痛みを和らげる

緊張をほぐす

諸諸の味を中和する

薬の毒を解消する

疲れを癒す。

摂りすぎによ

る弊害が多い

日常食べている

穀類、豆類、肉

魚、野菜類の殆

どが甘味に属す

 

皮膚の色は黒く

なり、骨が痛み

髪が抜け落ちる

心中がもだえる

甘味には塩

から味を添

える

辛  味

肺・大腸・鼻

皮膚

体を温め、発散する

ストレスを発散する

血液循環をよくする

細菌やウイルスを退治する

食べ物の腐敗を防ぐ

臭みを消す

蛋白質の腸内腐敗防止

便秘、アレル

ギー性鼻炎、

皮膚炎、花粉

症、大腸がん

ねぎ、生姜、わさび、、にんにく

、大根、らっきょう、にら

たまねぎ、山椒、胡椒、

紫蘇、ししとう、トウガラシ

焼酎、ウイスキー、酒、

ワイン

脈はばまれて流

れが滞り、筋が

弛緩して弾力を

失い、ひきつれ

た状態になる。

辛味には酸

味を添える

鹹  味

腎臓・膀胱

骨髄・耳

硬いものをやわらげる

作用、体に出来た硬い

物を軟げる

リンパ腺腫を改善する

小便の排泄を促す。

 

思考力、判断

力の低下、

排尿困難、便

秘、高血圧、

むくみ、腰痛

関節痛

いわし、アサリ、

寒天、昆布、塩

ごまめ、煮干、

なまこ、ひじき、

もずく、海苔、栗

しょうゆ

腰骨が消耗し、

肌肉が弾力性を

なくし、心気が滞

って口渇状態を

起こす。

塩から味に

は苦味を添

える。

 

酸温

米酢 梅肉 酢 りんご すもも あんず 

酸平

梅 かりん ヨーグルト

酸寒

ゆず だいだい 香酢 すだち レモン

苦寒

お茶 コーヒー ビール たけのこ ごぼう 苦瓜 

にがな たかな ほうれん草 ちしゃ

 

苦平

うど 菊花 ぎんなん 春菊

苦温

よもぎ ふき たらの芽

甘微寒

牛乳 小麦 はとむぎ 粟 豚肉

甘寒

砂糖 なす きゅうり キャベツ トマト はくさい レタス わらび

柿 桃 みかん 西瓜 梨 とうふ こんにゃく

甘平

ごま 大豆 米 甘藷 レンコン 鶏卵 赤小豆 

蜂蜜 水飴 ぶどう とうもろこし

甘微温

鶏肉 かまぼこ にんじん

甘温

うどん 鰻 まぐろ 鯛 牡蠣 鯵 えび 羊肉 牛肉 

かぼちゃ やまいも なつめ

辛温

紫蘇 にら 芥子 わさび わけぎ 大根 胡椒 山椒 らっきょう

しょうが にんにく 唐辛子 酒 ウイスキー ワイン 

辛平

さといも ねぎ

辛寒

ずいき

鹹微寒

麦芽

鹹寒

あおのり 食塩 かに こんぶ はまぐり あさり もずく

鹹平

しじみ ひじき わかめ しょうゆ

鹹温

めざし 干物 つくだに 大麦 栗 いわし さば 納豆 味噌

以上のように食品にはいろいろな味を持ち、その味により役割があります。漢方生薬も同じように味があります。そしてそれぞれに薬効が分かれます。

医食同源とはこのことを言っているのです。軽い病や予防のためには上に書いた食品のバランスのとり方で充分対応出来る筈ですが、これを無視してアンバランスな生活をしていると本当の病になってしまうのです。

現代の人々は、自由気ままに好きなものばかり食べて病気を作っています。昔の人々の知恵は、長い間の体験から上手に食べ方を体得してきているのです。私たちも先輩の方々の知恵を借りて健康作りをしましょう。