国内男子ツアー「ダイヤモンドカップ」最終日(2日、茨城・大洗GC=パー72)、首位タイでスタートした松山英樹(21=東北福祉大)が71をマーク、9アンダーで逃げ切りVを飾った。これで開幕から5試合を終え、優勝2回、2位2回。松山が強いのか、他がだらしないのか…。そこで、日本ゴルフツアー機構(JGTO)の海老沢勝二会長(79)を直撃すると「他の若手に奮起してもらわないと」と厳しい「喝!」が飛び出した。
怪物ルーキーの成績はとにかく圧倒的だ。開幕戦の10位を皮切りに優勝、2位、2位、優勝。JGTОによると、記録が残る1985年以降、プロとしてデビューしたシーズンに2勝した選手は初めて。獲得賞金は早くも約7000万円を突破し、2位を3000万円以上離して、賞金王レースを独走している。
最新の世界ランクでは藤田寛之(43=葛城GC)を抜いて、日本人最上位(60位前後)となることが確実。それでも本人は「調子は良くない」と繰り返し、今回も「内容的には満足できる優勝ではない」というのだから恐るべしだ。
石川遼(21=CASIO)の米ツアー参戦により、人気低迷が懸念された日本ツアーにとっては救世主的な存在。海老沢会長は本紙直撃に「2勝目を挙げたことで、松山くんも名実ともにスターの仲間入りを果たした」と期待以上の活躍に胸をなで下ろした。
その一方で、全く元気がないのが、その他の日本人選手。「松山くんがいなければ、今回の優勝争いは外国人ばかりだった。そうなっていたら、何を言われるか分からない」と、海老沢会長は危機感をあらわにする。
今大会では松山に続く、2打差の2位に外国人選手が3人。その下に40代の谷口徹(45)、片山晋呉(40)、さらには50代の中嶋常幸(58)が並ぶ。ルーキーと外国人に好き放題にやられ、それに何とか対抗するのはベテランばかりといういびつな状況になっているのだ。
「奮起するべき20代の若手が頑張らない。本来、脂が乗っているはずの30代が優勝争いに出てこない。ツアーは松山くん一人ではダメ。他の選手もプロとして自覚、プライドを持ってやらないと」(海老沢会長)
何より松山も強い米ツアー志向を持っており、数年後には海を渡る可能性大。「石川頼み」が「松山頼み」になっただけでは、再び窮地に陥るのは確実なだけに、海老沢会長が苦言を呈するのも当然だろう。
東北福祉大ゴルフ部の阿部靖彦監督(51)も「OBの連中には『お前らも頑張れ』って言ってるんだけどなあ」と首をひねるばかり。同校OBにも将来を嘱望された20代、30代が複数いるが、松山のデビューとともにすっかり影が薄くなってしまった。
松山の次戦はプロとして初の海外メジャーとなる「全米オープン」(13日~)。日本でぶっちぎりの強さを見せる松山が、万が一、全く歯が立たないなんてことになれば、他の選手はファンのシビアな視線にさらされることになりそうだ。
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