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【プロ野球】

小笠原 復活サヨナラ弾 首位死守 656日ぶりアーチ

2013年6月6日 紙面から

◇巨人4−1日本ハム

巨人−日本ハム 11回裏無死二、三塁、サヨナラの1号3ランを放ち、ナインから手荒い祝福を受ける代打小笠原(中央)=東京ドームで(北田美和子撮影)

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 巨人が今季6度目のサヨナラ勝ち。8回に亀井が同点打。延長11回に坂本、阿部の連打で無死二、三塁とし、代打小笠原が右越えの3ランで決着をつけた。日本ハムは吉川が7回1死まで無安打と好投したが、打線が3回の1点に終わった。

 幾度となくかけてきた放物線だった。同点の延長11回無死二、三塁。極限の状況で、巨人・小笠原がよみがえった。全身がねじ切れるようなフルスイングだった。全盛時の姿を取り戻した左打者が、日本ハムの守護神増井の剛球を右翼席中段にたたきこんだ。

 劇画のようなサヨナラ3ランは2011年のCSファーストシリーズ第3戦以来の本塁打。公式戦では同年8月19日のヤクルト戦(東京ドーム)以来656日ぶりのガッツ弾だった。「いつか必ずこういう時があると信じて一つ一つやってきた。間違いではなかったな、と。やっぱりこの声援は最高です」。復活を待ち望んでいたG党の大歓声に39歳のほおがゆるんだ。

 11年の統一球導入以後、我慢の時間が続いた。10年まで6年連続30本塁打を記録した男が、11年は5本。昨季はプロ1年目以来の0本塁打。年俸は4億3000万円から7000万円まで激減した。引退と背中合わせで迎えたプロ17年目も試練が襲った。キャンプ中盤に折れたバットで左手人さし指を裂傷する不運。それでも気持ちを折ることなく、時を待った。従来は素手でしていたフリー打撃の際も革手袋を使用。守備時には人さし指と中指を守るゴム製のプロテクターをつけてグラウンドへ出た。準備を怠らず、階段を一段一段上るように積み上げた日々が劇弾に結実した。

 もう2度とホームランは打てないかもしれないと思ったことは−。「ありません」。報道陣の問いに間髪入れずに応えた。感傷はない。原監督が「あれだけの選手。自分を疑うことはない」と評した侍にとって、通算377号も通過点にすぎない。 (臼杵秀之)

 

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