|
|
|
ある先生からもご意見を参考にして・・・整理を始めたいと思います。 今月18日の日経新聞コラムに 同志社大学学長 八田英二氏の医師不足に歯科医の活用を 『研修の上、麻酔科医に』 と言う意見が掲載され、 さらに日経ネットPLUSという、会員制のサイトに八田氏の意見を補足するような識者(もちろん医師以外 の方)の意見が載りました。 小生、これは日経はある意図を持って意識的にやっているなと瞬時に思いました。 つまり財界の意向をくんだ一種のアドバルーンだと思います。 これで世論が好意的であればばその方向に進むという意図と思います。 医科歯科一体の医療団体として、協会・保団連はこれらの 意見を無視できないし、一定のスタンスを持つべき と思いますが。 --------------------------------------- 日本経済新聞 2008年8月18日 インタビュー「領空侵犯」 医師不足に歯科医の活用を・・・・『研修の上麻酔科医に』・・ 同志社大学学長 八田英二 −医師不足が叫ばれ、へ き地や産科、小児科、救急な どの医師は特に足りないよう です。 政府もようやく大学医 学部の定員増を認めました。 こうした状況にご意見をお持 ちだとか− 「定員を増やしても学生が医学部を卒業するの6年かかります。 国家資格を取得し 臨床研修などを受けていると、一人前の医師になるのに 十年以上かかるでしょう。 これでは現在の医師不足の解決にはなりません。 それに医師 を取り巻く環境をそのままにして、いくら医学部定員を増〉ても、 激務の病院勤務を恥がったり、女性医師が出産を機に離職したりする傾向は 変ええようがありません」。 「今打ち出すべき対策は潜在的的な医師の予備軍を積極的を取り込んでいくことではないでしょうか。 考えられるのが医師に比べて多すぎるとされろ歯科医の活用です。歯学部の学生は医学部同様、六年間大学で勉強します。 基礎医学についてはほぼ同じような内容を学びます」 −患者からすると不安な面はないでしょうか− 「熱意があって希望する歯科医を選抜し、2年ほど改めて研修を受けても らえばよいと思います。歯科医は麻酔の扱いにも慣れていることが多く、 歯科口腔(こうくう)外科では手術時に全身麻酔をかけることだってあります。 そういうことを考慮すると、一定の研修のうえで麻酔科医としての限定免許を与えること も検討に値します。麻酔科医・ も大幅に不足しているわけで すから」。 「外国人医師も取り込んでいくべきでしょう。先日、上海を訪れたとき 大学の医学部希望者が少ないことを知りましだ。医者の給料が低いからだ そうです。ならば、一定の給料は得られる日本に来てもらってはどうでしょう。 流 ちょうな日本語能力を必要としない診療科などなら活用の余地はあると 思います。 このほか、女性医師が増えているのですから、彼女たちが出産し ても仕事を続けていけるような保育所の整備、待遇の改善を進めるべきです」 −医師が増えたとしても、地方やへき地に行きたがらないという問題への対 策はありますか− 「国公立大学の医学部はすべて授業料を免除し、奨学金も出すようにして、 その代わりに卒業後は地方やへき地での勤務を義務付けてもいいと思います。 自治医科大学などが導入しているものと似た方式です。医療の公共性を考え ろと、公費で医師を育てか青てられた医師は一定の義務を負うという形はおか しくはないでしょう」 聞き手から 歯科医を医師に。一見奇抜だが、支持する医療関係者もいる。 こんな議論が出るほど地域や診療科によっては医師不足は深刻だ。 都市部にもその影は忍び寄っている。医学部定員増だけでなく、 総合的な対策が必要であることは論を待たない。必要な医療を確一 保するには、負担面を含め医療に対する国民の姿勢も問われる。 (編集委員 山口聡) 以下日経ネットPLUSに掲載された、識者の追加コメントです。 医師不足に歯科医の活用を *****まず麻酔科医の待遇改善を***** (2008/08/18) (わたなべ・つねお)東北大歯学部卒。米ニュースクール・フォー・ソーシャル リサーチで政治学修士課程修了。米戦略国際問題研究所(CSIS)で日米関係 などを分析。05年帰国。 ◇渡部恒雄(米戦略国際問題研究所非常勤研究員) 初めに断っておきたいことがあります。私は歯科医師の免許を持っていますが、 その後、専門分野を国際政治・安全保障政策に変えたため、実際の医療に 携わった経験がないペーパーデンティストです。私の意見は歯科医療について 一般の人より多少の土地勘がある人間の「領空侵犯」と考えてください。 八田学長は「歯科医の麻酔科医への活用」を提言しています。口腔(こう くう)外科という歯科医が担当する分野の外科手術に関して、歯科医師資格を 持つ麻酔科医が全身麻酔をするのはすでに一般的で、法律上も認められていま す。八田学長の提案は、昨今の深刻な麻酔科医不足の状況を考慮して、歯科の 麻酔科医を口腔領域以外の手術にも活用できないか、ということだと思います。 ■歯科医の活用は症例限定で 現在の法律の厳密な解釈では、歯科医師資格しか持たない麻酔科医が口腔 領域以外の手術の麻酔を担当すれば、違法とされます。しかし、全身麻酔と いう医療行為自体に医科と歯科の区別は全くありません。したがって歯科麻酔 科医はあくまでも麻酔だけを担当し、実際の手術は別の専門医師が担当する システムを構築するのは十分可能です。この部分での歯科医師による医科 麻酔は検討の余地があると思います。 実際の問題として考えられるのは、医師資格を持つ麻酔科医でなければ 対処が難しいような手術の麻酔です。したがって、歯科麻酔科医の活用は あくまでも症例を限定する形で考えるべきでしょう。 これまでも研修目的であれば、医師資格を持つ麻酔科医の立ち会いと 指導を条件に、歯科医が口腔領域以外の手術の麻酔をすることは認められて きました。そうでないと、研修に必要な経験を歯科の麻酔科医が経験できない という事情があります。 しかし、市立札幌病院救急救命センターの部長が、歯科医に救急救命医療 の麻酔を研修させた件に対して、2003年に医師法違反で実刑判決が下って 以来、歯科医の麻酔研修のガイドライン見直しが進んでいます。09年4月 には新しいガイドラインが交付される予定です。 ■拙速すぎれば問題も そのため拙速に歯科麻酔医の他領域への手術への活用を進めて問題が生じ ると、現在見直しが進んでいるガイドラインに悪影響を与えかねません。 歯科医の麻酔科研修まで制限され、本来の領分である口腔外科領域での麻酔科 医育成に障害が出る可能性もあります。ここは十分に注意しなければならない と思います。 米国に目を向ければ、歯科麻酔科医以外にも、麻酔看護師という看護師と 麻酔科医の中間的な存在があります。麻酔看護師の歴史を見ると南北戦争に さかのぼります。 戦場における究極の必要性の中から生まれたものだと考えられています。 ただ日本では麻酔看護師に対して麻酔科医からの反対が大きいようです。 麻酔科医不足に対応して、まず第一にすべきなのはすでに十分な専門の 技術と経験を身に付けている麻酔科医の待遇改善だと思います。一般的に、 病院勤務の麻酔科医は激務のわりには他の医師に比べて報酬が少なく、 待遇も悪いのが現状だからです。 麻酔科医には内科、外科、眼科などのように開業医への道がありません。 麻酔科医不足の折、むしろ勤務医を辞めてフリーの麻酔科医をした方が、 はるかに報酬も待遇も良くなる現状が、病院の麻酔科で勤務医の数を減少 させています。 麻酔科医の重要性を認識せず、その待遇も含めた大きな構図を見据えた 対応をしないままで、歯科医師の活用という小手先の部分だけ先に進めても 根本的な解決になりません。 ■日本に欠ける全体の理解 ここからは話が私の専門分野に大きく飛びますが、旧日本軍の欠陥として 指摘され、いまだに日本の組織に残っている悪癖が、ロジスティックス (兵たん・補給)の軽視です。 日本には第一線で戦っている兵士だけを花形視し、それを後方から支える 兵たんを軽視する悪癖があります。麻酔科医の待遇の悪さもそれに通じる ものがあると思います。 全身麻酔では患者の呼吸や血液の循環を全身的に管理します。これが 患者の生命を守るのです。軍隊ではロジスティックスなしに戦闘が継続でき ないように、麻酔科医なしには外科医は満足な手術ができないという、全体 構造の理解が大変重要です。 日本社会に欠けている機能の1つは、今回のような公共政策を専門的な立場 から提言する民間の政策研究機関の存在です。確かに医師会などにはシンク タンクはあります。しかし今回のケースのように、医学、歯学、看護学という 領域を横断して総合的な判断をする政策研究を担当する機能が弱いのが日本の 特徴です。今回のような問題をきっかけに、中立的な医療政策研究分野への 社会からの投資も真剣に検討されるべきだと 思います。 *****歯科医活用は安上がりで即効性も***** (2008/08/18) (かわぶち・こういち)59年(昭34年)富山県生まれ。一橋大商卒。シカゴ大経 営大学院修士課程(MBA取得)修了。企業勤務の後、厚生省国立医療・病院 管理研究所(現・国立保健医療科学院)勤務。日本福祉大教授を経て、00年から 現職。専門は医療経済学。 ◇川渕孝一(東京医科歯科大大学院教授) 同志社大の八田英二学長の意見は私の持論と同じだ。政府は医師不足解消の ために医学部の定員を増やしているが、効果が出るのは10年先。供給過剰の歯科 医師を医師に転向させれば、即効性のある解決策になる。医師と歯科医の知識は かなりの部分が共通だ。自動的に転向を認めるのではない。医師免許取得に 一定のハードルを設けてはどうだろうか。 ■「歯科医と医師」ダブル免許で特区申請 東京医科歯科大は東京都文京区と共同で、2003年に構造改革特区を文部 科学省と厚生労働省に申請した。医師免許と歯科医師免許の両方が取れる カリキュラム編成を同大で試験的に取り入れる内容だった。 日本の医学・歯学教育は学校教育法に基づき6年間だ。初めの2年間は 一般教養科目を学び、残り4年間で専門教育を受ける。専門教育はかなりの 部分が共通だ。 選抜した優秀な歯科医師を対象に2年間の医学教育を提供するプログラムを 提案した。 「歯科医師はもうかる」とよくいわれるが、もうかったのは20年前までの 話だ。診療報酬は低く、もうからないため病院内の歯科の廃業が続いた。 一方、開業ラッシュで歯科医はパイを奪い合う状況だ。開業医で比較すると、 歯科医師の年収(税込み)は1400万円と医師の半分だ。構造改革特区の提案は 歯学部の学生たちの将来を憂い考えた案だった。 ■米国では先例も 先行事例もある。米ケンタッキー大では4年制の歯学部に1年プラスし、 医師と歯科医師の2つの免許を取れる形にした。「オーラルフィジシャン」と 呼ぶプログラムで、糖尿病や心疾患、がんなどを有するリスクの高い患者の 歯科医療を手掛ける歯科医師を養成するものだ。プログラムへの選抜は高い 学力が求められ、わずかな学生だけが入学を許可される。 口腔(こうくう)外科では歯科医師は全身麻酔をかける。麻酔科医不足の 解消に歯科麻酔医だけでも転向させてはどうかという特区の提案もした。 どちらの提案も厚労省など関係省庁の協力が得られず実現しなかった。 ■ルール化でヤミ麻酔科医追放を 06年に東京都内の病院で研修中の歯科医が外科手術で麻酔をかけ、男性の 患者が死亡する事故が起きた。容体が急変したとき指導医が立ち会わず、 歯科医の麻酔について事前の同意を得ていなかったという。市立札幌病院で 研修中の歯科医師に救命措置をさせたとして医師が医師法違反に問われたの も記憶に新しい。 こうした事故は歯科医の活用がなし崩しで進んでいることを示している。ヤミ 麻酔科医を野放しにするのではなく、歯科医にきちんと医学教育を受けさせ、 ルール化すべきではないか。 歯科医師全員を転向させるわけではない。一定水準以上の優秀な歯科医師に 医師免許の国家試験を受けるチャンスを与える仕組みだ。医療行為を医師に限定 する医師法17条は、医師が充足するまで期限付きで変えたらよい。 医師1人の養成に国立大では6年間で5400万円の税金が必要だ。政府が7月末に まとめた「5つの安心プラン」では医学部の定員増が盛り込まれているが、 あの内容では国民は安心できない。歯科医師の医師への転向はベストとは言わな いが、次善の策だ。安上がりで即効性がある。 *****ハードルは厚労省と医師会***** (2008/08/18) (せんだ・としゆき)59年(昭和34年)生まれ。82年東北大理卒、83年日経 マグロウヒル(現日経BP)入社。日経ドラッグインフォメーション編集長、 日経ヘルスケア編集長を経て07年6月より現職。 ◇千田敏之(日経メディカル編集長) 医師不足を解消するために歯科医を研修の後に麻酔科医に転用するのは、 医師を一朝一夕では育てられない現状を踏まえると、避けられない流れだ。 しかし、これを実現するためには法律改正をはじめ、越えるべき課題が多い。 医師の業務の中で、他の医療職種が分担できるのは麻酔に限らない。 在宅医療や老人医療の分野で看護師を、救急医療の現場で救命救急士を 活用しようという考えは、舛添要一厚生労働相の私的懇談会が5月にまとめた 「安心と希望の医療確保ビジョン」にも示されている。 ■必要な医師法改正 ただ、このビジョンを実現するためのハードルは高い。まず医師法の改正が 必要で「日本医師会など関連職能団体の理解が得られるか」「教育をどうす るか」といった点が課題となる。 1998年から2001年にかけて、市立札幌病院の救命救急センターが、研修生 である歯科医師に資格外の医療行為をさせていたとして、医師法違反の 疑いで元センター部長が02年に起訴された。厚労省は一審で「行為は医師法に 違反している」と明確に証言したことで04年の有罪判決につながる重要な 役割を果たした。 一方、厚労省はこの事件をきっかけに一定要件を満たせば、医師免許を持た ないものが医療行為を行うことを認めるガイドラインを2003年に発表している。 しかし このガイドラインと照合しても違法性は免れないとして08年3月、札幌高裁 は被告の控訴を棄却した。現状の医師法の枠組みを利用したガイドラインでは、 医療行為の分担は難しいという司法判断が出たなか、厚労省にもドラスティック な対応が求められている。 ■医師偏在を解消する工夫も 日本の医師不足は単純に医師を増やせば解決できる問題ではない。 地域や診療科目における医師の偏在も解消しなければならない。現在、 医師は都会に集中し、科目で見ると皮膚科や眼科など、「楽な科」で 人が増える傾向がある。 八田氏が指摘するように、医学部卒業の一定期間、医師が不足している 地域で働いてもらう仕組みをつくれば、都市への集中は緩和できる。 診療科目間の偏在に対しては、学生が専門を選ぶ段階で、適正に配分する 方法を検討するべきだろう。 成績によって専門を決められることには疑問があるかもしれないが、 他の理系学部では当たり前だ。医師は社会資源であり、育成するためには 各医学部の要請で税金を使っている。職業選択の自由も重要だが、税金を 使っている以上、何らかの束縛を受けても 仕方ないのではないか。 診療報酬の体系見直しも必要になってくる。外科や心臓外科、救急救命 などの分野では、その業務の過酷さに比べて報酬面で報われていないと いう事情があるからだ。年収1500万円程度の勤務医に対し、開業医は 年5000万円から1億円稼ぐとされる。開業した方が得な仕組みも問題だ。 40歳までは開業はできないといった制限を設けるのは1つの策であろう。 医師不足を早く、安上がりに解消するために、 過剰と指摘がある歯科医師を活用するお話と医師の偏在や女性医師の離職に関する・・お話ですね。 具体的な方策が二つ、三つ提起されているようですが、 私には、トテモとても、論評する能力はありません。 今後のために私なりに整理だけはしようと思いました。 @ 《歯科口腔外科領域で実際に全身麻酔を担当し、熟達した歯科医師に麻酔医(医師) としての資格を与える道を開く》 しつこいようですが、・・・・安上がりで、素早くという点からの歯科医の活用ですか・・・・ ・歯科医師とすれば、寂しいですね。 しかし、先ず懸念される点は、渡部恒雄(米戦略国際問題研究所非常勤研究員) ・(ペーパーデンティスト)も指摘しているように、 「・・・歯科医の麻酔科研修まで制限され、本来の領分である口腔外科領域での 麻酔科医育成に障害が出る可能性もあります。ここは十分に注意しなければならないと思います。」 ・・・・に同じ思いを持ちます。 そもそも、大学や地方の基幹病院が麻酔に熟達した歯科医師を過剰に抱えているとは思えない。 熟達したもの、中堅どころ、未熟者を含め、数年研修して立派な麻酔医に育てて、 医科に送り込めば、医師不足の解消になるのか?麻酔医だけ充足されればことは解決するのか、 疑問に思います。 数的な問題もありますから、歯科医師過剰(本当かどうかは別にして)の解決にもなりません。 また、 「・・・麻酔科医不足に対応して、まず第一にすべきなのはすでに 十分な専門の技術と経験を身に付けている麻酔科医の待遇改善だと思います。 一般的に、病院勤務の麻酔科医は激務のわりには他の医師に比べて報酬が少なく、 待遇も悪いのが現状だからです。 麻酔科医には内科、外科、眼科などのように開業医への道がありません。 麻酔科医不足の折、むしろ勤務医を辞めてフリーの麻酔科医をした方が、 はるかに報酬も待遇も良くなる現状が、病院の麻酔科で勤務医の数を減少させています。 麻酔科医の重要性を認識せず、その待遇も含めた大きな構図を見据えた対応をしないままで、 歯科医師の活用という小手先の部分だけ先に進めても根本的な解決になりません。」 ・・・・という状況で、大学や基幹病院の勤務歯科医が転職するでしょうか?これも疑問です。 ただ、彼は「・・・歯科医師の活用という小手先の部分だけ先に進めても根本的な解決になりません。」 と言い切っている点は同意します。 A 《また、優秀な歯科医または卒業間もない歯科医師に、 医師資格(ただし麻酔医資格に限定?)が容易になる道を開く》 川渕孝一(東京医科歯科大大学院教授)の主張は・・・ 「医師と歯科医の知識はかなりの部分が共通だ。自動的に転向を認めるのではない。 医師免許取得に一定のハードルを設けてはどうだろうか。」 として、東京医科歯科大 の過去の試みを紹介している・・・ 「歯科医と医師」ダブル免許で特区申請 東京医科歯科大は東京都文京区と共同で、 2003年に構造改革特区を文部科学省と厚生労働省に申請した。 医師免許と歯科医師免許の両方が取れるカリキュラム編成を同大で試験的に取り入れる内容だった。 日本の医学・歯学教育は学校教育法に基づき6年間だ。 初めの2年間は一般教養科目を学び、残り4年間で専門教育を受ける。 専門教育はかなりの部分が共通だ。 選抜した優秀な歯科医師を対象に2年間の医学教育を提供するプログラムを提案した。」・・・・ また、「歯科医の活用は症例限定で 現在の法律の厳密な解釈では、歯科医師資格しか持たない麻酔科医が口腔領域以外の手術の 麻酔を担当すれば、違法とされます。 しかし、全身麻酔という医療行為自体に医科と歯科の区別は全くありません。 したがって歯科麻酔科医はあくまでも麻酔だけを担当し、 実際の手術は別の専門医師が担当するシステムを構築するのは十分可能です。 この部分での歯科医師による医科麻酔は検討の余地があると思います。・・・・」 同じく川渕氏の意見に・・・、内容が今一正確に把握できないのだが、 歯科医から医師への道を開くことも案として出ているようだ・・・ 「 こうした事故は歯科医の活用がなし崩しで進んでいることを示している。 ヤミ麻酔科医を野放しにするのではなく、歯科医にきちんと医学教育を受けさせ、 ルール化すべきではないか。 歯科医師全員を転向させるわけではない。 一定水準以上の優秀な歯科医師に医師免許の国家試験を受けるチャンスを与える仕組みだ。 医療行為を医師に限定する医師法17条は、医師が充足するまで期限付きで変えたらよい。」 私見ですが、東京医科歯科大学の歯科医師レベルなら、可能かもしれない。 私たちの頃は、国立大学歯学部は、入学時点で医学部の合格最低点よりも高かったときもあった。 しかし、今は薬学部よりも低い。 ただでさえ少ない優秀な歯科医師を医学に取られて歯学はどうなってしまうの?という不安もある。 同じく川渕氏にはこんな意見もある。 「米国では先例も・・・ 先行事例もある。米ケンタッキー大では4年制の歯学部に1年プラスし、医師と歯科医師の2つの免許を取れる形にした。「オーラルフィジシャン」と呼ぶプログラムで、糖尿病や心疾患、がんなどを有するリスクの高い患者の歯科医療を手掛ける歯科医師を養成するものだ。プログラムへの選抜は高い学力が求められ、わずかな学生だけが入学を許可される。」 ダブルライセンスの事例のつもりなのだろうが・・歯科医師は歯科医師であって医師の領域を担当できるという事例ではないと思うのだが・・・。 そもそも、この川渕氏には苦い思いをさせられた。 富山出身ということで、富山協会主催ので北信越ブロック会議では、富山が講演をお願いしたことがあった。講演内容は、今後到来する高齢化社会は悲観するに当たらず、高齢者が多くなれば義歯の需要が飛躍的に増加し、歯科界は潤うこと間違いなし!・・というものだったと記憶している。しかしその後の結果はどうだったか・・・見事に予測は外れた!!。 私は、彼の言うことには「眉に唾をつけて」 聞くことにしている。 B 《出産を機に離職する女性医(同志社大学学長 八田英二)や医師の偏在 (千田敏之(日経メディカル編集長)問題を解消するには・・・という論点) 千田敏之(日経メディカル編集長)の 「 医師不足を解消するために歯科医を研修の後に麻酔科医に転用するのは、 医師を一朝一夕では育てられない現状を踏まえると、避けられない流れだ。」 よりも 「 医師の業務の中で、他の医療職種が分担できるのは麻酔に限らない。 在宅医療や老人医療の分野で看護師を、救急医療の現場で救命救急士を活用しようという考え・・・・」 のほうが、全体に与える影響は大きいと思うのだが・・・。 また、千田氏の「医師偏在を解消する工夫も・・・・ 「八田氏が指摘するように、医学部卒業の一定期間、 医師が不足している地域で働いてもらう仕組みをつくれば、都市への集中は緩和できる。 診療科目間の偏在に対しては、学生が専門を選ぶ段階で、 適正に配分する方法を検討するべきだろう。」や 「 ・・・・医師は社会資源であり、育成するためには各医学部の要請で税金を使っている。 職業選択の自由も重要だが、税金を使っている以上、 何らかの束縛を受けても仕方ないのではないか。」・・・・に関しては、 一般国民の少なくない人々が思う方策だろう。 これも、私見ですが、過去に失敗した、自治医科大の各県2名くらいの割り振りではなく、 国立大学の定員の半分くらいにするとかすれば・・効果は大きいかもしれない・・・、 しかし、そんな条件で、果たして地域医療を担う気概のある学生が入学を目指すだろうか? この辺は、医師の判断・感覚が正しいのでしょうから、私には無理でっす。 女性医は医学部では多いのかどうか知らない・・・。 しかし新潟大学の歯学では多いと聞く。約6割が女性だそうだ。 医学でも同じような割合なら、将来もっと大きな医師不足が到来するということだろうか?・・・ この問題も大きいのではないでしょうか・・・・。 歯科医師の活用という小手先の部分だけ先に進めても根本的な解決にならないことも、 まともな人なら理解していることだし、安上がりで手っ取り早い姑息な手段よりも、 もっと根本的な政策を打ち出すべきであることは誰しも思うことだが、具体的に・・・となると・・・ 皆さんご意見を伺いたいところです。 平田米里 日経朝刊(8月18日付)の「インタビュー領空侵犯」で同志社大学学長の八田 英二さんが、医師不足を解消するために歯科医を麻酔科医などとして活用する べきだと提言しました。日経ネットPLUSでさらに議論を続けます。 ------------------- ダブルライセンスという歴史的経緯を御存知でしょうか。 第二次世界大戦下の日本では医師不足のため、3年制の医専のみならず歯科医師にたった1年の 研修で医師免許を与えられるという特殊な時期がありました。 戦後そのダブルライセンスを持つ方々が口腔外科学の教授となり自ら管理下のもと 患者に全身麻酔をかけて手術するという、現在の歯科麻酔の原型になったのです。 いわば歯科医に麻酔をかけさせることこそ、まさにあなたが嫌う 『時代に逆行する行為』なのです。 私は、看護師にME領域の学習も含む特別な資格を設けて、ラリンジャル マスク挿管、セボフルレン等の吸入麻酔薬の調節や昇圧剤の静脈注射、 バッキング時の手動換気等をおこなう職種を作るほうがより現実的だと 思います。(もちろん麻酔科医の管理下のもと行う)そのようにすれば、 心臓手術や肺外手術、あるいは小児の手術以外は、一人の麻酔科医が いれば2〜3件同時に全身麻酔を行うことは充分可能だからです。 投稿者: ------------------- 歯科医が研修で麻酔医になれるという制度には反対です。麻酔医が 他科の医師よりランクが低いという事を認めなければ成り立ちません。 研修で理学療法士がリハビリ医に、薬剤師が内科医にという極論に 近いものがあります。そもそも麻酔は外科医の片手間の仕事では ないという考えから他科に先駆けて専門医制度をめざしたはず です。 専門医制度の行き過ぎが現在の医師不足の一因です。麻酔医 不足の原因は産科医や小児科医不足とは異なる一面もあります。 それは、基本的に麻酔は治療の主体ではなく手段で、患者が治って 退院する時の満足感や達成感を得難い分野なのです。 職場が、 毎日手術のある大病院に限定されやすいこともあります。麻酔医 不足にはもっと現実的な解決策を取るべきです。麻酔専門医の必要な 手術を開心、開胸、開頭、高齢、重篤合併症など高リスク症例に限定し、 低リスク症例は経験ある外科医を活用すべきです。麻酔科医には 外科医の手に負えない難症例の麻酔をやり遂げてほしいのです。 投稿者: (2008/08/20) ------------------- 首都圏の総合病院で働く現役の麻酔科医です。 確かに麻酔科医は 充足されているとは思えません。 しかし八田氏の意見には反対です。 麻酔は注射一本打って終わりではありません。麻酔科医は麻酔薬を 使うだけではなく、手術中の全身管理を任されています。循環動態を 安定させ、呼吸管理もしなくてはなりません。不測の出血にも対応し、 外科医のわがままにも対応しなければなりません。そういった仕事を、 「正統な」医学教育を受けていない歯科からの転向者が一人前に やれるとは思えません。 私は20年程のキャリアですが地方の麻酔科医の非常に少ない病院でも 働いたことがあります。そこでは歯科医が(ひそかに)麻酔科医のような ふりをして麻酔をしていました。もし自分が手術を受ける立場だったら、 そういった人たちの麻酔を受けたいとはとても思えませんでした。 麻酔科だけ歯科からの「転向」を認める、という特例をつくってしまうと、 今度は新しく医学部を卒業してくる若い人たちが麻酔科を敬遠するように なります(その病院ではそうでした)。歯科からの転向者も1名と 数えられ、その一方で新しい若い人は入ってこない、これでは長い目で 見ても人手不足の解消にはなりません。 投稿者: (2008/08/20) ------------------- まさに足して2で割るような乱暴な議論である。 麻酔科医師は単に患者に 麻酔をかけるだけの技術者ではない。 もしもあなたが手術を受けるとして、本職の麻酔科医師と代用の麻酔科医師と どちらを選ぶかと言われたらどうするだろう。代用的な「活用」ではなく、 きちんと正規の医師資格をとらせるのなら別であるが。 投稿者: (2008/08/20) ------------------ 提案には基本的に賛成。 医師の中で不足しているのは産婦人科医(訴訟リスクが高過ぎるけど現場排除 の制度に多少疑問あり?!)と小児科医(薬代を含めて診療報酬が安い?)、 そして緊急医療(ICUなど)の分野であるようである。 そして、最近のドラマ(フジテレビの「医龍」、テレビ東京でなくてごめんな さい。)の影響で麻酔医は「かっこいい」ということで人気が高まっている 能性が高い。 従って、上記3つの診療科目に進む医学部生を増やすには、麻酔医に進まない うにする必要がある。 問題は、医学部生と歯学部生の教育課程の違いであると思いますが。 その差を埋める研修をすればよいということになると思います(指摘の通り です)。 素人な私が想像するのは、献体を対象に全身解剖をしているのが医学部生で 歯学部生はやっていないのではないかと? ちなみに、私は麻酔の巧拙で歯科医を変えました(これが全ての理由では ありませんが!)。 口腔歯科医が全身麻酔までかけることがあることは知りませんでしたが、 分野を限って転向やかけもちも許されてよいと思います。 そして、学力や報酬のことはひとまず重要視しなくてよいかと。 また、女性のか細い手の方が外科医とか歯科医に向いているような気がしま すが、どうでしょう。 投稿者: (2008/08/18) ------------------- 医学部と歯学部で行われている教育内容は全く違う。 歯科医師も「医師」 という名前がついているのだから短期間の研修でできるようになるだろう などという考えは、いかにも社会活動を数字で測り慣れた人の言いそうな ことである。 今日医師不足とか医療崩壊とか言われているものの本質は「医療労働力」 と「医療財源」の不足である。労働力の単価を安くするというのは現実的 な方法だが、歯科医の再教育も含めて、医師の単純な増員という方法は コスト・質の維持の二つの点で解決策とはならない。 今日の医師は医療に関する全ての責任を負わされており、そのため診療報 酬請求(レセプト)や診断書の記入、患者や家族などとの頻繁な面談、 果ては苦情処理など本質的な医療行為以外に労働時間を奪われている。 これらの業務の一部でも看護師や事務職員の責任で行えるようにすれば、 医師の増員などという小手先の方策より遥かに効率的に単価と労働力の 問題を解決できるはずである。 投稿者: (2008/08/18) ------------------- 歯科医師が余剰なのは「歯医者100番」時代からくる歯学部乱立(特に 私立)によって定員が増え、供給数が増え続けているためであり、行政の 問題がある。 いったん作ってしまった大学を閉鎖させることは難しい。私立大学なら なおさらである。近年、歯科医師国家試験の難易度を極端に上げ、 合格率を医師に比べて大幅に低くしているのも厚労省の苦肉の策といえる。 この余剰な歯科医師を活用するという案は医師不足も解消するいい案だ ろう。問題は養成方法。医学部編入させ同じ国家試験を受けさせるか、 特別に養成し、限定して免許を与えるという方法があげられているが、 国家試験という関門がある点で私は前者を薦める。 養成機関も2年あれば、優秀で本気度の高い歯科医師が進もうとするだ ろう。 残った問題は国民の歯科医師に対する「医師より頭が悪いので不安」と いう意識である。大学入学時点での偏差値でイメージが作られているだ ろうが、これを払拭するには歯学部自体の養成方法も再考慮する必要が あるだろう。 最終的には、諸外国のように医学部・歯学部を合同にし、医学部卒業者で 希望者が歯科に進むようにしたらよいのではないだろうか。全身の一部 なのに歯科だけ分けられているのがそもそもおかしいのだから。 投稿者: (2008/08/18) ------------------- 歯科医が余っていると聞きます。だから、こんな案が出るのでしょう。 2級医者論にも共通して言えますが、まず医療が皆保険・計画経済を 取っている事を無視した論理だと思います。 彼らは“新たに職を産む” と勘違いしていると思います。歯科部長に言わせれば麻酔の仕事を 引き受ければ、ポストも増やせると言いたいのでしょう。 しかし、 医療費32兆円の年予算が決まっている限り、そんな事は無いことを理 解するべきです。もちろん即効性のある安価な医療が実現出来たら凄い ことです。 口腔外科が有ると言うことは、大学病院か都市部の大きな病院を指すと 思います。その様な病院では歯科医は医者とほぼ変わら基本給をもらって います(リスクと待遇が一致しないのもpointです)。ほぼ同じ出費なのに、 どうして病院は医者じゃなく歯科医を麻酔目的に雇う理屈が有るのでしょ うか? わずかの違いで歯科医を雇ったところで、レベル低下の損失が 大きすぎます。 で、医者と同じ責任を歯科医が取る覚悟が有るのでしょ うか? 対策としてリスクの高い仕事だけ本職の麻酔医に譲るっていう 事でしょうか? 更に現職の麻酔医のリスク・ベネフィットバランスが 崩れてしまいます。 一番良い方法は、常勤麻酔医ポストを増やし、一人当たりの仕事に余裕をも たせてリスク・ベネフィットを回復する事だと考えます。 投稿者:(2008/08/18) ------------------- 八田さんのコメントは、現場を知らない素人のコメントです。 迷惑 千万です。私は麻酔科スタッフとして、大学で長らく歯科医の麻酔監督も させられてきましたが、心電図や基本的な解剖学すらまともに理解して いない歯科医を相手に、麻酔指導するのにも、ほとほと疲れ果てて、 大学病院を辞めました。 投稿者: (2008/08/18) ------------------ 歯科医よりも集中治療部の看護師を登用した方がまだいいのではないか。 歯科医の登用は、行き場を失った歯科医の側の論理だ。 投稿者: (2008/08/19) ------------------ 私は、都内の30代歯科医師です。 八田氏の意見には反対です。 私は、厚生労働省が定めた「歯科医師の医科麻酔科研修ガイドライン」に従って、 過去に1年間の医科麻酔科研修を受けました。 この経験から、医師と 歯科医師の医学的な知識と技能の差を痛感させられました(私の能力不足 もあるでしょうが)。 それは、麻酔科学は生理学や薬理学をベースに、 内科学などの臨床医学の総合力が必要な科目であり、それらのバック グラウンドがないと業務の完遂が難しいからです。また、麻酔科医の業務も 手術室での麻酔管理以外に集中治療や疼痛管理、ペインクリニックなど 多岐にわたっており、八田氏の意見にある2年間の研修後の麻酔科医の 限定免許では到底、対応できないと思われます。 もし、歯科医師を麻酔科医 として活用するなら、医学部編入による医師免許取得が現実的な考えと思 われます。最後に、私もどちらかというと渡部氏の意見に賛成です。 数が足りないから歯科医師を活用するということではなく、現在の麻酔科医の 待遇改善をまず考えるべきでしょう。麻酔科医の疲弊によりまず迷惑を被る のは、患者さんです。私も1年間の研修時代、麻酔科医の過酷な労働条件を 垣間見ることができましたから。 投稿者: (2008/08/18) ------------------- 専門外のことに対して無知で不勉強である。まず基本学力の違いが考慮されて いない。最低ランクの医学部にすら入れなくて歯学部に入る人が多い現状で、 歯学部から医師ではレベルが保てるわけがない。 余ってる歯科医師の活用よりも、歯科医師のハードルをあげ、専門性を保つ ことが先決である。そうすれば歯科医師は余剰にならない。 投稿者: (2008/08/18) ------------------- 医師不足の解決策として歯科医、看護師、薬剤師などの他職種に研修や試験を 受けさせることで従事させるのは即効性があり、現実的な策だと思います。 医師を直接増やすことも可能だと思います。現在でも他の学部の卒業生の 医学部入学の場合、4年間で医学部を卒業させています。文系学部の卒業生 でも4年で卒業させられるので医系の学部の卒業生であれば2〜3年で十分 卒業させられると思います。 医師にある程度義務年限などにより配置を調整することは止む終えないと思 いますが、医学部入学時から契約していかないと。 ところで開業医の年収が5000万円〜1億円というのは無茶苦茶な間違いだと 思います。 以前の厚生労働省のデータでも月平均の収支差額が200万円くらい ですからせいぜい年収換算で2400万円位のはずです。ついでに今年の春の 診療報酬改定以後はもっと下がっているはずです。 現在は勤務医が辞める 原因の多くは激務と訴訟だと思います。 投稿者: (2008/08/18) ------------------- |