昨年の超会議の数カ月前、初めてネット企業1社だけで幕張メッセを借り切るという前代未聞の大仕事を任された横澤は、プレッシャーのなか不眠不休で奔走し、何とか成功へと導いた。1年間の準備期間があった今年開催は「1回目という意識で臨んだ。本当にやりきった」という。そのせいか、多少、感傷的にこう言葉を紡いだ。
「いうならば、ウォームジャパン的なよさをどう伸ばしていくかが、日本の文化やネットの未来という気がするんですよ。だから、かっこいいぜって威張ることでは全然ないと思っていて。感謝やおもてなしといったような、そういう忘れていた気持ちを呼び起こすようなサービスにしたい。っていうのをものすごく考えながら、僕はニコ動を作っているところがあるんです」
■「ニコ動は暖かくて、安心しますね」
前出のオーストリア人のケーキ姫は、横澤の話と通じることをいっていた。「ニコ動は、なんかほかの動画サイトと違って、みんな仲良しって感じがするんですよ。いっていいのか分かんないんですけど、ユーチューブとかはコメントがすごいひどいから、怖いんですよ。そこに投稿するのが。でもニコ動は暖かくて、安心しますね。外国人なのに歓迎してくれるような感じ」
オタク文化を育み、世界に拡散したニコ動、そしてそのファンである外国人は、クールジャパンの本当の担い手といえる。その両者は今、急接近し、新たな時代を築こうとしている。その成果をクールジャパンと自分たちで名乗ってよいのか分からないが、世界で日本が新たな文化の中心になれる可能性は十分にある。
ただし、課題は山積だ。次回は、コンテンツを作っているクリエイターの目線などから、クールジャパンの本当の課題を追う。
(次回は6月11日掲載の予定です)
(電子報道部 井上理)
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