Updated: Tokyo  2013/06/06 06:44  |  New York  2013/06/05 17:44  |  London  2013/06/05 22:44
 

それでもユーロ圏に入りたい-ラトビアが悲願成就、18カ国に

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  6月5日(ブルームバーグ):ラトビアは5日、欧州共通通貨ユーロを導入することへの支持を欧州連合(EU)の欧州委員会から得た。2014年の初めから、18カ国目としてユーロ圏に一員になる。

域内5カ国が救済を受け、6四半期連続で経済は縮小、1900万人が失業しているユーロ圏だが、半世紀にわたるソ連支配の影響を脱し経済発展を図るラトビアのような小国にとって、ユーロの魅力は大きい。ユーロ圏入りは西欧経済圏にさらに深く溶け込み、かつての支配者ロシアから距離を置くのに有益だと考えられる。

ギリシャを発端としたソブリン債危機が通貨同盟の問題点を浮き彫りにした後にユーロ圏に加わるのは、同じバルト海地域のエストニアに続いてこれで2国目。バルト3国のもう1国、リトアニアも15年のユーロ導入を目指して再申請する方針だ。

欧州委は5日の声明で、ラトビアは広範な欧州経済の中に既に「十分に組み込まれている」と説明した。レーン欧州委員(経済・通貨担当)はブリュッセルで記者団に、「バルト3国はいずれも欧州の経済的・政治的コアに既に組み込まれているか、その直前の段階にある」と述べた。通貨同盟の拡大は「ユーロ圏分裂を予想した人々の認識が現状に追いついておらず、全く間違っていることを示すさらなる証拠だ」と語った。

救済された南欧諸国で見られたようなブームと破裂の景気サイクルに、ラトビア経済も無縁ではない。マイナス17.7%という欧州最大の景気縮小となった09年から這い上がり、昨年はプラス5.6%成長を達成した。ただ、今年3月の失業率は12.4%と高い。12年の財政赤字を国内総生産(GDP)の1.2%とEU上限の3%以内にするために払った犠牲は大きい。ラトビアは赤字のほかインフレ率と債務、長期金利、通貨の安定性でもユーロ参加の基準を満たした。

欧州中央銀行(ECB)はこの日の報告でラトビアのユーロ参加を認めたものの、引き続きインフレを抑制していくことが「課題」になるだろうと警告した。

ラトビアのユーロ導入についての正式決定は、欧州の財務相らが7月9日に行う。財務相らが欧州委の勧告を覆した前例はない。

原題:Latvia Euro Bid Shows Allure of Crisis-Hit Currency forSome (3)(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ブリュッセル James G. Neuger jneuger@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:James Hertling jhertling@bloomberg.net

更新日時: 2013/06/05 23:48 JST

 
 
 
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