豪州:1~3月GDP、予想下回る伸び-機械・設備投資減少
6月5日(ブルームバーグ):オーストラリアの1-3月(第1四半期)の経済成長率は、機械や設備投資の減少が響きエコノミストの予想を下回る伸びにとどまった。統計発表後、追加利下げ観測が高まる中で豪ドルは下落した。
豪州統計局が5日発表した第1四半期の国内総生産(GDP )は前期比0.6%増。伸び率は昨年10-12月(第4四半期)から横ばいだった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト25人の予想中央値では0.7%増と見込まれていた。第1四半期GDPの前年同期比 では2.5%増。ブルームバーグ調査の予想中央値は2.7%増だった。
オーストラリア準備銀行(中央銀行)はこの1年8カ月に政策金利を合計2ポイント引き下げて2.75%に設定。ブルームバーグが集計した金利スワップ市場のデータは、8月の追加利下げ観測が一段と強まっていることを示している。
UBSの豪州担当チーフエコノミスト、スコット・ハスレム氏(シドニー在勤)は電話インタビューで、「今回のGDPの全体的な印象は極めてソフトだ」と述べ、「豪中銀が今後数カ月以内に政策金利を引き下げる確率は間違いなく高まる」と語った。同氏も1-3月のGDP前期比を0.6%増と予想していた。
シドニー時間午前11時54分(日本時間同10時54分)現在、豪ドルは米ドルに対し1豪ドル=0.9613米ドル。GDP発表前は0.9635米ドルだった。
家計消費は増加第1四半期の項目別では、家計消費が0.6%増えてGDP伸び率にプラス0.3ポイント寄与。非住宅建設は7.6%増で、GDP伸び率を0.6ポイント押し上げた。一方、機械・設備は6.9%減少しGDPへの寄与度はマイナス0.4ポイント。公共投資は15.3%減りGDP伸び率を0.9ポイント押し下げた。在庫変動のGDPへの寄与度はマイナス0.4ポイント。
ウエストパック銀行のシニアエコノミスト、アンドルー・ハンラン氏はGDP発表前の調査リポートで、「鉱業分野の設備投資が力強く伸びていないことが、より広範な経済分野の力不足を際立たせている」と分析。「需要を抑える逆風を示す証拠がたくさんある」と指摘していた。
家計の貯蓄率は10.6%と第4四半期の10.4%(改定値)から上昇した。
原題:Australia Economy Grows Less Than Forecast in FirstQuarter (2)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:シドニー Michael Heath mheath1@bloomberg.net
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更新日時: 2013/06/05 12:07 JST