【コラム・ネタ・お知らせ】 アニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」インタビュー!
■中身(俺の妹)次第で器(話数)を変える、アニメスタッフの本気
───原作者として、今のご心境はいかがですか?
伏見つかさ(以下、伏見):今回は原作の最後までアニメ化していただけるという事で、とても恵まれているなと嬉しく思っています。
───原作とアニメを近い時期に完結させた「とらドラ!」の時の手法を狙ったのでしょうか?
三木一馬(以下、三木):いえ、「とらドラ!」の時もそうなんですが、偶然にうまくタイミングが合わさった結果です。それでアニメ関係者の方々からもOKと言っていただけたので、本当にラッキーだったと思います。
高橋ゆま(以下、高橋):仮に一期放送後にすぐ二期を始めていたら、それこそ『10巻までアニメ化』みたいな中途半端な話になっていたと思いますので、それもそれで悪くはないですが、ほぼ同時完結はタイミングの妙でした。
───一期も二期も、テレビ放映枠である12〜13話で収まりきれない分も製作されるところに本気を感じます。
高橋:弊社内では暫く全15話説があったのですが、ある日、柏田から『16話になりました』と言われ『お、おう……』みたいな感じでしたね(笑)。一応弊社も会社なので、そこそこ一大事だった様に記憶しています。
伏見:話数を増やすなんて大事(おおごと)だとは承知していて、それでも原作者としては『全15話なんて無理です』としか言いようがなく、困っていたんです。でも、わりとあっさり増えたので、ゴネ得だったなと。
(一同笑い)
伏見:もちろん大事(おおごと)なのは承知しているので、柏田プロデューサーには感謝しています。
三木:柏田さんは暴走機関車みたいなところがあって、『やりますよ』『大丈夫です』って言って、『待て!』ってこっちが止める前に走っていく破天荒な方なんですよ。
柏田:私の力と言うよりは監督や倉田さん、そしてA-1 Picturesの皆さんをはじめとする制作スタッフのご理解とお力添えが大きかったです。皆さんが真摯に向き合って下さって、器(クール)ありきじゃなくて中身次第で器を変えるという事で、とても素敵なプロジェクトになったと思います。その上で、単に増やせるだけ増やすということでもなく、アニメとしての各話映像濃度を高いまま保てる16話という構成に辿り着けました。その16話は放送と全世界同時公開でまず皆さんにお届けし、Blu-ray&DVDで再び皆さんに届けられると思います。6月19日に発売される第1巻では映像だけでなくジャケットや4法人の店舗特典でもA-1 Picturesさんが素晴らしいものを上げてくださいました。
■ハッシュタグ”#oreimo”で検索して
いろんな言語が飛び交っていたら面白い
───破天荒と言えば、俺の妹の第14話以降を世界同時公開する事も発表されました。
高橋:柏田から『最後に相応しい形で世に出したい』というオーダーがありまして、色々考えてこの形にしました。破天荒な柏田先生にお応え出来ていたら良いのですが。
柏田:今日はゆまさんまでそのキャラ設定なんですね……
高橋:(笑)。実際これまでも『俺の妹』は、北米・アジア・フランス語圏などで日本と同じ週にケーブルテレビ放送や配信していたんですよ。ちょっと話がずれますけど、Webラジオ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」の『世界のオタクっ子あつまれー』コーナーでは、本当にコロンビアとかオーストラリアなど世界中からメールが来るんです。 すごく文字化けしているメールが来て、何語かで書かれている途中に『Love Anime』みたいな単語が入っていて、これはマジだ!って(笑)。 せっかく世界中でみんな楽しみにしてくれるんですから、時差はあれども変にタイミングをずらしたりせず、お祭りっぽく、みんなで同時期に観たら面白いかなって。
三木:だから、「アイアンマン3」か「俺の妹」かってことですよ!(ドヤァ)
高橋:(スルーしながら)日本も含めて国によってメディアは少し違うのですが、それら全部を使って、海外の方も含めてみんなで観ましょうというのが、アニメ『俺の妹』のフィナーレの飾り方として一番かなと。
三木:イメージとしては「サマーウォーズ」を思い出していただきたい。花札ゲームをしている時に世界各国の人たちが協力している‥‥あれです!
伏見:誰を倒すんですか(笑)
高橋:ハッシュタグ「#oreimo」で検索して、いろんな言語が飛び交っていたら面白いなっていうのが今の野望です。
■第二話の影響? あやせの人気が急上昇!
───伏見先生は、これまでの放映をご覧になっていかがですか?
伏見:第2話では脚本を書かせていただいたんですが、サイン会の会場でかんざきさんやファンの方から『2話面白かった、伏見さんの書いた脚本よかった』っておっしゃっていただいて、忙しい中やってよかったという手応えがありました。
――なるほど。
伏見:とはいえ、単純に私の功績という受け止め方はしていません。監督や演出の方が、自由に仕草や表情を動かしてくださった成果だと思っています。たとえば京介が麻奈実をおちょくって追い出す所で『ベロベロ〜』とやっていたんですが、あのシーンをアフレコで初めて見て、『あ、俺の書いてない台詞が増えてる!』って驚きました(笑) 脚本からコンテになる過程で、シーンや台詞が増えたり減ったり、仕草や表情が付いたり……色々変わるのだなあと、とてもいい勉強になりました。次があるなら、もっと面白くできる自信があります。
三木:サイン会ではファンの皆さんほぼ全員に、どのキャラクターが好きなのか訊いてみたんです。普通に予想するなら桐乃か黒猫の二大巨頭と思われがちな所、それこそ第二話の影響か、あやせの台頭が凄い!『包丁を持って追っかけられますよ? 大丈夫ですか?』と訊いたら、『それがいいんですよ!何を言ってるんですか三木さん』っていう答えをいただきました(笑)。
伏見:本編にそんなあやせのシーンはありませんよ(笑)。
三木:なんというか……イメージ?
伏見:製作中、あやせのエピソードが絶対的に不足していると感じていて、ならいっそすべてカットしてしまおうと提案したこともありました。それはダメだと柏田さん、三木さんのお二人に説得されて……なら、自分で書きますとこの2話の脚本を作りました。第一期も含め、本編でカットされたあやせのエピソードを、別の形ではありますが、いくらかは補填できたものと思います。
それと『アニメでここがカットされたーっ!』って思った人、『アニメではやっていない細かいエピソードが見たいよ』という人は、ぜひとも原作小説と、いけださくら先生の漫画版を読んでください! いけだ先生は、かなり細かくエピソードや台詞を拾ってくださっているので、オススメです。タイトルが「俺の後輩がこんなに可愛いわけがない」になっているんですけど、最近桐乃が復活してきて、桐乃が今までよりもさらに可愛くなっています。
■ニコ動で桐乃と美琴が大活躍!?
「俺の妹」「レールガン」コラボ小説について
───ニコニコ動画にて、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」と「とある科学の超電磁砲」のコラボ小説がスタートします。
三木:これ、相当面白いですよ!ネタばれになりますが、学園都市とドワンゴが裏で繋がっていて、ひろゆきが暗部の人間っていう設定です。桐乃と美琴がニコ生に出演するのですが、そのときに大問題が発生して……!というお話です。いやあもう完全にコラボしてます。
伏見:何を言ってるかわからないかもしれませんが、そんなお話です。すみません。
三木:桐乃が美琴の恋愛相談を受けて、先輩ヒロインいじりをするんです。『何巻もチャンスがあったのに何やってんの?』とか『いつまでルーズソックスはいてんの?』とか。
伏見:はいむらさんにお会いしたときに謝っておかないと。
三木:ちゃんとはいむらさんに許諾取りました(笑)。僕は『俺の妹』のストーリーはニコ動と融和性があると思っていて、『何か「俺の妹」で書きたいエピソードがあればどうですか?せっかく「レールガン」とコラボしているので、ちょっとだけキャラを出すくらいのノリでいいと思いますよ』って伏見さんにお伝えしたら、それどころかガッツリとコラボ!
伏見:コラボ相手があの鎌池和馬先生なので、下手したら何百ページも書いてくるかもしれません。こちらもちゃんと対抗できるものを書かないとと張り切りました。 (一同笑い)
三木: 実は『レールガン』も将来的にニコ動に登場します、掲載はちょっと先になりますけど、ニコ動でやるからこその面白い仕組みがいっぱいあります。お楽しみに!
───「俺の妹フェス」の第二弾も発表されました。
高橋:豪華です!ひとつ言えるのは、間違いなく前回よりも赤字幅は増えるだろうという事‥‥。
パッケージにイベント参加券をつけると『王の力』とか言われるんで、『じゃあもうBD・DVDにはチケット入れない!』っていう反骨精神で(笑)、DVD化もせずマスコミもあまり入れず、その場限りのものとして、足かせを外した故の120%の面白さを目指して全力で動いてます。
――ありがとうございました。いよいよ「俺の妹」最終巻も発売間近ですが、他にお伝えしておくべきことなどございますか?
三木:ハイ、宣伝あります! 『俺の妹』原作小説完結記念&TVアニメ絶好調御礼ということで、関連書籍も続々リリースします。好評発売中の「電撃G'sマガジン7月号」は聖天使神猫が表紙に降臨!桐乃&黒猫クリーナークロスもついてきます!
――黒猫たんハァハァというわけですね。
三木:さらにネコ耳桐乃の抱き枕カバーが付録の「電撃G's Festival! COMIC Vol.30」が6月26日に、電撃コミックス「俺の後輩がこんなに可愛いわけがない(3)」が6月27日に、そして桐乃のにいてんご&ネコ耳黒猫の抱き枕カバー付き「電撃G's Festival! Vol.34」が7月20日、黒猫のにいてんごが付録の「電撃G'sマガジン9月号」が7月30日発売と、怒涛のリリースラッシュです!抱き枕カバーの桐乃と黒猫はなんともエロ可愛い描き下ろしイラストを使用しているので、ぜひ実物をお手にとってご覧頂きたい!今からカレンダーに書き込んで忘れずにチェックしてくださいね!
――スゴイですね!? 出し過ぎじゃないですか?
三木:それくらい……完結というのはスゴイことなんですよ!!! それら詳しい情報はこちらにて!
高橋:そしてアニメ第2期のBlu-ray & DVD1巻、6月19日(水)にいよいよ発売! 完全生産限定版には伏見つかさ書き下ろしの短編小説、『十年目の再会』が付属。ここでしか読めないストーリーなので、『俺の妹』ファン必読の内容です。さらに特典CDにはオーディオドラマ『ラブタッチ2〜俺の彼女の続編が発売されるわけがない〜』と『俺と妹がベッドで恋バナなんてするわけがない』、本編ディスクにはSDキャラによるショートムービー『俺と赤城のアダルトな一日』を収録。
三木:すべて伏見つかさ脚本にて、『俺の妹』を余すところなくメディアミックス化します!
高橋:さらにコラボにも追加情報ありまして〜。6月11日よりサークルKサンクス限定で「三ツ矢サイダーPET500ml」、「十六茶PET600ml」に『俺の妹』のオリジナルフィギュアが付いてきます! 応募券を集めて応募すると抽選でもらえる描き下ろしデザインのタペストリーやロングクッションもあるので、店頭でチェックしてみてください!
※景品がなくなり次第終了となります。
※応募の詳細は対象商品に付いている応募要項をご確認ください。
三木:最後に、アキバBlogといえば『秋葉原』ということで、6月14日から30日まで秋葉原のキュアメイドカフェにて「俺の妹」コラボカフェも開催します!キャラクターイメージドリンクはもちろん、桐乃達がオフ会をしたメイド喫茶の日替わりケーキや、オムライスをそのまま再現!桐乃たちのオフ会に参加した気分が味わえるかもなので、こちらもよろしければと!
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」最終12巻 6月7日発売予定 |
───次回は「俺の妹」最終巻完結記念として、フィナーレを飾るべく特別企画をご用意しました。引き続きお楽しみに!
【関連リンク】
アスキー・メディアワークス / 電撃文庫
電撃文庫「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」最終12巻書籍情報
電撃文庫「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」公式サイト
アニメ2期「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」公式サイト
伏見つかさ氏のブログ「LUNAR LIGHT BLOG」
イラスト:かんざきひろ氏のブログ「tabgraphics_blog」 / Twitter
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