【北京=中沢克二】中国の習近平国家主席は訪米を前に中米3カ国を公式訪問した。トリニダード・トバゴではカリブ海諸国9カ国の首脳と会談、農業や教育分野などでの支援を表明した。カリブ海諸国は米国の影響力が強く「米国の裏庭」ともいわれる地域。中国のトップは、米国をけん制しながら7日に米カリフォルニア州に入り、オバマ大統領との首脳会談に臨む。
習主席はトリニダード・トバゴの首都にバハマ、スリナム、バルバドスなどカリブ海諸国のトップを集め、農業技術など幅広い分野で30億ドル規模の融資を約束した。コスタリカでも「両国関係は規模、国情が全く違う2つの国の友好協力のモデルだ」と強調した。
カリブ海や中米では台湾との関係が深い国が目立ったが、中国は経済支援をテコにグレナダ、ドミニカと国交を結んだ。コスタリカも2007年に台湾と断交して中国と国交を樹立し、10年には自由貿易協定(FTA)を締結した。
習主席がこうした小国との関係を重視するのは、台湾に圧力をかけ、今後の中台関係を優位に進める布石でもある。
もう一つの狙いは米国だ。中国はオバマ政権が打ち出したアジア重視政策を中国包囲網と捉え、強く警戒。就任後、間もない習主席の異例の早期訪米も「中国が自らの勢力圏としたいアジア太平洋地域での米国の動きをけん制する意味がある」(北京の外交筋)。その前段として「米国の裏庭」の国々で一定の影響力を確保する意味は大きい。
習主席は4日(日本時間5日)、新興国として台頭するメキシコのペニャニエト大統領とも会談し、エネルギー、鉱業、社会資本整備、ハイテク産業などの投資促進で合意した。大統領は4月、海南省での博鰲アジアフォーラム出席などのため訪中したばかり。相互訪問により、米国と最も緊密なメキシコとの関係も深めている。
中国商務省によると、中国と中南米地域の貿易額は12年に2612億ドルに達した。成長を見込まれる中南米側から見ても中国は第2の貿易相手国に成長している。
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