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皇軍(明治〜WW2の日本軍)がファンタジー世界に召喚されますたvol.17
- 1 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/14(水) 07:57:09 ID:Hd5cQ7n60
- 自衛隊ではない日本の軍隊のスレッドです。
議論・SS投下・雑談 ご自由に。
ローテク兵器VS剣と魔法
戦国自衛隊のノリでいて新たなジャンルを開拓すべし
銃を手に、ファンタジー世界で生き残れ!
・sage推奨。 …必要ないけど。
・書きこむ前にリロードを。
・SS作者は投下前と投下後に開始・終了宣言を。
・SS投下中の発言は控えめ。
・支援は15レスに1回くらい。
・嵐は徹底放置。
・特定の作者専用スレは板として不可。
・以上を守らないものは…デブルー侯に首を捻られます。 嘘です。
- 2 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/14(水) 07:57:42 ID:Hd5cQ7n60
- 暫定ガイドライン(分家皇軍Ver.)
1.「皇軍がファンタジー世界に」とあるように、あくまで「大日本帝国の軍事組織」が「ファンタジー世界」に関わる話であること。
2.大日本帝国というからには、日本軍の組織・装備は実在もしくはその延長上にあるものに限る。
実在しないが延長上にあるものを出すには、そこに至る流れを説得力のある理由つけてハッタリかますこと。
3.核兵器(含む動力源)・大陸間弾道弾・人工衛星、巨大人型兵器・海底軍艦・飛行戦艦・陸上戦艦など当時の日本が配備するにはナンセンスなものは極力避ける。
しかし確信犯(誤用)的トンデモ架空戦記としてならまた別かも知れない。
4.あくまで「ファンタジー世界」の話であり、F世界側の設定は作者が自由に決めることが出来る。
ただしそれ単独でパワーバランスを大きく揺るがす存在(兵器・魔術・キャラクター等)は作らない事が望ましい。
5.日本・F世界双方の人間をきちんと描写する方が好ましい。
一方の主観という演出などであえて描写しないのはこの限りで無い。
6.戦略・戦術としてありえないものを避ける。例えば一人の帝国陸軍軍人が軍刀一本で100人斬りとか。
7.萌え・エログロはあくまで表現手段であり、目的ではない。安易に狙ったり、しつこく要求するのは流石にウザイので自粛すべき。
どうしてもそれ主体でやりたい場合は各専用スレでやる事。
8.叩き・煽り・嵐は徹底放置。嵐認定を受けた後に、かまった者も同罪とする。
9.SS作者は、抽出がしやすいようにトリップ装着を推奨。
なお、二次創作の可否については原SS作者の判断に一任とする。現在、SS「帝國召喚」では公序良俗を乱す作品でない限り問題なし。
10.感想書き込む人も節度や口調を考えるべし。作品が気に食わないなら透明あぼーん汁
- 3 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/14(水) 07:58:16 ID:Hd5cQ7n60
- 過去スレ
01 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1116672903/
02 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1125644871/
03 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1130199183/
04 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1134983039/
05 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1139108925/
06 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1142596115/
07 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1145757330/
08 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1148549150/
09 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1151766955/
10 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1155287974/
11 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1157915129/
12 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1161151313/
13 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1167373446/
14 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1173192902/
15 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1179579011/
16 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1187842098/
- 4 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/14(水) 07:58:51 ID:Hd5cQ7n60
- SS「帝國召喚」関係
くろべえのサイト
KUROのどこかでみたような世界
ttp://www.geocities.jp/wrb429kmf065/
ここまで読んだ氏による公開済み設定まとめWiki
帝國資料館
ttp://www12.atwiki.jp/kokomadeyonda/pages/1.html
- 5 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/14(水) 08:03:34 ID:Hd5cQ7n60
- ……以上、くろべえ初めてのスレ立てでした。
>>987
987様、有難うございます。
>>988
988様、有難うございます。
薄給ですからねえ……
大金に目が眩み、足を踏み外しました。
>あと誤字ハッケソ
御報告感謝します。
>>989
989様、有難うございます。
>これは帝国の軍事力の攻撃と防御が当初より低くなった分を資源、生産力、
輸送、本土経済などを向上させバランスをとったのかな?
いえ、多少埋蔵資源を増やした程度です。これは長期的には大きな変化なのですが、現状では(旧版と比べて)さしたる変化はありません。
鉱山開発には大規模な資本投下が必要不可欠ですが、今までは“数千石〜数万石レベル”の中小豪族が独自に採掘していたに過ぎませんでした。これが一文明圏レベルでの採掘(場合によっては近隣文明圏からも)採掘になりましたので、効率的になったのですよ。加えて道路整備と通行制限の大幅に緩和、治安の向上ですから……
- 6 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/14(水) 08:06:15 ID:Hd5cQ7n60
- ありゃ、訂正。
いえ、多少埋蔵資源を増やした程度です。これは長期的には大きな変化なのですが、現状では(旧版と比べて)さしたる変化はありません。
鉱山開発には大規模な資本投下が必要不可欠ですが、今までは“数千石〜数万石レベル”の中小豪族が独自に採掘していたに過ぎませんでした。これが一文明圏レベル(場合によっては近隣文明圏からも)での採掘になりましたので、効率的になったのですよ。
加えて道路整備と通行制限の大幅に緩和、治安の向上のオマケつきですから……
- 7 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/14(水) 08:07:22 ID:Hd5cQ7n60
- >>990
990様、有難うございます。
>粗悪品渡した今回の方がいい選択だったのでしょうな。
本国産は輸出に回せる程、余裕が無いのですよ……
峠を越えたとはいえ、まだまだ帝國ヤバイです。
>>991
>豊かな資源、広大な領土、優れた科学技術、圧倒的な人口差。
>市場を求めて蛮地に討って出る。
>アメリカだ!アメリカだ!アメリカだ!
その出現の仕方といい、まさしくアメリカですよね。
哀しいことに、最後に“モドキ”が付きますが。
>>992
>油断させておいて、まずは玄関先に侵入ですね。
とりあえず成功ですが、“帝國”もこの結果に目を丸くしております。
イルドーレ、“帝國”舐めすぎ。
>>993
>神に祝福された国、日本!!ですか最高ですね。
“神国”なんて新聞に書いちゃう様な御時世に、この奇跡ですからねえ。
『この世界は神々が我等に与えたもうた地』なんてマジで考えちゃう人も……
>>994
あ〜イメージ的にそうですね。周囲からも恐れられている所が特に。
- 8 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/14(水) 08:09:03 ID:Hd5cQ7n60
- >>995
995様、有難うございます。
>イルドーレの面々、まるきり無能という訳でも無さそうですね。
7万人もいますから、全員が全員無能という訳ではありません。優秀な人々も当然おります。
……が、小さい島国ですので学ぶ機会がありません(大陸で学ぶにしても、地方から江戸に学びに行くのとは難易度が違う)し、強固な身分制度によりなかなか登用されません。困ったものです。
その点、幕府は柔軟だよなあ〜。幕藩体制が固まった中期以降でも有能ならばドンドン出世できたし、庶民にも門戸が(御家人株売買という形でだけど)開かれていたし。三百年近くも続いた訳だ。
>>996
996様、有難うございます。
>吉田さんの英国仕込外交炸裂ですか?
まあ流石の吉田氏もこういう結末は想定していませんでしたが、見事意趣返しに成功しました。
……いえ、氏は賄賂なんか渡していませんし密告もしてませんよ?相手が勝手に自滅しただけです。
>>997
ヨークタウン様、有難うございます。
>しかし、デブルー侯もかなり冷酷な人ですが、その反面頭はよさそうです。
頭は良いですが、狂ってます(笑)
重臣が一人とはいえ今まで給料泥棒に徹していた彼ですが、今後どう動くか?
- 9 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/14(水) 08:09:55 ID:Hd5cQ7n60
>>998
998様、有難うございます。
>しかし、国の規模からいって、できることには限りがありそうだけど。
ですねえ。イルドーレは本当に小さい……
デブルー侯も“侯爵”なのですが、僅か数ヶ村の領主に過ぎません。大国ならば大騎士レベルですよ。
>>999
999様、有難うございます。
>実際の戦闘場面よりこう言う政略場面のほうが好きですw
有難うございます。
……しかしこういうの書いてると、戦争は外交の延長なんだなあ、としみじみ思いますよ、はい。
- 10 名前:新:2007/11/14(水) 09:45:58 ID:0n4bxL4E0
- いじめ撃退法
- 11 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/15(木) 00:42:56 ID:1LcwRKuY0
- くろべえ氏投下乙です。
デブルー候の素顔イメージとしてすぐに
「まさに外道」のクソな赤ん坊が浮かびますた。
「お前さんのお望みの地金はもう露見しちまったよ
俺様はしっかり頂くがな!」 まさに外道
- 12 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/15(木) 04:16:46 ID:lUmeIgxc0
- 投下乙にしてスレ立て乙にして初スレ立て乙(ややこしい)
やはり馬鹿の首が落ちましたか
馬鹿は死んでも治らないと言いますが・・・ねぇ
帝國が誇る病院船のお薬でもつけてやりゃどうでしょうw
どうせ「つける薬なんざねーよ」と返されるのが関の山でしょうが
- 13 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/15(木) 21:50:16 ID:Lmec0VrI0
- ところで、行方不明の自衛官ってどうなったんでしょうね?
・・・等とここで聞いてしまう漏れは不謹慎(笑)
- 14 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/15(木) 22:18:28 ID:aijJhmBY0
- くろべえ氏投下乙。
デブルー候は海皇記の魔道師並みの特権持ちですね。王の臣下を独断で殺害し
ても、お咎めなしですから。魔道師ギルドは、超国家的組織で王権無視でした
ら、帝國の最大の敵と認識されるかも。
地金の品質は、帝國も計算していないような。悪ければ油断などと外交音痴の
帝國は、絶対思いつかない気がする。
- 15 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/16(金) 01:19:12 ID:QAQuroWw0
- >>14
その場で手打ちってのは普通ないと思いますが、使者殿がデブルー候の家臣だった場合
王に許可を求めなくても処罰できるかも。
封建制度では契約関係は君主と臣下で完結しますから、君主のそのまた上司は
臣下とはつながりが(あまり)ないと考えられる。
- 16 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/16(金) 13:08:49 ID:Hd5cQ7n60
- >>11
11様、有難うございます。
>地金
コレ、実は仲介料その他も兼ねております。
領事館とか造らなきゃあいけませんからねえ。
……とはいえ、実際国庫に納められるのは如何程だろうか?
>>12
12様、有難うございます。
もう少し上手くやれば、バレないか(役得として)見逃されたでしょうにねえ……
>>13
あ〜、そういえば分家って自衛隊モノ無いですねえ。
前はあったのですが……(復活激しく希望)
>>14
14様、有難うございます。
>デブルー候は海皇記の魔道師並みの特権持ちですね。
……鋭い。
御指摘の様に実はコレ、伏線なのです。
軽輩とはいえ王の直臣を何の裁きも無く殺したのです。王権の侵害ととられてもおかしくはないでしょう。(“無礼討ち”と主張するのもかなり苦しい)
ここから察せられることは、
・王の権威が著しく低下している。
・この様な辺境紛いの行為がまかり通る程、イルドーレは今だ“蛮”。
(名や制度を中央風に変えたりしても“仏作って魂入れず”状態)
ということです。
無論、デブルー侯を皆が畏怖していることも重要な要素ですが。
- 17 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/19(月) 11:58:42 ID:Hd5cQ7n60
- どうも、くろべえです。
大陸に展開する帝國軍とか考えてたら、SS書くの遅れちゃいました。
……いや、話の流れには全く関係の無い設定なのですが、つい。
では久し振りのSS投下。
- 18 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/19(月) 11:59:26 ID:Hd5cQ7n60
- 帝國召喚 第一部外伝1「事変前夜」
「サンチョ・マヤルカが殺されたそうです」
「……誰だね、それは?」
「まあ、薄情な御方。閣下が罠に嵌めた、イルドーレの哀れな使者殿ですよ?」
振り返りもせずに資料を読み耽る吉田に、“彼女”は呆れたような口調で答えた。
「ああ、そういえばそんな名前だったか。 ……しかし聞こえが悪いな、誰が誰を嵌めたと?」
吉田は振り返ると軽く肩を竦め、言葉を続ける。
「俺はただ本当のことを言っただけさ、『目録には見本として送る資源の量も存在すらも記載されていない』とな! ……それを如何とるかは奴の勝手さね」
「それって“教唆”に当たりませんか?」
「見解の相違だな。俺は『記載されていないからきちんと伝えてくれ』という意味合いで言ったのだよ。そもそも陛下の大忠臣たるこの俺が、横領になど手を貸す筈もないだろう?」
「……そういうことにしておきましょうか」
そう言ってクスクスと笑う“彼女”を見て、吉田は内心大きな溜息を吐いた。
- 19 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/19(月) 12:00:26 ID:Hd5cQ7n60
――いやはや、まったくもって大したものだ!
“彼女”は北方特命全権大使就任と同時に付けられたダークエルフで、なかなかどうして喰えない女だった。
本来はただのオブザーバーの筈なのだが、何時の間にやらこうして吉田の秘書役に収まっているのがその何よりの証拠だろう。 ……それも周囲を押しのけた訳でも、周囲の反発を買っている訳でも無く、ごく自然に周囲が納得するように、である。如何に“帝國”人の“脇が甘い”とはいえ、生半かな手管ではない。
が、それ以上に恐ろしいことは、普段は全くと言って良いほど“女”を……いや、存在そのものをこのような『軍艦内ですら』感じさせないことだった。まあこれで醜女ならば一万歩程譲ってまだ判らなくも無いのだが、髪を短く纏め上げていることを除けば十分“佳い女”だ。もはや不思議どころか“異常”と言って良い事態で、戦慄を禁じ得ない。
……にも関わらず、今回の様に二人きりになると途端に濃密な“女”を感じさせる。言うまでも無く吉田を墜とすためだろうが、判っていて尚むしゃぶりつきたくなる妖艶さである。正直、いつまで理性を保てるか自信がなかった。
――今まで“転向”した連中を阿呆呼ばわりしていたが……
吉田は内心で大きく嘆息する。
連中が阿呆と言うよりは、『ダークエルフ共の方が一枚も二枚も上手』というべきだろう。いやはや、まったく陛下もトンデモないご決断をなされたものである。
……いや、当時の状況――まさに皇国滅亡の危機だった――を考えれば、“止むを得ない”どころか最善最良の選択だったことは疑う余地が無い。が、なんとか最悪の事態を回避できた今となっては、その負の側面から目を背け続けることが出来くなっていたのだ。
- 20 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/19(月) 12:01:11 ID:Hd5cQ7n60
- 転移直後、自分の身に何が起こったのか見当もつかないでいた“帝國”は、彼等ダークエルフと出会うことにより、ようやく(おぼろげながらも)事態を把握した。
と同時に、自分達の置かれた状況に愕然とした。
『右も左も判らない異世界……それも大洋のど真ん中に本土ごと放り出された』
これは単に海外市場を失っただけでなく、同時に食料・資源供給源までもが断たれたことを意味していた。
本土の市場だけでは、“帝國”の経済を到底支えきれない。
本土の資源だけでは、“帝國”の文明を到底支えきれない。
本土の農業だけでは、“帝國”の人命を到底支えきれない。
……それは死刑宣告も同然だった。当時の“帝國”は、文字通り滅亡の危機に瀕していたのである。
故に、“帝國”はダークエルフと“取引”した。闇の世界に生き、『世界の隅々までそのネットワークを張り巡らせている』とすら言われる彼等に、“帝國”がこの先生きていく上での“水先案内人”を求めたのだ。
これにより“帝國”は滅亡の危機から救われた訳だが、代償もまた大きかった。
臣籍降下させるとはいえ、“帝國”第二皇位継承権者たる皇子をダークエルフ第一王位継承権を持つ王女と婚姻させるのを始め、百済滅亡以来……いやそれ以上の規模と待遇でダークエルフ達を受け入れねばならぬのだ。これは“国辱”とすら受け取られかねぬ行為であり、下手をすれば国が割れる危険すらあった程だ。
(前代未聞の“玉音放送”と臣民が現状を“それなりに”把握したこととで何とか収まったが、火種は依然として燻っている)
- 21 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/19(月) 12:01:49 ID:Hd5cQ7n60
- ――そして早一年が過ぎた現在、彼等ダークエルフは着実に“帝國”での地歩を固めつつあった。丁度この“彼女”の様に目立たずだが確実に、“帝國”要部に浸透しつつある。これに対する見方は濃淡あるものの、次の三通りだ。
けっしてでしゃばらず、さり気無くサポートする彼等を好意的に見る目。
それ以上の数の非好意的な目。
そして圧倒的多数である『僅か10万やそこいらで何ができる』という無関心な目(そもそもダークエルフと直接触れ合う人間の数自体が少ない)。
無論、吉田は非好意派である。が、同派の圧倒的多数が感情的な理由からダークエルフに非好意であるのに対し、吉田はより深刻な目で事態を眺めていた。
……もしや“第二の藤原氏”となるのではないか、とまで彼は憂慮していたのである。
「まあ怖いお顔、一体何を考えていらっしゃるのです?」
「……いろいろさ。“これからのこと”とかね」
何時の間にか直ぐ傍に近寄り、自分の目を覗き込んでいた“彼女”に、吉田は皮肉気に笑う。
……が、その内心では必死に欲望を鎮めていた。(まったく油断も隙もあったものじゃあない!)
「閣下は私達のことを誤解なさっておいでですわ」
- 22 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/19(月) 12:02:28 ID:Hd5cQ7n60
- “彼女”はそれだけで吉田の言わんことを察し、妖艶に微笑む。
「私たちは、ただ自分たちの居場所を確保したいだけ…… 何の縁も身寄りも無い私たちですもの、保護して下さる方々をお探しするのに必死なのですわ」
「殿下がお前達の王女と婚約されたことで、既にその目的は達せられた筈だ」
ダークエルフの次世代かその次の世代の王は、皇室直系に最も近い存在となるのだ。『一体何が不満か』と吉田は眼を剥き、彼女を手で遠ざける。
が、“彼女”は距離を更に縮め、吉田の甘い声で囁いた。
「私たちは、より深い縁を“帝國”の方々と結ぶことを望んでおりますわ。 ……そう、できれば私たちを“異邦人”と見做さなくなる位に」
「『だから実力者を狙って篭絡する』か? ふん、理由にならんな」
「……無理矢理ではありませんよ? ちゃあんとお願いして、助けて頂いておりますわ」
「当たり前だ。もし薬や魔法を使ってのことならば、お前たちに明日は無い」
それならば話は早かったのだがな、と吉田は残念そうに首を振る。
もしダークエルフがその様な洗脳まがいの行為に手を染めていれば、吉田は即座に実力行使に出ていただろう。ナチ打倒の為にソヴィエトと手を結んだチャーチルの様に、軍強硬派とすら手を結んで、だ。
- 23 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/19(月) 12:03:09 ID:Hd5cQ7n60
- が、現実は違った。
確かに美女と情報提供で懐柔され、親ダークエルフに転じた高官は少なく無い。少なく無いが、嘆かわしいことに五分五分……いや、どちらかと言えば高官側の方が積極的に喰いついているのが真相だ。決して彼等ダークエルフのみを責めることは出来ないだろう。
加えてダークエルフは決してそれら高官の威を借りたりしない。返って“実るほど頭を垂れる稲穂”の如くより辞を低くし、周囲の好感を得ている――“帝國”人はこういう態度に弱いのだ――くらいである。その“上手さ”がまた、末恐ろしかった。
「私たちは常に日陰の身でしたから、人の目を見て行動するのに慣れているだけですわ。せっかくお天道さまの下に出てこれたのですもの、それを失うまいと必死なのです。
……わかって下さいな」
そう言うと“彼女”はお願いの表情で両手を組み、上目遣いで覗き込む。
その視線に吉田はまるで仔犬を虐めた様な感じになり……が、ぐっと抑えて断言した。
「君達の立場は理解するが、その行動は納得しない。もし一線を超えたと判断すれば、俺は即座に君達を“排除”する――そう上に伝えておけ」
彼等の存在は重宝であるが、国家崩壊・民族滅亡を前にしたかつての様に“絶対必要”とまでいう訳では無い。『肉を切らせて骨を断つ』、大出血を覚悟をすれば切り捨てることすら可能なのだ、と吉田は釘を刺す。
(無論、下手をすれば何時終わるとも知れぬ大恐慌の引き金になりかねない行為であり、吉田自身もまた自決――陛下の面目を潰した罪で――せねばならぬだろうが)
- 24 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/19(月) 12:03:58 ID:Hd5cQ7n60
- 「わかりましたわ、お伝えします。 ……日陰の女は辛いですわね」
「……何故、そこで“日陰の女”が出てくる?」
「私たち一族は“帝國”のお妾ですもの。妾は捨てられないよう、どんなにがんばって主人に尽くしても家族の方々に罵られます。お家に迎え入れられても、決して家族にはなれませんわ……」
「もういい……やめろ……」
『でも健気な耐える女ってお好きですよね?』と訊ねる“彼女”に吉田は嘆息し、しっしと手を振った。
……いや、それが手だと判ってはいるのが、それでも脱力してしまったのだ。(この女、空気を変えるのが実に上手い!)
「ではやめます。今日は閣下と本音が判って大収穫でしたわ」
「とうに気づいていた癖に、良く言う」
「いえ、腹を割って話し合うのは重要ですわよ? 信頼はそこから産まれますから。 ……我等が“王”と陛下の様に」
「ものは言いようだな?」
が、吉田の皮肉に答えず、“彼女”は吉田の耳元で何やら囁いた。
吉田の表情が変わった。
- 25 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/19(月) 12:04:38 ID:Hd5cQ7n60
- 「……何故、それを知っている?」
それは正しく、会談における陛下のお言葉だった。ごく一部、陛下に近しい者しかしらぬ筈だ。
(吉田自身、牧野伯から一部を聞かされただけでその全容は知らない)
「多分、同じ理由ですよ? 私も王家の方々とは多少のご縁がありますから……」
「君は随分と大物なのだな、身に余る光栄……とでも言うべきかね?」
「どうぞお好きなようにお取り下さい。でも……そうですわね、それだけ閣下が“大物”だということですわ。私たちの保護者になって頂けず、残念です。 ……個人的にも」
「そりゃあどうも」
でも、また機会はありますわよね?と残念そうに首を振る“彼女”に、吉田は投げやり気味に返した。
「茶化さないで下さいな。本当に残念ですなのですよ? ……私、強い殿方が好きですから」
「酒場にでも行けば、自称も含めて掃いて捨てる程いるさ」
「またそうやって私をいじめになる……本当に酷いお方。私の言う“強さ”とは、そんな“匹夫の強さ”ではありません。閣下の様に動じない強い精神力と、大成する器のことですわ。 ……わかってらっしゃるくせに」
- 26 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/19(月) 12:05:37 ID:Hd5cQ7n60
- 「今度は褒め殺しかね? 努力は買うが……」
「いえ、閣下は望めば宰相……いえ大宰相にだってなれる器量を持ったお方、そんな閣下とお近づきになれて個人的にも大満足ですわ」
「……それは良かった」
「でも、それでは私ばかりいい思いをしたことになります。ですから、良いことをお教えしますね」
『閣下と私だけの秘密ですよ?』と“彼女”。
「サンチョ・マヤルカは、帰ったその場で殺されたそうです。 ……それも、重臣の一人に」
「ほう? 随分早いと思ったが……」
その反応の薄さに、“彼女”はあらあらと両手を口に当てる。
「サンチョ・マヤルカは軽輩とはいえ王の直臣、それが王の裁き無く殺して“お咎め無し”ですわよ?」
「……別に珍しいことでもなかろう? 辺境ではままあることだ」
「一応、イルドーレは中央世界の文明国ですわ。辺境とはルールが違います」
中央世界と辺境との最大の違い、その一つとして『法の運用が厳格かそうでないか』が挙げられる。
無論、完全なる法治国家である筈も無いが、少なくとも如何な権臣と言えど、無断で王の直臣を……しかも官職にある者を討つことは許されない。何故ならそれは、王の権威に対する重大な挑戦であるからだ。
- 27 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/19(月) 12:06:40 ID:Hd5cQ7n60
- 「そういった場合、たいがい“無礼討ち”を主張するのですが……今回の例では厳しいですね、無理がありすぎます」
「――ということはその重臣が相当な権臣、或いは王の権威が著しく低下しているか、はたまたその両方か…… 一体誰だね、その重臣は?」
吉田はイルドーレの重臣リストを開き、吟味する。
が、皆“どんぐりの背比べ”であり、飛び抜けた存在はいない。こういった場合は大概足の引っ張り合いで、同僚の失点は見逃さない筈なのだが……
「デヴルー侯ですわ」
「……? 誰だ、それは」
リストを幾ら眺めても、その様な重臣は出てこない。
必死で探す吉田を見、“彼女”は助け舟を出した。
「“王国筆頭魔道師”で探せば、出てくるのでは?」
「……これか。が、名しかないぞ、爵位すら記されておらん!」
担当者の怠慢ぶりに、吉田は書類を叩いて怒る。
「無理もありませんわ。この方、重臣とは名ばかりで今まで引きこもってらしたもの」
「む……」
- 28 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/19(月) 12:07:30 ID:Hd5cQ7n60
- 暗に、『自分達を頼らなかったからだ』と指摘された様な気がし、吉田はバツの悪い表情で呻いた。
「お気になさらないで下さいな、それにしても筆頭魔道師とはいえ魔道師が侯爵で重臣とは、文明国を名乗る割りにイルドーレは随分と“蛮”ですわね?」
中央世界における魔道師とは、あくまで中〜下級貴族の名誉と上〜中級貴族に準じた富を約束された存在に過ぎず、テクノクラートとしてその分野での意見こそ尊重されるものの、決して重臣として最高意思決定機関に名を連ねることはない。
「地名や人名、制度を中央世界風に変えてみても形だけ、『仏作って魂入れず』でしょせん地は辺境のようですわね?」
「……君は随分と回りくどいな。『辺境とはルールが違う』のではなかったのか?」
「申し訳ありません、“辺境”は言い過ぎましたわ。 ……でも、“辺境にとっても近い”というのは本当」
「と、言うと?」
「デヴルー侯は皆が恐れるとっても怖いお人…… 加えて現在、王の権威は地に堕ちています。彼のお人を止められる者は、重臣といえどおりませんわ。それを許す風土でもありますし、ね?」
「……何故それ程の実力者が、今まで外部に知られなかった?」
- 29 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/19(月) 12:08:29 ID:Hd5cQ7n60
- 「遠い海の向こうの小国ですもの。おまけに引きこもっていましたし」
「そこが判らん、引きこもっていて何故“実力者”足り得るのだ?」
「“実力者”というよりも、皆恐れているのですわ」
先ず、その外見に驚かされる。
子供の様な体躯、妙に甲高い声……極めつけは顔を面で、体躯を隈なく細い布で覆ったその奇装。
が、それを哂う者はイルドーレには存在しない。そんな命知らずは。
「うっかり侯の素顔を見てしまった方は、その場で惨殺されたそうですわ…… 普段は大人しいお人の様ですが、何か粗相があると豹変なさるとご評判」
“呪殺の達人”という噂もあるから、重臣の方々もまるで腫れ物を触るよう、と笑う。
「“呪殺”なんて、本当に存在するのか?」
「まあ有るには有りますが……どうやら皆さん、“呪い”というものを何か勘違いしていらっしゃるようですね。あれは、そんなに便利なものでは無いのですよ?」
「あるのか……」
「ご安心を、私たちは呪殺なんてまどろっこしい上、不確実な手段なんて採りませんわ」
- 30 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/19(月) 12:09:37 ID:Hd5cQ7n60
- そう言うと、“彼女”はにこやかに手で何かをさっくりやる様な行動をとる。
とりあえず、吉田は見なかったことにした。
「…………で、『王の権威が地に堕ちた』とは?」」
「今の王さまは大層な浪費家、借金は積み重なり財政は火の車、ですわ。 ……これを」
「ほう、これは……」
“彼女”から渡された一枚の紙を一瞥し、思わず感嘆の声を上げる。
イルドーレ王国の財政状況について。
国家総歳入:450万リバー
国家総歳出:540万リバー
王室費 100万リバー
家禄費 150万リバー *対象は貴族。
職禄費 100万リバー *対象は官(貴族・士族)及び雇人(平民)全て。
借入金返済 90万リバー *利子分のみ。
政策費 100万リバー *最低限必要とする分。
総計: −90万リバー
借入金総計は500万リバー。
うち国内分300万リバー。利子は12%(元金100万リバー)、15%(元金100万リバー)、18%(元金100万リバー)の計45万リバー。
うち国外分200万リバー。利子は20%(元金100万リバー)、25%(元金100万リバー)の計45万リバー。
なお200万リバーの元金償還が3年以内に、300万リバーの元金償還が5年以内にあり、償還或いは延長による利子の大幅増を必要とする。
- 31 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/19(月) 12:10:40 ID:Hd5cQ7n60
- 「……酷いな、破産寸前だ」
吉田は呆れた。
固定費が多すぎ、どうにもならない。余程思い切った大改革を行わない限り、どうしようもないだろう。(まあ“帝國”も他人の事を言えた義理では無いのだが……)
が、これは使える。
「お役に立てまして?」
「ああ、残念ながら立ったぞ」
渋々、といった表情で認める。
(癪だが、役に立つ情報だ。他の連中が溺れるのも無理は無い)
「なら、ご褒美を下さいな」
「……礼じゃあなかったのかね?」
「手柄を立てた部下は、褒めるものですわよ?」
「……君は何時から俺の部下になった?」
「固いことは抜き、ですわ」
そう微笑むと、軽く接吻する。
「今回はこれで諦めます。では」
御機嫌で退出する“彼女”を、吉田は唖然として見送った。
「……やれやれ、本当に油断のならん連中だ」
- 32 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/19(月) 12:11:12 ID:Hd5cQ7n60
- SS投下終了。
- 33 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/19(月) 12:45:29 ID:lGUFSpGY0
- くろべえさん投下乙です。
とりあえず、これ何てエロゲ?w
いやしかし、エロゲにしては主人公のご面相が(ry
冗談はさておき、今回はダークエルフの『浸透戦術』の巧みさ、恐ろしさがよく伝わってきました。
旧版では、獣人たちの「帝國に忘れ去られることへの恐怖」への言及がありましたが、立場の違いこそあれ、
ようやく手に入れた安寧を失うことへの恐怖を、あるいは獣人以上に抱いているのが彼らなんでしょうね。
そういう弱者(おまけに美人!)に対して思わず手を差し伸べたくなってしまうのが日本人クオリティ……。
吉田さんが危機感を募らせるのもむべなるかな。
- 34 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/19(月) 17:10:51 ID:ZWwCmeiE0
- >くろべえ氏
おっつ〜
くそっ、閣下羨ましいな。俺もそんな女性が欲しいぜ
閣下と“彼女”の掛け合いって「事変前夜」だけじゃなくこれからも続く?
あと設定で質問
ダークエルフの好意・非好意・無関心派って誰が所属してるの?
非好意派は軍の強硬派?好意派は官僚かな?
- 35 名前:陸士長:2007/11/19(月) 19:18:33 ID:KNJCSNJU0
- 吉田さんのバカヤローと一声。
しかし、極め付けの女狐が斜め後ろに立っているのは何とも心地悪いでしょうね。
要職に付いていて能力が高い人ほど、比例するように有能なダークエルフが配置されているんでしょうか。
トップシークレットを知っている辺り、かなり上位の人かもしれません。
吉田さん、その内胃薬が必要になりそうですね……外で敵性国の要人相手にしてる方が楽だと言い出しそうw
- 36 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/19(月) 19:21:21 ID:jG7rSnt20
- くろべえ氏、乙です
うーむ
ダークエルフ、やはり名前に負けず劣らず暗いというか黒いというかw
人間は正体不明なモノほど恐れるものですが、
このさりげない手練手管による自然にしか感じられない不自然な浸透が、
旧版で獣人達の捨てられる恐怖をいっそう煽ったんでしょうね
まあ、ここまでの技術があってなお種族滅亡に瀕する迫害、
というのも実際にお涙ものですが
さて
何かとダークエルフと対比されそうな獣人たち
旧版では見事な暴走かましてくれましたが、こちらでは獣人たちはどうするのか
その辺りも楽しみにしつつ、GJでした
- 37 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/19(月) 20:16:47 ID:QU8.xl4A0
- くろべえ氏、投下乙です。
ダークエルフ恐るべし、一つ間違えると彼らの浸透戦術がかえって迫害を呼ぶ気もしますが。
彼らも世代を重ねると適度に平和ボケしてくるんでしょうかね。
- 38 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/19(月) 20:29:23 ID:w0HCRvEI0
- >獣人たちはどうするのか
もふもふ系の獣っ娘が、政府や陸海軍高官の屋敷の前にダンボールに
入って「拾ってください」とか、肉球攻撃!とか・・・・
「おにゃの虎」を思いついたとき程のキレが無いなぁ・・・
修行して出直してきます。
- 39 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/19(月) 22:06:46 ID:BjW1SdV.0
- >38
↓のおすすめアイテムが秀逸だね。
ネコVerの長門がっ!ながとがぁっ!
- 40 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/19(月) 22:08:04 ID:BjW1SdV.0
- リロードしたら変わっちゃた。 orz
- 41 名前:ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2007/11/20(火) 00:31:55 ID:Bohu6sek0
- くろべえ氏投下お疲れ様です。
いやはや、このダークエルフ。しつこいと思ったら意外にあっさりしてますな。
それに、ある意味で熟練者ですね。官僚たちが次々に落ちて行った事も納得できます。
しかし、吉田さんもよく耐えましたね。まさに男の鏡です。
- 42 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/20(火) 02:04:36 ID:xcAMzbOM0
- くろべえ氏投下乙です。
いや見える!このダークエルフ女史ホントは吉田さんと相対してるときには
女狐を装いつつ実は心拍数が50くらい上がってるのが見える!
旧版準拠だと、ダークエルフはなにげに心根は健気で可愛らしい人が多かっただけに。
となると一層、このダークエルフ女史は立場との板挟みで可哀想な立ち位置ですが。
恋心が実るといいねえ。
- 43 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/20(火) 07:46:52 ID:Bd3wyNqw0
- 本気で好きになると言うのも女狐の特技……
どれだけの間「本気で好き」なのかは別として。
- 44 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/20(火) 09:53:55 ID:oVuuhHNoO
- 投下乙です
ダークエルフ怖ぇぇ・・・
吉田さんも大変なことになってますね
しかし、牧野伯爵の眼も有りますし、
しかも自邸には既に喜代さんがいますからな、
なんとか自分を保って頂きたいものです
- 45 名前:名無し三等兵@F世界:2007/11/20(火) 12:06:51 ID:a9o2Z0lM0
- くろべえさん、投下乙です。
吉田さん、こっちの対応の方が苦労しそうですね(苦笑)。
奥さんを思い浮かべながら自制しているのだろうなあ。
しかし、ここまで露骨だと、かえって醒めそうな気がしないでもないけど、そこは美貌でカバーしているのでしょうなあ。
- 46 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/20(火) 13:06:49 ID:OTJ0WOtE0
- 世に女に勝る武器はなし、てヤツですかね
しかしダークエルフがこれなら、
その逆方向に行くだろうエルフはどれだけ貞操観念が強いのか・・・
人間には触れることさえ嫌がりそうな悪寒
いずれ対決するとして、イルドーレがお話にならないくらい話が通じなさそう
- 47 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/20(火) 19:06:06 ID:NCi3WqV60
- スマン
そろそろカナ姫を・・・
- 48 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/21(水) 00:25:52 ID:ye7RxoL20
- 本編ほとんど進んでなくて、ようやく佳境に入ってきたかなって所なのに、
何で外伝を要望してるんだよ…。
- 49 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/21(水) 00:44:49 ID:o.uHXv4.0
- >>47が自分の欲望に正直だから
- 50 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/21(水) 01:30:10 ID:EJDn1AT60
- みんな星になれぇーw
とりあえずこのまま進むことを祈ります
- 51 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/21(水) 19:33:18 ID:Hd5cQ7n60
- >>33
33様、有難うございます。
旧版では“取り込まれた”方々が中心でしたので、ダークエルフに関してはかなり好意的に書いてきました。けど逆の立場から見れば……という訳で、今回改訂するにあたり、反対側からの見方も増やす事にしました。
吉田さんはその中心の一人(過激派ではないが)です。
>>34
34様、有難うございます。
>あと設定で質問
>ダークエルフの好意・非好意・無関心派って誰が所属してるの?
>非好意派は軍の強硬派?好意派は官僚かな?
それはおいおい……
現在の段階で言えることは、「えっ!あの人が!?」って感じで思いがけない人が転向してたりとか、かなあ?
嫌々ながらも使ってる内にコロリとか。
>>35
吉田さんも外務省の建て直しとか色々大変です。
……そのうち倒れるかも。
>>36
36様、有難うございます。
>獣人
獣人は基本的におバカですからねえ。
ちなみに旧版では、ロイ少年の“先生”関係の縁で軍の一勢力と結びつくことになりました。そしてあるイベントを経て所領安堵を……
(改訂版に一部流用する予定なので詳細は御免なさい)
- 52 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/21(水) 19:34:12 ID:Hd5cQ7n60
- >>37
37様、有難うございます。
>平和ボケ
転移男ではあんな感じ(『導かれしモノたち』参照)にタレてます。
>>41
ヨークタウン様、有難うございます。
>いやはや、このダークエルフ。しつこいと思ったら意外にあっさりしてますな。
『まあ最初はこんなもの、とりあえず会話が成立しただけでも成功』と判断したのでしょうかねえ。で、更にトライとか。
>>42
42様、有難うございます。
……そういえば、この時吉田さん独身だったような?
(可能なら)後釜狙いかも???
>>44
44様、有難うございます。
とりあえず、帰還したら即効芸者かも?
>>45
名無し三等兵様、有難うございます。
>しかし、ここまで露骨だと、かえって醒めそうな気がしないでもないけど、そこは美貌でカバーしているのでしょうなあ。
精神力の弱い(普通でも可)人ならイチコロですが、相手が悪かったですねえ。戦後の大宰相は伊達じゃあない。
>>46
>エルフ
連中、人間をサルだと思ってますからねえ。19世紀の白人並にタチの悪い連中ですよ。会った帝國軍人は皆ブチ切れてます。
(……ああ、もしかしたらダークエルフを保護したのは、こういう理由もあるのかも)
>>47
>カナ姫
う〜ん、今やると収拾が……ごめんなさい。
- 53 名前:陸士長:2007/11/21(水) 20:12:07 ID:KNJCSNJU0
- >……そのうち倒れるかも。
病院に担ぎ込まれる吉田さん。
何故か医師がダークエルフ。そして秘術による治療。
困惑する吉田さんの前に現れたお付きの看護婦は『彼女』だった!
「お加減は如何ですか?」
看護婦姿の美人ダークエルフ……(*´Д`)ハァハァ
ああ、看護されてぇ。
- 54 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/21(水) 21:10:36 ID:aijJhmBY0
- >吉田氏
他の日本人もですけど、当時ならそんなバタ臭い女は好みじゃ無いと拒否する官僚も居たりして。外人の顔の区別がつかんと嘯く、大物も居そう。
くろべえさん。話が進むにつれ時間軸が戻るには、気のせいでしょうか? 清華はおろかレムリアへの道が遠い。
意外な転向組。カソリックの大平氏か? インパールの司令官や、昭和のKターンの提督なら、脇が甘そうで意外と思えないし。
- 55 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/22(木) 07:28:29 ID:9ORR.njs0
- ここで、日本古来の伝統「お稚児さん趣味」ですよ。
かわいい男の子とか、凛々しい美少年ダークエルフが
帝國要人のヒヒジジイの餌食に・・・・・
そんなこと許せない!と、オトコ勝りの名家のお嬢が
危機一髪のところを助け出して・・・・
と、ゆー同人誌が創られるのは帝國が危機から抜け出して
二世代くらい後ですかの
- 56 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/22(木) 15:50:51 ID:MsAR/znU0
- >>55
文芸誌の同人活動は女性のほうが熱を入れていたからなぁ
>そんなこと許せない!と、オトコ勝りの名家のお嬢が
お嬢が颯爽たる若手士官に変わっちゃうぞw
- 57 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/22(木) 20:33:39 ID:3QMnubGk0
- セーラームーンは出るべくして出たよーな気が・・・
- 58 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/24(土) 20:18:45 ID:jlu9ykog0
- 久しぶりに過去スレ見てたが・・・
猫じゃらし氏の復活をキボン・・・と言ってみるテスト
- 59 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/24(土) 20:51:47 ID:5cdVuct20
- 同意。
猫じゃらし氏だけでなく誰でもいいから投稿してもらいたいわけで。
事実このスレはくろべえ氏だけでもってる状態だし。
一応自分も、くろべえ氏の召喚の2次創作を考えてはいますが・・・・
「アストラギウス銀河に召喚されアルフェイム世界」の話なんでどう考えてもここではなく「架空の軍隊が〜」スレ行きですね。
- 60 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/24(土) 21:12:12 ID:WmlYr7Cw0
- 昔、
「帝國が超大国として君臨してる世界に平成日本が来る」
と言うネタを考えたんだがな・・・
兵器の開発速度がどのくらいかわからなくて挫折したw
仮にあっちに行った帝國が平成の時代まで進んでもイージスシステム
(のような防空システム)とか発想すらしないような気もするが
さすがに100年ぐらい経てば似たようなシステムを開発してるかもしれん
と悩んでね。
- 61 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/25(日) 02:33:22 ID:QL.hy2go0
- その場合逆方向から考えてみると割とすんなり行くかも。
イージスのあるなしの妥当性から話を組むのではなくて、どういう話にしたいからイージスがあるかどうかを考えるって風に。
- 62 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/25(日) 06:59:14 ID:XGTe8NMI0
- 攻撃重点主義だからアーセナルシップとかは作りそうだけどね
- 63 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/25(日) 07:45:24 ID:8KfgjvIg0
- >>60
転移男とか読んでる?
帝國の平成17年で、現実の昭和50年代相当のテクノロジー。
初期のイージスシステムもどきは既に配備されてるそうだよ。
- 64 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/25(日) 10:55:49 ID:i/BGxRX.0
- >>63
言いたい事はわかるが、ここはくろべえさんの専用掲示板じゃないんだよ
- 65 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/25(日) 12:18:28 ID:fqyHfca20
- くろべえさんの二次創作宣言しているわけじゃないからねぇ
まぁ技術の進捗は話の面白さと現実的にはこうだろという
相反するバランスの取り合いだろ
悩みすぎるよりも力技でこれどう?ってやってしまっても良いと思うよ
もし不評でもどこらへんのバランスのとり方が不評だったか判明して
次につながるしね
- 66 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/25(日) 18:47:38 ID:c0daRVVU0
- >>60
転移先の時代をいつ頃か調節すれば、技術レベルは自由に設定できると思いますよ。
- 67 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/25(日) 20:02:30 ID:WmlYr7Cw0
- >>61-66
御指南ありがとうございます。
少し頑張って再度書いていきたいと思います。
多分、ドンパチモノよりも帝國と平成日本の感覚のズレが云々な
SSになってしまうと思いますがw
- 68 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/25(日) 23:24:54 ID:HUF2bBM60
- まぁこの板は創作側に対する叩き多いから
どんどん作り手が減って過疎るのも当然というか
なんであれ自分がそれなりの時間を投資して作ったモノが叩かれたらやる気萎えるだろうなとはおもう
よって、叩きどころの無い人しか創作を続けられなくなるんだが、そんな人は殆どいないわけで・・・
(普通はどっかクセあったり賛否両論分かれたり突っ込みどころあったりする)
お気軽に叩き放題な匿名性掲示板の宿命・・・というしかないのかなぁ。。。
この類の作品かなりスキなんで残念だ
- 69 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/26(月) 00:31:31 ID:jUh8v8N20
- 「これはこうだ」と突く人もいるし、攻撃的な人もいるがそこまで粘着する人はここにはいないよ。(稀に出るけど)
投稿が途絶える場合は自身の都合によるものでしょう。
- 70 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/26(月) 02:37:23 ID:BIFygeZ.0
- 粘着はされなくても、あまりにも攻撃的すぎて(或いは皮肉が利きすぎて)
気が萎えることもあるのかもしれない。
- 71 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/26(月) 03:10:19 ID:G8d.1vLg0
- 粘着質の批判厨も若干名見かけるけど、攻防共に大したことないから無問題。
何度か見たけど、知識も議論の運びもまるでお話になってない。
どうしても食ってかかるようなら、「てめえで書け」で解決可能す。
- 72 名前:F世界逝き:F世界逝き
- F世界逝き
- 73 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/29(木) 18:19:37 ID:K/QyTobU0
- 俺はくろべえ氏のやつしかみないけど
投稿するのは自由だよな
- 74 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/30(金) 12:15:13 ID:ZvZ42sDg0
- >他の方の作品
いいですねえ。特にオリジナルは楽しみです。
や、その方の独自設定かといいますか、アイデアが楽しみで……
色々な世界に触れるのは楽しいですし、刺激にもなりますからねえ。
さて久々のSS投下です。
(最近本当に遅くて申し訳ない)
- 75 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/30(金) 12:15:56 ID:ZvZ42sDg0
- 帝國召喚 第一部外伝1「事変前夜」
「なんだこれは!」
「……これはまた、随分と欲張った要求だね?」
怒りに震える部下と呆れたような(それでいて)どこか楽しそうな吉田――イルドーレからの返答を読んだ両者の反応は、まったく対称的なものだった。
「笑い事ではありませんよ、閣下!」
部下は吉田の反応に食ってかかる。三役と幕下ほども格が違うにも関わらず、だ。(よほど気に食わないのだろう!)
……確かに、イルドーレからの回答は『怒って当然』と評すべきものだった。
イルドーレは食料を始めとする物資の売却だけでなく、“帝國”が運ぶ物資(地金)の購入までも許可し、“帝國”の要求に対して満額回答を示した。
が、問題はその中身だ。様々な名目の手数料に加えて法外な関税が付随しており、これでは“帝國”が支払う地金は実質『見込んでいた価値の半分以下』という安値で買い叩かれることとなってしまう。余りに不当過ぎた。(実際にはこれに加えて地金そのものの価値をイルドーレ側が“帝國”よりも大幅に低く見積もり、『半分そころか数分の一』となった)
- 76 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/30(金) 12:17:04 ID:ZvZ42sDg0
- 「いいじゃあないかね。どうせタダ同然に手に入れたモノ(地金)だ」
にも関わらず、吉田『は全く気にしない』とでも言うかの様に悠然と葉巻を吹かしている。
まあこの態度もイルドーレ側の実情を知っているからこそなのだが、同様にそれを知っている(知らされている)筈の部下の怒りは収まらない……どころかますます燃え広がるばかりだった。
「問題はそこではありません! このような回答をしてくるということは、我々……いえ“帝國”が舐められているということなのですよ!?」
何故“帝國”がこんな夜郎自大な小国と呼ぶのもおこがましい“吹けば飛ぶような国”相手に下手に出ねばならぬのか――それが彼の怒りの原因だった。今回の条約(というよりも契約)締結の重要性は理解しているが、ここまで不平等な内容は断じて認められなかった。彼は“誇りある交渉”を主張する。
「……それでは何時まで経っても話がまとまらんではないか」
が、吉田はにべも無く切り捨てた。
吉田に言わせればこれはあくまで謀略であり、『イルドーレは毒饅頭を喰った』に過ぎないからだ。
イルドーレには膨大な債務があり、今尚増え続けている。これは構造的な問題であり、小手先の改革では到底解決出来ないだろう。 ……それこそ、大出血を覚悟しない限りは。
が、その赤字分を“帝國”が補填してやれば、目先の危機が回避されれば、彼等は現状に安住することを選択するだろう。そして直に“帝國”無しではいられなくなる。
――そうなれば後はどうにでも出来る。(無論、あくまで補填するのは赤字分のみであり、債務まで返せる程の余裕は与えない。生かさぬよう、殺さぬよう、じわじわと追い詰めていくのだ)
- 77 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/30(金) 12:17:48 ID:ZvZ42sDg0
- 「なに、早ければ一年もかからんさ」
実はイルドーレはもう一つ墓穴を掘っていた――というのも、連中はこの契約を『一年毎の更新』としていたのだ。恐らくその都度更新料か何かをふんだくる積りだろうが、こちらにしても次回以降は黙ってサインするとは限らない。早ければこの一年で、状況は大きく変わるのだから。
……が、部下はあくまで体面に拘った。
「外交は、相手に舐められたら終わりです!」
「ああ同感だ。確かに軍が2〜3個師団も出せると言うのなら、俺とてこんな屈辱を笑って見過ごさんよ」
吉田は葉巻を乱暴に灰皿へと押し付けると、ギロッと部下を睨みつけた。
……実の所、彼とて何も好き好んでこんな反応を示している訳では無い、怒れるものならばとうに怒っている。
が、先立つものが無い以上、無意味どころか事態を悪化させる行動を厳に慎んでいた――それだけの話だった。
陸軍が『小内海に展開可能』とした兵力は僅か1個聯隊、5000にも満たぬ兵力に過ぎない。
これは海軍同様“距離”の問題もあるが、それ以上に大内海沿岸で手を広げ過ぎ、兵力の不足をきたしていたからである。(*1)
……たったこれだけの兵力で、10億とすら謳われる中央世界で一体何が出来るだろう? 人口も面積も遙かに少ない支那相手ですら、(満州も含めれば)100万を超える兵を投じてなお、泥沼状態だったというのに、だ!
- 78 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/30(金) 12:19:03 ID:ZvZ42sDg0
- 「現在の我々は大内海沿岸部での資源開発とその輸送でいっぱいいっぱいだ、とてもじゃあないが元の世界でやってた様な大立ち周り――それも数千海里も離れた場所でだ!――はできんよ。そんな真似すれば、たちまち国が傾く……どころか破産するな」
「所詮連中は蛮族です、我々の敵ではありません!」
「君達に言わせれば、支那も蛮族の筈だったのだがな」
吉田は意地悪く哂う。
「見かけに騙されるな、本質を見ろ。連中、曲がりなりにも“航空戦力”と“広域無線通信網”を保有しているのだぞ?」
アルフェイム世界は“魔法文明”(*2)とでも呼ぶべき、“帝國”が元いた世界(*3)とは全く異なる文明体系を有している。中世に毛が生えた程度に過ぎない辺境は兎も角、中央世界……ことに大文明圏では“帝國”から見てもかなり高度な技術が見受けられた。
大国ならば数百、列強に至っては数千単位で運用している飛竜戦力は、質はともかく量的には脅威そのもの、そして音声どころか映像――それも天然色動画だ!――すらも海を越えて瞬時に届ける通信技術に至っては“帝國”……いや、アメリカですら未だ保有していない超技術である。
……これが脅威でなくてなんだというのだろう? そう指摘されれば、流石に部下も首肯せざるをえない。
- 79 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/30(金) 12:20:01 ID:ZvZ42sDg0
- 「それはそうですが……」
「これだけでも日清日露当時の我が国に勝るな。 ……いや、下手すれば第一次大戦直前の欧米にすら匹敵するかも知れん」
「流石にそれは――」
「何れにせよ、油断は禁物だ。我々の手駒が限られている以上、慎重に行動する必要がある」
吉田は尚も反論を試みようとする部下を遮った。
そして何かを思いついた様に部下を見、意地悪く笑う。
「ああ、領事はお前がやれ」
「わ、私がですか!?」
「ああそうだ。お前、残務整理と組織防衛に追われてばかりの生活に嫌気がさして、志願したのだろう?」
「しかし……」
「ふざけるなよ、若造が」
尚も逡巡する部下を、吉田は低い声で叱り付ける。
「お前、外交官の仕事が傅かれておだてられ、威張っていることだけだとでも思っているのか? だとしたら辞めちまえ、外交官は、国益の為なら何でもやってのけるのが商売だ」
- 80 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/30(金) 12:20:50 ID:ZvZ42sDg0
- 「…………」
「それに今回の仕事で主導権を握れねば……いや、せめて軍と対等に渡り合えねば我々(外務省)は“終わり”だよ。外交は軍に、邦國は内務省、要人接待は宮内省に奪われ、せいぜいメッセンジャボーイとして細々と生き残る他に道は無くなる」
「……そこまで、ですか?」
想像以上の外務省の凋落に、部下は驚きを禁じ得なかった。『状況は厳しい』とは思っていたが、まさかそれほどとは……
が、考えてみれば当然だった。転移により今まで築き上げてきた人脈・情報・外交ノウハウの一切を失い、無用の長物となった挙句に“対英米宣戦布告暗号の放置視”である、外務省を取り巻く情勢は四面楚歌と言って良いだろう。そんな半死半生の状況では、禿鷹の様に利権を奪おうと群がる他省にとうてい抗し切れない。転移前に集めた情報・書類を整理した後には大規模な首切りを避けられないだろう、とは考えていたが、それでも甘かったようだ。
……しかしチャンスでもある。
もし今回上手くやれば、外務省は存続できる。それは自分達の手柄、大手柄だ、同期トップは間違いない。
だからこそ野心のある連中はこぞって志願し、その中で自分を含む一握りだけが選ばれたのだ。
――その一握りをも蹴落として、自分がトップに立つ絶好の機会!
そう考えると、胸に野望がこみ上げて来た。
- 81 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/30(金) 12:22:00 ID:ZvZ42sDg0
- 「ならばやれ、見事“道化”になりおおせてみせろ。 ……但し卑屈にはなるなよ、あと言質も取られるな」
吉田は満足そうに頷いた。
「やれやれ、やっと行ったか。 ……まったく、最近の若い者は」
そう言いつつも、上手く押し付けられてホッとする。(吉田自身、あんな阿呆共に頭を下げるのは真っ平御免である。故に適当な奴を焚き付けたのだ)
と同時に、今回の任務に対する不満と馬鹿馬鹿しさが込み上げてきた。
「フン! 『適当な紛争、適当な権益』か。無茶言ってくれる」
1個聯隊という戦力は、戦争をするには少なすぎるが小規模紛争には十分な規模である。故に“帝國”はこれに小規模だがそれなりに強力な艦隊を付け、幾つかの紛争に勝利することにより大内海での権益(橋頭堡)を得ようと考えていた。全てはその為の布石だった。
無論、大内海沿岸だけでいっぱいいっぱいのこの時期に、“帝國”が早くも中央世界進出に動き出すことに異論が無いでは無かった。いや、むしろ『噴出した』と言って良いだろう。が、賛成派は執拗かつ強引だった。大内海沿岸における権益から洩れた経営者や省庁――外務省はその筆頭だ――の運動は熾烈を極め、遂に帝國宰相は“限定的な”と枕詞が付くものの、遂に中央世界進出を認める羽目になってしまったのである。
- 82 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/30(金) 12:23:04 ID:ZvZ42sDg0
- ……皮肉なことに、これは臣民対策でもあった。大内海沿岸の制圧が終わった今、臣民達は新たなる“フロンティア”の出現を望んでいたのである。彼等はまるで熱病に浮かされた様に、賛成派を全面的に支持していたのだ。
――“帝國”よ、進め! 東へ西へ、南へ北へ、進め進め地の果てまで!
吉田の脳裏に、今本国で流行っている歌の旋律が流れた。酒場などでよく歌われる歌だ。
――“帝國”よ、天下を取れ! 我ら一億、八百万の神々の御加護を受ける神国の民也!
「まったく、どいつもこいつも阿呆ばかりだ!」
吉田は忌々しそうに首を振り、頭からそれを追い出した。
ポケットに入った僅かばかりの小銭を使った、お手軽な“ちょっとした”戦い――“帝國”が望んでいるのはそんな虫の良すぎる話だ。
が、外交を……ましてや戦争をコントロールするのが如何に難しいことなのか、本国の連中は判っているのだろうか?
「それでもやらねばならぬ、か。馬鹿馬鹿しい、まったくもって馬鹿馬鹿しい」
如何に懸念しようとも、既に賽は投げられた。一旦動き出せばもう誰にも止められない。
自分のため、古巣の外務省のため、そしてなにより“帝國”のため、吉田は全身全霊を賭けるしかなかった。
……たとえそれが、どんなに馬鹿馬鹿しい仕事でも。
- 83 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/30(金) 12:23:36 ID:ZvZ42sDg0
*1 ――――『これは海軍同様“距離”の問題もあるが、それ以上に大内海沿岸で手を広げ過ぎ、兵力の不足を来たしていたからである。』――――
この時点で“帝國”は大内海沿岸のほぼ全域を支配していた。これは環太平洋沿岸全域にも匹敵するほど巨大なもので、陸軍……いや“帝國”はこれを消化するだけでいっぱいいっぱい、一歩間違えれば消化不良すら起こしかねない状態だった。
またこのためか当時の陸軍はかつての積極性を完全に失っており、その主流は現状維持で中央世界進出には極めて消極的だった。(まあ何れにせよ既に全兵力の半分、50万弱もの兵を大内海沿岸部に展開している以上、動員無しに新たに師団規模の兵を動かすことは困難だったが)
*2 ――――“魔法文明”――――
一般人がよく口に出す言葉だが、学術的には“魔道文明”と呼ぶのが正しい。“魔法”とは魔獣などが本能的に操る原始的な魔力運用であり、長年の経験と研究により創り出された“魔術”、そしてそれを体系化した“魔道”とは根本的に異なる(と定義されている)。
*3 ――――“帝國”が元いた世界――――
いわゆる“地球世界”のこと。
- 84 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/11/30(金) 12:25:00 ID:ZvZ42sDg0
- SS投下終了。
2章までに入れなければならないシーン、と言うか説明多すぎ……
いっそこっちを1章にすれば良かったかも。
- 85 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/30(金) 17:59:13 ID:Il9dO2Oc0
- くろべえ氏GJ!
>お手軽な“ちょっとした”戦い
落ち葉の頃には帰れるか、はたまたクリスマスかどう見ても泥沼フラ(ry
- 86 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/30(金) 22:50:18 ID:oVuuhHNoO
- 投下乙です
民意を制御しなければ帝國は滅びてしまうぞ(汗
しかも政財界の癒着により民意を醸成させるメディアも下手なこと言えなさそうですね
こりゃ何か大きな出血が無ければ変わらなそうですな
- 87 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/11/30(金) 23:13:44 ID:VFPgitvM0
- GJです。
ついでに、稲葉氏復活を祈念して発見したシャオちゃん以外の獣人娘を投下
ttp://www.geocities.jp/hokakoko/1128796284567.png
- 88 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/01(土) 01:43:53 ID:XV6GDKEE0
- 投下乙です。
普通なら北へ向かうより南から外洋側に出て資源開発でもするほうが楽そうなんですが、
資源はもう十分そうだし、それじゃ外務省の仕事が無いですね。
- 89 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/01(土) 03:56:41 ID:zOqoRtwI0
- くろべえ氏投下乙です!
資源は大内海沿岸で手に入れたから次の獲物は市場としての中央世界といった具合ですか?
戦前の日本の主力輸出製品である繊維産業のためにも豊かな中央世界への進出は必要不可欠ですからね。
この急ぎすぎた進出がどういう結果を生むのかが楽しみです。
- 90 名前:陸士長:2007/12/01(土) 19:35:56 ID:KNJCSNJU0
- 投下乙です。
あやや、何とも危ない状態。
日米開戦の時も一部の識者や海外通以外は大概開戦を望んでいたそうです。
勿論情報の不足や統制もあったでしょうが、流れに乗った『民意』は恐ろしいもので。
実際、昭和天皇の意に沿い『甲乙案』などで日米交渉を続けた帝国宰相は『民意』から腑抜けだの臆病者だの言われたそうです。
ホント、日頃マスゴミが民意民意って叫んでるそれが暴走する時って怖いですねぇ。
- 91 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/01(土) 20:27:16 ID:jUh8v8N20
- くろべえ氏 >>87氏 両氏投下乙
- 92 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/01(土) 20:37:00 ID:ly6sZZGo0
- むしろクルルでいいとおm(ry
- 93 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/01(土) 20:39:07 ID:g3zxPptA0
- くろべえ氏以外が、”アレ”な設定を色々投下している
転移男の続きが読みたいですね。
・・・・ほんとーに”アレ”なネタが投下されてますから。
- 94 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/01(土) 22:52:39 ID:.yVoZOvw0
- >>90
で、それを思いっきり煽ってたのは、ほかでもないアカヒなんだよねぇ
- 95 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/02(日) 08:12:52 ID:ZvZ42sDg0
- >>85
85様、有難うございます。
>落ち葉の頃には帰れるか、はたまたクリスマスかどう見ても泥沼フラ(ry
前回に引き続き、帝國の国内情勢について書いてみました。
何故帝國がこの時期に行動を起こしたのか、どの程度の戦争を望んでいるのか
――この辺を書いておかないと、2章における帝國の誤算と苦悩が判らないので。
>>86
86様、有難うございます。
>民意を制御しなければ帝國は滅びてしまうぞ(汗
最初に煽ったのは政府ですが、効き過ぎました(笑)
ちなみに国内では簡単な世界地図(白)が売れに売れています。
帝國が支配権を得るたびに、それを塗り潰していくのですよ。
>>87
87様、有難うございます。ついでに作品投下感謝です。
>稲葉氏復活を祈念
ネタはあるのですが、現在は連載中の話が一段落つくまでお待ち下さい。
>>88
88様、有難うございます。
>普通なら北へ向かうより南から外洋側に出て資源開発でもするほうが楽そうなんですが、
駐留する人員を集めるだけでも大変ですからねえ。当分は探索程度です。
- 96 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/02(日) 08:13:36 ID:ZvZ42sDg0
- >>89
89様、有難うございます。
>資源は大内海沿岸で手に入れたから次の獲物は市場としての中央世界といった具合ですか?
そうです。現在、国内の多くは大内海沿岸の開発で大忙しなのですが、
何時の世にもあぶれる方々、『アイツよりも分け前が少ない』なんて不満に思う方々はいるもので……
>>90
陸士長様、有難うございます。
>ホント、日頃マスゴミが民意民意って叫んでるそれが暴走する時って怖いですねぇ。
皆、拡大志向の真っ只中です。
「小作農でも地主になれるチャンス!」なんて無責任な煽りも……
実は黒部隊長が王になれたのも、(まあ彼が「機会をものにした」ということが大ですがそれ以上に)「庶民に夢を与えるため」「陸軍の宣伝工作の一環」なのですよ。
転移男の時代では「古き良き時代」「開拓時代」なんて呼ばれてます。
>>91
91様、有難うございます。
>>93
>転移男の続きが読みたいですね。
上のような訳でして、本当に申し訳ありません。
- 97 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/02(日) 12:17:54 ID:ighyXLXo0
- >実は黒部隊長が王になれたのも
え?黒部男爵(階位が上がったかもしれませんが)って邦王になったの?
初代在命中?
まぁ、帝國譜代貴族(の新興貴族中で)屈指の経済力を持っているという
描写もありましたし、後世には一大勢力になったという記述もありましたけど。
・・・続きが楽しみですなぁ
- 98 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/02(日) 15:04:19 ID:gZv5aqBw0
- ダブリン王家=黒部男爵家だし
- 99 名前:98:2007/12/02(日) 15:11:38 ID:gZv5aqBw0
- あ、「存命中に?」って書いてるね。ごめん
- 100 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/02(日) 16:01:34 ID:GKdmVodQ0
- >簡単な世界地図(白)が売れに売れて
なんというDQN国家w まあでも実際そんなもんだろうなぁ… 当時だと。
- 101 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/04(火) 18:34:34 ID:lUmeIgxc0
- 塗り絵用世界地図と聞いて何故かダルマを連想してしまった
成功するたび目に墨を入れる的な感じですな
フゥーハハハ、ホント帝國快進撃は地獄だぜ
- 102 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/05(水) 00:16:36 ID:rBYkakHo0
- 世界地図の塗り絵でちゃうほど支配領域がグングン広がってるんですねw
しかし日本の国歌はメロディーがイマイチぱっとしないし、難しい。
転移っていい機会だからもっとナショナリズムを掻き立てるようなんにしたりw
こんなんとかw→ttp://uk.youtube.com/watch?v=M3Kh7m545Tc&feature=related
まだ発売されてないだろーケドw
- 103 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/05(水) 02:57:54 ID:whMupGlY0
- 軍艦マーチがあるじゃないか。陸軍にもなんかあるでしょ?
年末は陸海歌合戦。
- 104 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/05(水) 15:11:10 ID:ZvZ42sDg0
- >黒部男爵
いい嫁さんとイヌ?を得ました。運のいい男ですよ。
>簡単な世界地図(白)が売れに売れて
旗を立てていくのもアリかも。「大きいことはいいことだ」を地で行ってます。
現在ですら手が回らないのに、ホントどうする気だろ?
ではSS投下。
- 105 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/05(水) 15:11:55 ID:ZvZ42sDg0
- 帝國召喚 第一部外伝1「事変前夜」
……それは実に奇妙な船だった。
見事なまでに波の抵抗を無視した完全な直線で構成されており、“船”というよりは“箱”と言った方がよほどしっくりくる。特にその船首部は板を直接張り合わせており、美的云々以前に凌波性を他人事ながら心配してしまう程である。(よくあれで大内海を超えられたものだ!)
巨大な鋼船であること、にも関わらず帆一つ無いこと――それ以上にその姿は“異様”であり、およそ美しくない。誰とも無しに“ボトフォッグ”(醜い大豚)と呼ばれる様になったのも、まあ首肯せざるを得ない話だった。
“ボトフォッグ”(*1)は直接海岸に乗り上げ、その醜い鼻面をまるで跳ね橋の様に降ろす。と、ぽっかりと船腹まで通じる橋と道が出来た。
其処から日雇い人足達が次々と腹の中に入り込み、物資を運び出していく。相当溜め込んでいるらしく、中々終わらない。
そんな光景を、王国軍第三空中竜兵隊隊長ホセ・ブランは厳しい目付きで眺めていた。
――もしあの腹に詰め込んでいる荷が兵だったら、都はたちまち占拠されてしまう!
都にいる兵はたかだか100程、奇襲を受ければ簡単に無力化されるだろう。
……いや、そもそもイルドーレ王国軍は、敵正規軍と戦える様な存在ではない。王国軍のレーゾンデートルは“治安維持”であり、小は民衆の暴動から大は地方長官の叛乱まで――それが軍の想定する“戦争”の全てだった。大陸から遠く離れた、しかも大同盟に参加するこの国に、それ以上の軍備は必要とされなかったのである。
故に、陸上戦力は『非戦闘員を含めても300に届かない上に装備は弩(*2)に槍』と“帝國”の戦国時代レベルだった。空中戦力は大分マシだが、それでも棺桶に片足突っ込んだおいぼれワイバーン(*3)が5頭にワイアームが50頭(うち戦闘投入可能数30)に過ぎない。つまるところ、その程度の存在でしかなかったのだ。
- 106 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/05(水) 15:12:34 ID:ZvZ42sDg0
- ――いや、どちらにしろ同じことか……
嘆息する。
王国軍の主戦力たる空中竜兵隊の隊長だからこそ、ホセは軍の実力を、限界を熟知していた。
旧態依然とした陸上戦力は話にならない。仮に連中を阻止するとすれば海上ででしかないが、海賊船を相手にするのとは訳が違う、『手投げ弾を投擲後、ボウガンで牽制しつつ斬り込み』などという戦法が通用する筈も無いだろう。或いは“ボトフォッグ”1隻だけなら何とかなるかもしれないが、あの巨大な鋼船――“筑摩”のこと――が出てくれば“お手上げ”だ。
――あの船……“チクマ”とかいったか。
ギリッ!
思わず奥歯を噛み締める。
“チクマ”も脅威だったが、それ以上にホセが懸念したのは“帝國”人達の態度だった。
というのも、表面こそ大人しかったものの彼等の目は侮蔑に溢れていたからだ。 ……それもイルドーレ人が浮かべる様な表層的な強がりではなく、もっと根源的な、まるで獣でも見るような目で、だ。
そんな連中が、ああも不平等な取引に大人しく従うことが、彼には信じられなかった。故に、彼は軍幹部として重臣に“帝國”の脅威を説いた。“帝國”の軍事力は強大であり王国軍のみでは対抗不能、もしもの時に備えて大陸同盟に支援を願うべきだ、と具申したのだ。
が、返ってきたのは薄笑いだけだった。重臣は『あの巨大な船は“張子の竜”であり何ら脅威ではない』と言い、そして何を勘違いしたのか彼に小さな皮袋を放り、『それがお前の“分け前”だ』と下卑た表情を浮かべて言った。
……それは、“帝國”が寄越した地金を売却した金の一部だった。彼の真摯な具申は、ただの分け前の要求と見做されたのだ。
- 107 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/05(水) 15:13:15 ID:ZvZ42sDg0
- 屈辱だった。だがそれ以上に屈辱だったのは、自分がそれを拾って……受け取ってしまったことである。
ここ数年俸禄の遅配と借り上げが続き、空中竜兵隊隊長という要職に就く彼ですら生活は楽では無かった。これがあれば家族に衣服を新調してやれる、久し振り……本当に久し振りに肉を食わせてやれる、大分痛んできた家を直すことができる――そう思えば、“拾わない”などという選択肢は有り得なかった。
――つまるところ、金か。
重臣の様子からそう判断した、せざるを得なかった。
“帝國”がサンプルとして運び込んだ地金は、大陸で10万レムリア・リバーで売れた。
急だった為に大分買い叩かれたが、それでも10万リバー丸々懐に入ったのだから文句無い。それに次回以降は12万リバー前後で売れるだろう、流石に丸儲けではないがそれでも半分近くを税金や手数料名目で差っ引けるから6万リバー、“帝國”に売りつける物資の儲けもあるからこれを高く設定すれば10万リバーに近づけるのも不可能ではない。
これが月一回だから年に十二回。輸送費等の経費を考慮しても財政赤字の大半を、上手くやればその全てを賄える。重臣達の目が曇るのも無理は無かった。
――きっと今頃、利権を巡って暗闘中だろうな。はてさて、いったいこの儲けの何割が彼等の懐に入ることやら……
そこまで考え、懐の重み――重臣から貰った皮袋だ――の重みと音に我に返り、気付かされた。
……なんのことはない、自分も所詮は同じ穴の狢だったのだ。
- 108 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/05(水) 15:14:09 ID:ZvZ42sDg0
ドンッ!
些か自己嫌悪に陥りかけていたその時、轟音が響いた。地も大きく揺れる。
「橋が落ちたぞ〜〜!」
その声に目をやると、都を縦断する川に架かる橋――その一つが崩壊していた。川には、少なからぬ数の人々が投げ出されている。
「おい、何をしている! 早く助けんか!」
ホセは突っ立ってただ眺めるだけの平民共を怒鳴りつけた。
が、平民の一人が薄笑いを……“あの時”の重臣とまったく同質の表情を浮かべ、言った。
「旦那、助けたら幾ら頂けますか?」
「! お、お前!」
その言葉に暫し呆然とし、やがて烈火の如く怒ったホセは懐に手を入れ、皮袋を投げつけ……ようとして止めた。
それは、余りに惜し過ぎた。代わりにその平民を殴りつけ様としたが、それもできずに『命令だ』と言い、背を丸めてその場を後にする。
恥ずかしかった、ただ堪らなく恥ずかしかった。
本来ならば、あの“無礼な平民”は罰せねば、殴りつけなければならなかった。何故ならば、それが“秩序”というものなのだから。
が、幾ら墜ちたとはいえ、ホセはそこまで恥知らずにはなれなかった。
- 109 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/05(水) 15:14:39 ID:ZvZ42sDg0
- あの橋が落ちたのは、十中八九老朽化によるものだろう。
王国はここ十年近く必要最低限の支出しかしていない、加えてそこから更に少なからぬ額を横領されているであろうことは間違いない。である以上、橋の補修……ましてや架け直しにかける経費などある筈が無い。全ては王国の怠慢による人災なのだ。そう思えば、ホセに彼等を殴りつけることなど出来なかった。
イルドーレの歳入は年450万リバー。が、そもそもこの数字自体が大嘘であり、貴族の代行分150万リバーを引いた『年300万リバーに達するかどうか』が実際である。
これを従来は王室費75万リバー、(官僚雇人等の公的な)人件費100万リバー、その他政策費が125万リバーと割り振り、各々その枠中で遣り繰りしていた。が、ここ十年ほどは王室費が100万リバーへと膨れ上がり、その変わりにその他政策費が100万リバーへと減っていた。
これは言うまでも無く、現国王の浪費癖によるものだった。王は歴代の王が少しずつ蓄えてきた私的な貯蓄を、次いで公的なものさえ使い果たし、それでも尚足りずに遂には歳入そのものに手を突っ込んだのだ。が、100万リバーという額は政を行う上でギリギリ最低限度の数字である。これでは数年毎に起きる突発的な臨時支出に対応出来ない。自然、借金に頼るようになった。借金は借金を呼び、忽ち財政は行き詰まっていく。今では俸禄を借り上げ、足りない分は更に借金して埋めている始末だった。
――これ程までに民に負担を強いて、このざまか。
- 110 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/05(水) 15:15:16 ID:ZvZ42sDg0
- ホセの綻びかけた良心が……騎士の矜持が痛む。
イルドーレの税率は40%、これを国と領主で半々に分ける。(上の『貴族150万リバー、王室75万リバー、人件費・その他政策費計225万リバー』というのも、こういった考え――半分は王や貴族の私費、残る半分が公費――から導き出されたものだ)
中央世界の税率は40〜50%なので、この40%という数字はどちらかと言えば低い部類に入るだろう。 ……が、やはりこの数字も上の歳入と同じく、“見せ掛けの”数字に過ぎなかった。他の国々の税率が『本当の収入の50%前後』と言わば“課税所得”を対象としているに過ぎないのに対し、イルドーレは全ての収入を丸々対象としている。故に真の税率は40%と、中央世界の標準である20〜25%に比して著しく高いのだ。加えて“十分の一税”などと揶揄される役人に対する接待や賄があるため、実質的に収入の半分を取られてしまう計算となる。
これは農民や漁民にとっては死活問題だった。そもそも彼等は収入の100%が丸々儲けという訳では無い、その30〜40%は生産経費であり、儲けは60〜70%程に過ぎないのだ。ここから50%を引かれれば――
とどのつまり、イルドーレにおける平民――少なくともその大半を占める農漁民は――とはすべからく小作農、或いはそれに類した存在であり、その日の糧にも困る生活なのだ。都市住民はこれより恵まれているものの、やはり腹一杯喰える人々は一握りだ。
――方々(貴族達)は、一体何を考えておられるのだろう?
そう思わずにはいられない。
現在に至るまで彼等の家禄は手付かずのままだ。何故責任を取ろうとしないのだろう、何故苦労を分かち合おうとしないのだろう。
……が、ホセとて彼等を強く責める資格は無い。多少負担しているとはいえ平民と士族、自分と平民とでは立場が違い過ぎるのだから。
- 111 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/05(水) 15:15:50 ID:ZvZ42sDg0
- 少なくとも、自分と家族は腹を満たすことができる。
少なくとも、自分と家族は平民ならば十数家族も住める様な土地に住んでいる。
平民は明日の生活に悩むが、自分が悩むのは食事の質や家の補修費、新しい衣服の購入費だ。確かに自分は士族の中でも恵まれた存在だが、最下級の士族でも少なくとも飢える心配は、明日の生活に困る者はいないだろう。
にも関わらず、これ程搾取して尚、我々は橋の修繕費すら横領するのだ。
「この国も、もう長くないのかもしれない……」
思わず呟き、ホセは慌てて周囲を振り返る。
そして誰も気にしていないことを確かめると、安堵の溜息を吐いた。
そして自分とその家族の生活を暫くの間向上させるであろう皮袋を(罪悪感を抱きつつも)しっかり懐に抱き、家へと向かった。
- 112 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/05(水) 15:16:22 ID:ZvZ42sDg0
ホセはある意味、平均的な王国士族だった。現状を憂いながらも、自らの生活を守るに汲々とする、という。
後世、『イルドーレに人無し』などと嘲笑されることとなるが、そんなことはない。平民だけでも7万人、これに一定の教育を受けた貴族士族が数千人存在したのだ、才人は数多くいただろう。 ……が、人物はいなかった。“帝國”の幕末、多くの人物が小藩から出たのに比べ、『まったく』と言って良いほど出なかった。
この大きな差はやはり風土……そして何より『広く学ぶ場』の有無だろう。
“帝國”ではどんなに小藩の出身だろうが江戸に出て学ぶことが出来た、自由に国家を語ることができた。
が、イルドーレ人が大陸に、外国に行くことは困難だった。(確かに江戸に行くのも大変だったろうが、外国に行くのとは次元が違う)
外国に行けたとしても、自由に語り合うことなど不可能だった。(如何に同盟国とはいえ、相手は外国人なのだ)
そして硬直した身分制度は、才人を潰した。
現状を憂う少数の者は目と耳と口を塞ぎ、
大半の者は現状の不満を他への蔑視に向ける――
それがイルドーレという国のかたちだったのである。
- 113 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/05(水) 15:17:08 ID:ZvZ42sDg0
*1 ――――“ボトフォッグ”――――
直訳すれば『醜い大豚』だが、より正確にはオークの蔑称。現在では醜い(とする)人や物に対して陰口を叩く時に用いられる。(例:「あいつは“ボトフォッグ”みたいな面だ」「あいつの性格は“ボトフォッグ”だ」)
なお、今回“ボトフォッグ”呼ばわりされたのは、帝國海軍第二〇一号型輸送艦である。
<第二〇一号型輸送艦>
輸送艦とは昭和一七年に制定された艦種で、物資輸送を任務とするが通常の貨物船(運送艦)とは異なり、自力で人員貨物を揚陸することができる艦を言う。
アルフェイム世界……特にその大内海周辺においては、港湾設備は皆無と言ってよい状態であった。加えて測量も不十分であり、(充実した揚陸設備を持つ一部を除き)船舶は限られた僅かな港湾に向かうしか無かった。この為、海軍はこの世界の港でも効率的に運用出来る軽便かつ安価な運送艦を欲していた。
丁度同時期、陸軍も同コンセプト――目的は異なるが――の艦を模索していた為、共同開発・生産が決定。第一陣は陸軍の“蛟龍”をタイプシップとして陸軍が生産、それを海軍が購入する形式となり、続く第二陣以降は海軍が設計と生産を担当し、陸軍が資材調達をすることとなった。
第二〇一号型輸送艦は第二陣の一番艦で、昭和一八年三月に就役したばかりの新型である。
その要目は以下の通り。
基準排水量:950t
機関 :400馬力ディーゼル×3基(1200馬力)
最高速力 :13.4kt
航続距離 :13ktで3000浬(重油68t)
兵装 :40口径7.6cm単装高角砲×1、25mm単装機銃×4
搭載力 :九七式中戦車なら9両搭載可能。
- 114 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/05(水) 15:17:40 ID:ZvZ42sDg0
- 同型は第一陣を上回る生産性と輸送力で活躍したが、やはり船首部の剥き出した扉は問題で、大波で脱落する例が続出した。気象による運用制限が余りに大きいことから、翌昭和一九年には生産性の低下を偲んで観音開きの船首を追加、その凌波性を大きく向上させた第三陣が登場した。(とはいえ、一般の船舶に比べればまだまだだった。この問題が完全に解決したのは昭和20年も半ばになってからのことである)
*2 ――――弩――――
小さい島々から成り立つ国家だけあり、イルドーレ王国軍の将兵は基本的に海兵である。故に火縄銃は火縄の維持が困難かつ危険であり、燧石式は高価かつ不発率が高いと判断――少なくとも彼等はそう考えてた――され、確実に動作する(と思われる)弩或いは短弓を遠距離戦用兵器として採用していた。
……まあその少ないリソースの大半を空中戦力に注いでいるため、『近代化したくてもできない』といった所が本当なのかもしれないが。(当然、魔道兵器など皆無)
*3 ――――棺桶に片足突っ込んだおいぼれワイバーン――――
イルドーレ王国はワイバーンの産地ではないが、ロッシェル王国からの供与により戦力化(年1頭で5頭体制)している。第一線どころか二線すら退いた老竜ではあるが、それでもワイアームよりはるかに強力な存在だ。
- 115 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/05(水) 15:19:39 ID:ZvZ42sDg0
- SS投下終了。
これで帝國・イルドーレ双方の事情が明らかになりました。
次回以降は様々な思惑と策謀が――
- 116 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/05(水) 17:34:47 ID:R0nwftdo0
- くろべえ殿、投下乙です
イルドーレにも現状を憂う人がいたんですな
きっと、国や民が窮乏している原因も知っているのに
それを正すことの出来ない現状に歯痒さを感じているんでしょうね
せめて王様が実直な人だったら良かったのですが、あのざまですからねぇ
- 117 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/05(水) 17:52:16 ID:y0kBxNJE0
- 投下乙です。
なにやら将来、イルドーレの名前が入った諺や警句の一つも出来そうな体たらくですね。
- 118 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/05(水) 20:57:15 ID:DaFRgI/A0
- 投下乙です。
あの併合前の半島ですら、国の未来を案じて行動に移した人がいるのになあ。
もっとも現在では全員、犯罪者として侮蔑の対象にされていますが。
- 119 名前:陸士長:2007/12/05(水) 21:30:46 ID:KNJCSNJU0
- 投下乙です。
国を憂いても、貧し過ぎれば行動を起こす事すら出来ない。
幕末の勇士達は海外に借金しつつも国が西洋に食い荒らされないように頑張ったもんですけどね。
ホセもイルドーレが激動する歴史に埋もれていくのを看取るしかないでしょう。
- 120 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/06(木) 08:39:52 ID:qE.J7pvg0
- いや、半島がどうとか言う前に、これ、今の日本そのものなんじゃないか……
- 121 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/06(木) 09:57:48 ID:rA.E4kz60
- 有力な未来の日本像ではある
- 122 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/06(木) 21:42:35 ID:H9fo7B9s0
- 薩長土肥のうち薩長は密貿易、特に薩摩は江戸初期から有数の大名です。
肥前藩は(動いたのは大政奉還後で)銃器密造等の近代化に着手。
これらの藩は下地があったと言えて、個人でなく組織として動いたから後の藩閥政治に繋がったのでは?
国を憂い、行動し、結果を出し、身分は下級、強力な仲間はいないと条件が揃ったのは四国の土佐藩の坂本龍馬くらいしか私には思いつきません。
まあ、SS内の言い回しとして用いたのでしょうが、的外れでは。
- 123 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/06(木) 22:22:18 ID:mSiubQ.I0
- まあ他国から見た維新や帝國の歴史としてはそういうことなんでしょう
なんてたって帝國自体が敗戦してないんだから明治維新批判は当然タブーだろうし
その後帝國が世界制覇(そこまでやるのかな?)するんだから歴史書や日本史年表は神聖化するでしょうねw
当然影響下の国は批判は書かないでしょう
- 124 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/07(金) 03:50:23 ID:lUmeIgxc0
- 投下乙
無能の中に光る有能・・・というか無能揃いすぎて軍人としてある意味当たり前の判断が出来るブラン隊長が素晴らしく見えすぎるw
- 125 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/07(金) 07:32:09 ID:zOqoRtwI0
- くろべえ氏投下乙です!
ホセ君、君の予想は正しい。されど帝国は止まらない。
なぜならば国家というものは国民をためならいかなる行為でも正当化し、実行するものなのだ。
帝國は市場のためなら紛争の一つや二つorz
- 126 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/07(金) 12:33:19 ID:ZvZ42sDg0
- >>116
116様、有難うございます。
憂うだけで何もしないのですけどね、彼。
小市民なら兎も角、軍幹部がコレじゃあ駄目過ぎるだろ……
>>117
117様、有難うございます。
完全に国が傾いてますからねえ。
……きっとそのうち、暴動とか頻発するのだろうなあ。
>>118
118様、有難うございます。
やはり狭い国ですからねえ、色々なしがらみがあるのかも。
>>119
陸士長様、有難うございます。
自分(或いは家族)の生活を守るのは判りますが、やはり騎士としては問題でしょうねえ。
やはり平和ボケか……
>>120〜121
今の日本も“戦後体制後期”とか後の世で言われるかも。
>>122
あ〜この場合、そこまで突き抜けた人物、集団のことではありません。
どんな小藩でも、大概は『行動を起こした人物』『声を大にした人物』はいたでしょう。
そういった人もいない、という意味です。判り難くて申し訳ありませんでした。
- 127 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/07(金) 12:33:56 ID:ZvZ42sDg0
- >>123
稲葉が教科書読んだら、ホルホルのし過ぎでクラクラするかも。
……でもまあ、突っ込める奴いないですけどね(苦笑)
>>124
124様、有難うございます。
実のところ、上位の軍人達は結構客観的に彼我の差を見ていました。
ただやはり、大陸同盟を過大視していますが。
>>125
125様、有難うございます。
何故止まらないのか?そこに市場(フロンティア)があるからだ!
……どう見てもアメリカですね、コレ。
ではSS投下します。
今回はちょっと内容がアレですが、ご容赦下さい。
- 128 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/07(金) 12:35:22 ID:ZvZ42sDg0
- 帝國召喚 第一部外伝1「事変前夜」
実質的な交易関係にあるとはいえ、正式には未だ“帝國”・イルドーレ王国間に国交は無い。
が、例え国交が無くとも関係が存在する以上、窓口は必要はである。故に“帝國”は領事館級の連絡事務所を王都ハルダーに開設、イルドーレとの折衝に当てていた。
――――“帝國”連絡事務所。
「どいつもこいつも俗物ばかりだな! この国に人物はいないのか!?」
王都郊外或いは街外れの、港にほど近い一画にある連絡事務所に戻ると、羽場は忌々しそうに吐き捨てた。
……今の今までこの国の重臣連と会っていったのだが、どうやら余程腹に据えかねるものがあったらしい。出てくるのは愚痴ばかりだ。
そんな彼に、着替えを手伝いつつ、少女は当たり障りの無い相槌を打つ。
「大陸から遠く離れた小さな小さな島国ですから、世間知らずになるのも仕方がないことでしょう」
「だが、夜郎自大にも程があるぞ?」
羽場は甲斐甲斐しく世話する少女に、振り向きもせず問う。
が、少女はさして気にせず、代わりに笑って励ました。
「そこを何とかするのが久治様のお仕事ではないですか、力の見せ所ですよ、がんばって下さいませ」
- 129 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/07(金) 12:35:57 ID:ZvZ42sDg0
- 「……お前は気楽に言うなあ」
羽場は嘆息した。
吉田に言われ、勇んで着任してから早一ヶ月――これが中々に難しい仕事であることを、彼は嫌という程思い知らされていた。
――今思えば、どうもうまく乗せられた気がしてならない……
再び嘆息。
未だ国王に会えないことも問題だったが、それ以上に問題だったのが彼等の“たかり癖”だった。
何かにつけて賂を要求する彼等に、羽場はほとほと手を焼いていたのである。
とはいえ、事態は“帝國”の望む方向へと動いていることに変わりはなかった。
高貴を自称する彼等が“大内海の蛮国”である筈の“帝國”に対し、進んで……時に争ってまで便宜を図っていたのである。
これは黄金の力だった。
『転移以前の“帝國”は何の資源も産出しない資源小国』
もはや一般常識となっている言葉だが、これは必ずしも正しいものではないことを御存知だろうか?
転移当時の“帝國”は、実は中々の金銀産出国だったのである。
- 130 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/07(金) 12:36:37 ID:ZvZ42sDg0
- 元々、“帝國”は古来より多くの良質な金山銀山を有していた。流石に転移時には『採掘し易い場所はあらかた掘り尽くした』状態だったとはいえ、採掘技術と精錬の技術の向上、そして何より“非常時”ということで商業べースを無視した我武者羅な採掘の結果、なんと昭和15年の金産出量は27トン、銀産出量に至っては350トンに達していたのである。これは当時のアルフェイム世界にとってはかなりの数字であり、レムリアを筆頭とする巨大産出国には及ぶべくも無いが、それでも十分“大産出国”と評すべきものだった。(*1)
これに当時のアルフェイム世界では考えられない超高純度(99.9999%!)かつ高精度の重量・整形が合わさり、“帝國”産の地金――金銀に止まらず全ての金属――は中央世界で急激に認知されていくことになるのだが、これは“帝國”が中央世界との交易に直接乗り出し、その決済用に“帝國”産の地金(後に貿易専用貨幣に移行)を用いる様になってからの話である。この時点では地金は大内海沿岸で採掘・精錬された低品質のものであり、金銀は“帝國”産であるものの広く薄く用いる関係上粒状にされ、純度も九割以下に過ぎなかった。
とはいえ金(銀)であることに変わりは無い。光り輝く黄金の前に、彼等は平伏したのだ。
……が、効き過ぎた。
有象無象の輩が羽場に群がり、己を売り込む。「あれは俺がやったのだ」「これも俺がやったのだ」と。
……彼等の言を全て信ずれば、イルドーレは既に“帝國”領だ。
こういった連中を相手にするのも大概疲れるが、振りまいた金銀の費用対効果を考えると頭が痛い、もしかしなくてもかなりのムダ金を振りまいているのではなかろうか?
羽場は帳簿を前に呻く。
- 131 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/07(金) 12:37:11 ID:ZvZ42sDg0
- 「……そこまで几帳面にする必要はないのではないでしょうか?」
少女は首を捻った。
羽場は金銀を渡した日時・場所・相手・量・効果等を一々細かくつけているが、そもそも領収書など期待出来ない様な秘密任務だ、ここまで馬鹿正直にやる必要があるのだろうか?
「それでは俺が“横領したかも”などと疑われるだろうが」
「こういった任務ですから、多少は役得の範囲内では?」
「馬鹿野郎! これは公金、御国のものだぞ!」
羽場は少女を怒鳴りつけると、床に叩き付けた。
「も、申し訳ありません! どうかお許しを!」
「いいや、許さん!」
羽場は少女を組み伏せ、殴りつける。
少女は泣いて許しを請うが、一切無視だ。むしろ“心地良い音色”にしか聞こえない。
遂には少女が泣き叫ぶ気力すらも失うと、今度は乱暴に犯す。無理矢理吐き出させる悲鳴が実に心地良い。
散々に少女を痛ぶり満足すると、羽場は少女を放置したまま自室へと向かう。
……既に帰ってきた時の憤懣は消えうせていた。
これが羽場の、彼なりのこの地における鬱憤解消法だったのである。
- 132 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/07(金) 12:37:41 ID:ZvZ42sDg0
「お、おはようございます…… 久治様……」
翌朝、少女はおどおどと羽場に挨拶した。小脇に書類の束が抱えている。
それをチラリと横目で見、羽場は無愛想に言った。
「訳は出来ているな、寄越せ」
「あ、あの……」
少女はおどおどと上目使いで羽場を見る。
「何だ、言ってみろ」
「まだ、半分しか……」
「何だと!?」
「きゃ! も、申し訳ありません!」
怒声に少女は頭を抱えて蹲る。
「あの後、必死でやったんです、が、がんばったんです! けど……」
口では言えないが、目で訴えていた。
――頭はくらくら、目はかちかちするし、体は鉛のようで……
- 133 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/07(金) 12:38:15 ID:ZvZ42sDg0
- 「俺のせいだ、とでも言いたげだな?」
「そ、そんなことはありません!」
少女は慌てて否定するが、羽場はかなり機嫌を害した様だった。
「お前、『突っ返す』ぞ?」
その一言で少女は真っ青……いやまるでこの世の終わりの様な表情となる。
「そ、それだけはお許し下さい!」
少女はダークエルフだった。
アルフェイム世界における基礎知識の助言や文章翻訳等をするために送られてきたのだが、どうやら天涯孤独の上に一族からも爪弾きの様で、送り返される――“任務失敗”と見做される――ことを極度に恐れていた。
…………
…………
…………
『現在、第一線級の者は資源探査に、二線級の者も大半が諜報網の維持に回されています」
少女を連れてきたダークエルフの男は、申し訳無さそうに羽場に言った。
- 134 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/07(金) 12:38:46 ID:ZvZ42sDg0
- 『そんな訳で、大変申し訳ありませんがコイツしか手の空いている者がおりません。諜報活動は不適格ですが、翻訳や基礎知識位ならあります。後は……まあ身の回りのお世話くらいは出来るでしょう。どうか好きに使って下さい……おいっ!挨拶せんか!』
男の罵声に、後ろで小さくなっていた少女は更に萎縮する。
男は舌打ちしつつ少女を引き摺り、その頭を擦り付けて平伏させた。
『お、おい、少し乱暴ではないかね? 同胞だろう?』
『認めたくないですがね』
羽場の言葉に、男は渋々、といった表情で頷いた。
『ならばもう少し……』
『“働かざる者喰うべからず、生きるべからず”――これが我々の掟です、天涯孤独の身でここまで育てて貰っただけでも、感謝して欲しいものですよ』
『…………』
余りの台詞に絶句する。
が、男は余程急いでいるらしく、用件を述べると直ぐに席を立った。
『では私はこれで。 ……あ、おい!』
- 135 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/07(金) 12:39:18 ID:ZvZ42sDg0
- 男は帰る直前、少女の耳元で何やら小さく囁く。
と、少女は真っ青になり、何度も何度も頷いた。
小さな小さな言葉だったが、人一倍耳鋭い羽場には男の言葉が微かに聞こえていた。
『これで最後だ、失敗しても帰れると思うな』
――と。
その言葉が少女の立場を物語っていた。
以後、少女は羽場のただただ言うがままとなった。
…………
…………
…………
「お慈悲を、お慈悲を……」
必死に自分の足元に縋り、許しを請う少女を見下ろし、羽場は満足気な表情を浮かべていた。
――ああ安心しろ、お前の様な“便利な玩具”、そう簡単に手放しはしないよ。
羽場にはある特殊な性癖があった。
……おかげで妻はおろか娼館にも満足に通えない身だ。
が、この少女相手なら幾らでもその欲望を満たすことが出来る。昨日の様な行為も一度や二度の話ではないが、こうしてぴんぴんしている。昨日あれ程“可愛がった”というのに、もう平気な顔をしている。
一体どうして手放すことなどできようか!
- 136 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/07(金) 12:40:00 ID:ZvZ42sDg0
- 「ふん、まあいい。出来た分だけ見せろ」
「あ、ありがとうございます!」
少女は何度も地べたに頭を擦りつけ、感謝する。
「いいから早く渡せ!」
「は、はい!」
少女は慌てて書類を分けようとする。
と――
ヒラリ
書類の一枚が羽場の足元に舞った。
……何やら色々書き込まれている。
羽場は興味を示し、拾い上げた。
「何だ、これは?」
「あ、そ、それは……」
「言え」
「……ピグニス諸島の地図です」
観念したのか、少女は答えた。
- 137 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/07(金) 12:40:44 ID:ZvZ42sDg0
- 「何故、そんなものを持っている?」
「一族から一時的に預かっている書類です。何でも、軍の依頼でイルドーレ全土を調査中だとか――」
「何故黙っていた!」
「も、申し訳ありません!」
「読め!」
「え…… で、でも……」
「いいから読め! 一族から半ば捨てられたお前が、今更義理立てして何になる!」
「は、はい! 『同諸島はイルドーレ王国最北端の領土で、大陸から200海里という好位置にある。小島の集まりに過ぎないが、その本島は飛行場を設置するにたる規模を備え――』」
「ほう……」
羽場は少女から地図をひったくり、しげしげと眺める。
……確かに少々小さいが、拠点には格好の位置にある。
「ここに、軍を置ければ――」
そう、軍の駐留許可でも得れば、大きな得点になるだろう。軍に恩も売れる。
- 138 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/07(金) 12:41:16 ID:ZvZ42sDg0
- 「で、でも、大陸同盟の規約では同盟に所属しない国の軍を受け入れることは、確か固く禁止されています」
「ちっ!」
「いっそのこと、重臣の方々みたいに買収できちゃえば楽なんですけどね……」
「! 今、何と言った!?」
「も、申し訳ありません!」
血相を変えて詰め寄る羽場に、少女は慌てて謝る。
「いいからもう一度言え!」
「は、はい、重臣の方々みたいに、島を買収できちゃえば楽なんですけどね、と……」
「それだ!」
「へ?」
「島を買うんだ!」
「……はい?」
少女はたっぷり数十秒ほど言葉の意味を吟味し、首を振った。
- 139 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/07(金) 12:41:48 ID:ZvZ42sDg0
- 「お言葉ですが、仮にも国家がその領土を売却するなどこの世界では考えられません。 ……少なくとも、中央世界ではここ百年は聞いたことがないです」
「中央世界以外では? 百年以上昔ではどうだ?」
「あるにはありますが、事例自体が少なくて……」
「前例があるなら可能性はある、ましてやこの国は破産一歩手前なのだからな!」
「あっ、でも――」
善は急げと立ち上がる羽場に、少女は慌てて付け加える。
「下手をしたら“下賜”と見做されて主従関係を結ぶ羽目になりますし、その逆(献上)の場合もあります。それに余り強引にやると、大陸同盟の共同防衛条項が発動される可能性も――」
「うるさい!」
少女の手を乱暴に払いつつもその忠告を頭に入れ、羽場は事務所を後にした。
竜車に揺られながら、ふと考える。
――そういやあ、金を撒くのもあいつが言い出したことだったな。当初は何を商人の様な真似を、と馬鹿にしたものだが……
- 140 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/07(金) 12:42:22 ID:ZvZ42sDg0
- そこまで考え、羽場は首を振った。
金を惜しむな、とは吉田閣下も仰っていたことだ。あいつはそれを嫌がる自分に繰り返し言ったただけ、せいぜい蒔く対象と相場を教えただけに過ぎない。
――うん、それがあいつの仕事、だから問題ない。それを採用したのは俺の才覚、今回あいつの何気無い言葉から思いついたのも俺の才覚だ。
吉田閣下は連中を過大評価し過ぎなのだ、むしろ我々外務省は積極的に利用すべきだろう。
……何、所詮は10万そこそこの少数民族だ、いざとなればどうとでもなる。なんなら同化させたって良いのだから。
――妻女を持てない以上、あの少女に子を産んで貰わんかもしれんしな……
そこまで考えると羽場は頬を叩き、少女のこと、ダークエルフのことを頭から追い出した。
先ずは目先の大仕事を片付けなければならない、そんな先のことを考える余裕は無い。
もしこの件を成功させれば、軍に対して大きな“貸し”を作れるし、自分は外務省内で確固たる地位を得られるだろう。実にやりがいのある仕事だった。
――まず重臣全員を取り込む必要があるな、あと何としても王に会わんといかん……
イルドーレがピグニス諸島の売却を決めたのは、それから暫くしてのことだった。
- 141 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/07(金) 12:42:52 ID:ZvZ42sDg0
*1 ――――『これは少なくとも当時のアルフェイム世界にとってはかなりの数字であり、(中略)“大産出国”と評すべきものだった。』――――
この他にも大内海沿岸部の“帝國”領には多くの金銀山が存在していたが、当時は大半が既存の鉱山であり、その採掘・精錬技術が低い――帝國技術は導入されていない――上に“帝國”に直接的な所有権はなかった。(それでも税名目でそれなりの量が現地所有者より献上されていたが、全て現地総督府や軍の活動費に当てられた)
“帝國”の大陸経営が軌道に乗り、金銀山の開発ラッシュが起こるのは、これより十年近く後の話である。
……尤も、これ(金銀の大量流入)により貨幣価値が一挙に三分の一まで下がり、アルフェイム世界に“価格革命”と呼ばれる程の大混乱を起こすこととなるのだが、まあそれはまた別の話だろう。
- 142 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/07(金) 12:43:28 ID:ZvZ42sDg0
- SS投下終了。
15禁?
- 143 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/07(金) 13:00:20 ID:vEvo/GtA0
- (;´Д`)ハァハァ
- 144 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/07(金) 13:04:16 ID:1iYxEpnk0
- 乙
これなんてry
- 145 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/07(金) 14:44:08 ID:MsAR/znU0
- くろべえさん、投下乙です
あー…
だめだ完全にダークエルフに手玉に取られている…
藤原家?
この硬軟自在のつけこみの上手さはそれ以上としか思えない
真面目に100年いや50年たったら
上流階級はハーフダークエルフが主流になってるな、こりゃ
- 146 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/07(金) 15:57:07 ID:zOqoRtwI0
- くろべえ氏投下乙です!
これはイイ! 貴殿もとうとうエロの世界に進出ですか。歓迎いたしますw
まあ、冗談(?)は程々にしてw
貨幣価値が三分の一になる価格革命は確実に金融恐慌をアルフェイム世界引き起こしますね。
これが原因でどこかの列強と戦争になりそう。
- 147 名前:陸士長:2007/12/07(金) 19:44:28 ID:KNJCSNJU0
- 投下乙です。
……貴方は騙されているっ!(何
いや、確かに表は亭主関白ですが、裏は少女が糸をグリグリ弄ってそうですw
しかも新城直衛のような性癖の持ち主を満足させ、尚かつ妻の座に潜り込む。
『提案』もごく自然に行ってますね。閨で男の腕の中で囁いているようなもんですよこれ。
要所の要人の背中に繰り糸を括り付け同化を促進させる、ダークエルフ少女……恐ろしい子っ!
- 148 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/07(金) 20:01:23 ID:WetprZeM0
- 上流や将来の実力者候補ほとんどに送り込んでいるはずですから、
自分がどんなに努力しても、部下や家事要員としてしか扱ってくれず、
でもって、もふもふ系獣人娘にハァハァしている対象に対して
密かに女としての見栄や意地が傷ついている不幸な(笑)ダークエルフ少女も
いるでしょうな・・・・
辺境勤務の某親方!に負けず劣らず暢気で鈍いのとか。
あと、良いヒトすぎて本気で惚れてしまったけど相手が
「俺ってバタ臭い女は対象外なんだよな」と言うのとか、
美人より芋娘が好みとか・・・・成功率100%ではないでしょうなぁ
- 149 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/07(金) 20:17:57 ID:lTRFG57k0
- 投下乙です
このダークエルフ少女は天然なのか故意なのか・・・
たぶんリサーチして羽場の性癖などを分析してそれを演じていたり・・・
そうだったら脅威ですね〜
ダークエルフは必要な存在だから問題が表面化しない限り
政府上層も扱いに困りそうですね
- 150 名前:陸士長:2007/12/07(金) 20:19:55 ID:KNJCSNJU0
- >「俺ってバタ臭い女は対象外なんだよな」と言うのとか、
>美人より芋娘が好みとか・・・・成功率100%ではないでしょうなぁ
ダークエルフ女「どうして私の想いに答えてくださらないのです……」
相手「ごめん、俺ロリコンなんだ」
陸士長は東京憲兵隊に逮捕されました。
- 151 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/07(金) 20:20:20 ID:VIav0LOE0
- イルドーレの人物で後のストーリーに絡むのは何人いるのでしょうか。
帝国でも次々に新しいキャラが出て10話後まで生き残れるキャラを当てよう状態。固有キャラ大杉。
なげっぱなし●ゃーまんきんぐ?
- 152 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/07(金) 21:20:44 ID:jUh8v8N20
- くろべえ氏の帝國召喚は特定の人物に焦点を当てて進めるタイプのSSじゃないと思うよ。
- 153 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/07(金) 21:47:49 ID:I3Ap.MhM0
- 多分疎まれてるとか半分はホントの事でしょうねえ・・・
そしてうまいこと適材適所で送り込むダークエルフの上の方は凄いなあ
- 154 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/07(金) 22:02:03 ID:u7qqPoIs0
- それにしても大陸進出の橋頭堡たる国の領事につくのがこの程度の人間とは、
外務省の人材も推して知るべしだな・・・
こんなんで権謀渦巻く中央世界で立ち回れるんだろうか。凄く不安だ。
- 155 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/07(金) 23:38:05 ID:fqyHfca20
- >>145
>上流階級はハーフダークエルフが主流になってるな、こりゃ
上流階級の血縁主義を舐めたらいかんよ
クォーターヒューマンが主流だろ…
- 156 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/08(土) 00:05:40 ID:zOqoRtwI0
- >>150
ちょ、陸士長!! ナニやっているんですかw
まあ、そういう趣味の相手専門もいるでしょうね。
実際、同性愛者や年下趣味は上流階級には結構いたというのは聞きますから(時代にもよるけれど
- 157 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/08(土) 08:05:00 ID:ZvZ42sDg0
- >>143〜144
ありがとうございます。
や、今回は自分でも「やり過ぎたかな」と思わないでもないです。
でもまあ、やはり“実態の一例”として、少々えげつない例を挙げて見ました。
>>145
145様、ありがとうございます。
>だめだ完全にダークエルフに手玉に取られている…
傍から見れば、絶対少女に同情が集まりますね。
羽場の部下あたりなんかとくに。
>>146
146様、ありがとうございます。
>貨幣価値が三分の一になる価格革命は確実に金融恐慌をアルフェイム世界引き起こしますね。
物価高騰による混乱が凄いでしょうね。
これを契機にアルフェイムは「金銀貨幣から兌換紙幣に徐々に移行するようになる」という設定ですが、まあ当分は無理かなあ。
>>147、150
陸士長様、ありがとうございます。
この少女、“基礎知識”どころか条約や法令を理解し、助言しています。
その上帝國語の読み書きを短期間でマスターしている訳ですから、アホの子な訳ないです、絶対に。
ダークエルフ基準ではどうだか知りませんが、少なくとも人間なら“とても優秀な少女”でしょう。
>相手「ごめん、俺ロリコンなんだ」
ロリが送られてきたりして……
- 158 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/08(土) 08:06:26 ID:ZvZ42sDg0
- >>148
>上流や将来の実力者候補ほとんどに送り込んでいるはず
いえ、さすがにそこまで露骨な真似はしていません。
数も足りませんし。
>成功率100%ではないでしょうなぁ
ですね。けど、『幾つかのうち一つ』で良いのですよ。
と言いますか、そうでなきゃあいけません。
『幾つかのうち一つ』でも大成功ですし、あまり成功し過ぎても……
>>149
149様、ありがとうございます。
>このダークエルフ少女は天然なのか故意なのか・・・
これは謎のままです。
>ダークエルフは必要な存在だから問題が表面化しない限り
>政府上層も扱いに困りそうですね
これはそうそう表面下しそうにないですからねえ。
それにどちらかと言えば、こっちの脇の甘さ、無能さの証拠でもあるし……
>>151、152
主役と言えるべき人がいないので、全体像を書くとこうなってしまうのですよ。
もう少し表現力があると良かったのですが、申し訳ない……
旧作レムリア編では典礼参謀(有馬中佐)を主役級に据えてみたのですが、どうも実行力あり過ぎになってしまいましたので、その反省もあります。
……まあ彼の場合、やり過ぎで未完の章で「本能寺の信長」みたいになる予定だったのですが。
現在試行錯誤していますので、どうかご容赦を。
- 159 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/08(土) 08:07:36 ID:ZvZ42sDg0
- >>153
「真実の中に嘘を混ぜる」というよりも「嘘ではないが本当ではない、本当ではないが嘘でもない」といった感じかなあ?
>>154
現状では「沈み行く船」ですからねえ。
それにその実績や行動を見るに、外務省の連中……特に出世を約束されたエリート連が有能とはとても思えません。まあ例外はいるでしょうが、少数派でしょう。(コネ採用ですから家柄はいいかもしれませんが)
あと下には優秀な人材が少なからずいるでしょうが、出世できなければ意味無いですからね
- 160 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/08(土) 08:10:45 ID:.4jRC6TE0
- くろべえ氏、投下乙です。
このダークエルフの少女は、矢張り外れですかね。
どう見てもこの羽場氏、絶対に途中で派閥争いか、致命的な失敗で失脚するフラグを踏みまくる人物としか思えません。
え〜い。害務省に人物は、いないのか。
ダークエルフに取り込まれるのが良いのか、列強に取り込まれて教科書を売り飛ばすのが良いのか。どちらにせよ特説憲兵隊か内務省辺りに引っ掛かるでしょうけど。
旧版の、チャフ製作所所長に付いた少女から比べ、随分と黒っぽさが進化したようで、怖いッス。
国土の売買。
ロシアのアラスカや、検討だけでしたが日本の台湾など近代まで有ったから、中央世界とて普通にあっても良いのでは?
王権が、宗教に保障されてる世界なら、土地は、王の物。自由に出来ると考える国があるかも。国土は、神に委託された物や、貴族、地方領主が強く、王とは主従より契約関係が強ければ無理でしょうけど。
- 161 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/08(土) 09:57:07 ID:5cdVuct20
- 真面目な話、ダークエルフに害務省を乗っ取ってもらった方が後々帝國のためにいい気がします。
- 162 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/08(土) 10:23:12 ID:8BB2abpY0
- 切実にそれは有るなあ
現代にも現れて害務省を是非乗っ取ってもらいたい
- 163 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/08(土) 12:20:59 ID:5nhB5QXQ0
- 日本を富ませて発展させ、一般市民にもその富を還元してくれるのなら
別にDEが支配階級になっても構わないんじゃないかと思ってしまう自分は筋金入りの奴隷根性w
少なくとも現代の政治家や官僚よりは、よほど有能だろうし。
- 164 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/08(土) 14:11:37 ID:b9UekIAo0
- 旧版では甲斐甲斐しさまで感じてたダークエルフだったけど
今回は何と言うか、獅子身中の虫の匂いがしてくるというか
数百年後には立派なダークエルフ帝国が〜とかでなければいいけど
- 165 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/08(土) 14:12:00 ID:rnieKo0I0
- >ダークエルフに取り込まれるのが良いのか、列強に取り込まれて教科書を売り飛ばすのが良いのか
解体されて官邸直属になるのがいいに一票。
そういや公式の場で夫人を殴打して「日本の文化だ」と開き直り、日本の評判を落としてくれた大使が居ましたな。
- 166 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/08(土) 16:41:59 ID:9N6DyVGM0
- と、言うか同化政策でしょうな。
で、同化対象が被差別階級とかでなく、とりあえず血が入っていても
臣民として差別されたくないから、上層から血を入れているわけで。
こういうことは、最初が肝心だからね
- 167 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/08(土) 16:48:30 ID:xGz0wCbk0
- ダークエルフに取り込まれる&警戒するを書いた描写が過剰気味のような。以下同文でも意味は通じるかなと。
全体像を書くというより全体の中から点と点を抜きだしてそこのキャラに特徴付けを無理にでも行い文にしてると言う感想です。
- 168 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/08(土) 17:09:13 ID:9N6DyVGM0
- ところで、帝國がどれくらい封建的かつ、身分制が機能しているか
くろべえさんが色々説明してくれたけど、それを読んでて
”この”映像とBGMが脳裏に流れる漏れはかなり立派なおっさんである!
↓
ttp://www.youtube.com/watch?v=pCnzB4pj16M
帝國本土に伝手を辿って入院できた、邦国貴族とか大商人とかは
”まだ”緩くて甘いと感じるかもしれませんけど
- 169 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/08(土) 21:32:09 ID:6nzkJ1g.0
- 今回のダークエルフ少女の一族での扱いが、前々スレで
稲葉氏の個人ガードに付けられた「おにゃの虎」と
重なって見える漏れはそろそろ回復不能であります!
知識と技術力はともかく、見た目と言動があまりにもあれな稲葉中佐に対する
箔付けと邦國首脳陣並びに現地駐留軍に対する”ふかし”
(陸軍最精鋭獣人である虎人を個人ガードとして付けられている)を目的として
ミソッカスを付けられて・・・というネタでしたね
- 170 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/08(土) 22:03:50 ID:lGUFSpGY0
- くろべえさん投下乙です。
ダークエルフに文字通りキ○タマつかまれちゃってますね…(;´Д`)
転移による内憂外患を払う合間に、これまたやっかいな問題が同時進行中とは恐ろしい限りです。
>>169
以前から度々「おにゃの虎」と言ってる貴方は同一人物なのでしょうか?
ちょっといい加減しつこいし、スレの空気とも合ってないと思いますし、
何より気持ち悪いので自重されたらどうですか?
- 171 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/08(土) 22:07:57 ID:6nzkJ1g.0
- 前々から書いてますが私だけでは無いようですよ<おにゃの虎
それから、転移男世界ネタでしかこのネタを出しておりませんので
どうかお目こぼしを
- 172 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/09(日) 10:36:05 ID:PrNDtOqYO
- 転移男ネタでしかっていうより、
無理矢理に転移男ネタに持ってくな。
って言われてるのを理解出来てます?
- 173 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/09(日) 11:06:37 ID:1AJ6hmOQ0
- >>172
文句つけてる人がどれくらいいるか空気読んだらどうですかとな。
- 174 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/09(日) 11:13:44 ID:8BB2abpY0
- >>172
KYなニポングがおおくてw
周りが皆KYで分かってますww
- 175 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/09(日) 12:46:06 ID:LwNTvIHY0
- 殺伐とするのがわかっているから誰も言わないだけで、
>>169=171へ自粛して欲しいという人自体は大勢居ると思う。
本編が順調に進み始めてるのだし、茶々はほどほどにした方が良いと思うしね。
- 176 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/09(日) 13:12:56 ID:cT.Q0ZfE0
- 確かにいちいち転移男転移男と何でもかんでも
転移男につなげる輩はウザイ。
- 177 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/09(日) 13:17:44 ID:LgHS/8eg0
- 本編より外伝の方が好きな連中が居るんだろ。
真面目な流れの本編にギャグネタ調な外伝のネタを入れて興をそぐなと言いたい。
>>174
すまんが、ニポングって何だ?
- 178 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/09(日) 13:32:20 ID:Bd3wyNqw0
- >>自粛して欲しいという人自体は大勢居ると思う。
……へぇ。
- 179 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/09(日) 13:43:17 ID:AdjTAwp20
- 正直、名無しレスなぞどうでもいい。
ただ、スレが殺伐としてくると作者さんたちが投下しにくくなる。
ネタ厨も自治厨もどっちも自重。スルー推奨。皆仲良く。
- 180 名前:名無し三等兵@F世界:2007/12/09(日) 14:03:57 ID:dDKWsT0E0
- >ただ、スレが殺伐としてくると作者さんたちが投下しにくくなる。
>皆仲良く。
同意。
この論議は沈静化の方向に向かってもらうことを自分は望む。
- 181 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/09(日) 14:56:51 ID:GCGe5Ru2O
- つ□D みんなホットミルクどぞ〜心がほっとするよ
- 182 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/09(日) 15:58:54 ID:8BB2abpY0
- >>177
訳:空気の読めない日本人が多くて困りますね
周りは全て空気が読めませんね
意味:貴方が正しくて他の人がおかしいです
異常者は自分が異常だと分からないです
- 183 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/09(日) 16:16:01 ID:e2BHVX0U0
- ID:8BB2abpY0が日本語に不自由してるのはよくわかった
- 184 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/09(日) 17:33:49 ID:mSiubQ.I0
- まあまあ
- 185 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/09(日) 17:39:37 ID:1LXDVzv20
- 皆さん、お茶が入りましたよー
つttp://www.vipper.org/vip687545.jpg
- 186 名前:ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2007/12/09(日) 18:00:24 ID:Bohu6sek0
- くろべえ氏投下お疲れ様です。
いやはや、羽場もワルですなあ。いくらイライラしているからだって、ダークエルフ
の付き人にとんでもない事をするとは。
ハルゼー親父に見つかったら「なんて根性の腐った奴だ!」とか言われて海に
放り込まれそうですな。
- 187 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/09(日) 20:43:32 ID:SXqFuiGo0
- >>185
ちょ・・・
和んだw
- 188 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/09(日) 22:56:50 ID:AdjTAwp20
- >>185
且(´Д`*)
- 189 名前:名無し三等兵@F世界:2007/12/10(月) 00:55:35 ID:dDKWsT0E0
- >>186
多分、山口さんか角田さんに見つかっても「海に叩き込むぞ!!」とか言われそう(苦笑)。
- 190 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/11(火) 11:14:27 ID:rhjq2Tq60
- >>160
160様、ありがとうございます。
>え〜い。害務省に人物は、いないのか。
下にはいるかもしれませんが、上は難しいかも。
今も昔も外交官の仕事を何か勘違いしてる連中ばっかりだし。
>国土の売買。
>ロシアのアラスカや、検討だけでしたが日本の台湾など近代まで有ったから、中央世界とて普通にあっても良いのでは?
一応、設定としては――
中央世界では「領土は王ではなく王家の財産」「領土は永遠だがが金は有限」「封建制では土地こそが財産」といった考えから一般ではありませんでしたが、歴史を見ると領地を売る例が散見されます。
ちなみに領地の中身はあまり重要ではない地とか切れ端が主です。売る側の事情は「戦費調達等の切羽詰まった事情」や「他領と入り組んだ地の整理」、「事実上戦争に負けて領地を割譲せねばならないが、面子を保つために形式上売買の形をとった」といった感じですか。
ただここ最近は比較的平和が続き、外交が特に重視されていますので、あまり聞こえの良くない領土の売却は特に避けられる傾向にあります。(「あそこはそこまで困っているのか?」とか思われたら外交に支障をきたしますし、上の事情も結構消滅しちゃいますから)
――としています。
でも江戸時代でも薩摩藩なんかでは知行の売買があったらしいですから、もう少し縛りを緩くしても良いかも良いかも。HPにUPする時は要検討ですかねえ。
- 191 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/11(火) 11:15:30 ID:rhjq2Tq60
- >>161〜163、165
日本の外務省は日本の国益よりも省益……どころか他国の利益を代弁していますからねえ。
>>164
コインの裏表といいますか、見方が違うとこうなります……かなあ?
>>166
まあ向こうも、少しでも帝國内における自分達の地位を向上させたいでしょうからねえ。
大企業に吸収された小さいが優秀な企業の社員達が――とか考えれば納得もできますし、結構当たり前の話かも。
……このままですめば、ですが。
問題はこれが国家間・異民族間での出来事であり、かつ彼らが何を考えているか・何処まで求めているかが不明なこと、余りに優秀なことですね。あの女狐?ではありませんが、お互い一度とことん話し合うべきかも。
>>167
表現がくどいということは自分も重々承知しております。
要はくろべえの筆力がその程度、ということなのですよねえ……申し訳ない。
>>168
>帝國本土に伝手を辿って入院できた、邦国貴族とか大商人とかは
>”まだ”緩くて甘いと感じるかもしれませんけど
「まだ」どころか「かなり」なんて表現されるかもしれませんね。
平民が貴族士族を告発することなどできない&貴族の関る犯罪の証人・弁護人になることは不可能、なんて国がいくらでもありますから。
- 192 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/11(火) 11:16:03 ID:rhjq2Tq60
- >169
>稲葉
彼は完全なネコミミ中毒者ですからねえ。
そうなったらルパンダイブかまして……シャオにどつかれるんだろうな、きっと。
>>170
170様、ありがとうございます。
>ダークエルフに文字通りキ○タマつかまれちゃってますね…(;´Д`)
ある意味、もうこの少女無しじゃあいられませんからねえ。
王様の様に振舞っても実質的には……
>>186
ヨークタウン様、ありがとうございます。
>ハルゼー親父に見つかったら「なんて根性の腐った奴だ!」とか言われて海に
>放り込まれそうですな。
そろそろ吉田氏にもばれるかも。
彼の場合、二重に怒るだろうなあ……
- 193 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/11(火) 21:43:57 ID:3lFzEfbw0
- >>168での帝國病院ねたをどうか・・・
それと、この世界の歯科医療水準を考えれば
帝國歯科医がとんでもない名医として各国王族・貴族から
引っ張りだこになってもおかしくありませんな。
軍医将校なんかは、大陸駐屯地とか邦国なんかじゃ
とんでもない威光で(ある意味司令官並み)現地の医者なんかが
「どうか、技の一つでもご教授を」と平伏したりとか・・・
でも、魔法技術を使用した医術情報の収集とかも重要な任務かもね
- 194 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/12(水) 04:22:17 ID:.4jRC6TE0
- >彼の場合、二重に怒るだろうなあ……
吉田氏や、DE警戒派によって、羽場氏のスキャンダルを利用してこれからは助手や、秘書は、男性のみにして女性の登用は禁止になればもう少し雰囲気が変わるかも。
今はどう見ても同盟協力より、色仕掛けによる篭絡、乗っ取りにしか見えませんから。
男性なら警戒しつつも、対等な駆け引きに見えてDEの読者の感想が旧作に近づいたかも知れませんが今は、黒すぎます。
>国土の売買。
>面子を保つために形式上売買の形をとった」といった感じですか。
青池保子女史の「王城」の、同盟の秘密協定や、王族の婚約の結納の様に、戦乱時でないと普通売買は、無いですね。
あとは、大陸同盟内の紛争回避位でしょうか。
- 195 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/13(木) 05:26:06 ID:pe/oqGVA0
- ダークエルフは封建的な意味での権力者(士族や地主)に擦り寄ることが多いような気がするんだけど、今後更に民主化してゆくであろう事は理解してるのか。。。
- 196 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/13(木) 10:28:16 ID:cu6Dj6g20
- いや、地球じゃなくてアルフェイムなんだから、なんだかんだで百年単位のスパンで
封建的な権力者が権力維持していくのは確実でしょ。
- 197 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/13(木) 11:04:48 ID:24i1JDdo0
- >>195-196
?
ええと。
>>195さんは「〜というのがこれまでの基本行動だっただけに帝國に対しても同様にするんじゃね?」的な危惧を持っていて、
>>196さんは「(今後更に民主化してゆくであろう)というのはアルフェイムなんだしあり得なくね?」と言っていると。
>>196さんはどうやら対象を勘違いして居られるようで。
でもどうなんだろう、>>195氏の説も考えてみると、基本方針DE即排除で一致、
多少利用はしても良いけど取り込むのは危険だしまあばれそうになったら抹消しないとなあ、
的なのが常識のアルフェイムで擦り寄るなんて危険をDEは冒せるんだろうか。
つかず離れず、便利な情報引き出し口程度に留まるやり方だったんでは?と思ったんですが。
くろべえさんのお返事待ちですかね。
- 198 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/13(木) 20:57:48 ID:DAyV7bSo0
- >>192
>彼は完全なネコミミ中毒者ですからねえ。
>そうなったらルパンダイブかまして……シャオにどつかれるんだろうな、きっと。
最近のダークエルフの娘さんたちの帝國要人や若手高級官僚・将校に対する
アタックを見ておりますと、帝國陸軍若手技術将校にして情報工学の天才である
稲葉中佐殿に対して、一世代ほど出遅れた獣人サイドからのアプローチが!とか
妄想してしまいました。
おにゃの虎にこんな事言われたら・・・・
ttp://www.geocities.jp/hokakoko/1129723677594.png
シャオちゃん ふぁいと!
- 199 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/14(金) 04:56:32 ID:oZJMMKKk0
- >>196
いあー、資源取り放題で長期的な意味で経済的発展は確実だし、民衆が豊かになれば民主化も進むと思うんだよね。
まぁ、民衆と貴族の対立は西洋ほど深刻ではないから、酷い事にはならんと思うけど。
でも長期的に見れば、封建的な意味での権力者であることのアドバンテージってゆうのは減っていくのではないかな。
邦国とかではどうか知らないけど。
- 200 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/14(金) 09:16:08 ID:9d3Eah7c0
- むしろ邦国では、帝国の宗教の影響で早期に民主制に変わりそうな気がする。
旧版のレミ神じゃないけど、もし現地の神が八百万の神の一柱に加わったら、王の宗教的権威はがた落ちになるだろうと思う。
一神教と王権神受説が西洋では封建制の前提だった、という事を考えれば、ね
- 201 名前:でん:2007/12/15(土) 01:01:46 ID:0E919J7g0
- 久しぶりにKUROのどこかでみたような世界
を見てみたのですが、そこの転移男にデパートに行こう!
という見たことのない作品があったのです。
ぜひ見てみたいので、KUROさんぜひ再アップを!
- 202 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/15(土) 01:21:27 ID:D3QUVjlE0
- >>201
ここの過去スレ探せば載ってる筈よ。2chと違ってすぐにDat落ちしたりしないからここは。
- 203 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/15(土) 07:35:57 ID:X0DjDoks0
- どうも、くろべえです。
色々忙しい事に加えてPCを新調しましたので最近更新停滞気味です、ごめんなさい。
……しっかしビスタって、慣れてないせいもあるかもしれないけど使い難いなあ。
特に同一HDD内でのファイルコピ−が出来ないのは困る。
>>194
>男性なら警戒しつつも、対等な駆け引きに見えてDEの読者の感想が旧作に近づいたかも知れませんが今は、黒すぎます。
確かにそうですねえ。少し書き方を変えようかなあ。
(とはいえ全体で見れば、女性の投入はごく少数なのです)
>戦乱時でないと普通売買は、無いですね。
土地は封建制の要、領民との結びつき等を考えれば、やはりそう簡単には売れませんかねえ。
>>195〜197、199〜200
資源に恵まれていても貧しい国は多いですからねえ。特に帝國の国力を考えれば支配下の国まで富ますのはかなり難しく、発展には時間がかかるでしょう。
(と言いますか、帝國自身いまだ発展途上でこれから先ウン十年は……)
あと帝國自身、大陸の民主化については否定的でしょうね。現在の支配構造の方が支配しやすいですから。
>>198
稲葉はケモノっ娘萌えですからねえ。効果は大でしょう。
>>201
>デパートに行こう!
前半部しかUPしておりません、そのうち書こうとは考えているのですが……
- 204 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/15(土) 11:48:07 ID:ZFdrFi.k0
- >>202
詳細YORO!
- 205 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/15(土) 19:08:13 ID:QAQuroWw0
- 領地の売買ですが、ロシアがアラスカを売った件みたいにほとんど地図上で線を引いただけ
で手に入れた辺境地帯ならともかく、本土のど真ん中?を売るのは到底不可能でしょう。
- 206 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/16(日) 13:25:10 ID:so3WqZw.0
- 生態系ってどうなるんだろうね?
渡り鳥なんかは激減するだろうし、鮭や鮎の遡上も激減。
かなり大きな影響が出るかも。
検疫を綿密にやらないと、新種の昆虫類や未知の病原菌で
バイオハザードの世界に・・・・
- 207 名前:名無し三等兵@F世界:2007/12/16(日) 17:48:20 ID:dDKWsT0E0
- >>205
ど真ん中は無理でしょう。
まあ、「ピグニス諸島」がイルドーレ王国の「最北端に位置する諸島」だったから何とかなったのでしょう。
- 208 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/16(日) 19:57:27 ID:M7DmD.PI0
- 大使館みたいにある建物・敷地にだけ、主権を認めるとかは今でもあるな。
情実絡みだろうけど今ではその与えられた建物くらいしか領土と呼べる物がない国?がある。
さすがに国連に加盟はできずオブザーバーだけども。
- 209 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/16(日) 22:21:47 ID:PrNDtOqYO
- 何て国?
ずっと亡命政府のターンみたいなもん?
- 210 名前: ◆1.G.o.o.D.:2007/12/16(日) 23:29:46 ID:QdMcFBsw0
- >>209
通称:マルタ騎士団国
正式名称:ロードスおよびマルタにおけるエルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会
ロシア初め94か国が外交関係にあって大使館がある、
本部っつーか本拠地はローマのビル、
建物内はイタリアから治外法権を認められてる。
- 211 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/17(月) 08:13:30 ID:i.kmv40Q0
- マルタ騎士団ってあのKKKみたいな頭巾の人達よね? 勉強になるわ
- 212 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/17(月) 13:46:43 ID:v/9q/NTkO
- 十字軍のエルサレム王国で巡礼保護のために結成→対イスラム軍事化→エルサレム王国崩壊してロードス島に移転→対イスラム海賊→若スレイマンに攻められマルタ島に移転→対オスマン海賊→晩年スレイマンに攻められるも撃退→時は流れて、ナポレオンにマルタを奪われる→>>210
- 213 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/17(月) 14:26:35 ID:X0DjDoks0
- >>206
>渡り鳥
今いない鳥は永遠に来ないし、今いる鳥は下手したら……
あ、もしかしたら神州島から怪しげな鳥?が来るかも。
くっ、喰われる〜〜
>検疫
あまり突き詰めるとアレなので余り掘り下げません。気候同様特殊フィルターで防御されてるとか、地球とよく似たものばかりとかで納得してください。(元の世界でもスペイン風邪とか色々ありますが)
防疫体制が功を奏したのか、せいぜい外来魚とかに固有生態が破壊されるレベル?
……まあ現在は軍隊の移動のみなので体制もかなりしっかりしてるけど、自由化されたら色々あるかも。
ではSS投下。
- 214 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/17(月) 14:27:24 ID:X0DjDoks0
- 帝國召喚 第一部外伝1「事変前夜」
本来、朝議とは王の臨席の下に行われるべきものである。
が、ここ十年以上、イルドーレ王国の朝議(*1)は王不在を常としていた。これは王が政治に興味が無い――どころか何処か敵視している節すらある――ことに加え、朝議が(一部例外を除いて)早朝に開かれるためだ。
……『日が昇り始めた頃に寝て、日が高くなると起きる』などという爛れた生活を送る王が臨席するなど、端から不可能な話だったのだ。
無論、これにはやりたい放題の重臣達も流石に顔を顰め、当初は激しく諌めた。
が、それ以上のことはしなかった。直に王の黙認――放任とも言う――を良いことに、今まで以上の好き勝手を始めたのである。
どっちもどっち、と評すべきであろう。
――――イルドーレ王国、王城。
「内々にだが、“帝國”が領土の割譲を求めてきた」
もはや誰もが見飽きた感のある空白の王座の下、議長役を務める筆頭大臣が口火を切った。
その内容に、議事録を書き留めていた書記官が驚いて思わず顔を上げた。
……常に『見ざる聞かざる言わざる』の黒子に徹する書記官が、である。
それ程、この申し出は驚くべきものだったのだ。
領土とは国家の根幹であり存在そのものである、“全て”と言っても過言ではないだろう。
故に、“帝國”の要求は“宣戦布告”とすら見做されかねないものだった。
が、書記官“風情”のそんな態度など気にも留めず、筆頭大臣は周囲を見渡して発言を続ける。
- 215 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/17(月) 14:28:57 ID:X0DjDoks0
- 「むろんタダではない、それ相応の代価が支払われる」
「如何ほどですか、閣下?」
まるで合いの手を入れるかの様に、蔵部の長官――やはり重臣の一人だ――が発言する。
その言葉に、筆頭大臣は勿体ぶりつつも答えた。
「100万レムリア・リバー(*2)」
どよめきが起こった。
100万レムリア・リバーと言えば正銀貨25万枚、人口1万超の大陸都市の税収にも匹敵する額だ。そして何より――
「今年返済期限を迎える借金の元金に匹敵しますな!」
蔵部長官が声を大にする。
……そう、そうなのだ。
王国には巨額の借金があり、今年から年100万リバーずつ元金を返済していかねばならなかったが、その今年分に丸々匹敵したのである。
借金の具体的な内容は国内の商人衆から300万リバー(年利12、15、18%の各100万リバー)、国外の商人衆から200万リバー(年利20、25%の各100万リバー)の計500万リバーである。
全て王が大変な浪費家であること原因(*3)だった。
- 216 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/17(月) 14:29:54 ID:X0DjDoks0
- 利子だけで年90万リバー。『四半期毎に利子のみを払い、返済期日に元金と最後の四半期分の利子をまとめて払う』という返済方式だが、利子を払うだけでも精一杯、とても元金を返すアテなど無い、というのが正直な所だ。
が、もし期日に元金を返せねば、利率は更に跳ね上がる。いや、或いは確実を期すために、商人衆は差し押さえを行うかもしれなかった。(彼等は年貢の換金や交易等を一手に引き受ける御用商人衆であり、差し押さえる手段は幾らでもあった)
これを逃れる手段は事実上存在しない。そんな真似をすれば信用は地に落ち、まともな商人からは相手にされなくなるだろう。そうなれば有形無形の不利益を蒙ることになる。特に信用取引が行えなくなるのは致命的で、国内は『素直に差し押さえを受けた方がマシ』と思える程の大不況に陥りかねなかった。
――故に、なんとしても借金を返さねばならぬ。だが金は無い、と堂々巡りの所に“帝國”が餌を放り投げたのである、彼等が喰いついたのも当然だろう。無論、それだけではなかったのではあるが。
様々な意味で驚く重臣達を前に、筆頭大臣はたたみかける。
「“帝國”の要求は『ピグニス諸島及びその周辺海域の完全なる領有権』だ、諸卿の意見は如何に?」
今度は、ほう?という戸惑いの言葉が漏れた。
ピグニス諸島は王国最北部の小諸島で、人口も百人程の漁民が住むのみだ。漁場ではあるがとても100万もの価値があるとは思えず、どう考えても元がとれそうにない。
普通ならば何らかの陰謀を疑うべきところであろう。事実、幾人かから不審の声が上がった。 ……が、大勢は動かなかった。ただ含み笑いをするのみだ。
- 217 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/17(月) 14:30:34 ID:X0DjDoks0
- 「どうやら“帝國”は、余程文明国の仲間入りをしたいと見える」
「愚かなことよ、猿が人になどなれるはずもなかろうに」
彼等から洩れる嘲笑を、筆頭大臣は笑いながら締めくくる。
「よいではないか、一時の夢を100万で見せてやろうではないか」
「……閣下もお人が悪いことで」
「お互い様、よ」
「確かに」
笑いあう重臣達。
これを見て、書記官はようやく気付いた。
――何ということだ! 既に方々の大半が既に買収されているのか!?
書記官は義憤を覚えた。
未曾有の財政危機という理由で民に今まで以上の重税を課し、我等士族役人の俸給を借り上げ、それでも足りずに政策費までも最低限に抑えているというのに、王も方々もちっとも身を削ろうとしない。
挙句の果てに、外国から賄を受けて国土の切り売りとは!
- 218 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/17(月) 14:31:17 ID:X0DjDoks0
- 確かに、歴史を見れば領地を売る例を散見することができる。
が、『国家存亡を賭けた戦の戦費調達』や『他領と入り組んだ地、遠方の飛び地整理』或いは『事実上戦争に負けて領地を割譲せねばならないが、面子を保つために形式上売買の形をとった』といった已むにやまれぬ事情が大半で、そこからはとても現在のイルド−レが売却する理由は見出せない。ここ100年は比較的平和が続き、外交が特に重視されていることから、あまり聞こえの良くない領土の売却は特に避けられる傾向にあるから尚更だ。(『あそこはそこまで困っているのか?』などと思われたら外交に支障をきたすし、上の事情も大部分が消滅するからである)
“帝國”の申し出を受け入れれば、王国は大陸同盟……いや、中央世界中の笑い者となるだろう。
が、彼の思いを余所に議論は収束へと進んでいく。
当初反対気味だった者達も趨勢を見て矛を下ろした。他に借金返済の妙案が無い以上、反対し続けることは困難であるしする気も無い。下手に孤立した状態で反対すれば失脚しかねぬが、賛成すれば“分け前”に預かれる、寝耳に水だったのは業腹だが、止むを得ないと判断したからだ。
「ではよろしいかな?」
筆頭大臣は満足げに見回した。
今回の件では多額の賄を貰ったし、売却費からも相当な“役得”を期待できる――そう考えると笑いが止まらなかった。
……加えて借金返済の道筋もつき、一安心である。
今年の元金分はピグニス諸島の売却金でその大半を賄える――少なからぬ額が“役得”で消えうせる――し、来年以降は“とらぬ狸の何とやら”だが“帝國”相手の交易収入でやはり多くを賄うことができる。何、ある程度返せば繰り延べは出来る、何の問題も無い。
- 219 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/17(月) 14:31:58 ID:X0DjDoks0
- 彼は自分の……貴族達の領地収入(家禄)を削ることなど全く考えていなかった。そもそもの原因が王の浪費癖によるものである以上、自分達には何の関係も無いこと、と考えていたのである。
(この考えは彼等が大げさに言えばそれぞれ一国一城である以上、それなりの説得力――要するに『封建領主が王の尻拭いをする義務はない』ということ――を持っていた)
が、彼にも一つだけ計算違いがあった。それは――
『……よろしいか?』
「……いかがなされましたか、デヴルー侯?』
筆頭大臣は内心の動揺を押し殺し、デヴルー侯の問いに応じる。
この何を考えているか判らない男、デヴルー侯の出席だけは計算外だった。
デヴルー侯は彼と同格の三大臣が一人だが、朝議には月に一度しか出席しない。確か今月はもう出た筈なのに――
『安心されよ、反対はせぬよ。 ……賛成もせぬがな』
内心の動揺を見透かしたか、デヴルー侯は乾いた声で笑う。
「では?」
いつも通り白紙票を投ずると聞き、筆頭大臣は一安心しつつも恐る恐る尋ねた。
- 220 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/17(月) 14:32:35 ID:X0DjDoks0
- 『いやなに、大したことではないかもしれぬがな、ピグニス諸島を売れば大陸と“切り離される”が?』
ピグニス諸島が“帝國”領となれば、イルドーレは大文明圏と直接繋がらなくなる、と聞いて数人がハッと表を上げる。
曲がりなりにもイルドーレが大文明圏の一員となれたのは、多大な政治努力と時の運、そして“盲腸”と揶揄されながらも大陸の文明国と連続していたためだった。その事実を考えれば――
「いやはや、流石はデヴルー侯! “帝國”が目を付けたのもそれが理由でして……」
冷や汗をかきつつ、大臣はデヴルー侯に説明を試みる。
「連中もかつての我等と同様のことを狙っておるようなのですよ。まあそれなりに力を持つと、今度は箔が欲しいのでしょうなあ。 ……その値が100万、というわけです。
確かに我等は大陸との地理的連続性を失うことになります。ですが微々たるものですし、何より我々には“大陸同盟”というより強く太い大陸との繋がりがあります、何の心配もありませぬよ」
『さようか』
自ら問題提起をしておきながら興味を失ったのか、デヴルー侯は筆頭大臣が鼻白む程どうでも良さそうに頷いた。
『……ま、どう転ぼうが我には関係の無いことよ』
「デヴルー侯?」
- 221 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/17(月) 14:33:06 ID:X0DjDoks0
- 立ち上がり場を後にするデヴルー侯に、大臣が声をかけた。
『帰る。後は決をとるだけであろう? ああ、それと――』
何かを思いついた様に、振り返る。
『一つ提案だ。100万貰うのではなく、本年返済分の借金証書(100万)と引き換え、と申し出てみたら如何か?』
「それは――」
『案外、成功するやもしれぬぞ?』
言うだけ言うと、デヴルー侯は呆然と見送る重臣達を背に、広間を後にした。
“帝國”……というよりも羽場は購入代を“100万リバ−”から“100万リバ−分の借金証書”に変更するのに応じたのは、その日の内のことであった。
- 222 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/17(月) 14:33:42 ID:X0DjDoks0
- *1 ――――『イルドーレ王国の朝議』――――
同国の朝議に参加する資格を持つ臣を俗に“重臣”と呼ぶ。具体的には3人の大臣に各官庁の長官7人、次官7人の計17人である。なお、議長役は3人の大臣が輪番で務めた。
(ちなみに旧役職名ではそれぞれを大老(大臣)・中老(長官)・少老(次官)と呼び、“重臣”も“老臣”と呼んだ)
*2 ――――『100万レムリア・リバー』――――
“リバー”とは北東ガルム文明圏の……いや、中央世界の標準通貨単位とも言うべき存在である。故に各国で採用され、国ごとに微妙な違いがある。
が、一般に“リバー”と言えば“レムリア・リバー”――即ちレムリア王国で発行したリバ−貨を指す。無論、“レムリア・リバー”貨が中央世界全土を覆いつくしている訳では無いが、国際通貨として外国間取引の際の比較対象に用いられていた。
これは、レムリア王国通貨の高品質・高信頼性が評価されているためである。
レムリア王国は、他国とは異なる貨幣政策を採っていた。
例えば1オース金貨――“オース”は質量単位(国により微妙に異なるがレムリアの場合は1オース≒32g)――と言えば、他国では『総重量1オースの金貨』だが、レムリアでは『1オースの金を含む金貨』なのである。
つまり、他国では金銀貨の品位が頻繁に変わるのに対し、レムリアのそれは常に一定なのだ。これが評価されない筈が無いだろう。これにその国力――何しろ列強が一つだ――が加わり、通貨の価値はより一層高められている。
何れにせよ、中央世界における金銀産出量の四割を占める“黄金の国”だからこそ出来ることで、他の国々には到底不可能な芸当だった。
なお、レムリアの通貨単位は以下の通り。
- 223 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/17(月) 14:34:26 ID:X0DjDoks0
- 16フロル貨(大金貨):金重量1オース(約32g) 総重量1+1/4オース(約40g) 金含有率80%
4フロル貨(正金貨):金重量1/4オース(約8g) 総重量1/4+1/16オース(約10g) 金含有率80%
1フロル貨(小金貨):金重量1/16オース(約2g) 総重量1/16+1/64オース(約2.5g)金含有率80%
16リバー貨(大銀貨):銀重量1オース(約32g) 総重量1+1/4オース(約40g) 銀含有率80%
4リバー貨(正銀貨):銀重量1/4オース(約8g) 総重量1/4+1/16オース(約10g) 銀含有率80%
1リバー貨(小銀貨):銀重量1/16オース(約2g) 総重量1/16+1/64オース(約2.5g)銀含有率80%
1/4リバー貨(豆銀貨):銀重量1/64オース(約0.5g)総重量1/64+1/64オース(約1g) 銀含有率50%
4ソル貨(大銅貨)
1ソル貨(小銅貨)
*大金貨と大銀貨は儀礼用の特別貨幣で、一般には流通していない。
*公定レートは『正金貨1枚(4フロル)=60リバー=6000ソル』だが、実勢レートはおおよそ『正金貨1枚(4フロル)≒64リバー≒7000ソル』。
*ただし地域や時代により金銀銅貨間の相場は常に変化する。
ちなみにイルドーレ王国も“リバー”を通貨単位として採用しているが、リバー貨の発行はしていなかった。
これは国内で金も銀も産出しないためで、代わりに独自通貨である“イルドーレ・センテ”銅貨のみを発行し、“レムリア・リバー”貨とリンクさせている。
……とはいえ金銀貨の裏打ちが無いイルドーレ・センテ”の信用は低く、国外で通用しないどころか国内ですら忌避され、鐚銭扱いされている有様だった。
(それ故、イルドーレ国内に流通する貨幣の大半は国外のものである)
- 224 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/17(月) 14:34:58 ID:X0DjDoks0
- *3 ――――『全て王が大変な浪費家であること原因』――――
そもそも王が毎夜起きていること自体が大変な浪費だった。夜も王宮内を通常体制に近い状態においておかねばならぬため人件費等がかさむこともあるが、それ以上に王宮全体を照明し続ける必要があるからである。
これに加えて日用品に至るまで(高い輸送費を払って)わざわざ大陸から取り寄せるとなると、イルドーレ如き小国では国が幾つあっても足らない。初めから行き詰まることは目に見えていた。
- 225 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/17(月) 14:35:31 ID:X0DjDoks0
- SS投下終了。
- 226 名前:名無し三等兵@F世界:2007/12/17(月) 14:45:30 ID:K7XE1pmg0
- くろべえさん、投下乙です。
デヴルー候は買収されなかったのかな?リストにも載ってなかったようだし。
しかし、何者なんでしょうね、彼/彼女?は。
どこかの間者かな?ダークエルフみたいな。
>王が毎夜起きていること自体が大変な浪費
確かに。この文明レベルでは照明代は馬鹿になりませんからねえ。
- 227 名前:陸士長:2007/12/17(月) 20:26:38 ID:KNJCSNJU0
- 投下乙です。
国事の重大性よりも自分の懐の事で頭が一杯ですか。
まるでだんか……ゲフン。
現金ではなくて、紙っぺら一枚に変更。
デヴルー候は、何を企んでいるのでしょうか。
ぶっちゃけ、渡した金は戦わねば取り戻せませんが、紙は……w
- 228 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/17(月) 20:49:53 ID:YfVQJp120
- 実は借金だから利子も漏れなく付いてくるんじゃないかとw
100万と膨れ上がった利子・・・恐ろしいw
- 229 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/17(月) 22:29:26 ID:w.r4CChE0
- イルド国に対し物資を締め上げてインフレ状態にしてリバーを回収して払えばタダ同然。
ある意味デ候は王に物言っている維新志士ですね、方向が正しいかは結果次第ですけど。権力がなければ維新志士も勤まらない。
- 230 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/17(月) 23:52:48 ID:.4jRC6TE0
- くろべえさん、投下乙
借用証書、重臣達の懐に金が入らない事に気が付かないのでしょうかね。
現王が亡くなった時に、借金返済案として王弟が売却話を重臣に持ちかけたと前スレに無かったでしょうか?
デヴルー候、どこか列強の草ですか? 魔道師とはいえ周囲と思考が違いすぎる上、どこか突き放した所が見えて、秘かにダークエルフと暗闘していそうですね。
ピグニス諸島及びその周辺海域の完全なる領有権。
ロッシェルと事を起こさなくても、イルドーレ王国を経由せず直接貿易が可能、しかも通商条約は一年毎の更新。一年だけのあぶく銭と気が付かないのがイルドーレ気質なんでしょうね。
- 231 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/18(火) 00:11:24 ID:oVuuhHNoO
- くろべえさん投下乙です
国・・・なんですか?
重臣の殆どが買収されてしまうなんて
どんだけ俗物を集めた集団なんだ・・・
そしてベイダー卿(デヴルー侯)は一体何者なんだか
実は王座に座りたいだけの、他より高い志を持った俗物だったりw
- 232 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/18(火) 02:19:56 ID:U46QAn0I0
- 豆粒王国の一貴族にここまで焦点が当たるのは凄いですね。
世が世なら国を踏みつぶしたことすら気づかなかったで終わる話なのでよけいに凄いですね。
豆粒でベイダーならロッシェルでは皇帝、レムリアでは大皇帝、列強バトルでは超皇帝、精華では皇帝W、ラスボスエルフでは最終皇帝
とランクアップするわけですね、今から楽しみです。
- 233 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/18(火) 10:45:48 ID:PrNDtOqYO
- >>232
レポート形式で端的に
注)言語は日本語でよい
- 234 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/18(火) 13:59:32 ID:rA.E4kz60
- 投下お疲れ様であります。
> ピグニス諸島を売れば大陸と“切り離される”
ひょっとして同盟自動脱退かしら
- 235 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/18(火) 19:45:15 ID:Uf8uggjo0
- んで100万リバーくらいの資金を運用できる商人と繋がりが出来る、と
- 236 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/18(火) 21:20:11 ID:JrItf7zk0
- デヴルー候のあどけない素顔とちょっとだけふくらんだ胸を想像して
オラなんかワクワクしてきたぞ!
- 237 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/19(水) 10:22:38 ID:nNwCssKc0
- 極右自重w
- 238 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/19(水) 11:43:11 ID:rnieKo0I0
- >>237
今、皇軍(明治〜WW2の日本軍)がファンタジー世界に召喚されますたvol.17 を見ていると
とんでもない言葉に目を疑いました 「オッス オラ 極右」
帝國は異文明との紛争を暴力によって解決しようとするものでとても、
子どもには見せられる内容ではありません。
こういう所から同じアルフェイムの同胞への差別が始まるのかと思うと薄ら寒い気がします。
そして、最後にデブルー候の小柄で顔を隠し声が甲高いという描写はょぅι゛ょフラグそのもので
でその衝撃にへたりこんでしまいました。
このような作品を見て育つ子どもの将来が非常に心配です。
このスレはいったい何処に進んでいくのでしょうか。
- 239 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/19(水) 11:49:18 ID:X0DjDoks0
- >>226
名無し三等兵様、ありがとうございます。
>しかし、何者なんでしょうね、彼/彼女?は。
次回のSSで答えがでます、ご期待(というほどではありませんが……)ください。
>>王が毎夜起きていること自体が大変な浪費
>確かに。この文明レベルでは照明代は馬鹿になりませんからねえ。
江戸時代でも蝋燭なんかはとても高価だったらしいですからねえ。
王宮だとあまり安価なモノ使えないから大変だ……
>>227
陸士長様、ありがとうございます。
>国事の重大性よりも自分の懐の事で頭が一杯ですか。
周囲を海に囲まれ、今まで外交に縁が無かったですからねえ。(大陸同盟内でもあまり相手にされてないし)
正直、自国が危機に陥る、なんて考えてないのかも。
……とはいえ、その判断は“常識”的に正しいのですよねえ。
誰がこんな地政学的価値もない貧乏国に、わざわざ少なくない労力払って攻めてくるか、ってことです。
CP悪すぎ、曲がりなりにも大陸同盟に参加してるからいっそう……
>>228、229
借金に関しては次々回です。
そこで羽場は大ポカに気付く……
- 240 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/19(水) 11:50:04 ID:X0DjDoks0
- >>230
230様、ありがとうございます。
>借用証書、重臣達の懐に金が入らない事に気が付かないのでしょうかね。
書類上“100万”としておけば利子分国庫からくすねられる、とでも考えているのでしょう。
>現王が亡くなった時に、借金返済案として王弟が売却話を重臣に持ちかけたと前スレに無かったでしょうか?
ロッシェルではそう考えられている、ということです。(判りにくくてごめんなさい)
>イルドーレ王国を経由せず直接貿易が可能
あんな小島では拠点にならない、と判断しているのかも。
>>231
231様、ありがとうございます。
>どんだけ俗物を集めた集団なんだ・・・
現実世界でも隣国から無印金塊貰って態度変える政治屋とか、いっぱいいますからねえ。事実は小説よりも……
>>232
申し訳ない、かなり長くなってます。
>>234
234様、ありがとうございます。
>> ピグニス諸島を売れば大陸と“切り離される”
>ひょっとして同盟自動脱退かしら
それはないですが、政治的にまずいことに……
>>235
あたりです。
>>236
……ごめんなさい。本当にごめんなさい。
ではSS投下。
- 241 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/19(水) 11:50:54 ID:X0DjDoks0
- 帝國召喚 第一部外伝1「事変前夜」
デヴルー侯の屋敷は、田園風景の広がる王都郊外にあった。
侯爵で大臣、という地位と職務を考えればおよそ相応しくない場所である。
……いや、本来ここは別邸であり、本邸は王都中心部にある。あるのだがデヴルー侯は、当主となると直ぐに侯爵家の本拠をこの地に移したのだ。
本邸よりも広いことが気に入ったのだろうか?
それとも、幼少時より過ごした地だからだろうか?
はたまた、人気のないことが気に入ったのだろうか?
その理由は今もって不明である。
――――デヴルー侯爵邸。
屋敷の奥、その一室にデヴルー侯は独り、いた。
上衣を脱ぎ、その身に幾重にも巻かれた包帯状の白布を解く。
そして、忌々しそうに呻いた。
『呪わしい我が体よ……』
現れた侯の素肌は、醜く爛れていた。
広範囲――恐らくは体全体に広がっているであろう――の炎症によりその皮膚は破れ、肉も崩れて無数の潰瘍となっている。潰瘍はコロニーを形成し、膿まみれだ。
- 242 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/19(水) 11:51:29 ID:X0DjDoks0
- 『呪わしい我が体よ』
もう一度、デヴルー侯は呻いた。
……もう何度吐いたか判らぬ呪詛だ。
数百年にも渡る重度の近親婚の結果か、はたまた人の身には過ぎたる魔力のせいか、デヴルー侯は先天的に肉体に重度の欠陥を持っていた。
その皮膚は弱く、日の光にすら炎症を起こし、容易に破れ崩れてしまう。
その成長は遅く、一向に背が伸びない。“造り”も常人とは異なる。
もはやここまで来ると“醜い”を通り越し、“呪われた”としか言いようがない。侯の呪詛も当然と言えよう。
(とはいえ、彼を“壊した”原因は、何もそれだけではなかったのだが……)
デヴルー侯は呪詛の言葉を吐きつつも、薬膏を体に塗る。
(他の者達が『魔道に用いる薬によるもの』と思い込んでいた侯の匂いは、この薬膏によるものだった)
体を塗り終わると、今度は仮面を脱いだ。その下は、やはり白布で覆われている。侯は無言で布を解いた。
……白布を取り去り露になった容貌は、その体以上の異形だった。
毛髪どころか眉毛すらない全くの無毛、
顔全体に広がる炎症、
異様な位置にある目鼻等々。
その姿はまるで――
- 243 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/19(水) 11:52:07 ID:X0DjDoks0
- 空気が僅かに変化する。
『何奴!』
誰何と同時にデヴルー侯の手が振り上げられ、無数の鎌鼬が天井を襲う。
と、次の瞬間、忍び装束の男が飛び出してきた。
……まったくの無傷、ということから察するに、何らかの手段を駆使して鎌鼬を無効化したらしい。
常識から考えれば、護符の類を保持していたと考えるところなのだが――
『お前、魔導師だな? ……それも、かなり高位の』
「…………」
ククク、とデヴルー侯は哂う。
あり得なかった。
魔導師、それも高位の魔導師がわざわざあれ程の体術を身につけ、ましてや忍びの真似事をするなど、ある筈がないのだ。
……いや、そういった特徴を持った一族は確かに存在した。
が、彼らは数年前に――
――どうでも良いこと、よ!
が、もしそういった“常識”を振りかざす者がいれば、そうデヴルー侯は罵倒したことだろう。
相手が何者だろうが今の侯には関係ない。
己の正体を見たから殺す、それだけだった。
- 244 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/19(水) 11:52:37 ID:X0DjDoks0
- 『死ね!』
「!?」
デヴルー侯が放った渾身の一撃は、防護結界ごと男を撃ち抜いた。それでもなお収まらず、轟音と共に建物の一角を吹き飛ばす。
が、にも関わらず男はなお生きていた。そして最後の力を振り絞り、魔法の炎で己を焼く。
……後に残されたのは、性別すら判断に苦しむ焼け焦げた遺体のみだった。
『フン!』
デヴルー侯は遺体を見下ろし、鼻で哂うと再び薬膏を塗り始めた。
…………
…………
…………
<<お館様、一体何事ですか!?>>
暫くして部屋の水晶が光り、家人の声を伝えた。
……そういえばあれ程の騒ぎだったというのに、未だ誰も様子を見に来ない。ただ息を潜めるだけだ。
無論、理由がある。デヴルー侯が癇癪を起こして部屋を壊すことはままあったし、下手に部屋を訪れて逆鱗に触れたら命が幾つあっても足りないからである。(一体今まで何人が手討ちにあったことか!)
- 245 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/19(水) 11:53:10 ID:X0DjDoks0
- 『何でもない、鼠を一匹始末しただけだ』
<<そうですか、お騒がせして申し訳ありませんでした>>
デヴルー侯の不機嫌そうな声を聞き、家人はそうそうに通信を切り上げる。
侯の説明に必ずしも納得した訳ではなかったが、それ以上に侯が恐ろしかったのだ。
薬膏を塗り、布を巻き、仮面をつけるとようやくデヴルー侯は平静に戻った。
と同時に、疑問が湧き上がってくる。
――何故、ダークエルフが我が屋敷に忍び込んだ?
あの男の正体はまず間違いなくダークエルフだろう、とデヴルー侯は考えている。
何故なら、あれ程の魔力を持つ者が人間の筈がなかったからである。
先の戦いはあっさりと決着がついたが、それは相手が油断していたからだ、ということをデヴルー侯は重々承知していた。
それは、侯の渾身の一撃を半分以下の魔力で防ごうとしたことからも明らかだった。
(男は攻撃魔術と防御魔術を同時に発動し、侯の魔術を防ぐと同時に攻撃しようとしたのだが、それが裏目に出たのだ)
- 246 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/19(水) 11:54:27 ID:X0DjDoks0
- 『人間離れした』とさえ評されるデヴルー侯と互角かそれ以上の魔力を持ち、かつあれ程の体術を持つ者、といえば彼等しか存在しない。
国家間の暗闘の際には必ず彼等が暗躍している、と恐れられるダークエルフしか。
……が、彼等は今から二年ほど前、突如としてその姿を消した。それも世界中の国々との契約を一方的に打ち切って、だ。
以後、彼等の消息は不明――
――そもそも、何故ダークエルフは消息を絶った?
孤立した小国であるイルドーレには縁のない話だが、当初は各国が互いに疑心暗鬼に陥って大変だったようだ。
が、それ以上に大変なのはダークエルフだろう。
闇の仕事とはいえ……いやだからこそ信用は大切である、ゼロどころかマイナスとなった信用を取り戻すことは容易なことではない。彼等に闇以外に生きる道があるとは思えないのだが……
加えて彼等は各国の暗部を請け負うことにより、その存在を黙認されていた筈だ。自らの安全保障と生活の糧を放り投げて、一体彼等は何処で如何しているのだろう?
――そういった世界中の疑問、その答えが今、デヴルー侯の前に示されていた。
暫し熟考する。
『……そうか、そういうことか』
自分の出した結論に、デヴルー侯は心底愉快そうに笑った。
ダークエルフ共は“奴ら”に賭けたのだろう。
“奴ら”にはダークエルフ共が全てを――自らの安全保障すらも――投げ捨て、なお賭ける価値があるのだ。
こんな吹けば飛ぶようなつまらぬ島国で、ダークエルフ共が活動しているのがその証拠だ。
デヴルー侯の口元が歪む。
『我が積年の望み、適うやもしれん! 面白い、実に面白い!』
そして、狂ったように笑い続けた。
- 247 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/19(水) 11:54:59 ID:X0DjDoks0
- SS投下終了。
- 248 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/19(水) 12:17:31 ID:D3QUVjlE0
- 投下乙です!
そして>236無惨wwww
- 249 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/19(水) 12:37:04 ID:lGUFSpGY0
- くろべえさん投下乙です。
溶岩に焼かれた直後のアナキンもかくやという麗しさのデヴルー卿w
この様子だと、卿も『賭け』に出るのでしょうかね。
>>236
むーざん むーざんw
- 250 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/19(水) 13:56:27 ID:5CulpXf60
- 投下乙です
なんというダースベイダーw
そして>>236涙目ww
- 251 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/19(水) 20:03:31 ID:xapT/shk0
- くろべえさん投下乙です
実はデヴルー侯は王弟だったとかw
それにしてもダークエルフを倒すとは如何ほどの力の持ち主か・・・
絶対にダークサイドに落ちたとしか説明がwww
>『面白い、実に面白い!』
湯川先生ですか?ww
>>236涙目www
- 252 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/19(水) 20:55:59 ID:aE.ogAMI0
- ハンセン氏病……に見える、なのでしょうか?
どっちにせよ、この時代の帝国では不治の伝染病として良くて完全隔離。
『積年の望み』の内容によっては、無残な運命が待っていそうですね。南無。
- 253 名前:陸士長:2007/12/19(水) 21:44:52 ID:KNJCSNJU0
- 投下乙です。
染色体異常でしょうか?
確かに欧州の山奥や貴族などで近親婚を繰り返した結果……というのは聞きますが。
この閉塞的な国の暗部が生み出した怪人なんでしょうね。
無論、そんな人間が望む事なんてまともな筈もなく。
同族を殺されたダークエルフがどう動くか。
ポカった外務省出向組がどうなるか、次回楽しみにしてます。
- 254 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/19(水) 22:08:46 ID:zOqoRtwI0
- くろべえ氏投下乙です。
な、なんと予想外の展開!
デヴルー侯がこれほどの狂気と頭脳の持ち主だったとは。
帝國もダークエルフもイルドーレの阿呆共にも予想外でしょうね。
- 255 名前:ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2007/12/21(金) 00:35:57 ID:Bohu6sek0
- くろべえ氏投下お疲れ様です。
デブルー侯はかなりの重病にかかっているようですね。
天然痘・・・・にしては長生きしてますから、ハンセン病でしょうか。
しかし、油断しているとはいえ、ダークエルフを一瞬にしては片付けるとは、
なかなかに侮れないお方ですな。
- 256 名前:236:2007/12/21(金) 03:26:41 ID:6WXZHn1o0
- くろべえ氏投下乙です。
見える、見えるぞデヴルー候が『我が積年の望み』と帝國の医術に賭けて
元のうるわしい童顔とふくらみかけたお胸と
人の造りとは違うネコミミや尻尾を取り戻す姿を想像して
オラなんかすげえワクワクしてきたぞ!
- 257 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/21(金) 03:42:12 ID:6WXZHn1o0
- 包帯+美少女
この組み合わせから考えられるのは綾波か幽遊白書の躯しか考えられない。
それ+ネコミミ尻尾
オラは萌えたぞジョジョーッ!!
- 258 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/21(金) 07:24:59 ID:oVuuhHNoO
- >>256、>>257
更なる 自 爆 フ ラ グ
- 259 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/21(金) 11:51:59 ID:X0DjDoks0
- >>248
248様、有難うございました。
>>249
249様、有難うございました。
>この様子だと、卿も『賭け』に出るのでしょうかね。
ですね。何に賭けるか依然不明ではありますが、ロクなことじゃあないでしょう。
>>250
250様、有難うございました。
>なんというダースベイダーw
自分としても心苦しかったです……
>>251
251様、有難うございました。
>それにしてもダークエルフを倒すとは如何ほどの力の持ち主か・・・
突然変異、でしょうね。後、描写されてませんが体に魔石も埋め込まれてます。
>>252
病気に関しては実名は出しません、御免なさい。
(幾つかの病気を組み合わせた創作、としておいて下さい)
>『積年の望み』の内容によっては、無残な運命が待っていそうですね。南無。
まあこんな方ですから、マトモな物じゃあないでしょうねえ。
- 260 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/21(金) 11:52:41 ID:X0DjDoks0
- >>253
陸士長様、有難うございます。
>確かに欧州の山奥や貴族などで近親婚を繰り返した結果……というのは聞きますが。
魔導師の数を増やすべく、色々無茶な濃縮やってますからねえ。
まあそれは大陸でも同様な訳ですが、彼等の場合母集団自体が大きいから色々融通が利く上、他国との交流が古くからあるから……
>>254
254様、有難うございます。
>デヴルー侯がこれほどの狂気と頭脳の持ち主だったとは。
狂ってるだけに鋭いです。常人とは些か異なる(飛躍?)思考の上、真実に辿り着きました。
>>255
ヨークタウン様、有難うございます。
>しかし、油断しているとはいえ、ダークエルフを一瞬にしては片付けるとは、
>なかなかに侮れないお方ですな。
キチ○イ
に刃物、周囲の連中がどれだけ恐れてるか頷けるものです。
しかし大陸では既に個人レベルの魔術など廃れています。生まれた時代が遅すぎましたねえ……あ、あと生まれた場所もか。
ウン百年前に生まれていれば異形の大魔導師として名を残せたものを。
>>256、257
236様、有難うございます。
……本当に、本当に申し訳ない。
- 261 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/21(金) 11:53:21 ID:X0DjDoks0
- ではSS投下です。
今回は以前予告の前半部だけです、ごめんなさい。
- 262 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/21(金) 11:54:00 ID:X0DjDoks0
- 帝國召喚 第一部外伝1「事変前夜」
在イルドーレ王国“帝國”連絡事務所は、良く言えば“王都郊外”、悪く言えば“街外れ”という、実に微妙な位置にあった。
200坪弱の敷地に50坪強の平屋建て母屋、20坪強の蔵、10坪弱の竜舎が建ち並ぶ小さな屋敷で、規模としてもさして大きくない。
……(その職務上からか)港にほど近い所が唯一手放しで褒められる点だろうか?
イルドーレ王国における“帝國”の拠点は、その野望と比べていささか不釣合い過ぎる程ささやかな存在だった。
――――在イルドーレ王国“帝國”連絡事務所、庭。
井戸の前でゴシゴシと洗濯する少女の前に、数えでも10に達したかどうか……といった風の少年少女が二人、勢い良く駆けて来た。
「「おそうじおわりました!」」
「うん、ごくろうさま。じゃあ、お姉ちゃんはがんばってお洗濯終わらせちゃうから、それまで遊んでなさい。 ……家から出ちゃあダメだよ?」
少女の言葉に子供達は元気良く返事をする。
「「はい!」」
「いい返事だ、ご褒美にこれあげよう♪」
- 263 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/21(金) 11:54:33 ID:X0DjDoks0
- 少女は満足気に頷くと、エプロンのポケットからドロップス缶を取り出す。
そして缶の蓋を開けて軽く振り、色鮮やかなドロップスを子供達の手に落とした。
子供達は目を輝かせ、口々にお礼を言う。
「わあ!」「ありがとう、おねえちゃん!」
「仲良く分けるんだよ?」
「「はい!」」
と、3人の前に黒い大きな影が現れた。
「……なんだ、ここにいたのか」
「あ、久治様。おかえりなさいまし。今日は竜車では無かったのですか?」
「お、おかえりなさい……」「……だんなさま、おかえりなさい」
少女は深々と、子供達は少女の背後に隠れて恐る恐る挨拶する。
が、羽場はさして気にも止めず、手にした鞄を少女に放り投げた。
「天気が良いから、途中降りて歩いてきた」
「この辺りの治安は良好ですが、油断は禁物です。移動にはなるべく竜車を用いてくださいまし」
「“その時”はこいつの出番だ」
- 264 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/21(金) 11:55:06 ID:X0DjDoks0
- 羽場はニヤリと笑い、背広の内ポケットから拳銃を取り出した。
米コルト社の傑作自動拳銃、コルト・ポケット1903だ。
暫し玩んだ後、空に向けて発射する。
ダンッ!
撃ち出された.32ACP弾は、見事庭の木になる実の一つを撃ち抜いた。実はグシャッ!と嫌な音をたて、弾け飛ぶ。
それを見て、羽場は満足そうに振り返った。
「どうだ?」
「お見事です、と申し上げたいところですが…… どうかこの子達の前で、そういった行為は控えて頂けないでしょうか? ほら可哀想に、怯えてますわ」
少女は震えている子供達の頭を優しく撫で、早くお部屋に戻りなさい、と諭す。
その言葉を合図に、子供達は一目散に家の中へと駆け出していった。
……その後姿を見ながら、羽場は鼻で哂った。
「随分と優しいことじゃあないか、お前達にとって不倶戴天の仇敵なのだろう? ……“この世界の人間”共は?」
「……そうですね。でも、あの子達が何かした訳じゃあないですから」
羽場の言葉を、少女は曖昧な表情で返した。
――それに、“可哀想”なのはあの餓鬼共だけじゃあないぜ? もっと可哀想な連中はゴマンといるさ!
- 265 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/21(金) 11:55:43 ID:X0DjDoks0
- 少女が始めてみせるその表情に、羽場は口に出しかけた言葉を飲み込んだ。
そして、流石に言い過ぎたかな、と羽場は鼻を掻きつつ付け加える。
「ま、お前の勝手だ、好きにするといいさ。“使用人付きの良好物件”というお前の言葉も、満更嘘では無かったしな」
「ありがとうございます」
少女はにっこり笑い、頭を下げた。
この小さな屋敷は、つい数ヶ月前まで小規模交易商人の事務所兼自宅だった。
が、事業に失敗して破産、残された多額の借金を苦に、商人一家は心中した。
……あの子供達はその生き残りだ。恐らく、両親は無意識の内に手加減してしまったのだろう、下の子供二人は心中後、自力で蘇生したのだ。
とはいえ、助かって運が良かった――とは素直に言えなかった。だって、二人には借金の山が残されたのだから。
何処かに売り飛ばされかけていたこの幼い兄弟を救ったのが、目の前にいるこのダークエルフの少女だった。彼女は物件を探していた羽場に頼み込み、二人の身柄ごと屋敷を買い上げたのである。
「……しかし、お前の負担が大き過ぎるのではないか?」
他人事――手伝う気は更々無い――ながら、羽場は懸念を示した。
- 266 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/21(金) 11:56:26 ID:X0DjDoks0
- 現在、この事務所に常駐するのは官1人に雇人3人の計4人しかいない。所長兼領事の羽場、外務書記兼翻訳官補待遇の雇人である少女、そして現地採用の雇人である兄妹二人だ。(これでは、こんな小さな小さな事務所でも広過ぎるくらいである!)
本来ならば現地採用の雇人が家事等を全て行う筈なのだが、それを望むのは些か無謀と言うべきだろう。故に、羽場の補助に加え、家事の大半を少女が請け負っていた。 ……ここに羽場の“お相手”も加わる訳だから、恐ろしい程の重労働である。羽場が懸念したのも無理からぬ話だった。
「ご心配、ありがとうございます」
「……いや、別に心配はしとらんが」
“心配”ではなく“懸念”である。辞書的には殆ど同意でも、この場合の意味の隔たりは大きい。(あくまで羽場は仕事の遅れを心配していたのだ)
……羽場は実に正直な男だった。
が、少女はわざとか天然なのかは判らぬが、勘違いしたままだ。
「でも、大丈夫です。あの子達も一生懸命手伝ってくれてますから。結構役に立っているのですよ? それに――」
「それに?」
一瞬、年に似合わず儚げな表情を浮かべる少女の顔を、羽場は覗き込んだ。
が、それは次の瞬間には消えていた。
「お仕事は、無いよりもあった方が良いじゃあないですか! 『働かざる者喰うべからず』! いい言葉ですね♪」
- 267 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/21(金) 11:57:06 ID:X0DjDoks0
- 「……ま、お前がいいなら別に構わんが」
羽場としては、あと一人くらいなら現地人を採用してもいいかな、と考えていたのだ。
それ故に探りを入れてみたのであるが、少女のその言葉を聞き、胸の内にしまい込むことに決めた。
……その代わりと言っては何だが、一つ目にやることが終わったので、二つ目の行動に移ることとする。
ガシッ!
「?」
急に腕を捕まれた少女は、不思議そうに羽場を見る。
「今日の俺の仕事は終わった、“相手”しろ」
「い、今から……ですか?」
まだ日は高い。少女の目が驚愕で大きく見開かれる。
「愚問だ」
「で、でも、まだ私の仕事は終わってません!」
少女の精一杯の抗議に、羽場は冷たく答えた。
「後でやれ」
- 268 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/21(金) 11:57:48 ID:X0DjDoks0
- 「せ、せめてお洗濯だけは…… 明日から、お天気が崩れそうなんです……」
少女は観念し、最大限の譲歩を提示した。
……それが儚い抵抗に過ぎないことは、重々承知していたが。
「なら、餓鬼共にやらせろ」
「む、無理ですよ! お洗濯には細心の注意が必要――」
案の定、羽場は少女の哀願を切り捨て、強引に母屋の自分の部屋へと連れて行った。
……絶好の洗濯日和を逃した少女は、明日以降暫く崩れるであろう天気を思い、羽場の肩の上から涙ながらに捨て置かれた洗濯板を見続けていた。
- 269 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/21(金) 11:58:44 ID:X0DjDoks0
- SS投下終了、後半に続く。
今回は内容が無い……
- 270 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/21(金) 12:31:59 ID:5wHaWlEk0
- 投下乙
これなんてエロゲ?
- 271 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/21(金) 13:19:24 ID:eK5hkLm60
- 投下お疲れさまです。
……ツンデレキャラなのか、羽場は……というかまだツン段階だけどさ。
- 272 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/21(金) 16:20:31 ID:p5EndLUc0
- これで、戯れに「”少女小説”や”少女歌劇”の登場人物のような
”愛情溢れる態度の優しい人格者”」を装ってみたら・・・・
少女の地が透ける訳ですな。
・・・・やりませんか?
- 273 名前:名無し三等兵@F世界:2007/12/21(金) 18:13:45 ID:dDKWsT0E0
- くろべえさん、投下乙です。
仕事の遅れの一番の原因は、羽場の相手ですね(苦笑)。
しかし、彼女がこれで「地」、「普段通り」だったら、影の仕事をしていた同族からは切り捨てられてしまうわな。
- 274 名前:陸士長:2007/12/21(金) 19:15:49 ID:KNJCSNJU0
- 投下乙です。
羽場、ある意味地のままに行動してますね。
この人、吉田さんの前でくっちゃべってた頃から感じてましたが、上には弱く、上には強いタイプでしょうか。
正直、イルドーレの重臣連中とそれ程変わらないような気がします。
ダークエルフ(上層部)の思惑からすれば、御しやすくていいかもしれませんけど。
少女は少女らしさだけが出てますね。
確かに今回のが素だとしたら、幾ら頭脳明晰でも『使えない』と判断されるでしょう。
- 275 名前:陸士長:2007/12/21(金) 19:16:28 ID:KNJCSNJU0
- 修正
上には強い→下には強い
- 276 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/21(金) 19:54:29 ID:p5EndLUc0
- 「この振る舞い」が、以後の帝國譜代の”官”の在外邦国での
スダンダートになったら嫌だなぁ・・・・
でも、この社会では結構当たり前なんだろうね。
だからこそ、平成の御世に各邦国に技術指導にまわった稲葉中佐殿の
「やさしさ」と「礼儀正しさ」が、「あれこそ軍人勅語にうたわれる
帝國軍人の姿よ!」とか「あの、お若さで中佐殿!しかも卑しき作業員をも
分け隔てせずに惜しみなく知識を伝授してくださる・・・」と。
で、赴任先から移動すると(本人知らずに)涙にくれるお嬢様とかが複数・・・
- 277 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/21(金) 20:26:08 ID:QILzQ8NY0
- 稲葉厨いい加減自重しろ
- 278 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/22(土) 04:48:17 ID:PrNDtOqYO
- ヒント:KY
- 279 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/22(土) 09:58:28 ID:6XpiOcTk0
- >>278
そうか>>276は朝日新聞なのかw
- 280 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/22(土) 12:26:58 ID:DJTR1cEA0
- 朝日新聞w
そっちかww
- 281 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 07:41:12 ID:ZB1wrE8E0
- アサヒなのかw
なら壊れたレコーダーのごとく同じ内容を100回繰り返すのも仕方ないな。
- 282 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/23(日) 11:08:50 ID:X0DjDoks0
- >>270
270様、有難う御座いました。
>これなんてエロゲ?
まだ15禁……ですむかなあ?
>>271
271様、有難う御座いました。
>……ツンデレキャラなのか、羽場は……というかまだツン段階だけどさ。
ツンデレっていうより、むしろヤンデレ?
>>272
大丈夫です、この少女も“真っ白”って訳じゃあありませんから。
……いろんな意味でいい仕事はしてますねどね。
>>273
名無し三等兵様、有難う御座いました。
>しかし、彼女がこれで「地」、「普段通り」だったら、影の仕事をしていた同族からは切り捨てられてしまうわな。
彼女には実は大きな秘密(大げさかな?中くらい?)があるのですよ。
それは――
- 283 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/23(日) 11:09:34 ID:X0DjDoks0
- >>274
陸士長様、有難う御座いました。
>羽場、ある意味地のままに行動してますね。
下っ端(少女)相手に飾る必要は無いですからねえ。
……そんな男なのですよ。
>正直、イルドーレの重臣連中とそれ程変わらないような気がします。
愛国心引いたら、連中になります(笑)
無能な愛国者……
>>276
>「この振る舞い」が、以後の帝國譜代の”官”の在外邦国での
>スダンダートになったら嫌だなぁ・・・・
>でも、この社会では結構当たり前なんだろうね。
戦前は「官にあらずんば人にあらず」で、地方の小役人でもかなり威張っていたようです。
上位ともなると地方官僚でも威張り放題、贅沢のし放題。まして外務官僚なんて、その最たる連中ですからねえ……
「官にあっては内閣総理大臣、野にあっては衆議院議長」
……衆議院議長ですら“野”ですかそうですか。
さてSS投下。
- 284 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/23(日) 11:10:28 ID:X0DjDoks0
- 帝國召喚 第一部外伝1「事変前夜」
まだ日も高いというのに固く閉ざされた部屋の中、大小二つの影が動いていた。
……羽場と少女だ。
ランプの灯りを唯一の光源とする薄暗い部屋の中、羽場は豪華なソファにどかりと座り込み、抱き抱えた少女を一心に責めている。
身長五尺九寸、体重二十貫という(当時としては)巨漢の羽場が、五尺にも満たぬ少女を嬲るその光景は、『まるで大人が子供を嬲っているような』――そんなありえざるべき背徳感を醸し出していた。
「う゛…… あ……ああ…………」
もはや言葉になっていない、ただ肺から吐き出された呼気が音になっただけの声を、少女が漏らす。
羽場はガウンをまとっているものの少女の方は一糸まとわぬ姿、おまけにどうやら散々に嬲られた後のようで、既に目も虚ろである。その姿は悲惨この上ない。
が、それは羽場にとって最高の姿、最高の嬌声だった。もっと見るべく、聞くべく、少女の両手首を手綱代わりに握り締め、強く何度も動かした。
「あ゛……あ゛…………」
少女の口から再び“嬌声”が発せられる。実に愉快だった。
ククク……
羽場の咽喉の奥から、愉悦の声が漏れる。
この行為は羽場が満足するまで、何度も繰り返し行われた。
- 285 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/23(日) 11:11:18 ID:X0DjDoks0
- …………
…………
…………
事が終った後、羽場は満ち足りた表情でパイプを吹かしていた。
が、床の汚れに気付くと顔を顰め、自分の足元で“贅沢にも”意識を手放していた少女を軽く蹴り上げた。
「おい、いつまでサボっている! さっさと起きて掃除をしろ!」
「は……はい…………」
少女はフラフラと起き上がり、常備されている雑巾で床を拭く。
綺麗になっていく床を見て、羽場は満足気に頷いた。
そしてよほど機嫌が良いのか、今度は仕事の話をし始めた。自慢話、という奴だ。
「今日、“例の件”が合意に達したぞ」
「……めでたい?」
「? あ……ああ、これで出世も思いのまま『はいー』????」
少女の反応を不審に思い、羽場はソファから腰を上げ、少女の顔を覗き込む。
と、少女の目は虚ろで、その視線もあさっての方向を見ていた。
……どうやら未だ“寝惚けている”様だ。羽場はもう一度、今度は強く蹴り上げる。
- 286 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/23(日) 11:11:54 ID:X0DjDoks0
- ガッ!
少女は勢い良く転がり、壁にぶつかってようやく止まった。
「あ、あ痛たたたた…… あれ?」
正気に戻ったのか、少女は不思議そうに周囲を見渡す。
「!」
そして汚れた床と雑巾に気付くと、慌てて掃除を再開する。
それを見て羽場は大きな溜息を一つ吐き、ソファに腰を下ろした。
再び、自慢話が始まった。
「今日、“例の件”が合意に達したぞ」
「それはそれは、おめでとうございます!」
少女は手を止め、頭を下げる。
それを見て羽場は、『うん、これが正しい反応だ』と内心で何度も頷く。実にご機嫌だ。
「ああ、これで出世も思いのままだ」
「はい! ですが――」
少女は口篭る。 ……そして暫し逡巡した後、『思い切って』という感じで言葉を続けた。
「――ですが、昭北島の吉田様にお知らせしないで、本当に良かったのでしょうか?」
- 287 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/23(日) 11:12:25 ID:X0DjDoks0
- 「なに、手柄を立ててしまえばこっちのもの、さ」
「そう、でしょうか……」
「それに、な? 確かに吉田閣下には無断だが、“独断”ではないさ」
この件に関しては本国のお偉方が多数……おまけに海軍までもが噛んでいる、今更吉田大使がどうこうできる話ではないのだ、と羽場は不適に笑う。
「だから、お前如きに心配してもらう必要はない」
「も、申し訳ありませんでした」
羽場の機嫌を損ねかけていたことに気付き、少女は慌てて頭を下げた。
…………
…………
…………
「――という訳で、何とか合意に漕ぎ着けた訳だ」
「大変でしたねえ」
羽場の自慢話に、少女は相槌を打つ。
いつの間にか手にはグラスが握られており、傍らのテーブルにはつまみが乗っている。酒もかなり入っている様だ。
加えて少女が彼の助手であること、少女しかこの手の話を聞かせられる者がいないせいか、実に饒舌である。
- 288 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/23(日) 11:13:36 ID:X0DjDoks0
- 「ま、後は連中の借金の証文を商人から手に入れるだけ、楽なものさ」
「? ……確か、現金支払いの筈だったのでは?」
かつて聞いた話と違うことに気付き、少女は首を傾げた。
「連中、土壇場で同額の借金の肩代わりを要求しやがったんだ。できれば押し切りたかったんだが、こっちも余り交渉に時間をかけられなかったので、な?」
「…………」
「??? どうした?」
厳しい顔で何やら考え込む少女に、羽場は不審気に聞く。
「……やられましたね」
「? ……どういうことだ?」
「彼等は、未払いの利子分をこっちに押し付けたのですよ」
「おいおい、考え過ぎじゃあないのか? 第一、今期の利子は先日払ったばかりのそうだぜ?」
「“今期”はそうかもしれませんが、それ以降の利子は未払いなのでしょう?」
「当然だ、まだ期日じゃないのだからな」
- 289 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/23(日) 11:14:07 ID:X0DjDoks0
- 「なら、やはりその利子はこちらが払わされる、ということです」
「おいおいおい、そりゃあ先の利払いから数日たっているが、その分くらい大したことないだろう? 一括で返金させるのだから、まけさせるさ!」
その言葉を聞き、少女は深い深い溜息を吐いた。
「……ああ、やはり久治様は大きな勘違いをしてらっしゃいます」
そもそもアルフェイムの……少なくともその中央世界における借金の基本形式は、『決められた利子を払う代わりに決められた期間、元金を自由に使える権利を得る』というものである。
……少々判り難い表現だが、要は『払う利子の総額は既に決められている』ということだ。故に、どんなに早く返そうが残りの期間の利子分もきっちり払わされる。
「庶民相手の金貸しですと、元金から予め利子分を引いて渡す例も多いそうですよ」
「なんで借りてない期間の利子まで払わねばならんのだ!?」
“騙された”形となった羽場は怒り狂い、少女を締め上げる。
「そ、そんなことを私に言われましても!? ……それにそれはあくまでこちら(借り手)の言い分であって、あちら(貸し手)にはあちらの言い分がありますし…… 貸し手のほうが借り手よりも立場が強いのは当然のことかと……」
「くっ! なんて阿漕な世界だ」
- 290 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/23(日) 11:15:37 ID:X0DjDoks0
- 羽場は吐き捨てる。
が、これは“帝國”でもよく聞く話であり、別に驚く程のことではない。単に羽場が世間知らず過ぎるだけだ。
(どう考えても契約を急いだ羽場のミスである)
「ということは、残り二半期分の利子を余分に払わねばならぬ、ということか……」
「やむを得ないことかと……」
少女は神妙に頷く。
「ちっ、年20%だから二半期で10%、10万リバーか」
「!?」
羽場のその言葉に、少女は先ほど以上の反応を示した。
驚きのためか、目もまん丸だ。
「……あの、そういえば一体幾らで契約なされたのでしょうか?」
「100万レムリア・リバー」
恐る恐る尋ねる少女に、羽場は何でも無いことのように軽く答えた。
クラッ
……それを聞き、少女は軽い立ち眩みを起す。
- 291 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/23(日) 11:16:18 ID:X0DjDoks0
- 「? どうした?」
「……久治様、それは中央世界でも『人口2〜3万程の領地から得られる歳入』に匹敵する大金です」
少女は直接には言わなかったが、明らかに『払いすぎだ』と指摘していた。
……本来ならば少女の言葉に怒鳴りつけるところだが、やはり多少は気が動転しているせいか、羽場はいい訳じみた言葉を発する。
「……時間が無かったのだ。即断即決、仕方が無いだろう」
「ですが100万レムリア・リバー、利子も付けて110万レムリア・リバーともなりますと、今お蔵にある金塊だけではとても足りません。急いで残りの分を送って頂かないと……」
少女は指折りで日にちを勘定し、深刻な面持ちで呟いた。やることは山とある、急がねば……
が、そこへ更なる爆弾発言が投下された。
「いや、あれで全部だが?」
「はい?」
「だから、渡された予算はあれで全部だ」
少女は我が耳を疑った。
……この人は何を言っているのだ? まさか、まさか――
その危惧は現実のものとなった。羽場は少女が最も恐れていた可能性を、平然と口にしたのである。
- 292 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/23(日) 11:17:20 ID:X0DjDoks0
- 「1レムリア・リバーは純銀2gだろう? なら100万リバーは純銀2t、金は銀の15〜16倍だからだいたい純金130s、110万でも140sと少しだ。蔵にある金塊は160s、純金換算で144s……まあ“余裕で”とは言えんが何とかなる」
へたり。
その止めの一撃で、少女は腰を抜かしてしまった。
……ダークエルフが腰を抜かす光景などレア中のレアだが、残念ながらその希少性を理解出来る者はこの場にいない。羽場は怪訝そうに見るのみだ。
「……どうした?」
「あ、あああああ……」
「お、おい! いきなり頭を抱えてどうした!? これ以上何があるっていうのだ!!」
少女の様子に羽場も蒼くなり、肩を掴んで何度も揺さぶる。
少女は途切れ途切れに答えた。
100万リバーに含まれる銀の総量は、確かに約2000sである。
が、100万リバーと純銀2000sはイコールではない。通貨には含有されている貴金属の価値に加え、“通貨そのもの”に対する信用も上乗せされているからだ。
その価値は信用度にもよるがだいたい含まれる貴金属の3倍前後、多ければ4〜5倍といったところだろうか? まあ、“最低補償額(含有されている貴金属)付の国債”と考えた方が判り易いだろう。
- 293 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/23(日) 11:18:12 ID:X0DjDoks0
- ……尤も中央世界の経済規模はそれ以上で、もはや流通する全ての通貨の“貴金属の価値”どころか“信用を上乗せした価値”すらもはるかに超えていたのだが。
(このため手形等、様々な信用取引が日常的に行われていた。それ故、イルドーレは借金を焦げ付かせて“信用を失う”ことを恐れていたのである)
故に100万リバーに匹敵する純銀量は、2000sでは到底足りない。8000s……いや、少なくとも10000sは必要だろう。
純銀10000sは純金に換算すれば650s前後、これがミニマムであることを考えれば、出来れば700s以上欲しいところだった。
――この話を聞き、流石の羽場もへたりこんだ。
今まで二重三重のミスを犯していたが、今度という今度は決定的だ。
必要とする純金700sに対し、予算は150s以下……
彼は“帝國”に莫大な損害を与えてしまったのである。
それは、愛國者である彼には耐え難い苦痛、余りに重すぎる十字架であった。
- 294 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/23(日) 11:19:25 ID:X0DjDoks0
- 投下終了。
これで外交官。
- 295 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 11:26:28 ID:diP7/bH.0
- >おっつ〜
なんかもう害無能省\(^o^)/オワタ って感じですね
吉田閣下もどうすんだろ
- 296 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 11:39:29 ID:9DwQDedQ0
- え・・・?
げ、現状でこの出費すか? 今の帝國の状況で?
普通にオワタw
これでデヴルー侯でも動かない日には冗談抜きで終わる
候の望み次第だが・・・売国を対価に、でもないと無理だこりゃ
- 297 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 11:47:07 ID:d2Z/mVsc0
- 隠せ通せないでしょうなぁ・・・・
ところで、外交官に腹を切る根性ってあったっけ?
- 298 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 12:19:07 ID:bd42HUFo0
- 信用取引の相手が属国以外いない現帝国が信用手形の債権を守る必要あるの?
しかも持ってるのは弱小国ですよ。日本も太平洋戦争時は踏み倒されたし資産没収されました。
用が済んだら踏み倒せばいいのです。理由は帝国への虚偽によるタカリでも何でもつけられます。
債権自体国外へ売り払われてもイルドーが存在しない債権作って詐欺を働いたとすれば金は必要ありません。
これが帝国=強国であり、軍事力=外交ですよ、無理も通すのが正解。
- 299 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 12:21:06 ID:bd42HUFo0
- ちゃぶ台返しが使えるのが強国です。
- 300 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 13:34:42 ID:cxOghEHk0
- くろべえ氏投下乙です。
まあ帝國としては後はちゃぶ台返してしまえば
イルドーレにもいた頭の切れる奴を割り出せた上に
身内の無能者を自刃にでも追い込めてホクホクかも知れません。
あとはデヴルー候がどうやって萌えネコミミ尻尾キャラに戻るかだけが懸案か・・・。
- 301 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 13:37:06 ID:3iv75Ik60
- >>297
外交官に腹切る根性があっても羽場に限ってはなさそうな気がする
- 302 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 13:59:04 ID:1DXJOseE0
- ただし、ちゃぶ台返しを行うと今までのSS内のイルドーでの政治駆け引き等の重要性が損なわれ、詳しく書いた意味に疑問がついてしまいます。
- 303 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 14:14:15 ID:0ScLAf460
- 投下乙です
辺境に飛ばされる運命にある外交官のお話だったのですねwwwwww
普通に羽場オワタwww
- 304 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 14:21:24 ID:i.kmv40Q0
- 投下乙です。
辺境に飛ばされるほうがまだマシじゃないのw
- 305 名前:ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2007/12/23(日) 14:56:03 ID:Bohu6sek0
- 投下お疲れ様です。
羽場さんおわっちった。これがソ連なら良くてもシベリア送りですな。
しかし、とんでもない損害を抱える事となった帝國は、この状況をどう
打開するんでしょうか・・・
デブルー侯がこれ幸いと、羽場の前に出てきそうな予感
- 306 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 16:59:58 ID:5cdVuct20
- 復権をかけ必死な害無能省にとって初っ端から手痛い打撃だなあ。
吉田次期首相はどうつくろうのかなあ。
- 307 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 17:46:35 ID:MvndB.IA0
- とりあえず戦争まだぁ〜?
- 308 名前:陸士長:2007/12/23(日) 17:57:23 ID:KNJCSNJU0
- 投下乙です。
吉田さん噴火フラグキター。
現地の独断専行で『やっちゃった』するのは軍部だけでは無かったとw
羽場さん出世どころか怒り狂った吉田さんに縊り殺されそうなんですけど。
このままだと『少女』が真の効果を発揮するのも近いそうですねぇ。
くろべえさんの伏線回収に期待しています。
- 309 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 19:56:35 ID:QAQuroWw0
- 現在の金相場は1グラム3000円。とすると金700kgは・・・21億円。
戦闘機が離発着できる滑走路の土地取得費用が21億円?うはwwwテラ安いwww
と思えるのが現代日本の恐ろしさ。
- 310 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 20:09:58 ID:Jmwk51f.0
- とんでもない損害>イルドーを潰すことでの損害
となった段階でやることは決まってます。
後者になっても、次に来る判定は
契約を実行する損害>契約の引き伸ばし&白紙化の損害
となった場合も契約は実行されません。
→イルドーに何らかの脅威が無ければ空文化しますね。
外交官個人と外務省にとってはピンチ、帝国にとっては広い選択肢の一時案。
イルドーにとっては知らずに亡国ピンチ、イルドー高官にとっては夢が膨らむドキドキタイム。
帝国以外の三者は不味いですね。
対決を決めない限り弱者は強者の機嫌損ねない範囲で活動するのが正しい選択です。
- 311 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 20:45:26 ID:6XpiOcTk0
- >>309
しかも領海と公海も漏れなく付いてきます
なんていい買い物だと思えますね
21億なんてアパッチに比べれば安い安いw
- 312 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 21:13:26 ID:FtGt37R.0
- 大蔵省は、金銀に御目付役つけて送ってきそうだな。
- 313 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 22:49:37 ID:8nrKX5Tg0
- くろべえさん投下乙
このままだと「バカヤロー」と外務省解散させられそうですね・・・。
軍だけでなく大蔵まで敵に回したようなもんですし。
- 314 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/23(日) 22:54:07 ID:IReEIaI.0
- とりあえず、「責任」取るヒトは必要なんだな・・・公金なんだし。
で、本人はさておき直属上司が軍から何かと目を付けられている吉田さん。
「監督責任」の一言で吉田さん(と、外務省にも)泥をかぶってもらわないとなぁ。
・・・え?本人?
こういった(結果的)功労者は、軍に移籍してもらって
地位は高いけど権限は無い手頃なポストに放り込まれて
間違っても同じ失敗しないように「少女」と一緒に少数の土民しかいない
この世の果ての駐屯地に退職まで居ていただくと。
そうしないと、命が危ういだろうな
- 315 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/24(月) 01:07:36 ID:oVuuhHNoO
- 投下乙です
あ、取り敢えずは軍のメリットにはなっているのか
しかしこの失態で外務省は政府や大蔵省を敵を回す結果になりそうです
- 316 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/24(月) 02:20:16 ID:jIUAS9F20
- どちらにせよ踏み倒したら、未来永劫この事に言及して利子付債務履行と賠償を求められる予感。
ああ、靴底のガムみたいな国だ・・・
- 317 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/24(月) 09:13:40 ID:5fgeW4So0
- >>未来永劫この事に言及して利子付債務履行と賠償
身に覚えの無い証文の賠償を求めるのは脅迫行為ですから、
弱者からの脅迫行為に対する強者の反応は排除になります。
堂々と嘘を貫ける強い意思が重要です。
- 318 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/24(月) 12:00:01 ID:ia/NW3aU0
- っつーか、こんな奴にフリーハンド任せた吉田さんも吉田さんのような気が。
それとも、今回のような致命的なミスを犯すのを期待でもしてたのかなぁ。
- 319 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/24(月) 13:53:03 ID:X0DjDoks0
- SS投下します。
あとこれから出かけますので、申し訳ありませんがレスのお返しは次回になります。(本当にごめんなさい)
- 320 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/24(月) 13:53:44 ID:X0DjDoks0
- 帝國召喚 第一部外伝1「事変前夜」
未だ金本位制の呪縛から抜け出せないでいた当時、金(ゴールド)は現在の我々には実感できぬ程の価値と影響力を持っていた。
国家においては――
平時には通貨の安定(信用)を維持する最も重要な指標の一つとして、
有事には中立国から物資を調達する最後の手段として、
民においては――
平時には最も堅実かつ確実な貯蓄・投資法として、
有事にはその生活を保障する最も有効な“通貨”として、
気の遠くなる程長い間、機能してきたのである。(*1)
それ故、その信用はもはや神話の域にまで達していた。
この近い将来、“帝國”が大内海沿岸で金銀の大量採掘に乗り出すまで、金はまさに“絶対の存在”だったのだ。
(とはいえ、絶対的な地位こそ失ったものの、金はその後も依然として重要な地位を保ち続けた)
では、“帝國”における金の価値は一体どの程度だったのだろう?
昭和一八年当時、金は他の重要物資同様に政府の統制を受けており、その価格決定にも大蔵大臣の認可を必要としていた。
その額、4圓61銭/g。これ程の激動を経ているというのに、昭和一五年の改定額からピクリとも動いていない。自由価格では考えられぬ話――そもそも物価自体が当時と比べて二〜三割上昇しているのだ!――だった。
無論、これはあくまで政府に必要と認められた者が、認められた量を買う時に支払う価格であり、当然のことながら一般人がこの価格で手に入れることは不可能である。
故に、実勢価格(闇レート)は公定価格の数倍にもなっていた。
- 321 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/24(月) 13:54:14 ID:X0DjDoks0
- ――ということで、羽場が払う羽目になった金700kgも、公定価格ではなく実勢価格で示す必要があるだろう。
公定価格(4圓61銭/g)では、金700kgは322万7000圓。
実勢価格を仮に3倍とすれば、約1000万圓。
1000万圓とは大金も大金、目も眩むような大金である。
何せ昭和18年度における都市勤労世帯の平均年収は2000圓強だから、5000世帯弱――実に“帝國”庶民20000人が1年間暮らせる額なのだ。
(ちなみに零戦が1機約8万圓、九七式中戦車が1両約16万圓、高い高いと言われた九〇式野砲が1門約20万圓)
この事実を考えれば、羽場が如何にとんでもないことをしたかが判るだろう。
その責任は重大だった。
――――在イルドーレ王国“帝國”連絡事務所、所長室。
羽場は机に向かい、“手紙”を書いていた。
その手は震え、一体何度書き直したか判らない。
が、長い長い時間をかけ、ようやく一枚の手紙を書き上げた。
書き終えると机の引き出しを開け、愛銃であるコルト・ポケット1903を取り出した。
そして、ゆっくりとこめかみに当て……ようとしたが、手が極度に振るえ、位置を維持できない。
- 322 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/24(月) 13:54:49 ID:X0DjDoks0
- ガシャッ!
とうとう把持すらできなくなり、銃を取り落とす。
暫し必死に考えた後、銃を両手で持ち、口の中へと突っ込んだ。
そして何度も逡巡した後、引き金を引……こうとしたが、今度は指に力が入らない。
それでも指に力を入れようと、何とか試みる。意識を指先に集中した。
そして――
「何をやっていらっしゃるのですか!?」
カチャリ
その声に驚き、思わず引き金を引いた。その瞬間、心臓が凍る。
……が、何事も起こらない。まだ、生きている。
開放感の余り羽場は脱力し、床に這いつくばった。
ゼエ、ゼエ……
荒く、息をする。顔に血の気は無く、体全体が汗でびっしょりだ。
「嫌な予感がしましたので、申し訳ありませんが弾は抜いておきました。予備の弾丸も全部隠してあります」
羽場の背中を優しく擦りながら、少女は穏やかに自分の犯行を述べた。
が、次の瞬間、厳しい口調で諭す。
「あと残念ですが、あの角度では死ねませんよ。 ……まあ運が良ければ散々苦しんだ後死ねますが、十中八九残りの人生を“かたわ”で生きる羽目になります」
- 323 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/24(月) 13:55:36 ID:X0DjDoks0
- 「あ……ああ…………」
聞いているのかいないのか、羽場は床に這い蹲ったまま呻く。
少女は軽く溜息を吐くと、持ってきた盆から湯のみを手にとり、羽場の口元に近づけた。
「さあ、お薬です。飲んで下さい」
30分後、羽場は眠りの国へと旅立った。
少女は羽場をベットに運ぶと、入ってきた時と同様に物音一つたてずに退出した。
*1 ――――『気の遠くなる程長い間、機能してきたのである。』――――
転移前、“帝國”が608tもの金塊と引き換えに米国より軍事物資を調達(昭和一二〜一六年)したことは有名であるし、友邦ドイツもやはり中立国との取引で金(ゴールド)決済を行っていた。この様に世界大戦の最中ですら、金はその価値を維持し続けて――それどころか大きく上昇すらしていた!――いたのである。
これはアルフェイムにおいても同様で、ことに中央世界の中小諸国では普段金貨になど縁の無いような貧しい民ですら金貨――それが無理なら銀貨――の貯蓄に努めた。これは彼等が戦争を初めとする災害に遭う可能性が高く、そしてその場合、属する国家はまずあてにならないからである。何時いかなる状況でも決済手段となりうる金貨のみが唯一、彼等の生活を保証すると考えられていたのだ。(ちなみにより過酷な筈の辺境では、民に金貨を貯蓄する経済力がないせいか、このような習慣は一般的でない)
- 324 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/24(月) 13:56:12 ID:X0DjDoks0
- SS投下終了。
短いですがキリがいいので。
- 325 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/24(月) 14:40:08 ID:3iv75Ik60
- さすがダークエルフぽんこつでもやるべきことはやるというべきか、
さすがダークエルフぽんこつと見せてやるべきことはやってるというべきか?
- 326 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/24(月) 15:34:52 ID:FmAIcw.Q0
- と、いうより「ぽんこつなダークエルフ」は、子供のときか
訓練中に「淘汰」されて、「偽装ぽんこつダークエルフ」とは
それなりの腕利きでは?
「少女」のようなのを、後生大事に養うほど「余裕」ないでしょ
彼らには
- 327 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/24(月) 20:19:56 ID:tj7xAM3w0
- これはいいリップシュタット戦役後ですね。
彼は重さで弾丸があるかないか分からないくらいテンパってたのでしょう。
(メルカッツの時は光線銃だった)
- 328 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/24(月) 20:44:44 ID:Bd3wyNqw0
- 卿はいい副官をお持ちであった
- 329 名前:陸士長:2007/12/24(月) 20:52:15 ID:KNJCSNJU0
- 投下乙です。
手紙書いても吉田さんだと莫迦野郎と一喝して破いちゃいそうですねぇ。
ええい、白州、白州はまだかと叫んでそうw
その上、始末も付けずに自決とあっちゃあ……死んだという報告受けた後、みんな呟きそうです。
「あいつは死んでそれで良いが、残した仕事と巨額の負債はどうなるんだ?」
死んで始末を付けると言うより、単なる責任逃れにしか見えません。
全ての責務と始末を付けてからお詫びの為に自決、ならまだ解りますが。
ポンコツ容疑の少女も、本音と本性がうっすら見えてきましたねー。
彼女が今後どう動くか楽しみです。
- 330 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/24(月) 20:52:43 ID:3iv75Ik60
- >>326
わかってる!
でも『実はモノホンのぽんこつ』って漢の浪漫ぢゃないかッ!
- 331 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/24(月) 22:03:41 ID:SVE5UZDw0
- 「ものほんのポンコツ」は、某辺境で「お菓子の元締め」の
助手をやってるじゃ ありませんか!
それに、「ポンコツVar」も「実はできる子Var」も
上の評価は似たようなもんだったし・・・
あの娘こそ「漢の浪漫!」
- 332 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/25(火) 03:32:47 ID:PrNDtOqYO
- Ver
- 333 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/25(火) 08:44:01 ID:X0DjDoks0
- >>295
295様、有難うございます。
>害無能省\(^o^)/オワタ
羽場が身内(閨閥)に働きかけ、外務省の非主流派を動かしました。
おまけに海軍の右派まで巻き込んでます。
>>296
>現状でこの出費すか?
零戦10中隊をフルセット(補用機込み)で買ってお釣りがきます。
九七式中戦車1聯隊分を買ってお釣りがきます。
……羽場、終った。
しかしこの時代の戦車は高いですねえ。
くろべえが当時の陸軍省官僚だったら九七式中戦車1両買う代わりに九五式軽戦車買って、余った金で一式戦買っちゃうかも。気持ち、わかるなあ(笑)
大戦略なら歩兵と戦闘機だけってか? 史実よりも酷いや……
>>297
>腹を切る根性
SSの通りです(笑)
……でもまあ、責任とろうとする気があるだけ現在の役人連よりはマシかも。
>>298、299、310
う〜ん、難しい問題ですねえ。
ただこれから外交を展開する気なら、信用は大切かな、と。
下手したら日露戦争の時のロシア、或いは革命直後のソヴィエトよりも酷い状態になっちゃいますし。
加えて国内でも様々な考えを持った勢力が存在しますから、まあ妥協の産物かも。
- 334 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/25(火) 08:44:44 ID:X0DjDoks0
- >>300
300様、有難うございます。
>身内の無能者を自刃にでも追い込めてホクホクかも知れません。
実際、どの程度の罪だろ?
多分、懲戒免職あたりで、運が悪くても数年の懲役刑かな?
……ま、責任の波及を恐れて『なかったことにする』(その場合、適当な理由つけて左遷)とか、依願退職で済ますってこともありえるケド。
>>302
>ちゃぶ台返し
コレやると、第一章を大幅に書き直さなきゃあいけませんからねえ。
>>303
303様、有難うございます。
>辺境に飛ばされる運命にある外交官のお話だったのですねwwwwww
起きた問題を無かったことにするのは現在でも彼等の十八番ですからねえ。
その場合、彼は適当な理由つけて左遷されるでしょうね。
>>304
304様、有難うございます。
>辺境に飛ばされるほうがまだマシじゃないのw
やはり懲戒免職……いや、依願退職かな? 甘っ!?
>>305
ヨークタウン様、有難うございます。
>これがソ連なら良くてもシベリア送りですな。
帝國が甘いのか、ソ連が厳し過ぎるのか、はたまたどちらも極端過ぎるのか……
- 335 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/25(火) 08:45:28 ID:X0DjDoks0
- >>306
>復権をかけ必死な害無能省にとって初っ端から手痛い打撃だなあ。
何とかしないと、羽場は外務省全体から睨まれるでしょうねえ。
良くて飼い殺しかクビだ。
>>307
自分もそうしたいのですが、なかなかどうも……
>>308
陸士長様、有難うございます。
>現地の独断専行で『やっちゃった』するのは軍部だけでは無かったとw
ですね。とはいえ、軍はそれを押し通すだけの権力がありますが、今の外務省にそんな力はありません。
加えて実行犯は羽場一人…… トカゲの尻尾切り?
>>309、311
>現在の金相場は1グラム3000円。とすると金700kgは・・・21億円。
>戦闘機が離発着できる滑走路の土地取得費用が21億円?うはwwwテラ安いwww
当時とは経済規模も構造も違いますからねえ。
今で言えば、
2004年度の勤労者世帯平均収入730万円×5000世帯で365億円。
でも1世帯あたりの平均人数が4.2人→2.95人だから、
20000人÷2.95人×730万円で約495億円
ってところかなあ?(数字はSS中参照)
何の価値も無い小島に500億円弱となるとかなり問題です。
……特に最初もたされた予算がその約1/5なのですから。
- 336 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/25(火) 08:46:39 ID:X0DjDoks0
- >>312
これ、軍が送ってきた金だから軍の目付が来るかも。
>>313
313様、有難うございます。
>このままだと「バカヤロー」と外務省解散させられそうですね・・・。
そもそも外務省不要論まで出ているくらいですからねえ。
まあこれは流石に言いすぎにしろ、冷や飯喰らいは当分続くかも。
>>314
>とりあえず、「責任」取るヒトは必要なんだな・・・公金なんだし。
このままいけば、責任を巡ってひと悶着ありそう。
外務省の非主流派はこれを機会に主流派重鎮の吉田を引き摺り下ろそうとし、
主流派は主流派でやはりこれを機会に非主流派を叩こうとし、
軍は外務省そのものを叩こうと……
ま、羽場については確定でしょうが。
>>315
315様、有難うございます。
>あ、取り敢えずは軍のメリットにはなっているのか
正確には海軍右派の役に立ってます。
……と、いうことは他の勢力には?
>>316
>どちらにせよ踏み倒したら、未来永劫この事に言及して利子付債務履行と賠償を求められる予感。
……ありうる(笑)
- 337 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/25(火) 08:47:29 ID:X0DjDoks0
- >>318
その辺は次々回(たぶん)以降……
ここから今回のSS分です。
>>325、326
>ぽんこつ
この辺に関しては、おいおい出てくるかと。
>>327
まあ、あの様子ですからねえ……
よく愛想つかさないな、少女。
>>329
陸士長様、有難うございます。
>死んで始末を付けると言うより、単なる責任逃れにしか見えません。
いや実際、まったくその通りです。単に逃げてるだけですよ、この男は。
……より正確に言えば現実逃避?
>ポンコツ容疑の少女も、本音と本性がうっすら見えてきましたねー。
次回以降、もう少し詳しく出てきます。実は彼女……
>>331
この時点では、出会ったばかり……かな?
- 338 名前:名無し三等兵@F世界:2007/12/25(火) 13:26:54 ID:dDKWsT0E0
- >>333
>大戦略なら歩兵と戦闘機だけってか? 史実よりも酷いや……
大東亜戦争の大戦略なら、それでも勝てますよ(笑)。
輸送機+空挺部隊で占領、零戦(というよりも20mm機銃)で航空機から艦船まで撃破。
戦車砲積んだ航空機の方が戦車より安いのかな?
- 339 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/25(火) 14:07:13 ID:MsAR/znU0
- なんで戦車があそこまで高かったのか
いまだに良くわからんなぁ
鋼材の量かね?
- 340 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/25(火) 17:50:53 ID:i/BGxRX.0
- 軍が戦車にあんまり興味なくて需要がなかったからメーカーも安くちゃやってられなかったんだろうな
- 341 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/26(水) 00:13:26 ID:efdarknI0
- 量産技術や工業設備も未熟だったしな
- 342 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/26(水) 00:41:28 ID:83/wJNuE0
- 小銃でさえ部品の共通化がままならない状況でしたし、戦車なんて言わずもがな('A`)
- 343 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/26(水) 22:02:57 ID:ModyTQ2Y0
- 債権凍結は各国がよくやってることですよ。やれアルカイダ、核開発、偽札と理由つけてね。
赤化直後のロシアは第一次大戦で弱ったところで革命による弱体化したので不利益をこうむったのです。
信用よりも自身の中東植民地を狙ったことがNG。
この世界の列強含む強国は小国との契約も律儀に守っていく風習なのですね。
世界において契約違反は重大な非常識という認識が基盤としてあるのでしょう。
当然契約厳守の方向で行くということは世界の外交風習についてダークエルフから聞いて判断しているわけですから、
これから先の列強関連の話でも列強の契約違反は過去未来通し存在しないのでしょう。
まあ、いろいろ書きましたがSSの方向性、展開の都合、プロットは理解しましたので
いわゆるこれも妥協の産物ということでここで終わりにしておきます。
- 344 名前:名無し三頭兵@F世界:2007/12/26(水) 22:50:54 ID:0kc1biKE0
- くろべえさん遅れましたが乙です。
羽場…これは良い無能な働き者ですね…
戦場なら真っ先に後ろ弾に撃たれそうな士官になりそう…
まあ真珠湾のときの井口貞夫や奥村勝蔵の厚顔無恥ぶりに比べればまだ恥を知るだけ、
人間としてマシとは思いますが…
でも外交官としては「五十歩百歩」と思えます。
- 345 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/27(木) 10:15:30 ID:Il9dO2Oc0
- >>343
しょっぱなから契約無視する野蛮など田舎の小国(と向こうは思ってる)
というイメージはまずいということであって、どんなときでも契約を
遵守するとは限らないでしょ。とピントのずれた発言をしてみる。
- 346 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/27(木) 10:25:04 ID:rnieKo0I0
- >>343
>この世界の列強含む強国は小国との契約も律儀に守っていく風習なのですね。
(中略)
>これから先の列強関連の話でも列強の契約違反は過去未来通し存在しないのでしょう。
>まあ、いろいろ書きましたがSSの方向性、展開の都合、プロットは理解しましたので
>いわゆるこれも妥協の産物ということでここで終わりにしておきます。
自分好みの展開にならないからといって、当て付けと言い掛かりの捨て台詞は関心しない。
- 347 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/27(木) 13:23:38 ID:HH1Wnj5E0
- >>343
なにこいつキモイな
お前は何様だよ
チョンは黙ってろよ
- 348 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/27(木) 13:30:06 ID:X0DjDoks0
- >戦車
ドイツでも戦車のほうが戦闘機よりも高かったみたいですからねえ。
……でも考えてみれば重量からして段違いだし、当時は兵装が全体価格に占める割合が大きいから機銃と砲の差もデカいだろうし。
鋼材の使用量、兵装の差、工作数を考えれば、妥当な価格差なのかな?
>>344
名無し三頭兵様、有難うございます。
>羽場…これは良い無能な働き者ですね…
学歴と閨閥から、こんなんでもそこそこ以上に出世できるのが帝國クオリティです(笑)
ではSS投下。
- 349 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/27(木) 13:32:36 ID:X0DjDoks0
- 帝國召喚 第一部外伝1「事変前夜」
「……ふう」
広間――といっても食堂と居間を兼ねたささやかなものだが――に戻ると、少女は大きな溜息を一つ吐いた。
実のところ、今回の件では彼女自身ももかなり参っていたのである。
奇妙な話、と言うほか無い。
彼女には何の関係も無い……どころか、今まで受けていた仕打ちを考えれば、むしろ喝采を上げても不思議ではないくらいなのだ。それが一緒に悩んでいる、とは!
……同情、だろうか?
確かに羽場は大失敗を起こした、責任を問われることは避けられないだろう。
が、それで受ける罰といえば――
最も可能性が高いのが懲戒免職(いわゆる“馘首”)、
運悪く刑事罰を問われたとしても、執行猶予かせいぜい数年の懲役刑、
――である、(責任の波及を恐れて)『なかったこと』にされる可能性すら否定できない。これが他国ならば『本人死罪の上、改易絶家』が相場、ということを考えれば、心配するのも馬鹿らしい話だった。
(事実、上の事実を知った時、少女は驚きを隠せなかった。同時に、『こんな信賞必罰を無視した人事制度で今までやってこれたのだから、“帝國”は余程結束が強いのだろう、大したものだ』と妙に感心したものだ)
- 350 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/27(木) 13:33:15 ID:X0DjDoks0
- が、羽場のしょぼくれ具合を見ていると、胸が痛んだ。何とかしてあげたかった。
驚くべきことに、彼女は本気で羽場のことを心配していたのである。
……とはいえ、如何にせん話が大き過ぎた。
「……これが1万リバーなら、話は早いのですけどねえ」
1万リバー程度なら自分一人で“現地調達”できるのに、と少女は嘆息する。
が、現実は1万ではなく100万である、ハルダー中の富家を回ってもなお足りない額だ。王城の金蔵にもあるかどうかどうか……
「ふう……」
再び嘆息。いけないとは思っているが、このところ溜息ばかりだ。
「ふう……」
三度嘆息。が、今度は少しばかり意味合いが違った。
やるべきか、やらざるべきか、迷っていたのである。
……本当は、100万リバーを調達する策が無くも無いのだ。
が、迷っていた、躊躇していた。今の今まで他の手段を必死に模索していた。
何故ならば、その行為はありえざるべき“大罪”だったから。
しかし、しかし――
「……仕方がありませんよね、どうせ私は“半端者”ですから」
- 351 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/27(木) 13:33:45 ID:X0DjDoks0
- 時間は限られている、もはやこれ以上迷うことは許されない。
少女は覚悟を決めて立ち上がった。
羽場のため、そして“自分のため”に。
そう、これは自分のためでもあった。
仮にこの件が『なかったこと』とされても、羽場は左遷か依願退職となるだろう。要するに、『自分との縁が切れる』ということだ。
少女としては、それだけは何としても避けたかった。
……驚くべきことに、少女はあれ程の虐待を受けて尚、羽場に愛情を抱いていたのだ。
どんな理由があるにせよ、まともな精神ではない。羽場同様……いや、それ以上に少女は“壊れて”いたのである。
――――港、ゴード商会。
ゴード商会は、イルドーレ王国で最も力のある商会の一つである。
本業は海外交易だが、問屋や小売は無論、両替や質・金貸しといった金融業にまで手を広げているほど間口が広い。
……そんな大商会の本店、その店先に一人の若者がぼんやりと腰を下ろしていた。
「はあ、つまらねえな……」
欠伸をしつつ、若者はごろりと横になる。
本来ならばとうに叩き出されているであろう行為だが、従業員達は見て見ぬ振りをしている。実に不思議なことだ。
- 352 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/27(木) 13:34:16 ID:X0DjDoks0
- 「早く帰りてえ…… 来るんじゃなかった……」
もう一度欠伸をすると、若者は目を閉じた。
若者の名はジャン・フォンタック、自由都市フォルトーの大富豪フォンタック家の惣領である。
その才は一目置かれているものの、ご覧の通り無作法かつ怠け者。今回も父親の叱責から逃れるべく、イルドーレ訪問の任を(無理矢理)買って出た、という訳だ。
当然真面目に仕事をする気などさらさら無く、全て同行した者達に丸投げし、こうしてダラダラした毎日を送っている。
……とはいえ、こんなド田舎ではやることがない。大陸大都市の洗練された遊びに慣れた彼にとり、この地での滞在は甚だ苦痛であった。
「……?」
自分を覗き込む影を感じ取り、ジャンは面倒臭そうに目を開ける。
と、一人の少女が自分を心配そうに覗き込んでいた。
「あの、ご気分が悪いのですか?」
鈴を転がすような、心地良い声。
小柄だが、年の頃17、8……といったところだろうか? 大陸でも十二分通用する、こんな田舎には勿体無い位の可愛い少女だ。何より田舎臭くなく、垢抜けているところが良い。
ジャンは慌てて立ち上がった。
そしてさり気なく手を握る。
- 353 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/27(木) 13:34:46 ID:X0DjDoks0
- 「これはこれはお嬢さん、心配させてしまって申し訳ない。 ……そして有難う、お陰ですっかり良くなりましたよ」
「……はあ」
少女はごく自然に手を振り切る。
が、ジャンはめげない。
「ここでお会いできたのも何かの縁、どうです、お茶など一杯?」
「でも私、お仕事の途中ですので」
「ならばその後でも!」
久しぶりに出会った上玉を逃すまい、とジャンは必死に食い下がる。
その執拗さに手を焼いたのか、少女は話題を変えた。
「えっと、あなたはこのお店の関係者ですか?」
「はい、関係者です!」
正確に言えば客人だが、ジャンは嘘も方便、とばかりに大きく頷いた。
「では、これを換金して頂きたいのですが」
少女はにっこり笑い、包みを渡した。
「えっと、質草?」
- 354 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/27(木) 13:35:31 ID:X0DjDoks0
- 「いえ、両替です。御主人様の命で、換金に参りました」
御主人様……
「……ちなみに、“御主人様”って男?」
「? お若い殿方ですが、何か?」
「いや……」
内心で彼女の“御主人様”とやらをサンドバックにしつつ、ジャンは包みを受け取った。
その言葉と包みの重さ、大きさから考えて金塊だろう、とあたりをつける。
少女を店内に招き入れると、ジャンは包みを抱えて奥に入った。
「主人、客を一人貰ったぞ! 後、計量部屋も借りる!」
「それは構いませぬが…… 一体、どうなされました?」
ジャンの言葉に、主人は不思議そうに尋ねる。
フォンタック商会とゴード商会では“竜と蟻”ほども規模が違う。加えてゴード商会はフォンタック商会の流通を借りて交易している、となれば『生殺与奪の権を握られている』といっても過言では無いだろう。
それ故か、孫ほども年が離れたジャン相手に、主人は丁重そのものだ。
「ここでの生活を薔薇色にするため、だ」
「……なるほど、がんばって下さいまし」
- 355 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/27(木) 13:36:25 ID:X0DjDoks0
- その言葉に暫し不思議そうな表情を浮かべていた主人であったが、店の者に耳打ちされるとニヤリと笑って頷いた。
…………
…………
…………
「おいおいおい…… なんだよ、これは……」
半刻ほど後、ジャンは頭を抱えていた。
少女から預かった金塊の品位を調べていたのだが、何度測定してもトンでもない結果になるのだ。
測定不能。推定品位99.9%超、限りなく純金に近い超高品位――
ありえない、ありえるはずがなかった。
確かに金は銀と違い、純金に近い形で存在している場合が多い。
が、だからといってこれ程の高純度は存在し得ない。無論、それを可能とする精錬技術も。
「ドワーフ共なら、あるいは……」
が、確証はない。第一、やたらプライドの高い彼等がインゴットなどという“単純なもの”を売却することなど、考え難い。
……これは知っているかどうかは判らぬが、少女に聞いてみる必要があるだろう。うん、手取り足取り教えてもらおう、そうしよう。逆でも可。
- 356 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/27(木) 13:37:15 ID:X0DjDoks0
- 「謎の金塊を携えるミステリアスな少女! く〜〜っ、たまらないねえ!」
先ほどまでのシリアスさはどこへやら、ジャンはにやけた顔で部屋を後にする。
彼が置いていった謎の金塊には、燦然と輝くスリーダイヤが刻み込まれていた。
SS投下終了、後半に続く。
以前羽場がツンデレとのご指摘をいただきましたが、なら少女の方はヤンデレ?
- 357 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/27(木) 14:18:05 ID:A.5mmLSg0
- おっつー
>なら少女の方はヤンデレ?
そうでしょうねぇ、アレだけ暴行されても本気で羽場の事心配していたからな。
あれだけされた相手を心配おするなんてだいぶ病んでるでしょう。
まさにヤンデレ(・∀・)
吉田閣下は今何してんの?まだこの事伝わってないよね?
- 358 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/27(木) 14:45:53 ID:rA.E4kz60
- 超重度のストックホルム症候群じゃね?
もしくは羽場がほのぼのレイプの技能もちだったとか
- 359 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/27(木) 15:13:29 ID:r1NoW0uA0
- くろべえさん乙です
>なぞの金塊
どっから持ってきたのでしょうか?ダークエルフの隠し財産?
あと、どうやって借金返すのでしょうか。
いくら高純度とは言っても
女の腕で持ち運べる程度の量では100万リバーには届かないでしょうし・・・
金塊を持ちだすのが『大罪』だという点も気になるところ。
- 360 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/27(木) 15:15:27 ID:r1NoW0uA0
- って、よく読みなおせば
>スリーダイヤ
・・・三菱!!??
- 361 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/27(木) 15:17:25 ID:Jm4y9mEA0
- くろべえさん、投下乙です。
割れ鍋に綴じ蓋というか、SとMの波長が合ったというか……。
まぁ、本人たちが幸せなら、それはそれで良いことなのでしょうねw
しかし、スリーダイヤってことは、大三菱のインゴットですか。
こりゃ、このダークエルフさんがどこの紐付いてるのか、怖いですな。
- 362 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/27(木) 15:28:16 ID:oVuuhHNoO
- 投下乙です
やはりただのポンコツじゃなかったのですね、性的な意味で
実際のところ、この少女は羽場がいなければ自分も終わる、一連托生みたいなので、
ホントに一族の中では半端者なんでしょうが、しかしそれでも帝國人から見れば優秀な人材であることは間違いないような・・・
今後の少女の活躍にwktk
- 363 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/27(木) 19:30:55 ID:73sbaA5Q0
- 某北の国のように、帝国の造幣局でリバー金貨を大量生産した方が効率的では?
本物と見分けがつかない精度であれば、それは「本物」になるわけですし。
- 364 名前:陸士長:2007/12/27(木) 20:42:24 ID:KNJCSNJU0
- 投下乙です。
少女、凹み中の主の為に何だかヤバイ事を始めたようで。
彼女が一族から【ポンコツ】だと判断されたのが何だか解る気がします。
幾ら技量が優秀で頭脳明晰でも情緒がアレだったり破綻してたら駄目ですもんね。
いや、今やってる事を考えれば【無能な働き者】扱いされますよ。
- 365 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/27(木) 20:51:20 ID:sNLd.xws0
- もしかして独断で羽場が管理してたインゴット持ち出した? いかなる
詐術を使うのかwktk
- 366 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/27(木) 21:45:23 ID:83/wJNuE0
- >>363
帝国造幣局の場合、空気読まずに本物よりも精度の高い偽者を作ってしまいそうな気が(´・ω・`)
下手すりゃ本物よりも価値が高いと見なされて大陸諸国涙目なんて事態になったり
- 367 名前:名無し三等兵@F世界:2007/12/27(木) 23:09:00 ID:dDKWsT0E0
- くろべえさん、投下乙です。
帝國の文字、というかアラビア数字が読めなくて良かったのかな?ジャン君。
「99.999」とか書いてあるわけだし、意味するところを察するだろうから、仰天どころじゃないかも。
少女は気づいていたのかな、純度に。
>>366
同じこと考えた(笑)。
- 368 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/27(木) 23:34:06 ID:wjmSGGEM0
- >>363
確か支那国民党相手に仕掛けた偽札作戦が同じようなことになってなかったか?
国民党政府が刷るより正確に安定して偽元を供給したとかしなかったとか
- 369 名前:名無し三頭兵@F世界:2007/12/27(木) 23:34:34 ID:0kc1biKE0
- >>366
それなんてカリ城のゴート札(笑)
- 370 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/28(金) 15:22:59 ID:X0DjDoks0
- SS投下します。
レスのお返しは、申し訳ありませんが後日……
(本当にごめんなさい)
- 371 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/28(金) 15:23:38 ID:X0DjDoks0
- 帝國召喚 第一部外伝1「事変前夜」
「やあやあ、お待たせ」
「あっ」
ジャンの顔を見て、少女はあからさまにホッとした顔をする。
今までの彼の苦労が実った……訳ではない。
少女が待たされていた部屋は、ゴード商会が上客中の上客をもてなすためのものだった。
無論、たかだか数枚の小金塊を換金に来た一見の客、それも使い走り風情が通される部屋では断じてない。ジャンの客、ということで主人が気を利かせた、というのが真相だ。
が、少女にとっては実に有難迷惑な話であり、居心地が悪くて仕方が無かったことだろう。彼女が一刻も早く用を済ませて帰りたがっているであろうことは、想像に難くなかった。
「いや、ごめん。鑑定までもう少し、時間がかかりそうなんだよ」
「……そうですか」
少女は露骨にがっかりした表情を浮べ、腰を下ろす。
……そんな少女の様子に付け込み、ジャンは右手でテーブル中央の大皿に盛られた林檎を取り、手渡しつつ左手で彼女の肩に手を回す。
「ははは。まあ終るまで、自分の部屋だと思って寛いでよ」
「…………」
メキョッ!
- 372 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/28(金) 15:24:10 ID:X0DjDoks0
- 「……うぞ」
信じ難い光景を前に、ジャンは目を点にした。
少女は左手で林檎を受け取ると、いとも簡単に握り潰したのだ!
……確かに力自慢の男共がやるのは何度か目にしたことはある。
が、こんな小柄な少女が、しかも何の前動作も無く、というのは……
――うん、きっとあの林檎は腐ってたのさ!そうに違いない!
そんなことが有り得る筈もない――仮にも国有数の商会の貴賓室だ――が、ジャンは必死で自分にそう言い聞かせる。
が、しかし――
「手、どけていただけますか?」
「は……はははは…………はい」
いい笑顔を浮べつつも額に青筋を浮べる少女の言葉に、ジャンは大人しく従った。
…………
…………
…………
「申し訳ないが、お嬢さんが持ってきた金の品位を正確に測定することはできなかった」
- 373 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/28(金) 15:25:29 ID:X0DjDoks0
- 「そう、ですか……」
「が、限りなく純金に近いことは間違いない。レムリア・フロル金貨を4倍……いや、3倍でどうだろう?」
そう言うと、ジャンは指を3本たてる。
以前にも書いたが、この世界の金銀貨は含有する貴金属の3倍前後の価値がある。数ある貨幣の中でも最高峰のレムリア貨幣ともなれば、5倍にもなるのだ。
そのレムリア・フロル金貨を3倍、つまり金3/16オース(約6g)あたり1フロル(金含有量1/16オース)で交換する、と言っているのである。
少女が持参した金塊は100匁板4枚(1500g)だから、250フロルとなる計算だ。
「手数料はお幾らでしょう?」
「金塊を金貨に変えるだけだから、1/200」
つまり1と1/4フロル、ということだ。
「……随分、気前が良いですね」
換金レートもそうだが、1/200というのは『金貨を銅貨に変えた場合』に適用される最も安い手数料だ。
少女は不審の声を上げた。
「勿論、条件がある。これは慈善じゃあなくて商売だからね」
「条件?」
- 374 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/28(金) 15:26:10 ID:X0DjDoks0
- 少女はもしや、と身構える。
それを見て、ジャンは慌てて手を振った。
「や、そっちじゃあない。まあ僕としてはそっちの方が……ってごめん、冗談だよ冗談!? 『あの金塊の出所を教えて欲しい』ってこと!」
「? あれは、御主人様からお預かりしたものですが?」
「そうじゃなくてね…… あの金塊を何処で手に入れたかってこと、その情報代込みの値段だよ」
「情報、ですか?」
「知らないなら、君の御主人様に聞いてきて欲しい」
「知ってますよ」
「そうか!」
「……けど、そう簡単に教えては、御主人様に叱られてしまいます」
どうやら少女は“御主人様”に褒めて貰おうと必死なようで、更なる上積みを要求する。
……個人的にはかなりしゃくだったが、ジャンは要求に応じることとした。
「じゃあ、更に手数料なしとしよう」
「情報って、お金になるんですねー」
- 375 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/28(金) 15:26:51 ID:X0DjDoks0
- 少女は感心した様に呟いた。
その様子から納得したと判断し、ジャンはもったいぶった口調で教えてやる。
「ああ、商人にとって情報は命だからね。重要な情報を得るために、時には目玉が飛び出るほどの大金が飛び交うことがある」
「100万リバー、とか?」
「はははっ、そりゃあ凄い! けどそこまでいくと、ちょっとやそっとの情報じゃあないな。それこそ最低でも『この北東ガルムがどうこう〜』ってレベルだよ、夢物語さ!
……けど、一度はそんな情報に巡り合ってみたいものだよ」
100万リバーは、俗に“物凄い大金”として用いられる。故にジャンはその類、と考え軽口で応じた。
……が、その言葉を口にしたとたん、少女の様子が変わった。醸し出す雰囲気が一変した。
「――では、情報を100万リバーで買ってください」
「!? き、君……は一体……」
ジャンの額から、一筋の汗が流れ落ちる。
もし自分の考えが、いや目が正しければ、この少女は――
「ダーク、エルフ……」
バチッ!
- 376 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/28(金) 15:27:33 ID:X0DjDoks0
- 首に下げていた護身用の呪具が、一瞬で砕け散った。
……並々ならぬ魔力。これ程の力は、一流と言われる魔導師達ですら持っていないだろう。もはや疑いようがなかった。
が、しかし――
「君達は、雲隠れした筈では?」
湧き上がる恐怖を必死で抑えつつ、ジャンは尋ねる。
「私達自身は、逃げたつもりなどさらさらありませんよ? ある国に全世界の一族をあげて、臣従しただけです」
「……契約中の、全ての仕事を放り出して?」
「ええ」
少女はあっさりと首肯するが、それは並々ならぬ話だった。
“あの”ダークエルフが、全てを放り投げて……それも臣従するとは!
「その国の名は?」
「“帝國”」
「!?」
「これ以上の質問には答えません、後は自分でお考えなさい」
もう十分ヒントは与えたでしょう?と目の前のダークエルフは笑う。
……ジャンは、今の今まで自分がこの女の手のひらで踊らされていたことに気付き、胸の奥に熱いものを感じた。
こいつは、端から自分を目当てに近づいてきたのだ!
(煩わしさを避けるために身分を偽って入国したのだが、そんなものは連中からすれば子供騙しに過ぎないのだろう)
- 377 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/28(金) 15:28:21 ID:X0DjDoks0
- が、確かにその情報にはとてつもない価値があった。
フォンタック家は、“帝國”に対する評価を全面的に見直さねばならなくなるだろう。
そして、彼等がイルドーレ如き小国を煽てあげている意味も。
この時期、既に“帝國”は大内海沿岸全域をほぼ手中に収めていた。
――にも関わらず、その知名度は中央世界はおろか、お膝元である筈の大内海沿岸ですら『今ひとつ』といった具合だった。
この原因は、幾つも挙げられる。
中央世界の辺境に対する無関心さ、辺境における広域通信網の未発達ぶり、帝國の外交的不手際等々……
が、何といっても筆頭に挙げられるのは、その統治法故、ということだろう。
ご存知のとおり、大内海沿岸における“帝國”直轄領は極めて小さく、間接統治を基本としている。加えて現地政権に対する縛りも殆ど無く『君臨すれども統治せず』といった具合だ。
これは低コストで広大な大陸を支配できる唯一の方法だったが、『多くの場合、上層部のみしか“帝國”を意識していない』という弊害も同時に現れた。平民はおろか、中央の中下級役人……地方では上級役人ですら“帝國”を意識していないのである。そして意識している者でさえ『他文明圏を“帝國”が支配している』と知っている者は少なく、知っていてもせいぜい『近隣文明圏も支配されている』といった程度の認識でしかない。(中央世界とは異なり、辺境では“己の属する文明圏”或いはせいぜい“近隣文明圏”こそが『世界の全て』だった)
……そんな彼等に『大内海の統一』などと誇っても、白髪三千丈としか見られなかったのである。
これを解決できるのは唯一、時間のみであろう。“帝國”は、余りに急速に手を広げすぎたのだ。
- 378 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/28(金) 15:29:05 ID:X0DjDoks0
- ジャンが自分の言葉の意味と重みを理解したのを見て取ると、ダークエルフの少女は鈴を転がす様な心地良い響きで尋ねた。
「100万リバー、いただけますか?」
「……ああ、実にしゃくだが、確かにそれだけの価値はあった」
「よかった! 本当は心配してたのですよ? これって、もしかして“恐喝”なんじゃないかなって。 ……あ、あの金塊は護符を壊しちゃったお詫びに置いていきますね?」
――畜生、何言ってやがる!
そう思いつつも、ジャンにはどうしても聞かねばならぬことがあった。
意を決し、口を開く。
「最後に一つだけ聞きたいことがある。 ……なに、情報とは直接関係ないことだ」
「なんですか?」
ダークエルフは小首を傾げる。可愛いのが一層、ジャンのしゃくに障った。
「何故、俺に話した? まさか、本当に100万リバー稼ぐためでもあるまい?」
「先ほども言いましたでしょう? お金を稼がないと、御主人様に叱られてしまうのですよ。稼ぎが悪いと鞭で打たれるのです」
……成程。言う気はない、ということか。最初から最後まで、舐められっ放しだ。
少女の言葉は『当たらずも遠からず』だったが、そんなことをジャンが知る由も無い。
彼の口元が、自嘲気味に歪んだ。
- 379 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2007/12/28(金) 15:29:38 ID:X0DjDoks0
- SS投下終了。
- 380 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/28(金) 15:35:12 ID:kppx3QvE0
- 投下乙です。
うは。インゴットはただの撒き餌ですか。。
というか、一族に対する忠誠よりも羽場への個人的愛情を優先するあたり、確かに「出来損ない」かもしれませんね
現状、どう考えてもこの情報を外部に漏らすのは良いことではないでしょうから。
- 381 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/28(金) 15:55:22 ID:Y0JW9sr20
- これで,ゴート家も“帝国”に興味を持つと
先にあるのは“帝国”と距離をとるのか,近付くのか
近付くにしてもバブリーに膨れ上がるのか,周囲から裏切り者と言われ
挙句にフルボッコされるのか
ジャンにしても頭が痛いところですな
- 382 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/28(金) 18:50:12 ID:G2m266vA0
- DSの共有財産(情報)を私情で叩き売る(たった100万リバー)など、本当にDSとって癌ですね。
- 383 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/28(金) 20:17:48 ID:PrNDtOqYO
- D(だあく)E(えろふ)だろ
任天堂かよ
- 384 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/28(金) 22:14:03 ID:r1NoW0uA0
- うはっ・・・ww
DE少女ヤリスギwww楽しすぎて鳥肌立ったw
よくよく考えてみれば
全世界のDEが総力を挙げて帝國に臣従している
なんて、F世界人にしてみればとんでもない状況ですもんね。
100万リバーとは云わずに、もっと吹っかけてもよかったかもww
なにはともあれ、くろべえさん乙ですw
- 385 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/28(金) 23:58:18 ID:/PliwjrQ0
- 超乙
なるほど……確かに「大罪」だわこりゃ
- 386 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/29(土) 00:13:59 ID:QAQuroWw0
- ぶっちゃけた話、何とかしようとして傷口をさらに広げている気がする。
それとも情勢の動きでうやむやになるんだろうか。
- 387 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/29(土) 04:40:38 ID:6Le.2tZ20
- 「辺境」すぎてDFの「現地駐在員」を監視する「定期監視員」の目が
届かないのでしょうな・・・
しかし、この「少女」
完全に帝國上級層に対する種芋要員とゆーか、なんとゆーか・・・
婚姻政策はDFでも上級家庭子女を対象にしていたように見えておりましたので
こういった「消耗予定品」が”活用”されているのが不思議ですね。
もしかしたらDF内の政治的理由でしょうか(例えば血筋が容易な「廃棄」を不可能にしている
・・・「一族の存亡に関わる大失敗した名家嫡流の血筋」とか)
その場合、「見本」として子供を生かしておく価値はあるかも・・一族内の悪意と
失敗への恐怖の対象として。
とりあえず、この二人の行く末が気になります。
子供ができたら”始末”されて、子供は帝國上流層への養子かな?
- 388 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/29(土) 05:25:18 ID:PrNDtOqYO
- 今度は池上か
次はDCですか?
- 389 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/29(土) 10:06:29 ID:oVuuhHNoO
- 投下乙です
ジャンが少女をDEと知って感情的に話をする人間じゃなくて良かったですね
少女も羽場がいなければ、これからの人生は酷いことになりそうだなぁ
一族よりも個人を優先させているみたいで、故のポンコツですかね?
- 390 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/29(土) 10:35:26 ID:r1NoW0uA0
- 誑しこむべき相手を本気で好きになっちゃうからポンコツなのでは?
- 391 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/29(土) 13:31:35 ID:RcYYdQag0
- ゼークトの組織論でいえば、羽場も少女も「無能な働き者」だもんなぁ。
そらDEでポンコツ扱いされても仕方が無い。
- 392 名前:陸士長:2007/12/29(土) 21:04:52 ID:KNJCSNJU0
- 投下乙です。
やっぱ、知性も才腕もあるけど精神の方がアレだからポンコツ扱いだった訳で。
吉田さんの斜め後ろに居る御方なら、羽場なんてとっくに見切られて上手い具合に処理されているでしょうに。
このポンコツ娘にもやっぱり監視は付いているのかどうか。(問題児なら付いてて当たり前そうだ
だとすれば、彼女の独断専行は如何なる結果をもたらすのか。
次回が楽しみですねー。
- 393 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/30(日) 03:06:02 ID:ioKqMsbw0
- この件がばれたら、外務省解体→邦国管理は内務省、外交は典礼将校を抱える軍と
宮内省に新設される外務局の担当になりますかね。
で、外務省は旧世界の資料管理と研究だけをやる「外務庁」に。
・・・もしくは、外務省の人員の総入れ替えでDEが益々幅を利かすようになるかな?
- 394 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/30(日) 17:30:38 ID:wB1yk9DY0
- >>392-393
むしろこのペアのポンコツ振り見るに、吉田さんの斜め後ろに居る御方も含め
「“ダークエルフが帝国に付いた”と情報漏洩させる為、意図的に配置した」
可能性も低くないと思えるな。
ある程度カバーできる範囲内で独断専行する機会を与えれば
「帝国組し易し」という印象を与え油断に繋げられるしね。
問題はこいつらのそれなんてエロゲ?的ポンコツさが
配置した連中の予想を超えるレベルだった、とかw
- 395 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/30(日) 22:55:32 ID:7LZGzQEs0
- >>394
それは自分も考えた
が、ゼークトの法則ってそうした意図すらスッとばすアフォを想定しているのでは?
マーフィーの法則にもこんなのがありますし
「『サルにも使える(foolproof)』仕様は存在しない
サル(fool)は制作者が想定した以上の事しでかすからだ」
- 396 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/31(月) 02:49:39 ID:73sbaA5Q0
- 旧作で書かれなかったメディチ家と帝国の邂逅が新作ではフォンタック家ですか。
異様な品質の製品を産し、ダークエルフを一手に従える謎の国家。
「いやぁ、商売の幅が広がりますな。」といったところですか。
帝国製品の中央世界での独占販売まで視野に入れているかは判りませんが。
- 397 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/31(月) 05:32:07 ID:PrNDtOqYO
- 成る程、制作者が馬鹿だって皮肉か
- 398 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/31(月) 10:47:24 ID:i/BGxRX.0
- >>397みたいな人を不快にさせるだけの社会不適合者がクレーマーみたいな行動するんだろうな
- 399 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/31(月) 12:34:10 ID:uk16BnNs0
- >>398
気持ちはわかるけど、荒しはスルー推奨
- 400 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/31(月) 18:22:37 ID:PrNDtOqYO
- 商業的な意味なら現実として店頭に並んでるんだから、存在しないという条件を満たさない
故に商業的な意味ではなく、本質的な意味として言ってると考えざるをえない
ならば、どう考えても制作者も馬鹿
サルには対応しきれないって断言してるのに、サルにでも解るなんて銘打ったマニュアルを資源と労力と時間を使って真剣に作る馬鹿
サルにも解るという命題が満たされてない故に当然の如く理解出来ない馬鹿
その例えの本質は登場人物はどちらも馬鹿であると皮肉ってるとしかとれない
つか、マーフィーなんていう商業目的の言葉遊びを例えに持ってくるなよ
その例えも無数にある可能性をサルだと恣意的に歪めた不在証明の言葉遊びじゃん
無数にある可能性(サルがやる超レアケース)を反証し尽くす(サルでも解る仕様にする)のは不可能
対象がサルだろうが人だろうが英知を極めし者だろうが同じ
キャチフレーズなんてのは虚栄心を満たしつつ信者を増やそうって意図があるからこその上辺だけの表現だろうに
>>397
恣意的に切り取られた表現に嬉々とするサルに嫌悪感があるってのがバックボーンだ
サルには本質が理解出来ないだろうなという蔑みの意味で、感銘を受けた者も含めて制作者と表現してサルを皮肉った
端的すぎたか?
君もそうだが、自分も含めた大多数の民衆は、何故自分より下位の者を深層心理レベルで欲しがりレッテル貼りをするのだろう?
- 401 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/31(月) 18:36:24 ID:lGUFSpGY0
- 所々スレがあぼ〜んになってると思ったら、例の困った人が湧いているのか。
大晦日にまでスレを荒らして楽しいのかな? 何て寂しい人なんだ。(´・ω・`)
お餅の代わりにDE娘の耳をはむはむして仲良くしようよ。
- 402 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/31(月) 19:18:54 ID:Fwpwc.vY0
- >>400
まず君が蔑み視点をやめるのが先決だ。
- 403 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/31(月) 19:40:41 ID:rA.E4kz60
- 被害妄想。
- 404 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/31(月) 20:23:00 ID:i/BGxRX.0
- sageもせずアンカーまで間違えて、内容もやたら感情的な上に長いだけ……
やれやれ、自分の見苦しさを少しは理解してみたら?
- 405 名前:名無し三等陸士@F世界:2007/12/31(月) 21:19:14 ID:OG.PAQ.Y0
- 年末だな
くろべえさんは本当にお疲れ様でした
願わくばDE娘が、おめでとうと言われる年明けを迎えられますように
- 406 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/01(火) 09:17:24 ID:r1NoW0uA0
- DE娘とドS外交官が年明けにやることなって決まっとろーが(´・ω・`)
- 407 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/01(火) 14:48:32 ID:cAPDq.Ow0
- こんな修羅場じゃ勃たないって・・・・
- 408 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/01(火) 19:37:34 ID:fl83Oq8w0
- DE娘だけにEDか
- 409 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/01(火) 21:16:18 ID:vEvo/GtA0
- 人を指差すとき、3本の指は己を向いてる
- 410 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/02(水) 09:03:28 ID:X0DjDoks0
- >>357
357様、有難うございます。
>ヤンデレ
次回以降、少女のヤンデレぶりが炸裂……するかも。
>吉田閣下は今何してんの?まだこの事伝わってないよね?
この時期、まだ情報は伝わっておりません。
けどそれも時間の問題で、だからこそ彼は焦っていたのですよ。
>>358
この件に関してはそのうちSS中で……
>>359、360
359様、有難うございます。
>どっから持ってきたのでしょうか?ダークエルフの隠し財産?
いえ、羽場の個人財産からちょろまかしてきました。
……きっと彼が元気になったら“おしおき”ものでしょうね。
>>361
361様、有難うございます。
>しかし、スリーダイヤってことは、大三菱のインゴットですか。
はい、三菱鉱業株式会社謹製です。
ただ現在は500g単位ですが、当時の単位が判らず(もしかしてオンス?)、仕方が無いので100匁単位としました。
>>362
362様、有難うございます。
>ホントに一族の中では半端者なんでしょうが、しかしそれでも帝國人から見れば優秀な人材であることは間違いないような・・・
や、彼女には能力云々以前に致命的な欠陥がありまして、たぶん恐らく人間世界でもアレかと。
- 411 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/02(水) 09:04:59 ID:X0DjDoks0
- >>363
>某北の国のように、帝国の造幣局でリバー金貨を大量生産した方が効率的では?
それをやると通貨制度がとんでもないことになっちゃいますからねえ。
大内海経済にも大きな影響を与えかねませんので……
(とはいえ、近い将来には金銀そのものをだぶつかせて同様の事態を招く羽目になるのですが)
>>364
陸士長様、有難うございます。
彼女、御覧のようにかなり壊れてます。
加えてその出生も問題で、一族から無視されておりました。
>>365
>もしかして独断で羽場が管理してたインゴット持ち出した?
はい。ですから後で“おしおき”確定、きっと凄い目に遭うことでしょう。
>>367
名無し三等兵様、有難うございます。
>少女は気づいていたのかな、純度に。
気付いています。ですから持ち出したのでしょうねえ。
見る人に見せれば、いい餌になりますから。
――――ここから、今回のSS分です。
>>380
380様、有難うございます。
>というか、一族に対する忠誠よりも羽場への個人的愛情を優先するあたり、 確かに「出来損ない」かもしれませんね
彼女の“出生”が後押ししているにせよ、とんでもない話ですからねえ。
- 412 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/02(水) 09:06:13 ID:X0DjDoks0
- >>381
>ジャンにしても頭が痛いところですな
ですね。とはいえ腕の見せ所、腕が鳴る……かな?
>>382
>本当にDSとって癌ですね。
壊れ者扱いも止む無し、ですかねえ。
>>383
少女は完全に逝ってます。
>>384
ちなみに商会は『総資産2億リバー、月に100万リバー以上稼ぐ(儲ける)』と謳われほどの巨大商会です。従業員も正社員だけで千数百人、それ以下も含めれば5、6千人にも上ります。
……もっと吹っかけてもよかった?
>>385
385様、有難うございます。
>なるほど……確かに「大罪」だわこりゃ
裏切り、ですからねえ……
>>386
>ぶっちゃけた話、何とかしようとして傷口をさらに広げている気がする。
当座はなんとかなりましたが、このつけは大きいでしょう。
この行動が何をもたらすのか……
>>387
>「辺境」すぎてDFの「現地駐在員」を監視する「定期監視員」の目が
届かないのでしょうな・・・
だからこそ、行動を起こせたのでしょうねえ。
この辺の事情は次回に少しでます。
- 413 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/02(水) 09:06:50 ID:X0DjDoks0
- >>389
389様、有難うございます。
>ジャンが少女をDEと知って感情的に話をする人間じゃなくて良かったですね
ある意味、大きな賭けでしたからねえ。
>一族よりも個人を優先させているみたいで、故のポンコツですかね?
鶏が先か卵が先か、実は彼女には秘密が。
>>392
陸士長様、有難うございます。
>このポンコツ娘にもやっぱり監視は付いているのかどうか。(問題児なら付いてて当たり前そうだ
これに関しては次回、少し出てきます。
……まあ「少女の判断はこう」という話にすぎませんが。
>>393
外務省も初っ端から大きな爆弾を抱え込む羽目になりました。
……それもこれも、少女が羽場にいらん知恵つけるからです。
>>396
詳細は書けませんが、今後メディチ家も登場する予定です。
(大メディチ家はフォンタック家を上回る大富豪です)
>>405
405様、有難うございます。
>願わくばDE娘が、おめでとうと言われる年明けを迎えられますように
きっと元気を取り戻した羽場に、金塊持ち出したおしおきを食らっていることでしょう(笑)
- 414 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/02(水) 15:07:58 ID:X0DjDoks0
- あけましておめでとうございます。
では今年初のSS投下。
- 415 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/02(水) 15:08:46 ID:X0DjDoks0
- 帝國召喚 第一部外伝1「事変前夜」
夜もだいぶ深けた頃、少女は独り屋敷近くの小さな森を歩いていた。
ホー、ホー
何処かで、梟が鳴いていた。
空には満月が輝いていたが、森の中は木々の間から洩れる月光のみで、辺りは深い闇に包まれている。
が、ランプ一つ持っていないにも関わらず、少女はしっかりとした足取りで獣道を歩く。
ガサ、ガサガサ
静寂な、それも深い闇の中では、音はより大きく聞こえるものなのだろうか。木々が風で揺れる音が、やけに大きく聞こえる。
……そういえば今気付いたのだが、少女は『まったく足音を立てていない』。
土を、枯れ木や落ち葉を踏む音を、幾ら耳を澄ませても聞くことができないのだ。
聞こえてくるのは、ただ風の音とそれに揺れる木々の音、それに梟の鳴き声のみだった。
と、突然少女が立ち止まった。
同時に周囲の空気が一変する。
そして、何処からともなく地を這うような声が響いてきた。
『……遅かったではないか』
- 416 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/02(水) 15:09:33 ID:X0DjDoks0
- 「申し訳ありません」
そう頭を下げつつも、少女は必死で周囲の気配を探る。
が、幾らやっても声の主が潜む場所を探り出すことは適わない。
……それどころか、相手が何人潜んでいるかすら判らなかった。
――五…六人……いえ、それ以上?
そんな自分の判断に、少女は首を振る。
ただでさえ人員不足に悩む現在、こんな優先度の低い地域に第一線級の人員を複数投入する余裕など存在する筈も無い。自分達が……何より自分が投入されたのがその証拠、監視役はこの島に一人しかいない筈だ。
故に、この場に潜むのは一人。
が、彼女のあらゆる感覚は、本能はその判断を否定する。少女は格の違いを改めて思い知らされた。
――いったい、何用だろうか?
定時連絡ではない突然の呼び出しに、少女は内心動揺を抑えきれない。
もしや……もしや、“露見”したのだろうか?
いやそんな筈は無い、と少女は必死に自分に言い聞かせる。
たった一人で個人個人を常時監視することなど、如何に手練れとはいえ不可能な話だ、今回も何か他の用事に違いない。だから、不審を買う様な態度は極力避けねば――
『何か、言う事はあるか?』
- 417 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/02(水) 15:10:30 ID:X0DjDoks0
- 「特に何も? 月は東に日は西に、犬が西向きゃ尾は東、なべて世はこともなし、です。
――そう“筑摩”の姫様にお伝え下さい」
内心の動揺を抑えつつ、少女はいつもの口調で報告する。
『茶化すな』
「ですが、姫様はこの様な物言いを好まれます」
『……あの方なら、もう“筑摩”にはおられん』
“影”は、どこか苦々しげな口調だ。
「と、言いますと?」
『用がお済になったのか、はたまた単に飽きられたのか、お帰りになったわ。 ……ご自分が強引に入り込んだというのに、まったく困ったものよ。まるで猫のように気紛れなお方だ』
それどころかあの姫様は、自分が離任するに当たって配下の者達に『後は任せた』と伝える様に“影”に命じたのである。それ故の非常呼集だった。
……まったく最後まで型破りなお人である。
が、これで例の件が露見していない――少なくとも現在は――ということが判った。少女にとっては姫様さまさま、弾む心を抑えて質問を重ねる。
「では、後任は?」
『お前の知るべきことではない』
- 418 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/02(水) 15:11:24 ID:X0DjDoks0
- 「……そうですね」
確かに“影”の言う通りだ、と少女は頷いた。
人手不足のため末端にもある程度の裁量が必要なこと、そして何より姫様の気紛れにより与えられているが、本来自分がこの様な情報を知っていること自体が異常なのである。故に原因の大元の一つである姫様が去られた以上、与えられる情報が大きく制限されるのは言わば当然の成り行きだった。
「わかりました。では、ご用はそれだけですね?」
『……いや、もう一つある。むしろ“できた”と言うべきか』
「何でしょう?」
“影”の言葉に、少女は内心で身構える。
『――が、デヴルー侯爵に討たれた。あの馬鹿者、よりによって魔術合戦で後れをとったらしい』
「え? 人間に、一対一で負けた!?」
信じられない、と少女は内心で叫ぶ。
確かに彼はお世辞にも優秀とは言えなかった。魔術、武術、隠形術……全ての分野で水準を下回り、“二線級以下”というのが正直なところだろう。が、外見こそよく似ているものの、人間とダークエルフでは虎と猫程の違いがある。虎が猫に負けないように、如何に無能でもダークエルフが人間に敗れることなど有り得ないのだ。
無論、人間は猫ではない。戦うとなれば武器を持ち、組織だってやって来る。そうなれば如何なダークエルフといえども敵わない、そして何より数が違い過ぎる。だからこそダークエルフは人間の風下に甘んじ、苦汁を舐めてきたのである、あるのだが……一対一で敗れるとは、一体何があったのだろうか?
- 419 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/02(水) 15:13:20 ID:X0DjDoks0
- 『人間如きと慢心していたか、はたまた別のことに気をとられていたか――何れにせよ、だから奴は何時までたっても見習いだったのよ。最も大切な"平常心”も保てぬのだからな』
この様な無能共を投入せねばならぬこと、それ以上にそれを監督せねばならぬ己を嘆いているのだろうか?“姫様”の時以上の苦々しげな声で、“影”は吐き捨てる。
が、少女にとっては素晴らしくいい知らせと言えた。彼の死により空いた空白は、“影”が埋めているに違いない。ならば、監視の目は更に緩くなっている筈だ。ならば――
『お前も、ゆめゆめ油断はするなよ。無論、“出すぎた真似”も許さん』
「わかりました」
少女は涌き上がる安堵と喜びを抑えつつ、頭を下げた。
――――在イルドーレ王国“帝國”連絡事務所。
翌朝帰宅した羽場は、昨日までとは打って変わって満面の笑みを浮べていた。
そして、如何にも自慢気に証文を掲げる。
「ははは、どうだ!」
「おめでとうございます!」
- 420 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/02(水) 15:13:51 ID:X0DjDoks0
- 少女はにっこり笑い、頭を下げる。
ボカッ!
……その上に、羽場の拳が振り下ろされた。
堪らず、少女は頭を抱えて蹲る。
「い…痛い……」
「まったく! お前の言葉を真剣に聞いて損をしたではないか!」
ボカッ!
再び拳が振り下ろされる。
少女は体を丸くしされるがまま、羽場の暴力を無抵抗で受け入れた。
「も、申し訳ありません……お許しを……」
「いいや、許さん! 来い!」
少女は髪を引きづられ、羽場の部屋へと連行される。
数日ぶりの“おしおき”が始まった。
…………
…………
…………
- 421 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/02(水) 15:14:47 ID:X0DjDoks0
- 実のところ、少女は羽場の“おしおき”が嫌いではなかった。
何故なら、それは温もりを感じる瞬間だったから。
それは、愛情を感じる瞬間だったから。
何より、自分が必要とされている瞬間だったから。
長い間孤独だった彼女にとり、歪んだものとはいえ羽場が少女に向けるそれは、蕩けるほどに心地良いものだったのである。
少女は、自分の両親が誰なのかを知らない。
が、おそらく何か大罪を犯した犯罪者なのだろう、とは自分の待遇から想像がついた。
半ば監禁同様の生活を送る――それが物心ついた時からの、少女の生活だったのだから。
当然、自分が任務を賜るなんて想像すらしていなかった。
だから、任務を賜わった時には心底驚いたものだ。
……が、任務先での生活は、それ以上に驚きの連続だった。
今まで空気の様に――教育役も自由行動時に偶に外で会う人々も完全な無視を決め込んでいた――扱われてきた少女にとり、特定人物との濃密な交流は、頭がクラクラする程衝撃的なものだった。
特に初めて羽場の“行為”を受け入れた時など、そのあまりの“濃密な感情”に本気で失神してしまったものである。
が、肉欲のためとはいえ抱きしめられ、歪んでいるとはいえ強い愛情をぶつけられる――この行為に、やがて少女は溺れていった。
今の少女は、この温もりを守るためならば何でもするだろう。彼女の精神は、羽場によって完全に壊されていたのである。
- 422 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/02(水) 15:15:19 ID:X0DjDoks0
- 「ああ、お前に言っておかねばならんことがあった」
行為後、羽場は煙草を吹かせながら思いだした様に呟く。
それを聞き、まるで胎児の様に丸くなっていた少女は、羽場の胸に顔を埋めながら訊ねた。
「何でしょうか?」
「実は今度、女を一人雇うことにした」
「……え?」
呆然と……本当に呆然とした表情で、少女は顔を上げる。
が、羽場はそんな様子に気付かない。顔も見ずに言葉を続ける。
「いや何、これでお前も雑用をしないで済む様になるぞ。ああ、夜の相手も半分……いや2/3くらいに減るだろう」
だからその分、公務に専念できるだろう、と羽場。
が、それを聞いているのかいないのか、少女はポツリと訊ねた。
「あの、どのような方でしょう?」
「ああ、年は二十、長い真っ直ぐな黒髪に黒い目の大柄な女だ。少々気が強そうで、“教育”のしがいもあるな」
……少女は、髪こそ長いもののややウエーブのかかった金髪、眼も碧眼だった。小柄で性格も従順といって良い。
「そう……ですか…………」
それっきり、少女は沈黙した。
羽場が買う筈だった女が心臓の発作で急死したのは、それから僅か二日後のことだった。
- 423 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/02(水) 15:15:49 ID:X0DjDoks0
- SS投下終了。
- 424 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/02(水) 15:31:47 ID:r1NoW0uA0
- >羽場が買う筈だった女が心臓の発作で急死したのは、それから僅か二日後のことだった
ヤンデレキターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!
- 425 名前:ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2008/01/02(水) 16:22:00 ID:Bohu6sek0
- 投下お疲れ様です。
ああ、なんてこったい!このまま悪化すれば、「中に誰も居ませんよ?」と抜かすような事を
しでかすかも・・・・・(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
やべ、羽場が一瞬、某誠に見えちゃいましt(憲兵隊に連行されますた
- 426 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/02(水) 16:52:15 ID:TybTISYo0
- 投下乙です・・・
ヤ ン デ レ キターーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
ちょw壊れてるよwww少女壊れてるよwwwww
羽場は公金である金塊を持ち出されたことに気づいていないのでしょうか?
- 427 名前:354:2008/01/02(水) 18:10:18 ID:2mnM/fak0
- nice boat!
- 428 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/02(水) 18:22:44 ID:d0GZq5H60
- 投下乙であります。そして...
N i c e B o a t !
- 429 名前:陸士長:2008/01/02(水) 18:28:44 ID:KNJCSNJU0
- 明けましておめでとうございます。
ひぃぃぃ、黒い黒過ぎる少女。
羽場よ、自分がどんだけ凄い爆弾抱えてるのかいい加減気づけ。
鍋を空焼きされる前に本土に逃げるンだ、逃げて、今すぐ逃げてー!
>吉田さんの斜め後ろの人
姫様だったとは……王族クラスですか。そりゃ、秘匿情報知っている訳だ。
吉田さんを諦めたのか。それともそれ以上の重大事が有って離れたのか。
気になりますねぇ……でも、この偶然が無ければ少女は始末されてたでしょうね。
- 430 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/02(水) 18:30:31 ID:S0s6.qEY0
- 私めは常日頃、くろべえ氏なら皆の期待に応えてくれる信じておりました!!
- 431 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/02(水) 20:01:02 ID:ADmS8Wgs0
- あう 羽場さんが 某鬼畜王でDE嬢が某ピンクのもこもこ髪の魔法少女に見えてきたオレは
末期なのか?
- 432 名前:名無し三等兵@F世界:2008/01/02(水) 21:58:33 ID:dDKWsT0E0
- くろべえさん、投下乙です。
羽場、どこから100万リバー以上の金を工面したんだろう?
商会が証書を買い取る約束をしたのかな?
ヤンデレなダークエルフって手に負えないような気が(苦笑)。
羽場、自由はもう無いぞ。
- 433 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/02(水) 21:58:56 ID:lUmeIgxc0
- 投下乙です
そしてNice boat.
ドMにもなれるヤンデレっ娘・・・俺の嫁に(関東軍に粛清されますた)
- 434 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/02(水) 22:00:41 ID:y8Y8eBIg0
- >>432
少し前の話でDe少女が工面してますよ
- 435 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/02(水) 22:22:38 ID:lGUFSpGY0
- くろべえさん、新年一発目の投下乙です。
そして、Nice boa……いや、Nice cruiser.(背景はもちろん筑摩です的な意味で
とはいえ、そろそろ侵攻フェイズが見たいな。
よろしくお願いします。
- 436 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/02(水) 22:30:28 ID:.ntFUXC20
- N i c e B o a t !
・・・ところで、稲葉氏ですが”これ”(あとヤンデレ)を知る前に
転移したのか、はたまた知った後に転移したのか気になります。
ノーパソの中身が問題ですかな?
果たして何が入っていることやら
(えば・ナイスボート・しゃふる・ほたるのはか・・・・調査した係官が
鬱病で脳病院行きになって「こんな”劇物”を娯楽にしているんだから
あいつがおかしいのは当たり前」と調査記録に記入されましたとさ)
- 437 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/02(水) 22:52:28 ID:2Ygxjnnk0
- くろべえ氏あけおめ&投下乙です。
ヤンデレ殺人萌え亜人種少女というのもイイもんだ・・・。
デヴルー候もこれからそうなっていくのか・・・。
- 438 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/02(水) 23:43:48 ID:83/wJNuE0
- 投下乙です
そして、明けましておめでとうございます
うむ、これは良いヤンデレですね
羽場氏が気付いた時には既に何もかも手遅れになってそうな感が素敵です
つか、既に手遅れですかそうですか
>>437
デヴルー候は実は美少女だよ派はまだ健在なのか…w
- 439 名前:名無し三等兵@F世界:2008/01/03(木) 00:54:43 ID:dDKWsT0E0
- >>434
>少し前の話でDe少女が工面してますよ
そうなのだけど、まさか「商人に情報売って工面してきました」と少女が羽場に報告するわけにはいかないでしょ。
羽場は金の工面方法についてどのように事を把握しているのか?ってこと。
- 440 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/03(木) 11:54:18 ID:kXyokV4I0
- 全てを捨てて尽くす反面、嫉妬深くて独占欲が強い
一見可憐な美少女ですか・・・・
全てが露見して破滅した後、百年後あたりに芝居の題材とか
日本放送協会の連続映像劇の題材になりそうですなぁ。
こういった「全てを捨てて恋に狂う乙女」に美を感じるのが伝統ですから。
- 441 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/03(木) 12:44:26 ID:X0DjDoks0
- >>424
>ヤンデレキターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!
はい、紛うことなきヤンデレです。逝っちゃってます。
>>425
ヨークタウン様、有難うございます。
>ああ、なんてこったい!このまま悪化すれば、「中に誰も居ませんよ?」と抜かすような事を
>しでかすかも・・・・・(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
下手すれば羽場も「ブスッ!」?
その刃が他の女に向くか、それとも羽場に向くか……
>>426
426様、有難うございます。
>羽場は公金である金塊を持ち出されたことに気づいていないのでしょうか?
気づいてません。でも公金じゃなくて羽場の個人財産ですね。
>>427
検索したら凄っ!?
これが本物のヤンデレって奴なのか……
>>428
428様、有難うございます。
Nice boat!
- 442 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/03(木) 12:45:25 ID:X0DjDoks0
- >>429
陸士長様、あけましておめでとうございます。
>羽場よ、自分がどんだけ凄い爆弾抱えてるのかいい加減気づけ。
自分が完全に手綱を握っている、と思って(勘違いして)いますからねえ。ムリだ……
>姫様だったとは……王族クラスですか
王族ではありませんが、血縁もある大貴族です。
>>430
ダークエルフにもこんなのがいる、ということですかねえ。
彼等も完璧超人じゃあありませんから。
>>431
某ピンクにしては黒すぎるような……
>>432
名無し三等兵様、有難うございます。
>羽場、どこから100万リバー以上の金を工面したんだろう?
少女が色々裏工作しました。
この辺をやると更に長くなるので無念の割愛です。
>>433
433様、有難うございます。
>ドMにもなれるヤンデレっ娘
考えてみれば、完全なMだよなあ。羽場専用だけど……
- 443 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/03(木) 12:45:59 ID:X0DjDoks0
- >>435
435様、有難うございます。
>侵攻フェイズ
本当に申し訳ない、いらんトコで話がながくなってしまうのがくろべえの悪いところです。
後もう少し(?)お待ちください。
>>436
436様、有難うございます。
>・・ところで、稲葉氏ですが”これ”(あとヤンデレ)を知る前に
>転移したのか、はたまた知った後に転移したのか気になります。
ん〜〜、転移が平成19年2月だから知ってる……かな?
その辺はご都合主義ってとこで。(あれギャグですし)
>>437
437様、有難うございます。
>ヤンデレ殺人萌え亜人種少女
そういえば、この少女色んな属性持ってるなあ……
あとネコミミがつけば完璧?(もはやDEじゃあないな、それは)
>>438
438様、有難うございます&あけましておめでとうございます。
>羽場氏が気付いた時には既に何もかも手遅れになってそうな感が素敵です
この状況では、「死んでも気づかない」かはたまた「死ぬ直前に気づく」かってとこですかねえ。
>>440
コアなファンが付きそうな題目ですね。
とはいえもう完全な犯罪者だ……
- 444 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/03(木) 13:29:18 ID:X0DjDoks0
- SS投稿します。
- 445 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/03(木) 13:29:53 ID:X0DjDoks0
- 帝國召喚 第一部外伝1「事変前夜」
現デヴルー侯爵エドゥ・デヴルー・デ・ソリア(当時はエドゥ・デヴルー)は、前デヴルー侯爵エリアス・デヴルー・デ・ソリアとその“孫娘”アマイア・デヴルーとの間に生を受けた。
祖父と孫娘――人間は元より、およそ知性のあるアルフェイムの全種族において禁忌とされる婚姻である。が、これはかつて、人間の魔導師間で広く行われてきたことだった。
よく誤解されることだが、魔力というものはアルフェイム世界に生きとし生けるもの全てが持つものである。が、『魔力を持つ』ことと『魔法・魔術が使える』こととはイコールではない。一定以上の魔力が無ければ魔法・魔術は発動しないからだ。故にこの“一定以上の魔力を持つ者”を人間は“魔導師”と呼び、古来から重んじてきた。
……とはいえ、この魔導師という存在は、自然界におよそ『5〜7万人に1人』しか存在しない。このため、歴代の為政者達は人工的に魔導師を増やすことに努めてきた。具体的には魔導師或いはそれに準ずる魔力を持つ者、そしてその近親者達――彼等彼女等を保護・優遇すると共に内部での婚姻を強制し、組織的な近親婚で血を濃縮させたのである。様々な弊害をもたらしたもののこの政策は功を奏し、現在の中央世界では『魔導師は1万家族に1家族、それに準ずる者(魔導士)数家族』と言われる程に増加(ただし頭打ち状態)していた。加えて国の規模は大きくなり、他国との交流も密となっている。故に、辺境は知らぬが中央世界では魔導師(士)間でも近親婚は過去のものとなり、いつしかタブーと見做される様になっていた。
が、大陸から遠く離れた小国のイルドーレでは、未だに近親婚が健在だった。『魔導師5家、それに準ずる者(魔導士)20家』と小規模の上に他国の魔導師(士)との婚姻も望めぬ以上、それは止むを得ない選択だったのである。故に現在でも従兄妹・従姉弟どころか“叔父と姪”“叔母と甥”の婚姻が義務とされ、“祖父と孫”“父と娘”――或いはその逆――すら頻繁に行われていた。必然的に血は極限まで濃縮され、同時に濁っていく。現デヴルー侯爵エドゥ・デヴルー・デ・ソリアは、その正と負の側面が如実に現れた悲劇的な例だった、といえよう。
- 446 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/03(木) 13:30:28 ID:X0DjDoks0
- 強大な魔力と重度の肉体的障害を併せ持ったエドゥは、だが幸か不幸か知能は並以上だった。父デヴルー侯爵は息子を人目のつかぬ王都郊外の別邸に隠し、『お前には魔道こそ全て』と幼少から苛烈なまでに魔道を叩き込んだ、と伝えられている。(その体に魔石すら埋め込んだ、というのだから常軌を逸している!)
が、不幸とまでは言い切れなかった。この時期のエドゥは、両親の愛を確信していたからである。 ……弟エドゥアルドが誕生するまでは。
弟の誕生以降、両親の対応は目に見えて変化した。
まず、別邸を訪れる回数が減った。次に、あれほど熱心だった魔道教育も影を潜めた。それでも魔道に血道を上げる彼に、久しぶりに……本当に久しぶりに訪れた父はこう言った『家はエドゥアルドに継がす。もう魔道を学ばずとも良い、お前はここで自由に生きろ』と。 ……それは、魔道こそが全てだったエドゥへの全否定だった。
エドゥは、自分が『切り捨てられた』ことを、今までの愛情が全て『跡取りが自分しかいなかった故の止むを得ない選択』だったことを思い知らされた。
彼の世界が、音をたてて崩れた瞬間だった。
……それから間もなく、両親と弟が相次いで死去、エドゥ・デヴルーはデヴルー侯爵家を継いでエドゥ・デヴルー・デ・ソリアとなった。
世間の人々は、誰もが『デヴルー侯は両親と弟を呪い殺した』と噂したという。
- 447 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/03(木) 13:30:58 ID:X0DjDoks0
――――デヴルー侯爵邸。
『……夢、か。未だ引きづるとは、我も女々しいものよ』
目を覚ましたデヴルー侯は、自嘲気味に哂った。
“あの時”以来、彼は狂気の虜となっていた。自分が憎む全てを破滅に導くことこそが、生きる目的と化していたのである。
その究極の目標は、この様な忌まわしい体となった元凶、永遠の近親婚を強制するイルドーレ王国。王国の滅亡が彼の最終的な望みだった。
……が、小なりとはいえ国相手では如何ともし難い。
彼個人の魔力が如何に人間離れしていようが、国家が持つ軍事力には対抗できない。
兵を挙げようにも彼の所領は10ヵ村2000人と、(他を圧しているものの)1町300余ヵ村70000人の国家からみれば微々たるものだ。(*2)
王国三大臣の一人とはいえ(この様な身であるため)他の重臣との積極的な交流が望めぬ。である以上、恐れられてはいてもその権力は限られている。
確かに彼の力で王の一人や二人、貴族の十人や二十人、士の百人や二百人殺すことはできよう。が、それでも王国は続くだろう。
……それではだめなのだ。彼の望むは“完全なる滅亡”。『王統は絶え、貴族士族はその富と地位と名誉を剥奪され、平民共は地を這い蹲る』――そうでなければならぬのだ。
それ故に、今まで王国の屋台骨が傾くのを黙って見てきた、影で手を貸してきた。
その甲斐もあり、士族は困窮し平民は飢えている。 ……が、まだだ、まだ足りない。第一、貴族共は未だ富んでいるではないか!
- 448 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/03(木) 13:31:30 ID:X0DjDoks0
- 『“帝國”こそ、我の望みを叶える存在となるに違いない……』
が、即断は禁物だ。暫し時間をかけ、検分せねばならないだろう。
焦る事は無い、自分は長い長い間待ったのだから。
駒は着実に揃いつつある。
何を勘違いしたのかは知らぬが、下級貴族や士族共の若手改革派が自分を旗頭と仰ぎ始めているのだ。
……実に愚かなことだが、役には立つだろう。時勢は確実に自分に傾きつつある。
デヴルー侯は愉快気に哂い、薬湯を飲み干した。
*2 ――――『兵を挙げようにも彼の所領は10ヵ村2000人と、(他を圧しているものの)1町300余ヵ村70000人の国家からみれば微々たるものだ。』――――
デヴルー侯爵家は10ヵ村(領民2000人余)を賜っているが、これは貴族中最大の規模である。
が、これはあくまで魔導師(士)一門25家全体に与えられたものであり、宗家たるデヴルー侯爵家が代表して一括管理しているに過ぎない。(とはいえあくまでこれは名目であり、実質的には他の24家は宗家の家臣と化しているのだが……)
分割割合は宗家が25%、魔導師4家が計25%(各6.25%)、魔導士20家が計50%(各2.5%)。それぞれの収入を判り易く江戸時代風に表現すれば、宗家が500俵取の中級上位の旗本、魔導師4家が各100俵5人扶持の下級旗本、魔導士20家が各50俵取の上級下位〜中級上位御家人、といったところか。或いはイルドーレ王国が7万石前後の中堅藩レベルなので、宗家が家老格、魔導師4家が上士格、魔導士20家が中士とした方が妥当かもしれない。
- 449 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/03(木) 13:32:00 ID:X0DjDoks0
- SS投稿終了。
- 450 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/03(木) 14:21:18 ID:8nrKX5Tg0
- なんというNice Island。もうBoatじゃ生ぬるい。
- 451 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/03(木) 17:51:42 ID:2kvaqZkE0
- 投下乙です。
総人口7万程度の国家の破滅が望みですか。
イルドーレの中では異彩を放ってるデヴルー候ですが、
やはり所詮箱庭の中の住人ってことですかね。
- 452 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/03(木) 18:28:41 ID:VPXOL95o0
- >>451
たまたま滅亡させようとしている国がイルドーレだったからでは?
デヴルー候だったら相手が列強でも滅ぼそうと暗躍しそう。
- 453 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/03(木) 18:30:09 ID:3iv75Ik60
- 重度の肉体的障害……
はっ!もしやふたなり美少j(ZAP!ZAP!ZAP!
- 454 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/03(木) 18:38:00 ID:sNLd.xws0
- 生国を亡ぼそうとしてるんであって、人口の多寡は関係ないわな。
人間、無関係の10人殺すより、直接恨み持った一人を殺したいもんだろ。
- 455 名前:陸士長:2008/01/03(木) 19:20:13 ID:KNJCSNJU0
- 投下乙です。
やはり自分を生み出した存在に対する憎しみですか。
まぁ、帝國としては滅ぼすまでやっちゃうと色々面倒だから、
良い具合まで利用してロッツェル占領したら内紛でも何でもやってくださいで放置ですかね。
イルドーレの戦略的価値はロッツェル占領したら激減しますし。
- 456 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/03(木) 20:27:41 ID:fl83Oq8w0
- ぷろいす子の予感……
帝國の登場で予定変更もアリじゃないかと(無論、悲惨な方向へ
例えばイルドーレを地政学的に盲腸化した上で政治経済を破綻、
王侯貴族を名目上だけの存在にして臣民は史実の北韓みたいな
使い捨ての出稼ぎ要員(例・戦地での建設工兵)とか
- 457 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/03(木) 20:30:56 ID:r1NoW0uA0
- >帝國としては滅ぼすまでやっちゃうと色々面倒だから
だが悲しいかな、謀略が大の苦手である帝國人(大抵の
場合、利用されていることにすら気づかない)に対して、
デヴルー公は陰謀のために生きているようなお人。
油断できません。
なにはともあれ、乙ですくろべえさん
- 458 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/03(木) 21:24:50 ID:VhNXpGcw0
- >謀略が大の苦手である帝國人
にもかかわらず陸軍は謀略大好きだったりします。彼らは帝國のために行動するでしょう。そして結果は必ず予想のはるか斜め上にw
くろべえさん乙です。
- 459 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/03(木) 23:15:30 ID:cpHQKBdo0
- で、野望があと少しで達成とゆーところで寿命がきたりして。
- 460 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/04(金) 08:19:45 ID:xEGhh4YE0
- 野望達成。でも虚しさだけが残ったデヴルー侯
↓
羽場が引き取る
↓
デヴルー侯は羽場に惚れる、で壊れる
↓
De少女とデヴルー侯の壮絶な修羅場
↓
羽場の運命は・・・(分岐)
- 461 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/04(金) 09:51:07 ID:r1NoW0uA0
- 野望達成。でも魔力が暴走し、性別が変わってしまったデヴルー侯
↓
羽場が引き取る
↓
デヴルー侯は羽場に惚れる、で壊れる
↓
De少女とデヴルー侯の壮絶な修羅場
↓
羽場の運命は・・・(分岐)
- 462 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/04(金) 11:36:49 ID:X0DjDoks0
- >>450
確かに今回は内容が過激というか、少々やり過ぎな気がします……自分でも。
>>451
451様、有難うございます。
彼は怨みつらみに染まって視野狭窄起こしていますからねえ……ぶっちゃけ、復讐することしか考えていません。
でも、それで王侯貴族はおろか無関係な士族、はたまた平民まで同列扱いしているのだから、ある意味“広い”かも。
……問題は、こんな狂人よりも重臣連中の方が見識が狭いことだよなあ。
まあ彼らは“イルドーレは不変(すくなくとも自分の孫やひ孫の代までは)”なんて本気で信じてる連中だから、無理も無いか。
>>453
>重度の肉体的障害
何回かのSSにある通りの、麗しいお体です。
>>455
陸士長様、有難うございます。
>イルドーレの戦略的価値はロッツェル占領したら激減しますし。
確かに減りますが、激減とまではいきません。
攻めやすく(大陸まで僅か200海里)、守りやすい(周囲を海に囲まれている上に敵空中戦力の攻撃圏外)位置にありますし、規模も大きいですから後方拠点には最適でしょう。
- 463 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/04(金) 11:37:22 ID:X0DjDoks0
- >>456
>帝國の登場で予定変更もアリじゃないかと(無論、悲惨な方向へ
多分、侯もそう考えているでしょう。彼にとってはイルドーレ人の悲嘆こそが愉悦ですから。
>臣民は史実の北韓みたいな使い捨ての出稼ぎ要員(例・戦地での建設工兵)とか
実は現在でも、イルドーレ人の女は娼婦として多数送り出されています。
……というより事実上の主要産業? 些か大袈裟ですが、「娼婦の声がかからない平民の女はよほどの醜女か金持ち」なんて揶揄も。
>>457
457様、有難うございます。
>謀略が大の苦手である帝國人
彼等の謀略は単純で洗練されていませんからねえ。
中国を見習え……とまでは流石にいいませんが、せめてお隣の半島国家の1/3(それ以上はノーサンキュー)程の行動力と執着心があれば。
>>458
458様、有難うございます。
>陸軍は謀略大好き
今は大内海に引き篭もってます(笑)
権益はもう(今のところは)十分ですからねえ……
>>459
正直、ここまで生きてこれたのが不思議なくらいですよ。(←伏線)
>>460、461
実際そうなったら羽場は死にます、ええ確実に。
- 464 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/04(金) 18:44:22 ID:10rFQK5A0
- お隣の半島国家は・・・・行動力と執着心だけはあるでしょうけど、そのほぼ全てが裏目にでるというw
実はあの中国の世論調査で「嫌いな隣国」に日本を抜いて韓国が1位で選ばれていたそうですしw(無節操なウリナラ起源が原因らしいですw)
まぁ彼らのは謀略と言うか、本能の赴くまま行動して自爆・・・みたいないつものパターンw
- 465 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/04(金) 22:32:24 ID:bK1em05Y0
- >>464
それマジかw
あんだけ反日教育してる中国で日本追い抜いてってのは想像付かんw
- 466 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/04(金) 22:54:57 ID:iRWGMsmg0
- 漢字は朝鮮起源、孔子は朝鮮民族の出、
中華の祭事を朝鮮起源の祭事として世界遺産に登録等、
これまで日本に対してやってきた事と同じ、歴史、文化の盗用すれば、
そりゃ嫌われるでしょう
- 467 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/04(金) 23:33:42 ID:bK1em05Y0
- >>466
気合入りすぎだろwよりによって中国に仕掛けるとは・・・
へタレ日本と違ってシナは怖いぞ
もうその調子で中東あたりにもけんか売って欲しいなw
- 468 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/05(土) 00:44:07 ID:mBUswYI20
- ヴィジュアルイメージが羽場の周辺がNICE BOAT系
ヤンデレ美少女エロゲーなのに、デヴルー侯周辺がベルゼルクしてる・・・
ここで、いきなり「五人のゴッドハンド」とか「使徒」が出てきても
漏れは驚きませんぞ。
壮絶な恨みだけで生きながらえている異形の大魔道師・・・
ああっ!萌えるのは不可能ですぅ
- 469 名前:陸士長:2008/01/05(土) 04:43:58 ID:KNJCSNJU0
- >もうその調子で中東あたりにもけんか売って欲しいな
喧嘩というか、起源云々ではありませんが宗教で思いっきりトラブル起こしてるみたいですね。
韓国教会の宣教はかなりやり方がやばく、現地に土足で踏み込む様な事をして反発を買いまくってるようです。
アフガニスタンの韓国人拉致事件、あれも元はと言えばボランティアが宗教色を出しまくりながら派手に行動した結果なのようで。
スレ違いの話しですんで、これで止めておきます。
- 470 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/05(土) 15:36:58 ID:Gu7aytxY0
- これで、羽場に上司や親の方から「見合い話」が舞い込んできたら
どうなることやら。
妾はともかく嫁はやっぱり帝國人・・・と言う風潮は表ざたにはならないものの
内心皆持ってるでしょう。
で、少女はDE本国へ帰国
これが、少女にとって一番の恐怖かもしれんですな
- 471 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/05(土) 17:19:16 ID:83/wJNuE0
- >>470
ンな事になったら、もう「NiceBoat」まっしぐらな展開に
- 472 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/05(土) 22:55:41 ID:rA.E4kz60
- 軽く紛争になったのでその辺の乙巡に満遍なく艦砲射撃させる
→上陸部隊「島に誰もいませんよ?」
- 473 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/05(土) 22:57:35 ID:SyYLBGw20
- その前に根性で孕みます。
- 474 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/06(日) 04:15:52 ID:gnxG9knM0
- これで、帝國に一時帰還した羽場に年の離れた女学生の妹が・・・とか、
年下の健気な幼馴染が出迎えて・・・とか。
いかんな〜、どんどんBADENDエロゲーのシチュエーションが!
でも、彼は多分この島で人生を終えるのだろうな。
- 475 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/06(日) 14:08:06 ID:X0DjDoks0
- SS投下します。
- 476 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/06(日) 14:09:52 ID:X0DjDoks0
- 帝國召喚 第一部外伝1「事変前夜」
――――イルドーレ王国、王城。
いつもの様に昼過ぎに起きた王は、やはりいつものように朝食と昼食を兼ねた軽食を摂っていた。
蜂蜜漬の果物にビスケット、よく冷えたワイン――全て大陸から取り寄せたものばかりだ。
王は侍女の膝枕の上で、気だるそうに果物片を乗せたビスケットを口に入れる。と……
「ぐ、ぐふっ!」
急に喉を押さえて苦しみ出したかと思うと、大量の吐血を始める。
侍女は慌てて人を呼ぶが、手遅れだった。
典医が駆けつけた時には王は喉を掻き毟り、凄まじい形相で事切れていた。
イルドーレ王国、動乱の幕開けである。
大内海と中央世界の境に位置し、後に“帝國の表玄関”とも“函谷関”とも謳われる昭北諸島。
――が、この当時は他の大内海に浮かぶ島々同様、まったくの未開地であった。
- 477 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/06(日) 14:10:24 ID:X0DjDoks0
- というのも、当時は拠点としての機能の大半を病院船(病院)・油槽船(燃料貯蔵)・運送艦(物資貯蔵)・工作艦(整備/機械工場)・給糧艦(食糧工場)等々……といったフネ(海上)に依存しており、陸地にあるものといえば丸太造りの宿舎か大半、後はやはり丸太造り――それも申し訳程度に天井だけ付けた様な――の指揮所か作業所くらいのものであり、その規模は別として『原住民の集落とさしたる変わりがない』という惨憺たる有様だったからである。 ……尤も、これは上で述べた通り、各地でよく見られる光景であったのだが。(むしろ比較的充実した数のフネが手当てされている分、昭北諸島の将兵は恵まれていたとも言える)
故に、軍民問わず上級者は沖に停泊する艦船に宿泊することを常としていた。
――――“帝國”領昭北諸島本島(昭北島)沖、一等巡洋艦“筑摩”。
……吉田が羽場の“行為”を知ったのは、実に仮調印が終ってからのことだった。
それも帝都経由で知らされたのだから堪らない、面目丸潰れである。この頭越しの行為に吉田の怒りは爆発した。
「あの大馬鹿野郎!」
罵声と共に、吉田はテーブル上の灰皿を床に叩きつける。
ガッシャーン!
欧州製の硝子灰皿が、甲高い音を上げて砕け散った。
が、この程度では到底怒りは収まらなず、手にしたステッキで辺りを殴りつける。棚の硝子戸は無論、中に保管してあるウイスキーやワインの瓶、グラスが次々と破壊されていき、たちまち絨毯の上には水(酒)溜りと無数の硝子片が散らばっていく。
- 478 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/06(日) 14:11:01 ID:X0DjDoks0
- これ程までに吉田が怒り狂うのは、若造如きに舐められたから……ではない、いや無論それもあるだろうが、それ以上に深刻な問題を内包していたからである。
大使を無視して現地の一外交官が勝手に条約を結ぶ――これは極めて重大な越権行為であり、かつ外交秩序を根底から揺るがす行為に等しい。この様な真似をされては外交が成り立たず、今後のことを考えれば厳罰に処すべきであった。 ……もしもこれが、一外交官の暴走だけの話であるのなら。
が、現実は更に深刻だった。信じ難いことに、この件には本省高官も複数噛んでいる、というのである。
これは外務省内部で深刻なモラルハザードが起きている証拠であった。(なまじかつての栄耀栄華を知るだけに落胆も大きいのだろうか? 何れにせよ僅か一年半足らずの、だが先の見えぬ冷や飯生活により省内がガタガタになっている、ということを痛感せざるを得ない事件だ)
と同時に、もしもこの問題を追求するとすれば羽場本人は無論、関係した非主流派の本省高官達……そして主流派の代表格である吉田自身の責任問題に発展することをも意味していた。下手に追求すれば、責任の所在を巡り外務省は真っ二つに割れかねない、そして今この状況で割れることは自殺行為にも等しい。
……故に、長老連が仲介に入ったのだ。この件は有耶無耶にしろ、と。 ……羽場の行為を伝えた“帝都”からの連絡は、その長老達からのものだったのだ。
流石の吉田も大先輩連に『外務省のため』と拝み伏せられては、矛を収めるしかなかった。そのやり場のない怒りを、先の行為で発散していたのである。
- 479 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/06(日) 14:11:32 ID:X0DjDoks0
- ズー
そんな狂乱を気にも留めず、ソファには白髪豊かな老いたダークエルフが“帝國”茶を啜っていた。
そして吉田が息切れしたところを見計らい、口を開く。
「気は、すみましたかな?」
「済むはずがないだろう」
憤懣やるかたなし、といった口調で答える吉田。
ギロリ、と老ダークエルフを睨み付ける。
条約を結ぶ過程が問題なら、条約そのものも問題だった。
今回買い取った島々は、確かに拠点として最適の位置にある。
が、だからこそ中央世界進出派は勢いづくだろう。
それこそ彼等が拙速な行動に出かねない、“危険な玩具”と言えた。
……要するに、羽場は二重に『やってくれた』のである。怒って済む問題ではないが、怒らずにはいられなかった。
(実際は更に問題を起こしていたのだが、現在の吉田には知る由も無い)
「が、あの大馬鹿野郎は小役人だ。 ……いや、『だった』というべきか」
吉田が見るところ、羽場は『下には強く上には弱い』という典型的な小役人だった。加えて全くの無能、という訳でもない。
だから、とても思えないのだ。こんな大それたことをしでかす男には。
「ほう?」
- 480 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/06(日) 14:12:06 ID:X0DjDoks0
- 「あいつに付けられた助手は、女だそうだな?」
「……仕方がありませぬよ。何しろ現在の我々は始まって以来の人手不足、女も動員しなければやっていけません。そうなると必然的に後方任務には女が回される、という訳です」
何しろ女一人が産める数など限られていますが、男は一人でも何十人と孕ませられますからなあ、と首を振る老ダークエルフ。
が、吉田は厳しい顔つきを変えようとしない。
「今までお前達は我々(“帝國”人)を誑し込んでも、政策には介入してこなかった。だからその行為にも目を瞑っていた。
が、此度の一件……返答次第によっては俺も腹を決めるぞ」
「……閣下は何か勘違いしていらっしゃる」
吉田の本気の怒りを読み取り、老ダークエルフも真剣な口調で応える。
「今回の件では私は……いや、“我々”は彼女に何の指示も下していません。“我々”が与えた命令はただ一つ、『しっかりと仕えよ』これだけです」
「その言葉に、嘘偽りはないな?」
「勿論」
「では、今回はこれで退こう。が、納得した訳ではないからな」
「ありがとうございます、この件に関しては我々の方でも調査しましょう」
吉田は鼻で哂った。
- 481 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/06(日) 14:12:50 ID:X0DjDoks0
――参ったな、本気で怒っておられる。
老ダークエルフは内心、大きな溜息を吐いた。
……そもそも彼自身、あの少女を送り込むのに反対だったのだ。
何をしでかすか想像もつかない――彼はそう強硬に主張したが、あの“姫君”に押し切られてしまった。せめて監視は密にしようと考えたが、それも彼女が割って入って潰された。挙句がこのざまだ。
彼にはおおよその見当(あらまし)がついていた。
少女を支配したことにより、気が大きくなった異常性癖の小役人
初めての男、初めての幸福に舞い上がっていた世間知らずの孤独な少女
この両者の相乗効果により、今回の事件は引き起こされたのだろう。
男のために女は浅知恵を持ち出し、のぼせ上がった男は深く考えずに実行した――考えるだに馬鹿馬鹿しい話だ。
――まったく、姫様は何を考えておられるのか、こうなることは判っていただろうに……
老ダークエルフには彼女の考えがさっぱり判らなかった。
無論、判りたくもなかったが。
- 482 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/06(日) 14:13:30 ID:X0DjDoks0
- SS投下終了。
- 483 名前:名無し三等兵@F世界:2008/01/06(日) 14:34:29 ID:dDKWsT0E0
- くろべえさん、投下乙です。
吉田さんの怒りがよく分かる。というか、自分も叫びたかった。
外務省が一つ得点しても、一つ汚点増やしては何にもならないわけですし。
「姫君」の責任問題はどうなるんだろう?
- 484 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/06(日) 14:45:14 ID:6aIEyzZk0
- 「姫君」の地位によってはDE全体の問題になるだろ。
つまり帝國反DE派の将来に波及する取引材料になるわけで。
DEもしばらくおとなしくしなければならないくらいの失点になるかな?
- 485 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/06(日) 15:03:11 ID:lGUFSpGY0
- くろべえさん、投下乙です。
思わず、吉田さんの顔が歯軋りする虎眼先生の「やってくれた喃!」の恐相に見えましたw
「姫君」の思惑は与り知りませんが、将来の宰相候補を反DEへと決定づけかねない軽挙だったような。
このことがDE自身にも襟元を正す必要性を痛感させる契機となるのかな…?
- 486 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/06(日) 15:27:38 ID:tIl0t7H6O
- なんか最近くろべえ氏が某エロゲデブと重なって見えてきた………
- 487 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/06(日) 16:08:23 ID:8nrKX5Tg0
- くろべえさん、投下乙です。「姫君」なにやってんの。
個人的に帝國を試してるのかもしれませんね、DEも帝國追従に一枚岩ではなかろうし。
- 488 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/06(日) 18:31:39 ID:4B/9KNTo0
- >欧州製の硝子灰皿が、甲高い音を上げて砕け散った。
>が、この程度では到底怒りは収まらなず、手にしたステッキで辺りを殴りつける。棚の硝子戸は無論、中に保管してあるウイスキーやワインの瓶、グラスが次々と破壊されていき、たちまち絨毯の上には水(酒)溜りと無数の硝子片が散らばっていく。
これは英国勤めの影響か?
チャーチルが怒った時に似たようなことやってるよね
- 489 名前:陸士長:2008/01/06(日) 20:26:31 ID:KNJCSNJU0
- ああ、ついにばれてしまったですね。
吉田さんの怒りはごもっともです。
吉田さんからすれば「殺しても殺したりない」位に腸が煮えくり返っていると思います。
尤も羽場からすれば「愛国心からやった事です」と真顔で言う事でしょうね。
姫様の謎の動きと放蕩王の毒殺。
イルドーレを巡ってDEの策謀が始まっているみたいですね。
一枚板では無いDE、狂者の計略が動き始めたらどうなる事やら。
- 490 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/07(月) 09:03:48 ID:X0DjDoks0
- >>483、484
名無し三等兵様、有難うございます。
>吉田さんの怒り
外務省の内外に火種を持ち込む行為ですからねえ。
しかし女によって男は変わる、ということを失念(或いは軽く見ていた)吉田さんのミスでもあります。
>「姫君」の責任問題はどうなるんだろう?
>「姫君」の地位によってはDE全体の問題になるだろ。
外務省自体がこの件を不問にするわけですから、少なくとも「姫君」の責任は問えません。それに現実問題、越権行為を働いたのは外務省官僚である羽場ですからねえ、示唆に関しても証拠はないし……
まあ凋落著しい外務省が仮に騒いでも、他の組織にしてみれば余所の問題(他人事)なんですよね。(外務省の責任逃れ、ともとられかねない)
無論、そういう問題ではないのですが、大方の見方はそんなものでしょう。
ですから、「責任」は問われません。一部の方々の「信用」は損なわれますが。
(この辺の詳細は何れSSで……)
>>485
485様、有難うございます。
>「姫君」の思惑
結局はコレですね。
火薬庫で火遊びするような真似をした彼女の真意は……
- 491 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/07(月) 09:04:20 ID:X0DjDoks0
- >>486
>某エロゲデブ
外伝遅筆&旧作放り投げ以外心当たりがありません(笑)
>>487
487様、有難うございます。
>DEも帝國追従に一枚岩ではなかろうし。
王がいるとはいえ、世界中に散らばる一族ですからねえ。
系統も幾つもありますから、帝國同様にいろいろな考えがあるでしょう。
>>488
>これは英国勤めの影響か?
かもしれません(笑)
なんとなくやりそうだったので……
>>489
陸士長様、有難うございます。
>羽場
もうあちこちでフラグたてまくりです。
一体、どうなるのでしょう?
ちなみに彼の行動が原因で当時軍事参議官だった及川海軍大将が暗躍、連合艦隊と同格の北方方面艦隊を新設するのですよ。
これ、GF大激怒のイベントです。
- 492 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/07(月) 20:04:12 ID:fl83Oq8w0
- いよいよnice boat.オチですか?
深夜・イルドーレ某所
デヴルー侯の死体のそばで事切れている羽場を抱きつつ恍惚の表情を浮かべるDE少女
同時刻・一等巡洋艦“筑摩”
懐中時計のガラスに映る吉田が渋面のまま頷く
“筑摩”艦長「撃チ方用意」
復唱と共に発射準備が進められる艦内
“筑摩”艦長「撃チ方始メ」
旋回する砲塔の右砲身だけが仰角を取る
“筑摩”砲術長「撃(テ)ッ」
(悲しみの向こうへと 辿り着けるなら)
“筑摩”艦上に交互撃ち方の発砲炎
(僕はもう要らないよ ぬくもりも明日も)
イルドーレの海岸に幾つかの火柱が立つ
尚も発砲を続ける“筑摩”
(静寂の闇に 舞い降りた夢は)
“筑摩”艦橋で望遠鏡を覗きつつ指示を与える艦長の口パク
(Who...? 束の間 零れた 頬の光)
窓からの照り返しを浴びて上気するDE少女の顔
(Why...? 脆すぎた世界 留める術を知らずに)
短い沈黙の後、斉発に転じる“筑摩”
(ただ僕は願ってた)
三式弾の着弾によって紅蓮地獄と化す海岸
(そう 忘却を)
一瞬の内にかき消されるDE少女たちの影
(悲しみの向こうへと 辿り着けるなら)
双眼鏡を下ろす“筑摩”艦長
(僕はもうこれ以上 何も感じなくていい)
ため息と共に帽子を脱いで胸元に捧げ、再び被り直す吉田
海岸の惨禍を後にする“筑摩”
- 493 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/08(火) 12:53:45 ID:X0DjDoks0
- >>492
力作、お疲れ様です。
いよいよnice boat.オチ……かどうかは不明ですが、後半に入ります。
やっと話がリンクする……
ではSS投下します。
- 494 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/08(火) 12:54:35 ID:X0DjDoks0
- 帝國召喚 第一部外伝1「事変前夜」
吉田の危惧は、直ぐに現実のものとなった。
ピグニス諸島の編入を睨み、海軍は北方方面艦隊が新設した。
同艦隊は昭北諸島以北の海域及び沿岸地域での作戦を担当する、(その規模は兎も角として)連合艦隊と同格の組織である。加えてその司令長官は全権大使たる吉田とも“同格”とされ、制限付きとはいえ独自の外交判断すら容認されている。 ……おまけに初代長官は及川古志郎海軍大将。いわずと知れた海軍右派であり、かつ外務省に非好意的で有名な人物であった。
海軍右派とは、具体的にはかつて“艦隊派”とされた面々を中心とした勢力である。彼等は現在の海軍整備計画(*1)に対する強い不満を持っている、という点で共通していた。
『このままでは英米に大きな差をつけられる!対抗できなくなってしまう!!』
――それ故に、彼等は戦争を望んでいた。かつて日支事変により軍事予算の制約が取り払われた様に、二匹目の泥鰌を狙っていたのである。
彼等が望むは“海軍を主役とした戦争”。好きな時に好きな場所で始め、好きな時に望んだ結果で終らせられる、戦争をコントロール出来る、という自信がある故の望みであった。
- 495 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/08(火) 12:55:40 ID:X0DjDoks0
- ……とはいえ、彼等は決して一枚岩ではない。その実態はただ艦隊増強の点で一致しているだけの、同床異夢の集団に過ぎなかった。
その良い証拠が、今回の“北方方面艦隊の新設”だ。同艦隊の新設により、結果として連合艦隊は蚊帳の外に置かれることとなった。権限と武功を立てる機会を奪われたのである、さぞかし怒り心頭であろう。右派が両艦隊に存在することを考えれば、とてもではないが“一枚岩”などと言えないことが判る。(蛇足だが“武功を立てる機会”といえば、北方方面艦隊司令長官職は元帥位を得るに最適とも見做されており、この椅子を巡って一悶着も二悶着もあった様だ。嘘か真かは判らぬが『司令長官職を巡って海軍大将同士が殴り合いを演じた』という噂が立つ程だから、頭が痛い)
意外なことに、この海軍の状況とは真逆に、陸軍の反応は冷淡を通り越して全くの無関心だった。大内海沿岸地域だけで『お腹いっぱいご馳走様』な彼等にとり、中央世界進出など何ら食指の動くものではなかったのである。(*2)
転移後、陸軍と海軍の立場は完全に入れ替わっていたのだ。
……まあ何れにせよ、吉田は実に難しい立場に立たされていることに変わりは無かったが。
イルドーレ王の死は暫くの間伏せられ、新王の即位と共に発表された。(無論、その真実が発表される筈も無く、『急な病のため』とされた)
新王は“前王の異母弟”とされたが、実際は“遠い縁戚”に過ぎないことを誰もが承知していた。事実上、王統はここに絶えたのである。
が、朝野は新王即位を祝福する声で溢れ、これを問題とする者はほとんど存在しなかった。
- 496 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/08(火) 12:56:24 ID:X0DjDoks0
- 即位の祝いとして、来年度の税が1/10軽減されたことも大きいだろう、士族に対してまとまった額の一時金が与えられたことも無視できない。
が、新しい王に対する期待が……いや、それ以上に前王に対する不満が大きかったのだ。
――前の王様は、お食事中に喉に物を詰まらせて亡くなった。
だからこそ、真実を覆い隠す嘘として重臣達が流したこの噂を、人々は積極的に信じた。
「なんでも、美姫の膝枕で寝転びながらお食べになっていたそうな」
「朝に寝て夜起きる、なんてことをずっとなさっているから、喉が弱りきっていたのだろうさ(*3)」
この様な会話が城下で半ば公然となされ、人々は口々に笑いあったという。
――――在イルドーレ王国“帝國”連絡事務所。
「頭が痛いな……」
王の死に関する報告書を書きつつ、羽場は溜息を吐いた。
- 497 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/08(火) 12:57:08 ID:X0DjDoks0
- この所、寄航する“帝國”海軍将兵と現地人との間で、いざこざが続発している。
蛮族が景気よく振舞うことに、何より娼館で見目良いイルドーレの女達を買いあげ、あまつさえ連れ回すことに、イルドーレの民が嫉妬と反感を抱いたのだ。
確かに『イルドーレの主要輸出品は女』などと大陸で笑われる程に、イルドーレは女を他国人に売っている。
が、今まではこの様に間近でその様を見ることはなかった。ましてやその相手は蛮族と侮る相手である、正当か不当かは別としてその心中が穏やかでないことは当然だろう。
かくして衝突が頻発し、羽場は奔走する羽目となる。
まず激怒する海軍の将兵を宥め、
娼館の主達と共に役人に取り締まり強化を要請――むろん賄賂は必須だ――し、
最後に事後報告だ。最近は寄航が週に一度はあるので、目の回る忙しさだ。
――そんな状況の彼にとり、王の死は『余計な仕事が増えた』以外の何者でもない、溜息の一つも吐きたくもなるというものだった。
「海軍の連中も、もう少し地味にしてくれれば良いものを……」
そう天を仰ぐが、彼等には彼等の事情がある。
幾らたっちぷり加俸されているとはいえ、使い道も碌に無い昭北島暮らしを余儀なくされているのだ、偶の外出時位は派手にやりたいのが人情というものだろう。(用も無いのに海軍が寄航数を増やしたのもこのためである、月に一度ではいつまでたっても順番が回らないのだ)
- 498 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/08(火) 12:57:40 ID:X0DjDoks0
- 「久治様も、外出時はお気をつけ下さいね」
案ずる少女の言葉に、羽場は五月蝿そうに手を振った。
「判っている。が、俺にはコルトがあるさ」
「一人や二人の平民相手なら、役に立つでしょうが……」
「狭い町だ、群れたら役人共がすっ飛んでくるさ。竜車にも乗っていることだし、問題は無い」
「ですが……」
尚も言葉を続けようとした少女だったが、羽場に睨まれて忽ち口を閉ざす。
そんな様子をつまらなそうに鼻で哂い、羽場は書類に目を戻す。
――が、ふと思い出した様に口を開いた。
「お前、“呪いの魔法”を知っているか?」
「?」
「いや何、前王の死因についてだが、『デヴルー侯爵が呪い殺した可能性もあるのでは?』と思ってな……」
前王が殺されたことは羽場も掴んでいたが、その下手人については以前闇の中だった。
故に幾つもの可能性を考えていたのだが、その過程で『デヴルー侯爵が呪い殺したのでは?』と思いついたのだ。
侯が“呪いの達人”とされていること、最近改革派の中でも過激な連中の頭目に祭り上げていることからも、全く故無きことではないだろう。
- 499 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/08(火) 12:58:20 ID:X0DjDoks0
- 「う〜ん、私は呪術は詳しく無いので断言はできませんが、たぶん違うと……少なくとも呪殺の可能性は非常に低いと思います」
「詳しくない? お前達は魔法の専門家だろう?」
「呪術は非常に特殊なのですよ。 ……それに私、魔術は基礎しか学んでませんし」
「ああ、そういえばお前はみそっかすだったな」
「……そうですね。でも、やっぱり呪殺は無いと思います。仮に侯がやったにせよ、方法は別でしょう」
「何故だ?」
「呪術は、非常に不安定で不確実なものなのですよ」
様々な方法はあれど、呪いとは簡単に言ってしまえば負の感情を対象にぶつける行為である。乱暴な言い方をすれば、相手を陰湿ないじめで病気や自殺に追い込むことと変わらない。
それ故に時間がかかり、効果も不確実だ、相手を苦しめるには悪くないかもしれぬが、如何考えても暗殺向きではない。相手を一瞬の内にショックさせるには、余程の至近距離から、余程強烈なものをぶつける必要があるだろう。 ……それを考えれば、傍の椅子で殴りかかった方が遥かに手っ取り早い。
「いじめ、ねえ…… 呪いというには随分とスケールが小さいな?」
「……久治様、いじめは恐ろしいものですよ? 人の精神くらい、簡単に壊してしまいますから……」
「大げさな」
軍生活も経験せず、今まで何不自由なく暮らしてきた羽場は、少女の言葉を笑い飛ばした。
- 500 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/08(火) 12:58:55 ID:X0DjDoks0
- *1 ――――『現在の海軍整備計画』――――
転移以来、“帝國”海軍は大型艦の新規建造を凍結していた。また転移時に計画・建艦中だった艦についても多くが白紙或いは解体されていた。
具体的には――
戦艦は竣工間近の“武蔵”を除き解体、他の全ての建造計画を凍結。
航空母艦は全ての建造計画を凍結、増勢は短期間で達成できる商船からの改装で賄う。
巡洋艦は“大淀”及び“阿賀野”型4隻のみを建造とし、それ以外は凍結する。
――こととされた。これにより建造される(予定の)大型艦は以下の通り。
戦艦:“武蔵”
航空母艦:“隼鷹”“飛鷹”“大鷹”“雲鷹”“冲鷹”“瑞鷹”“祥鷹”“神鷹”“海鷹”“天鷹”
巡洋艦:“大淀”“阿賀野”“能代”“矢矧”“酒匂”
(ただし航空母艦は全艦商船からの改装)
転移以降、“帝國”海軍が建造した或いはしつつあるフネの大半は1000tに満たぬ小型特務艦船――それも漁船形式の――だったのである。これでは英米に対抗することは絶望的だった。
*2 ――――『この海軍の状況とは真逆に(省略)中央世界進出など何ら食指の動くものではなかったのである。』――――
だからといって陸軍が道義的に海軍よりも優れていた訳ではない。彼等が無関心だったのは「海軍ほどには軍縮に危機感を抱いていなかった」「動かそうにも動かす兵が無かった」こともあるが、それ以上に「大内海沿岸で膨大な権益を手に入れていた」からであろう。その分配と消化に忙しい彼等にとり、中央世界進出など画餅に過ぎなかったのである。(逆に見れば「大内海での権益に乏しい海軍が、権益を求めて打って出た」という見方もある)
*3 ――――『朝に寝て夜起きる、なんてことをずっとなさっているから、喉が弱りきっていたのだろうさ』――――
照明が未発達だったこの時代、魔道によるものは元より効果の低かった一般の照明ですら非常に高価なものだった。故に、朝に寝て夜起きる、などという行為は“最大の悪徳行為の一つ”と考えられていた。
- 501 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/08(火) 13:00:21 ID:X0DjDoks0
- SS投下終了。
次回以降、いよいよ“明神丸”事件以後の話となります。
- 502 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/08(火) 16:09:11 ID:lUmeIgxc0
- 投下乙
『柳の下に二匹目の泥鰌はいない』ってのを知らないんでしょうかねぇ・・・
まぁ一度美味しい思いをしたからには何回も手を出してしまうんでしょうが
- 503 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/09(水) 13:21:23 ID:Yc3E9d5w0
- くろべえさん乙です
>かくして衝突が頻発し、羽場は奔走する羽目となる。
>
>まず激怒する海軍の将兵を宥め、
>娼館の主達と共に役人に取り締まり強化を要請――むろん賄賂は必須だ――し、
>最後に事後報告だ。最近は寄航が週に一度はあるので、目の回る忙しさだ。
なんだか、羽場がちゃんと仕事をしている場面を初めて
見たような気がします(笑
- 504 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/09(水) 17:28:00 ID:X0DjDoks0
- >>502
502様、有難うございます。
>『柳の下に二匹目の泥鰌はいない』ってのを知らないんでしょうかねぇ・・・
史実でも、同じ手何度も使ってますからねえ……
更に悪いことには、別においしい思いをしていなくても繰り返すというアレさです。、
>>503
一応、今までもいろいろ動いてはいましたが、あまり実を結んでいませんでしたから、仕方が無いかなあ(笑)
さて一段落もしたことですし、外伝「事変前夜」をHPにUPし始めました。
結構たまってるので、次回更新は少し遅れるかも……
- 505 名前:ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2008/01/10(木) 10:15:19 ID:Bohu6sek0
- くろべえ氏投下お疲れ様です。
国王が死去した事で、イルドーレの経済の悪化は少し良くなりそうですな。
一方の羽場さん、内でも外でも忙しそうですね。自分としては、特にあの
少女がまたやらかしそうな感じがしてちょっと怖い気がします (。・x・)ゝ
- 506 名前:陸士長:2008/01/11(金) 00:10:13 ID:KNJCSNJU0
- 羽場が仕事してるなんてちょっと驚き。
しかし、崩御したのに悲しむ人が誰1人として居ない国王って……。
悲しむんじゃなくて、寵愛を受けてたり取り巻きしてた奴らは困っていそうですが。
そらまぁ、格下(と思ってる)の存在が自国の綺麗ドコを美酒片手に連れ回してたら腹立ちますわな。
自分らは食べるのにもカツカツなのに、娼館貸し切りで酒飲んで大騒ぎ。
勘違いも含まれてますが、これで騒動が起こらない訳はないと。
……ごく自然に陰謀企んでこんな事してませんかね海軍さんは。
- 507 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/11(金) 08:16:14 ID:Il9dO2Oc0
- 海軍は薩摩閥の流れを汲む組織だと思うと
>……ごく自然に陰謀企んでこんな事してませんかね海軍さんは。
が本当にそうとしか思えない不思議。
- 508 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/14(月) 14:06:04 ID:bPFE4Dto0
- >「……久治様、いじめは恐ろしいものですよ? 人の精神くらい、簡単に壊してしまいますから……」
>「大げさな」
> 軍生活も経験せず、今まで何不自由なく暮らしてきた羽場は、少女の言葉を笑い飛ばした。
これはあれだな
いつか羽場が大ポカをし、そのことが大々的にバレてしまって政府や国民から総スカン
いじめは恐ろしいということを身を持って体験する
という伏線ですか?
- 509 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/14(月) 14:09:49 ID:oxUizOn.0
- 単に少女自身が虐め(存在そのものを無視)られてきたことで、心が壊れてるって暗示じゃないかな
- 510 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/14(月) 14:10:33 ID:.hIbzfng0
- 毎日、新聞の一面に「無能官僚 羽場 帝国の威信に泥を塗る」とか
投書欄に悪口が連なり、屋敷の周りでは毎晩罵声が!
・・・・と言う、弁護にドラえもんを持ち出した人権弁護屋みたいなことに
なるのですね
- 511 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/14(月) 17:25:27 ID:5cdVuct20
- >「……久治様、いじめは恐ろしいものですよ? 人の精神くらい、簡単に壊してしまいますから……」
>軍生活も経験せず、今まで何不自由なく暮らしてきた羽場は、少女の言葉を笑い飛ばした。
亀レスですが
本土に戻った時の羽場の末路を暗示してるような気がします。
- 512 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/16(水) 11:29:12 ID:we5sqxzs0
- 黒部男爵続編祈願と、双子と未亡人のなんかを投下祈願!
- 513 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/17(木) 11:16:09 ID:X0DjDoks0
- >>505
ヨークタウン様、ありがとうございます。
>国王が死去した事で、イルドーレの経済の悪化は少し良くなりそうですな。
ようやく先が見えてきた、まさにその時に浪費の元が消えました。
これで財政再建に道筋が出来た訳です。
けど、これは帝國にとってあまり好ましくないことで……
何らかの動きがあるかも。
>少女
彼女にとり、羽場に“かわいがられる”ことは温もりを感じることですからねえ。
あまり放っておくと……
>>506、507
>悲しむんじゃなくて、寵愛を受けてたり取り巻きしてた奴らは困っていそうですが。
王の行為の責任をとらされかねません、取り巻き連は右往左往です。
>……ごく自然に陰謀企んでこんな事してませんかね海軍さんは。
現地領事館(羽場)から苦情を受けた北方方面艦隊司令長官は、「放っておけ」とのことです。
彼等を運ぶ輸送艦の腹の中には、その人数分の武器弾薬が……
>>508
>という伏線ですか?
>>509様の指摘に加え、羽場のぼっちゃんぶりを表しています。
>>510、511
羽場の未来に関しては、ノーコメントです。ごめんなさい。
>>512
あれは再編する予定ですので、当分……
短編なら何とか。(例の「シロの婿とり」とか)
- 514 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/17(木) 14:42:58 ID:lnb5D1O20
- >>513
おお?512では無いですが、
黒部男爵編が好きなので「シロの嫁とり」非常に読んでみたいです!
ちなみにシロって犬っぽい魔物でしたよね?
あれ?どこかで竜の幼生体って読んだような気が・・?
まさか獣人じゃないでしょうし…
あ、でも帝國今昔物語でそれっぽいのが
なにはともあれくろべえ様 乙です
- 515 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/17(木) 22:55:04 ID:8q4xnRLc0
- 羽場はともかくデヴルー候のオチがどうなるかwktkです
ローレシアか清華に再登場とか、案外DEと何からの合意に達したりして
それはともかくイルドーレの戦後処理は貴族・官僚・魔導師・商人と分断・反目させる『分割して統治せよ』ですかね
このプランだとデヴルー候は邪魔物以外の何者でもありませんから
>>514
>「シロの嫁とり」
志村ー、シロの「婿」とりー
- 516 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/21(月) 12:27:53 ID:5cdVuct20
- >貴族・官僚・魔導師・商人と分断・反目させる『分割して統治せよ』
帝國にそのような高度な統治技能があるのでしょうか?
- 517 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/21(月) 13:27:17 ID:.Fhmy5/o0
- >『分割して統治せよ』
あの民度なので帝國でも目先の利権とかで普通に可能かとw
- 518 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/21(月) 21:03:41 ID:oVuuhHNoO
- 統治っつーか放置じゃないのか?
帝國としては北東ガルム、いや、ロッシェルを制圧しちゃえばイルドーレなんか要らなくなりそうだしw
対レムリア戦マダァ〜?
- 519 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/21(月) 23:41:22 ID:FH.PlnVk0
- 『分割して統治せよ』よりも、『殲滅して放置せよ』の方が楽そう
狭いし
- 520 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/22(火) 14:56:19 ID:X0DjDoks0
- >>514
514様、有難うございます。
シロはデカい犬です。 ……少なくとも黒部大尉はそう主張しています。
で、彼がそう言えば、付近の原住民にとって『シロ様は犬』なのですよ(笑)
部隊でも彼(上官)が犬といえば……
>>515
>デヴルー候
いよいよ侯も動き出します。帝國軍の動きを睨み、一体何をしでかすことやら……
キチ○イの考えることは、本当にアレですからねえ。
>>516〜519
今までの行動から判断すると丸投げですが、場合によっては……
さてあんまりご無沙汰なので、少し小ネタ投下します。
- 521 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/22(火) 14:56:59 ID:X0DjDoks0
- 帝國召喚 第一部外伝1「事変前夜」
王の死に、多くの人々が内心胸を撫で下ろした。
……が、これは下級士族や都の正規の住民、或いは中小の自作農といったまだ余裕のある、一部の恵まれた人々に限られた話に過ぎない。
喰うや喰わずの生活である大多数の国民にとっては、そんな遠い世界の話よりも、目に見える現実の方が遥かに重要だった。
――――王都ハルダー、波止場。
「よーし、今日はここまで!」
人足頭の号令に、人足達は皆ホッとした表情を浮かべた。
そして、重い足取りで支給所へと向かう。
大陸で見られる様な、今日の労働から開放された喜び、日当を貰う喜びやざわめきは一切無い。無口、ただ無口、だ。
……そんな中に、その男はいた。
男の名など、どうでもよいだろう。彼に……いや周りにとって、名など単なる“識別記号”でしかないのだから。
「ほらよ」
支給所に行くと、給与掛から銅貨の束を放り投げられる。本日の日当だ。
その額、80ソルヒム――ロッシェル銅貨80枚。(*3)
日がまだ昇りきっていない早朝から、日が半ば沈みかけている夕方まで働いて、僅か銅貨80枚である。途中、菱麦(ソバ)と魚のあらを煮込んだ薄い塩粥を昼食として支給されるとはいえ、大陸では考えられない労働条件だ。
……が、イルドーレではこれが“当たり前”だった。農村部の状況を考えれば、むしろ恵まれている、とさえ言える。
男は無言で金を受け取り、職場を後にした。
- 522 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/22(火) 14:57:44 ID:X0DjDoks0
- ワーン
途中、仕事帰りの人足目当ての食堂――といっても青空天井だが――で、夕食を摂る。
魚醤を採った残りの、大陸人ならば“生ゴミ”と見做すであろう魚片を煮込んだスープと蒸かしたイモ、しめて銅貨15枚。倍盛ならば25枚。
男は散々悩んだ後、倍盛と明日の朝食用に蒸かしイモを数個、頼む。しめて銅貨30枚。
が、見ると大半が倍盛の飯に加えて酒を選択していた。
――馬鹿が!
男は内心で罵倒する。
酒は柄杓1杯(約1合)10枚する。小樽(柄杓100杯分)で銅貨800枚の安酒が、水で薄めて10枚だ。
飯とさして変わりが無い……どころか高い、高すぎる。酒杯を満たすのに3杯必要なことを考えれば、尚更だ。
(その証拠に、彼等は2杯3杯と酒を進めている。金が無くなるまで飲み続ける者も少なくないだろう)
――馬鹿が、救いようの無い大馬鹿がっ! いつまでもこんな暮らしを続ける気かっ!
そう、せせら笑う。
飯倍盛で25、明日の朝食に5、そして雑魚寝の木賃宿が1晩10……ただその日一日生きるだけで、銅貨を40枚も必要とする。
が、逆に考えれば40枚「も」余るのだ。週(6日)1日休むとしても銅貨160枚が残る。月(30日)なら800枚……800枚だ!
- 523 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/22(火) 14:58:16 ID:X0DjDoks0
- ――3ヶ月、3ヶ月耐えれば定住できる! この泥沼から抜け出せる、第一歩を踏み出せる!
最も安価な裏長屋なら家賃は月500枚。3月分の入居料と1月分の先払い家賃、合わせて2000枚払えば入居できる。
住所が持て、定住の身となるのだ。そうなれば信用ができ、優先して日雇職を得ることができる、定職に就くことだって不可能ではない。
――それを、その可能性を、たかが一日杯1杯の酒で失うとは! つくづく救い難い馬鹿共だ!
自分は違う、と男は考えていた。自分はついこの間まで、人員削減により職を失うまで、使い走りとはいえ役所の雇人だったのだから。
……が、男の考えは甚だ甘い、と言わざるを得ない。
『月800枚』と言うが、遊興費を抜きにしてもそれだけ貯めるのは大変なことだ。
職にあぶれることだって少なくないし、日用品の出費もある。 ……半分も貯められれば御の字、ではないだろうか?
それに、仮に定住できたとしてもそれは第一歩、最初の関門を超えたに過ぎない。定職には就けず結局日雇い暮らし、になる可能性の方が大きいのだ。そうなれば優先的に仕事を貰えたとしても、重い家賃負担――年に一度1月分の更新料を必要とするので実際は年13ヶ月必要だ――に耐え切れないだろう。
男は最低限とはいえ衣食住が保障されている官の雇人であったため、まだ現実が見えていなかった。日当を、生活費ではなく小遣いの延長と考えていたのだ。
……無論、当人にそんな気はさらさらなかったが。
- 524 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/22(火) 14:58:47 ID:X0DjDoks0
- さて決意したはいいが、食事を終えると男の決心は揺らぎ始めた。
酒の匂いが、その胃を、喉をいたく刺激する。
――くっ!
席を立とうとするが、足が動かない。
酒の魅力に、とり憑かれたのだ。
――考えてみれば、まったく酒を飲まずに3ヶ月は無理な話だ……
そう、思い直す。
必要なのは2000枚だから、3ヶ月で最低400枚、月133枚は『使える』のだ。予定を4ヶ月に伸ばせば1400枚超、月350枚、日12枚。
ならば、労働した日くらい自分への“ご褒美”としていいだろう。そう、柄杓1杯の酒くらいは……
男はふらふらと立ち上がり、販売所へ向かった。
…………
…………
…………
闇の中、とぼとぼと肩を落として歩く者がいた。 ……先ほどの男だ。
現在、一文無しである。案の定1杯では止められず杯を重ね、気が付けば今日の宿代どころか、明日の朝飯まで“つまみ”に喰ってしまったのだ。
激しい後悔が、男を苛んでいた。
「はっはっはっ!」
- 525 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/22(火) 14:59:41 ID:X0DjDoks0
- と、何人もの馬鹿笑いが響いてきた。
見ると、十数人の男女の一団がこっちに向かって歩いてくる。
女はイルドーレ人だが、男は外国人のようだ。
軍服らしきものを着ていることから、連中が今話題の“帝國”人であることに男は気付く。
……が、その姿は彼が思い浮かべる蛮族とは程遠かった。
小奇麗な、立派な軍服――少なくとも彼から見れば――を身に纏い、上等な酒と料理の匂いを漂わせている。しかも、その全員が女連れだ。 ……それも自分達が稀に抱くような、『1回銅貨20〜30枚』の夜鷹ではない。見目麗しい、美女達である。
しかも洩れ聞こえる話を聞くに、連中はただの水兵に過ぎぬらしい。
男の胸に、暗い感情が灯った。
――そんな、そんな連中がっ!
男からすれば、“帝國”人など所詮蛮族に過ぎなかった。
……が、それでも相手が将校ならば、そうでなくともせめて交易商人ならば、まだ我慢できたかもしれない。
が、“水兵”である。
アルフェイムにおいて水兵などというものは、職業とは言えぬ最低の仕事だ。(*1)
だというのに、我が身と比してどうだろう!
「? ほら、よ!」
チャリーン!
- 526 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/22(火) 15:00:18 ID:X0DjDoks0
- 男に気付いたのか、水兵の一人が銅貨を投げた。銅貨5枚分の価値がある、5ソルヒム大銅貨だ。
一人が投げると、他の男達も次々と投げる。男の足元に、たちまち半日分の日当にも匹敵する額の銅貨が落ちた。
……男は、その姿から乞食と思われたのである。
――蛮族がっ! 調子に乗りやがって!
これが他の者ならば、暗い夜道に這い蹲って必死に銅貨を探し求めただろう。その間に、“帝國”人の集団は過ぎ去ったに違いない。
が、男にはまだ官雇人生活の残滓が、僅かばかりの意地が残っていた。
男は我を忘れ、通り過ぎようとする集団に飛び掛った。
*1 ――――『アルフェイムにおいて水兵などというものは、職業とは言えぬ最低の仕事だ。』――――
海を厭うことからも判る様に、船乗りという職はあまり良い職とは言えない。
が、だからこそ普通の船乗りは結構な高給である。大陸間交易の船乗りともなれば、10年も働けば一財産になる――些か大袈裟だが――と言われる程だ。故に、なり手は少なくない。
……逆を言えば、安月給の上に待遇が悪く、危険も大きい水兵などになり手がいないのも頷けるだろう。
- 527 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/22(火) 15:02:57 ID:X0DjDoks0
- SS投下終了。
こんな感じでトラブル頻発です。
……まあこの場合、多勢に無勢でぼっこぼこでしょうが。
多少計算が出来て、多少プライドがあるから余計辛い……
- 528 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/22(火) 15:36:06 ID:rA.E4kz60
- 山月記ですな。
投下疲れ様です。
- 529 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/22(火) 16:53:42 ID:BjW1SdV.0
- 帝愛グループの地下作業場を思い出した。
- 530 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/22(火) 17:25:31 ID:/bMZqLmc0
- 投下乙です
帝愛の地下は、少なくとも毎日の衣食住は確保されてる分だけマシかもw
- 531 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/22(火) 17:40:46 ID:nHblG4lI0
- デヴルー候のヴィジュアルイメージがいきなり帝愛会長!に(笑)
- 532 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/22(火) 18:02:26 ID:vb7vMMj.0
- この流れのせいで一行ごとにざわ…ざわ…が入るようになってしまったw
- 533 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/22(火) 18:45:33 ID:jZ3AFIa20
- 「ほらよ」
支給所に行くと、給与掛から銅貨の束を放り投げられる。本日の日当だ。
その額、80ペリカ――ロッシェルペリ貨80枚。(*3)
- 534 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/22(火) 20:01:04 ID:5cdVuct20
- >逆を言えば、安月給の上に待遇が悪く、危険も大きい水兵などになり手がいない
その結果人員確保のため昔の英国海軍みたく
その辺の浮浪者や若者を奴隷狩りのような形で強制連行して無理やり水兵に仕立ててるんですか?
- 535 名前:陸士長:2008/01/22(火) 20:04:41 ID:KNJCSNJU0
- くろべえさん投下乙です。
あーあ、何というか始まったなって感じですね。
まぁ、厳しい扱きに鍛え上げられた海軍水兵相手じゃタイマンでも妖しいでしょ。
腕に覚えがある訳でもなく、激昂して考え無しに飛び掛かったただの日雇い労働者ですし。
本人は多分半殺しにされた挙げ句ツバを吐きかけられ連れてる女に笑われて終わりでしょうが、これがどんな波紋を広げるか。
次回楽しみにしていますね。
ところで、水兵さん1人が一晩どんちゃん(高い酒とご馳走を美女と楽しみ、お持ち帰りして高級宿屋で朝までお楽しみ)
した場合、この『元雇人』の生活費何日分でしょうか?
- 536 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/22(火) 21:13:02 ID:rtVAWUXE0
- 「自分は乞食ではない」と毅然とした態度で突き返せば、それなりの敬意を得られた
かもしれないのに、いやはや……。
帝国の水兵達は、この世界の水兵より遙かに能力的にも人間としてもレベルが高い
ことを解っていればねえ……。
- 537 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/22(火) 22:25:49 ID:oVuuhHNoO
- くろべえさん投下乙です
そういえばアルフェイム世界の海軍は立場が低いんでしたね
水兵なんて社会の底辺が就くような仕事、というのが常識なんですかね?
- 538 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/22(火) 23:49:11 ID:9xE44ZCI0
- くろべえさん投下乙です。
そのうち治験目的のための船が来そうな予感。
>536
その場合、立方体の各面に点を打ったものを三つ食器に入れる遊びに誘われることに。
- 539 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/23(水) 12:51:17 ID:Il9dO2Oc0
- ワイバーンどころか下位の飛竜相手でも軍艦は浮かぶ棺おけだもんなあ……。
- 540 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/23(水) 15:00:55 ID:X0DjDoks0
- >>528
528様、有難うございます。
>山月記
この男、官ではなくただの雇人です。(とうぜん平民)
でありながら、いっぱしの役人の気分でおりました。気位高いです。
……まあ同僚もそうですし、民からも最下級の役人、役人モドキなんて見做されていた訳ですが。
>>529
>帝愛グループの地下作業場を思い出した。
正直、それ以下ですね。仕事終ったって海水の混じった井戸水で体を拭く位ですし、衣食住どころか仕事すら自力調達ですから。
しかし自分で書いてなんですが、「菱麦(ソバ)と魚のあらを煮込んだ薄い塩粥」は兎も角「魚醤を採った残りの魚片を煮込んだスープ」ってなんだよ……喰えるのか、コレ。
>>530
530様、有難うございます。
>帝愛の地下は、少なくとも毎日の衣食住は確保されてる分だけマシかもw
上でも書きましたが、仕事だって必ず貰える訳では無いですからねえ。
最近は帝國との“交易”で好景気ですから、新参のこの男も毎日入れますが、本来なら――
>>531
>デヴルー候のヴィジュアルイメージがいきなり帝愛会長!に(笑)
確かに性格がアレな点は似てますね(笑)
- 541 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/23(水) 15:01:28 ID:X0DjDoks0
- >>532
>この流れのせいで一行ごとにざわ…ざわ…が入るようになってしまったw
たぶん賭け事もやってるでしょうしね。
やはりカード? ……いや、もっと泥臭いヤツだろうなあ。なんだろ?
>>533
>その額、80ペリカ――ロッシェルペリ貨80枚。(*3)
80ペリカじゃ何も買えませんね……
>>534
>その結果人員確保のため昔の英国海軍みたく
>その辺の浮浪者や若者を奴隷狩りのような形で強制連行して無理やり水兵に仕立ててるんですか?
本編SS中でも描写されていましたように、沿岸警備隊や基地隊は「現地漁師が交代でパート」とか「地上勤務のみの志願」とかですが、本格的な艦隊乗組員となると「税金払えない民が文字通り血税払う(州兵の場合より滞納額大きい場合)」「浮浪者(住所不定の不良民)を狩り立てる」「中等度以下の犯罪者が志願(懲役の一環扱い)」等々あまり質が……
- 542 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/23(水) 15:02:04 ID:X0DjDoks0
- >>535
陸士長様、有難うございます。
>ところで、水兵さん1人が一晩どんちゃん(高い酒とご馳走を美女と楽しみ、お持ち帰りして高級宿屋で朝までお楽しみ)
>した場合、この『元雇人』の生活費何日分でしょうか?
街娼が1回ロッシェル銅貨20枚+α(交渉分、マイナスとなる場合も有り)。客層は定職を持たぬ日雇い労働者や中小自作農といった下層階級。
娼館の女(並)が1回ロッシェル銀貨1〜2枚、銅貨に直せば110〜220枚前後。客層は店を持たぬ行商人や職人、中堅以上の自作農といった庶民階級や中堅以下の士族。
娼館の女(上)が1回ロッシェル銀貨3〜4枚、銅貨に直せば330〜440枚前後。客層は中小の店持の商人や職人、大商会の幹部、地主といった中産階級や上級士族、中下級貴族。
娼館の女(特上)が一晩銀貨5枚〜、ただし他に部屋代・料理代・サービス料等々が加わり、実際は軽くこの数倍かかる。客層は富商や上級貴族。
*この場合の1回は「90分〜」とか「120分〜」という意味です。なおロッシェル貨幣換算なのは、イルドーレ王国が経済的にロッシェル王国の強い影響下にあるためです。このため国内向けで「〜フロル」「〜リバー」といえば通常ロッシェル通貨で考えます。
娼館の女(上、銀貨3枚)を一晩借り切るには、銀貨13枚(店に12枚、女にチップ1枚)ほど必要です。
で、二人で上等な料理屋へ行くとして、
酒3本(1本5合ほど) 銀貨3枚
つまみ2皿 銀貨1枚
料理4皿 銀貨4枚
席料(2人分) 銀貨2枚
チップ(2人分) 銀貨2枚 計銀貨12枚
- 543 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/23(水) 15:02:35 ID:X0DjDoks0
- ――しめて銀貨25枚(銅貨約2750枚)は“最低”必要でしょうねえ。
ちなみに王都庶民の日収は銀貨にして2枚分ほど、“男”が官雇人だった頃の年俸が銀貨100枚(他に最低限の衣食住が支給)です。そりゃ、怒るわ(笑)
で、支払い法ですが、兵たちには特別にロッシェル銀貨1枚と兌換可能な軍票が必要分渡されています。それに小銭として銅貨100枚分ほど。
これを契約した店で使用する訳です……訳ですが、信用が有りませんでしたから契約するまでにはかなり苦労したみたいです。 ……羽場が。
契約店との打ち合わせ(入港前には女や料理人、食材を前もって用意しなければとても足りない)とか軍票の精算(とにかく数が多い上、レムリア通貨に換算して支払うので大変。真贋鑑定も必要)、とどめは立つ鳥後を濁しまくりの後始末……羽場、合掌。
ま、軍票精算とかは少女に丸投げですが。
……しかしくろべえはナニ考えているのでしょうね?
こんなコトまで設定してどうするよorz
- 544 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/23(水) 15:04:03 ID:X0DjDoks0
- >>536
しょせん小者ですから……
未だに夢を見ているのですよ。
>>537
537様、有難うございます。
>水兵なんて社会の底辺が就くような仕事、というのが常識なんですかね?
基地の地上要員や沿岸警備艇の乗組員はまだしも、長期航海の艦隊乗組員は忌み嫌われております。近世英国海軍並みかそれ以下の待遇+海への恐怖と蔑視がありますから。
>>538
538様、有難うございます。
男も賭け事やってるかな?
……とても勝てそうには見えないケド。
>>539
直援が期待(そうでなくても隠れられる)できる陸の方が万倍マシですからねえ……
- 545 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/23(水) 15:07:16 ID:xsS49mlo0
- 支援入用かしら、かしら。
細かい設定まで乙です。
- 546 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/24(木) 09:52:19 ID:BSbuSQCQ0
- 落とし前として軍艦内の賭場につれこまれ、限定○○を…¥
- 547 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/24(木) 17:38:01 ID:kW/0bslc0
- ソープランドの値段見ると、イルドーレで一晩どんちゃんが銅貨1枚=10円と見て安いと感じてしまう現代人。
- 548 名前:ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2008/01/24(木) 17:48:58 ID:Bohu6sek0
- 遅れましたが投下お疲れ様です。
このイルドーレ人、かなり曲がった人ですね。
このような人に訪れる幸せは・・・・・・なんかなさそうですね(オィ
- 549 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/24(木) 18:57:44 ID:9PueYV2U0
- 12時間?労働−昼食代(推定15枚) ←銅貨80枚
明日の朝食用に蒸かしイモを数個 ← 銅貨5枚
街娼 20枚+α(交渉分)
娼館の女(並) 110〜220枚
娼館の女(上) 330〜440枚 一晩"最低"2750枚
娼館の女(特上 一晩550枚〜 実際は軽くこの数倍かかる。
よくわからんけど・・・銅貨一枚は現実円で約30〜40?
労働者と街娼のショボイ稼ぎが微妙なリアル臭さだなぁ・・・
- 550 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/24(木) 19:50:58 ID:E6IoLfas0
- んでもって、帝國の水兵なら「馴染み」になった娼妓に
「帝國製品」を色々やったりするでしょうしね。
しかも、それがご当地貴族の奥方ですら持ってない(現地では)超高級品で
あってもおかしくない訳で。
で、帝國人の「馴染み」となった娼妓(おんな)の羽振りのよさから
ナンバー1からコトゴトク帝国人専用に流れてしまって・・・・
でも、これ以降大陸のあちこちで「帝國人の現地妻」を希望する
素人娘とかが「激増」するのが社会問題化すると思うぞ。
- 551 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/24(木) 22:34:23 ID:PrNDtOqYO
- 上海……簡素な飯で数元・店の並な女で百元
イルド-レ…芋数個で銅貨五枚・娼館の女(並)で銅貨百十〜二百二十枚
だいたい元≒ソルヒム(銅貨)だな
日本円でいくらか考える意味がわからないが
流石に支那以下だろうから銅貨を高めに評価しても銅貨一枚が数十銭〜数円だろ
日本の社会を基準で考えるなら銅貨一枚百円くらいだな
>>547
イルドーレへの渡航費で吉原行けるよ
- 552 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/25(金) 02:04:16 ID:y2cT2.HI0
- >>551
銅貨一枚100円だと、イルドーレの日雇い労働者は8000円稼いでることになるw
グッドウィルとあんまかわんないんじゃね?w
- 553 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/25(金) 02:10:55 ID:QAQuroWw0
- 購買力とか無視して社会のどの階層に居るかってことじゃね?
- 554 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/25(金) 08:42:53 ID:X0DjDoks0
- >>545
545様、有難うございます。
>>546
そして帝國人から大量のぺリカ……もとい、軍票をGET!とか(笑)
>>547
イルドーレは大陸より人件費が遥かに安いですからねえ……
「女そのもの」をだいたい150〜700ロッシェル・リバーで買えちゃいますよ。安けりゃ100でも。 ……ただ買値は年、容姿、特技(歌が上手いとか裁縫が上手とか)、性格等で変わりますからお勧めはできませんが。
(上は娼館の買い付け値相場。娼館で買う場合、その女に借金があるので更にその分加算される)
>>548
ヨークタウン様、有難うございます。
>このような人に訪れる幸せは・・・・・・なんかなさそうですね(オィ
ま、最期は「働けなくなって」か「職にあぶれて」のたれ死に、でしょうね。
>>550
>ナンバー1からコトゴトク帝国人専用に流れてしまって・・・・
帝國人の大半は一見さんですからねえ、次に何時これるか判らない……(だからこそ羽振りが良い、とも言える)
女の方も急遽かき集めた素人さん(援助交際はよくしてるが)とかが大半ですし。
- 555 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/25(金) 08:43:23 ID:X0DjDoks0
- >>549〜553
イルドーレ王国の人口は約70000人です。ただしこれは平民のみの話であり、いつものごとく貴族士族聖職者は含まれていません。
正確には――
平民 約71000人
聖職者 約900人
士族 約2200人(約500家)
貴族 約900人(約200家)
計 約75000人
――です。王国は1都300余村だから、平民の大半は農民か漁民(或いは両方)ですね。
で、ここからが本番。
王国のGDPは約800万ロッシェル・リバー、
一人あたりのGDPは約107リバー、
一戸(平民は一戸約5〜6人)あたりのGDPは約600リバー。
このうち50%以上が税金、加えて農漁民なら20〜25%の生産経費がかかりますから、一戸あたりの平均可処分所得は150〜180リバーほどですかねえ……(GDPと国民所得は違いますが、まあ大雑把に、ということで)
住居は持ち家、食糧は自給自足(残りで足りるかは不明だが)とはいえ、生活は苦しいでしょうなあ。上の数値が『標準モデル』だけに、一層。
これを考えれば、日雇いの日当80ソルヒムは安くないですね。
年300日働けば24000ソルヒム、220リバーになりますから。
宿代を払わねばならぬこと、農漁村とは異なり食糧を原価(場合によっては無料調達)で確保できずかなり割り増しとなることを考えても、一人なら標準モデル並かそれ以上の生活が出来る……(職が年300日もあれば、の話だけど)
……ちなみに彼らも税金は払っております。日雇いの「本当の日当」は帳簿上200ソルヒム、ただし税金で110、昼食費で10引かれているのですよ。
- 556 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/25(金) 08:44:02 ID:X0DjDoks0
- 都市の正規の住民の場合だと、年収は手取りで平均600リバー、税込みなら1200リバー超となります。
何故こんなにも差が出るかと言えば、国が国富の大半を独占しているからですね。その分け前に預かれる者とそうでない者の差です。
あのSS中の“男”ですら、官雇人時代は――
・季節ごとに「衣」を最低限支給。(最低限の日用品もこの時支給)
・食事は毎食支給。
・住居は宿舎(2畳ほどの、「寝床だけ」程度だが)。
・この他に年100リバー支給。
――ですからねえ。(実質300リバー、税も考えれば600リバーにはなるでしょう)
これが士族(官)ともなれば、最下級でも――
・季節ごとに「衣」を家族分、最低限だけ支給。ただし布状態で。(最低限の日用品もこの時支給)
・食糧は主食、基本的な副食を家族分、最低限だけ支給。ただし未調理状態で。
・住居として屋敷を支給。
・この他に年500リバーほどを支給。
――です。(もちろん税は無し)
*家族分とは実際の人数分ではなく、勤務年数や位階に合わせて2〜5人を支給される。(当然、位階により質と量が異なる)
で、貴族(大陸で言えば騎士ですが)ともなれば最低でも年5000リバー以上の金銭が……
- 557 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/27(日) 00:56:44 ID:U8HidSuY0
- 海軍が嗜好品として配給するチョコレート一枚で
そこそこ遊べたりしてなぁ・・・・
ところで、婚姻政策を進めるダークエルフですが、帝國華族・士族の旦那に
本気で惚れられてしまって、外に女もつくらずに大事にされて
「名家の奥様」として実家に里帰りしたりしたら(それが一族では駄目な娘)
やっぱり同期とか幼馴染で工作員として血の海を渡っている皆様に
嫉妬されるのですかな?
お菓子の元締めの伴侶はそんな感じで幸せな生涯を送れそうだ
- 558 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/27(日) 07:58:54 ID:oVuuhHNoO
- お菓子の元締めさんとこの話はDEの娘はダメっ娘Verと秀才っ娘Verで、
それぞれ読者の想像に任せるという、いきな計らいが嬉しかったなw
まぁそれは置いといて、帝國の士族や郷士などと婚姻を進めるのは
旧版では長老達などが噛んでいるみたいだから嫉妬とかは無さそうじゃないか?
- 559 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/27(日) 08:42:54 ID:ajyZUVI60
- DEの末端が思想、性情の部分に至るまで、上層部の意向に全面服従してるかどうかでしょうねえ。
旧版だと、元締めの話からするに一枚岩になってて、自分の感情を制御しきれないダメっ娘が規格外みたいな感じだったけど、
新版のDEは、今の吉田に付いてる女DEとか、先走ってデブルー候に返り討ちにあったスパイとか、隙の部分も大きそうだし。
- 560 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/27(日) 10:10:53 ID:VTqyI7i20
- お、俺は秀才っ娘Verがいいでふ
つーか本当にチョコレート一枚、キャラメル一箱程度で色々なものと交換できそうだな
- 561 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/27(日) 10:28:25 ID:vW6euZG.0
- 中世だと嗜好品は貴族のみの需要だからお菓子なんかはおっとろしく高値で取引されそう。
- 562 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/27(日) 10:34:47 ID:ajyZUVI60
- ダブリンじゃあ、白砂糖一升で屋敷と私道、それに井戸も作れたよね。
- 563 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/27(日) 15:34:54 ID:jIUAS9F20
- イルドーレじゃむしろ処分先に困りそうだな、生前の愚王であれば良い客だったかもね。
- 564 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/27(日) 16:19:24 ID:ZT2gMevs0
- >>562
屋敷サイズではなかった気がするが、庭付きで確か平民レベルでは最高クラスの材料や造りの家だったっけ?
んで+私道と井戸・・・・・・前王からして「文化」へのコンプレックスが激しいイルドーレに帝國の白砂糖とか持ち込んだらどんな価値がつくのやら
- 565 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/27(日) 21:08:54 ID:q28smW7I0
- こっちでは普通に思ってるもんがあっちじゃ高価かつ重宝される世界だもんな
- 566 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/28(月) 00:03:31 ID:6DY3W9ow0
- とりあえず、軍医が地元の貴族王族を治療して全快させたら
とんでもない条件でお抱えになるよう懇願されそーな気がする
- 567 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/28(月) 12:31:25 ID:X0DjDoks0
- >>557
>海軍が嗜好品として配給するチョコレート一枚で
確かに遊べるでしょうが、チョコレート自体が帝國でも希少で、そうそう配給されませんからねえ。
……羊羹ならなんとか。
>やっぱり同期とか幼馴染で工作員として血の海を渡っている皆様に嫉妬されるのですかな?
そこら辺は皆様のご想像にお任せします(笑)
あと辺境ではその文明レベルの低さ(タブリンは日本で言えば奈良〜平安初期レベル)から嗜好品がかなりの価値を持っていましたが、流石に中央世界となるとその価値は大幅に減じます。帝國よりも相対的に高価であることに変わりはありませんが……
たとえば白砂糖ですが、全量輸入のイルドーレですら1リバー銀貨で並なら130g程、上物でも80g弱買えますから。
- 568 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/28(月) 22:03:30 ID:WdXDjlnU0
- 「将校さまは貴族」が”当たり前”の世界だから
平民士官が余計なことを言わないように訓令があったりして。
- 569 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/28(月) 23:06:21 ID:NmfxupGo0
- そういえば、日露戦争でロシアの捕虜が驚いたのは 日本では平民が将校になれることだったとか。
くろべえさんに質問なんですが、なぜ大日本帝國を帝國とするのでしょうか?この世界にも帝國は存在するのでは?
- 570 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/29(火) 00:04:44 ID:5gMKSc/I0
- 現代日本との区別だろ
- 571 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/29(火) 03:23:20 ID:eK5hkLm60
- ついでにいえばこの世界の帝政の国は「帝国」と新字体にすることで明確な区別を付けると予想。
- 572 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/29(火) 07:53:52 ID:q51e1MuI0
- それだと会話ではどっちか解らんわ
と思ったが、この世界はマナを解して勝手に翻訳されるから、日本語で「ていこく」と発言しても発言者の意図に応じて相手側には大日本帝國を表す固有名詞orこの世界の帝国を表す固有名詞に翻訳されるのかな?
- 573 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/29(火) 07:59:41 ID:0b49LVT20
- 読み手に対するアピールだろ
ちょっとは頭を使え
- 574 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/29(火) 08:18:29 ID:MsAR/znU0
- >>569
くろべえさんのサイトでアルフェイム世界での
帝國と王国の違いが説明されているぞ
旧版の設定だけど今のところ変わるような雰囲気も無いしな
- 575 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/29(火) 11:37:05 ID:PrNDtOqYO
- 連隊も聯隊になってるから作者のこだわり
- 576 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/29(火) 12:20:02 ID:KU8QS5YM0
- wikiの大日本帝国の項目に「(大日本帝国のことを)通称では帝国と呼び、また皇国とも称した」と書いてあるし、
戦前・戦中を舞台にする小説では「帝國」という表現の方が雰囲気が出るものだと思っていた。
- 577 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/29(火) 14:07:50 ID:PrNDtOqYO
- イ難ミ読トルスニ気囲雰ノ時当
帝國だろうが帝国だろうが、読み手としてはタイガー戦車をどう表記するか並にどうでもいい
- 578 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/29(火) 21:17:46 ID:D3QUVjlE0
- そうか? 「帝國」表記は雰囲気があるから俺は好きだけどな。
同時代性の演出でもあるしな。
- 579 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/30(水) 11:28:15 ID:QAQuroWw0
- 実際には単に「日本」としか呼んでなかっただろうけどな
- 580 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/30(水) 11:44:39 ID:GCGe5Ru2O
- 現代においても日本を帝国と呼んでくれている国がありますね。
日帝、日帝うるせーこと
- 581 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/30(水) 11:47:42 ID:1fmJU.EA0
- >>580
カノ国は米国も米帝とよんでますしね・・・
帝国の意味を分かってないんじゃないかと
- 582 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/30(水) 14:30:13 ID:bJFcWGuQ0
- Kの国の連中は論理性よりも感情最優先だからな
1+1=−3でも自分達の虚栄心がくすぐられれば
それが正義になる連中に
もう何も期待してないけどな
- 583 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/30(水) 16:15:41 ID:oVuuhHNoO
- >>581
アメリカ大統領は『市民の第一人者』
つまり、いつか誰かが皇帝となる日が来ると予想
- 584 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/30(水) 16:56:46 ID:U.nv0ZwU0
- >>583
ローマ帝国式皇帝ですか。あれも市民と元老院の支持が必要なんだよね
- 585 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/30(水) 17:03:57 ID:S2ZcPmY60
- 独裁官と護民官と最高神祇官も必要だな
- 586 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/30(水) 19:02:31 ID:AdjTAwp20
- >>583
つ「ジョシュア・ノートン」
- 587 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/30(水) 20:22:35 ID:X0DjDoks0
- >くろべえさんに質問なんですが、なぜ大日本帝國を帝國とするのでしょうか?
皆さんがだいたい答えていらっしゃる通りです。
・趣味。
・アピール、というか雰囲気作り。
・現代日本との区別など。
>この世界にも帝國は存在するのでは?
アルフェイム世界国々には、「〜帝国」なる国は存在しません。まあ清華を始め列強諸国は実質帝国と言えるかもしれませんが、自身を帝国なんて呼びませんから。(漢王朝が自らを漢帝国としなかったように)
……といいますか、秦の始皇帝が皇帝と名乗るまで皇帝という言葉が存在しなかったように、帝國が名乗るまで帝國という言葉は存在しなかったのですよ。
ではSS投下。久しぶりに短編。
- 588 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/30(水) 20:24:35 ID:X0DjDoks0
- 帝國召喚 短編
――――昭和一六年一二月某日、“帝國”九州地方某村。
「「「「雪の進軍氷を踏んで〜〜」」」」
山の中、道なき道を子供達が元気よく歌いながら歩いている。(この状況でその歌はどうだろう、とも思うが……)
突如として隣村に出現した、という戦車隊を見に行った帰りということもあり、皆普段以上に元気一杯だ。誰もが興奮して、とてもじっとなどしていられない。
だから、数日がかり、という家出紛いの秘密旅行であってもへっちゃらだった。
……まあ、帰った後のゲンコツは怖いがそれはそれ、今はたくさんの戦車を見れて大満足、こうして“帝國”戦車隊の雄姿を思い出しつつ歩いている。
「うわあ……」
と、先頭の子供が突然立ち止まった。驚いたようにあんぐりと口を開け、前を見ている。
何事かと駆け寄る後続の子供達も、その足を止めた。
そして皆が皆、目の前の光景に目を丸くし、立ち尽くす。
……子供達の目の前の森を抜けた草原には、なんと数両の戦車が鎮座していた。
その重厚な姿と突き出た太く長い大砲は、彼等が隣村で見た戦車などよりも、遥かに『強そう』だ。それが、まるで捨てられたかのように、無造作に置かれている。
我に返った子供達は、兵隊さんたちに知らせるべく、大急ぎで元いた道を引き返していった。
- 589 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/30(水) 20:25:20 ID:X0DjDoks0
――――昭和一九年一〇月、“帝國”富士裾野演習場。
多くの軍高官が見守る中、1両の戦車がゆっくりと動き始めた。
箱型の全面溶接車体といい、長砲身カノン砲といい、その姿は九五式や九七式といった従来の“帝國”戦車とは、完全に一線を画している。
……そしてその姿は、“何か”にとても良く似ていた。
そう、かつて九州の山の中に鎮座していた“強そうな戦車達”に。
欧州は戦火に覆われ、太平洋も風雲急を告げていた昭和一六年初頭、“帝國”は兵器開発の参考資料として、友邦ドイツの最新兵器を多数購入した。
一例を挙げるだけでも、Bf109E、Fi156といった航空機からMG151等の銃砲……そして“戦車”まで兎に角多種多様な兵器が、ヒトラー総統の好意により購入を許可されたのである。
……尤も、実際“帝國”に到着したのはBf109Eを始めとするほんの一握りだけだったが、それでも“帝國”にとっては欧米の最新技術に触れられる、正に宝の山とでも言うべき存在だった。
その、ドイツ国内に止められていた多数の兵器が、転移により国内に出現したのだ。(*1)
冒頭の戦車も、その一つだった。
三号戦車H型
四号戦車E型
突撃砲B型
――それが、少年達が発見したものの正体である。
- 590 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/30(水) 20:26:17 ID:X0DjDoks0
- “帝國”陸軍はこれ等の戦車を徹底的に調べ上げ、何とか自家薬籠中の物にしようと試みた。
その成果の第一陣が、この試作戦車だ。
戦闘重量 20トン
最高速力 40km/h
行動距離 200km
主砲 試製六糎戦車砲×1(ただし試製六糎戦車砲は未だ開発中のため、同寸法同重量のダミー砲を搭載)
機銃 九七式車載機関銃×2(車体前部・砲塔主砲同軸)
装甲 圧延均質鋼を全面溶接した。
砲塔前面50o/側面25o/後面20o
車体前面50o/側面25o/後面20o
機関 統制型一〇〇式発動機(240馬力)
乗員 5名(車長、砲手、装填手、操縦手、無線手兼前方機銃手)
こうしてみると、結局量産されることのなかった一式中戦車の拡大発展型に、ドイツ戦車技術を可能な限り取り入れた――といった感じの戦車である。
要するに『未だ思想的にも技術的にも消化しきれていなかった』ということであり、習作的な意味合いの濃いもの、ということだ。が、それでも文句なしに“帝國”最強の、そして唯一の対戦車戦闘が可能な戦車だった。
故に、陸軍の期待を一身に背負っていたのは想像に難くないだろう。それは、見学する高官達の数からも容易に推察された。
……さて、ここで当時の“帝國”機甲戦力について少し見てみよう。
- 591 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/30(水) 20:26:48 ID:X0DjDoks0
- 昭和一八年八月末、陸軍改編計画の第一段階が完了した。
この一連の改編により、転移後の軍縮の影響を逃れるどころか僅かとはいえ増強を許された機甲戦力は、その姿を大きく変えていた。転移直後に多数存在した師団戦車隊や独立軽装甲車中隊等の小部隊は統合再編されて姿を消し、代わりに戦車師団を始めとする強力な機甲部隊が整備された。これ等の部隊はやはり新編された機甲軍隷下に配属され、“帝國”陸軍の切り札的存在として例外的に戦時編成を維持、日夜猛訓練に明け暮れていた。(機甲戦力の集中配備――それこそが“帝國”陸軍がドイツの電撃作戦から学んだ戦訓だったのだ)
戦車保有数も2000両の大台に達し、これに“帝國”機甲兵の士気と練度が加われば『独ソにも対抗できる』とすら見做されていた。
……が、これはあくまで表面的な話であり、その内実は少々……いやかなり『お寒い』状態だった、と言える。
まず集中配備されたは良いが、各車両の無線装備率の低さと能力・信頼性の欠如から命令伝達と状況把握に時間がかかり、1分を争う“機動戦”を行う上では不十分、との烙印が押されていた。(士気や練度でどうこうなるのは、せいぜい中隊レベルまでの話に過ぎぬのだ)
また2000両という保有数も曲者で、あくまで教育用や予備も含めた数字……どころか軽装甲車まで足した数――おおよそ中戦車600両/軽戦車700両/軽装甲車600両――に過ぎない。(ちなみに『対抗可能』とされたドイツは、2年以上前の独ソ開戦時ですら既に3000両を超える戦車を保有していた)
だが上で挙げた以上に問題だったのは、その“質”だろう。何と“帝國”は、九五式九七式といった旧式戦車群の生産を、昭和も一九年になった今でも後生大事に続けていたのである。
- 592 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/30(水) 20:27:38 ID:X0DjDoks0
- ……或いは、ここでドイツとて事情は同じだ、とご指摘される読者も少なくないであろう。ことに実際に九五式や九七式に搭乗された方々は、声を大にして仰るかもしれない、『我々はこの戦車で戦い抜き、勝利したのだ』と。
いや、確かにその通りである。確かに“帝國”陸軍の主力戦車は転移後長い間、九五式や九七式であったし、大ドイツの主力戦車たる三号/四号戦車とてこれとほぼ同時期の戦車だ。が、三号/四号が戦訓により様々な改良を施され、既に転移時の時点で『登場時とは別物』と言われる程の大改造を施されていたのに比し、九五式や九七式はその登場時から……そしてその最後に至るまで、(九七式中戦車改を唯一の例外として)大きな改良を施されることは遂になかった。
この事実を考えれば、やはりドイツ戦車を同列に扱うことは出来ぬであろう。九五式や九七式で戦い抜けたのは、単に運が良かっただけに過ぎないのだ。(昭和二〇年末、長砲身88mm砲搭載の四式重戦車の登場――その実態は量産不可能なただの試作車両に過ぎなかったが――に合わせ、ようやく明らかにされたソヴィエトのT34中戦車やKV重戦車の存在を考えれば尚更だ)
無論、陸軍当局とてこれでよし、としていた訳ではなかった(*2)。独ソ戦の戦訓から、そう遠くない将来英米独ソの中戦車が中〜長砲身75ミリ砲搭載の30t級戦車に移行するであろうことは必至であったし、そうなれば九五式や九七式は勿論、現在開発中の一式ですら到底太刀打ち出来ないであろうこと位、重々承知していた。
が、これは多かれ少なかれ全ての分野で言えることであり、何も戦車――確かに最も深刻な分野ではあるが――に限った話では無かった。
限られたリソースに対し、投資すべき多数の分野……
検討に検討を重ね陸軍が出した結論は、選択による資源の集中――最も重要な分野であるは航空戦力に対し、許す限りのリソースを投入することだった。
故に、比較的優遇されている機甲分野とはいえ、頻繁に新型戦車を導入する余裕などある筈も無かったのである。
- 593 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/30(水) 20:28:31 ID:X0DjDoks0
- それどころか、限られた予算を有効に使うため、大ナタが振るわれた。
まず維持費を少しでも減らすために部隊が統廃合され、機甲戦力は集中配備された。(何も戦訓ばかりが理由ではないのだ)
九五式軽戦車の後継たる九八式軽戦車、同じく九七式中戦車の後継たる一式中戦車は割高のため、制式化こそされたものの量産を見送られた。(装甲材に問題があったということもあるが、一番の原因はやはりこれだろう)
当然生産量も減られ、昭和一六年時には年間1000両以上生産された戦車・軽装甲車が、昭和一七年以降は年300両を大きく割り込む、という有様だった。(*3)
唯一の明るい材料として、昭和一七年も後半に入ってようやく長砲身47mm砲を装備した、対戦車戦闘の可能な九七式中戦車改の生産が開始されたが、年80両ほどの生産量では当分の間“無印九七式”を使わざるを得ない、というのが現実だ。
……要するに、当時の“帝國”陸軍の機甲戦力は、非常に問題がある分野だったのである。(何度も言うようだが、だからこそこの状況を打破する存在として、今回お目見えした試製戦車は大いに期待されていたのだ)
試作戦車は、軽快に……とはいかないまでもまあ順調に課題をクリアしていく。車体長こそ変わらぬものの、車体幅に関しては従来よりも優に一回り以上巨大化し、それに伴い履帯も大幅に拡張されただけあって、安定性と走行性は良好だ。
従来の硬さ一辺倒でなく、適度に粘りを持たせた装甲も見事な性能を発揮した。その前面装甲に見立てた装甲板が、300mという至近距離からのラ式37mm対戦車砲の攻撃を受け止め、拍手喝采を浴びる。その半分の厚さしかない側面装甲が、九四式速射砲の至近距離からの攻撃を受け止めた時など、皆――特に歩兵系の将校達が――拍手も忘れて呆気にとられたほどだ。
主砲は未だ完成していなかったが、一式機動47mm速射砲よりも倍近く重い砲弾を、同速以上で撃ち出す――と聞いて誰もが満足気に頷いた。
参謀総長も笑みを浮かべ、上機嫌で尋ねる。
- 594 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/30(水) 20:30:16 ID:X0DjDoks0
- 「よろしい、出来る限り予算を手当てしようじゃあないか! ……で、幾らかね?」
「は! あくまで予想でありますが、30万圓であります!」
が、予想調達価格が1両30万圓と聞き、参謀総長は顔色を変えた。(*4)
そして真っ赤になり、担当者を怒鳴りつける。
「いくら何でも高すぎる! 臣民の血税を一体何と心得るか!」
……参謀総長の一喝により、試製戦車は大幅な装備変更を余儀なくされた。
まず最大のセールスポイントである六糎戦車砲(長砲身57mm砲)が、一式47mm戦車砲へと変更された。キューポラを始めとするドイツ式装備も多くが九七式のものに変更され、他にも無線機どころか整備パネルのバネまで廃止――おかげで整備時には数人がかりでこじ開けねばならなくなった――する、という徹底的な簡易化が行われた。この結果予想価格は24万圓にまで低下し、これと合わせ保有戦車数を一割削減(2000両→1800両)するという条件により、何とか参謀総長の怒りを解くことが出来た。
そして昭和一九年一二月、試製戦車は三式中戦車として制式化され、翌一月より量産が開始される。生産数は年80両弱。おおよそ8年で更新完了する計算だった。
こうして様々な紆余曲折を経て誕生した三式中戦車だったが、その潜在的なキャパシティの高さから後に様々な改良が施され――といっても大半が簡素化された装備を元に戻しただけだが――、昭和二〇年代の機甲戦力の中核を担ったことを考えれば、まあ成功作と評して良いだろう。
が、同時に当時の“帝國”の技術力の限界を示す存在、ともいえた。 ……当時の“帝國”の技術力では、三号四号レベルの戦車を満足に造ることが出来なかった、という証拠に。(信頼性の高いエンジンどころか、満足な剛性をもったバネ一つ造れない有様では、三号戦車のモンキーモデルがやっとだった)
- 595 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/30(水) 20:31:23 ID:X0DjDoks0
- ……そして、その三式戦車ですらやはり問題が続出した。
信頼性の低いエンジン、脆い足回り……全ては基礎工業力の不足故のことである。
結局、“帝國”が真の意味で満足な戦車を持つためには、各部品の製造技術――即ち基礎技術力――の向上なしにはあり得なかった。
そしてそれが実現するには、まだ少なからぬ時間を必要としていたのだった。
*1 ――――『その、ドイツ国内に止められていた多数の兵器が、転移により国内に出現した。』――――
この他にもやはり輸送不能となり、留め置かれていた工作機械が多数出現した。これ等の出現は“帝國”全体の生産量からすれば微々たるものだったが、“帝國”の最先端技術を支える上で無視できぬ出来事だった。
……というのも、当時の“帝國”の工作機械製造技術は非常に貧弱であり、到底輸入製品を代替できる存在では無かったからだ。
*2 ――――『無論、陸軍当局とてこれでよし、としていた訳ではなかった』――――
昭和も終わりになってようやく公開された各種の記録からは、当時の陸軍が己の戦力……ことに戦車の能力に関して深刻な懸念を示していたことがはっきりと伺える。
陸軍が量産も出来ないような各種重戦車の研究開発を行っていたのは、せめて技術だけでも、という危機感の裏返しだったのだ。
- 596 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/30(水) 20:32:01 ID:X0DjDoks0
- *3 ――――『当然生産量も減らされた。昭和一六年時には年間1000両以上生産された戦車・軽装甲車が、昭和一七年以降は年300両を大きく割り込む、という有様だ。』――――
とはいえ各工場は代わりに各種土木トラクターを大量受注しており、フル稼動状態だった。このように転移後の“帝國”のトラクター生産数の上昇は凄まじく、オペレーターの養成が追いつかなかったほどである。(このため初期においてはかなりの数の戦車乗りが教官に回され、各部隊は定員を大きく割り込んでいたようだ)
*4 ――――『……が、予想価格が1両30万圓と聞き、参謀総長は顔色を変えた。』――――
ちなみに九七式中戦車改が約18万圓、九七式中戦車が約16万圓、九五式軽戦車が約8万圓である。これを考えれば如何に30万圓という価格が法外かが判るだろう。(付け加えて言えば零戦が約8万圓だ)
- 597 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/30(水) 20:36:40 ID:X0DjDoks0
- SS投下終了。
対ロッシェル戦突入時(S18.8)の九七式改保有数は試作を含めても70両以下(笑)
- 598 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/30(水) 20:57:47 ID:Tq.G7TEQ0
- 投下乙です。
なんとも苦笑いしか出てこないお寒い現状・・・転移はまさに「天佑」でしたね。
- 599 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/30(水) 21:55:06 ID:D3QUVjlE0
- 乙です。
トラクター作りまくりと聞いて覇者の戦塵思い出しましたw
- 600 名前:名無し三等兵@F世界:2008/01/30(水) 22:46:49 ID:dDKWsT0E0
- くろべえさん、投下乙です。
おお、ドイツの兵器が転移に付いてきた〜!
まだまだ色々物がありそうですねえ。
しかし、30万圓の戦車は高いわな(苦笑)。九六式24cm榴弾砲くらいか。
500両で「大和」が作れてしまう。
- 601 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/30(水) 23:01:59 ID:oVuuhHNoO
- くろべえさん投下乙です
戦車開発が素直に喜べないのが帝國クオリティーwww
帝國が1945年の米国並みの生産力と質を備えるのはいつの頃になるでしょうね〜
あと、自分の記憶では九七式中戦車には殆ど全てに無線機が装備されていた、と聞いたことがあるのですが・・・
記憶違いであったらすみません
- 602 名前:ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2008/01/30(水) 23:32:32 ID:Bohu6sek0
- くろべえ氏投下お疲れ様です。
いい戦車は出来ても、高すぎて駄目というのが帝國らしいというか・・・・(;´∀`)
でも、この世界でならば、47ミリ砲でも充分ですから、敵にとってはまさに動く怪物
と言えるでしょう。
- 603 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/31(木) 01:08:30 ID:QAQuroWw0
- 大和型何隻分もの戦車が一度の戦場で撃破される。
それが独ソ戦クオリティ。
- 604 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/31(木) 01:38:31 ID:NmfxupGo0
- >帝國
くろべえさん、皆さん回答&ご指摘ありがとうございます。
>ドイツ製兵器の転移
我が帝國が欧米並みの質と量を手に入れるのは一体何時なんだろうか(´Д⊂)
- 605 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/31(木) 03:55:03 ID:lUmeIgxc0
- 投下乙です
それで良いのか日本陸軍!
とりあえずいつの日かティーハーが誕生するよう祈って寝る
- 606 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/31(木) 08:03:58 ID:X0DjDoks0
- 今回、史実に紛れてさり気なく(?)大嘘挿入しました。
でもまあ3号4号戦車くらいなら、この段階でも買おうと思えば買えただろうし、いいかな……
……この程度のチートがなければ、帝國の戦車はいつまでたっても(自主規制)だしorz
>>598
598様、有難うございます。
>なんとも苦笑いしか出てこないお寒い現状・・・転移はまさに「天佑」でしたね。
このぬるま湯状況で、九七式改ですら配備が遅れてますからねえ……
>>599
599様、有難うございます。
>トラクター作りまくりと聞いて覇者の戦塵思い出しましたw
大陸開発には必須ですから、戦車生産のウン倍は力入れてます。
ぶっちゃけ、史実よりも充実してるのはこれくらいかなあ?転移後は兵器生産ガタ落ちだし。
……でも生産に力をいれすぎ、トラクターの中の人が大きく不足しているところが帝國クオリティ。(養成が追いつかない……)
おかげで戦車隊から引き抜く羽目に!
- 607 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/31(木) 08:05:05 ID:X0DjDoks0
- >>600
名無し三等兵様、有難うございます。
>おお、ドイツの兵器が転移に付いてきた〜!
>まだまだ色々物がありそうですねえ。
史実でもBf109Eが開戦前に輸入されてますしねえ、いろいろあるでしょう。
でも、一番ありがたいのが工作機械なのですよね……
>しかし、30万圓の戦車は高いわな(苦笑)。
今までと仕様が大きく異なる上、生産数が少ないから、どうしても高価になっちゃうのですよ。ついでにドイツを見習って増加装甲付与を考慮に入れたため、二割程の重量増加を見込んでマージンとってますし。
……正直、30万圓でもどうだろ?と。
>>601
601様、有難うございます。
>帝國が1945年の米国並みの生産力と質を備えるのはいつの頃になるでしょうね〜
昭和35年あたりかなあ?
>あと、自分の記憶では九七式中戦車には殆ど全てに無線機が装備されていた、と聞いたことがあるのですが・・・
あ、書き方が悪かったです、ごめんなさい。
確かに九五式はともかく、九七式には標準装備されています。
けどウチの戦車師団は、九七式132両、九五式108両ほど(S18時点、ただしその後SS中にもある様に戦車の総保有が削減されたことにより、昭和20年より定数削減)ですので、半分は装備されてないのですよね〜 九七式の無線もアレですし。
- 608 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/01/31(木) 08:05:36 ID:X0DjDoks0
- >>602
ヨークタウン様、有難うございます。
>いい戦車は出来ても、高すぎて駄目というのが帝國らしいというか・・・・(;´∀`)
隼約4機分のお値段ですから、そりゃあキレますよねえ……
>でも、この世界でならば、47ミリ砲でも充分ですから
正直、そうなのですよね。
だからこそ未だに短砲身57o砲搭載の無印九七式が主力(←F世界でも流石にこれはヤバイ……)
>>603
ドイツと帝國では生産力が違いますからねえ……
というか、ドイツでは町工場でも当たり前に造れる部品が帝國では……
>>604
>我が帝國が欧米並みの質と量を手に入れるのは一体何時なんだろうか(´Д⊂)
上手くいって10年後、上手くいかなければ永遠の10年後です(笑)
>>605
605様、有難うございます。
>それで良いのか日本陸軍!
ぶっちゃけ、大陸に展開している軍の兵站維持だけでも大金がかかりますからねえ。
史実で軍備に費やされた金は、開発関連に……
だから、陸軍はビンボなのですよ。(平時よりは100倍マシですが)
- 609 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/31(木) 18:42:54 ID:ioIT3kyc0
- と、ゆーか、そろそろ本土で労働力が足りなくなってきて
大幅な復員と陸軍師団のスケルトン化が政治日程に上がってきてるかと。
帝國本土が大海の真ん中にある以上、海軍の発言力が上昇していくのは
防げんだろうな・・・・
- 610 名前:陸士長:2008/01/31(木) 19:58:00 ID:KNJCSNJU0
- 投下乙です。
嗚呼、貧乏国の悲しさと言うか。
ぶっちゃけ、兵器更新の遅さは陸軍上層部の認識の悪さと言うよりも、
「更新する為の予算も資源も生産機器も無い!」
と言うのが現実だったんじゃないかなと思いました。
こういうお寒い台所事情を見ると、火葬戦記が如何に荒唐無稽かと言う事が解るかなぁと。
超兵器なんかよりも、信頼出来る量産体制や規格統一の方がずっと大事。
これが現実でしょうか……浪漫がありませんがw
- 611 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/01/31(木) 20:38:38 ID:ioIT3kyc0
- それが身にしみた、元若手将校や古参下士官たちが
戦後、企業を興したんだよね。
SONYも元海軍技術中尉が造ったベンチャー企業だったんだよなぁ・・・
- 612 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/01(金) 18:09:59 ID:U.nv0ZwU0
- とりあえず欧米相手にに攻勢作戦掛けられる能力は無いわけだから、75mm高射砲や8サンチ高角砲を搭載した3号突撃砲や、47mm砲を搭載した九五式改造の砲戦車でお茶を濁すしか無いんじゃないの...
- 613 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/02(土) 00:04:43 ID:4B.xYT7Eo
- この時点での、「豊田」はどうなってんだろう。
本来の稼業の自動織機の需要増加で
忙しいんかなあ?
- 614 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/02(土) 00:07:46 ID:.A3Zhv7g0
- 資源と資金が豊富なら、重工業も興せるけど技術が・・・・
戦前の日本が軽産業国家だったことw忘れてはいかんな
日貨排斥なんぞ、商品の国際競争力が貧弱だったからだし。
・・・現代、日本の製品を第三国経由も含めて完全閉め出しを
やった国(経済圏)は、国民生活が十年程度後退するだろうなぁ・・・・
- 615 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/02(土) 08:03:48 ID:X0DjDoks0
- >>609
>大幅な復員と陸軍師団のスケルトン化
現在の陸軍は、基幹戦力として――
内地(神州大陸を含む)に平時編制の21個師団(三単位だが規模は四単位並)、
外地に戦時編制(ただし未充足)の21個混成旅団(フランケル旅団を含む)、
その他に機動打撃として機甲軍(高充足の戦時編制。ただし各師団の戦時定員は一般師団の1/4〜1/2程)、
――を保有しています。質はともかく部隊数としては、「大正の軍縮前に植民地が増えた分だけ警備隊が増加した」といった感じでしょうか?
これに多数の(比較的充実した)支援部隊が加わる訳ですが、そんな訳でかなり部隊数を減らしているのですよ。ですから、これ以上の踏み込んだ軍縮(および復員)は、少なくとも軍主導では難しいでしょうねえ。
大陸に半分近い人員を送り込んでますし……
>海軍の発言力が上昇
これは十分考えられますね。いままでの様に大陸まで数十キロ、という訳ではありませんから。
まあ、救いは太内海が完全に帝國の海になっていること、でしょうかね。陸軍の武装商船程度でも十分守れる程度の。
- 616 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/02(土) 08:04:39 ID:X0DjDoks0
- >>610
陸士長様、有難うございます。
>ぶっちゃけ、兵器更新の遅さは陸軍上層部の認識の悪さと言うよりも、
>「更新する為の予算も資源も生産機器も無い!」
>と言うのが現実だったんじゃないかなと思いました。
ですね。20トン級戦車を支えるバネ一つ作るのさえ一苦労、という状況じゃあ……
>こういうお寒い台所事情を見ると、火葬戦記が如何に荒唐無稽かと言う事が解るかなぁと。
くろべえの話も、かなり帝國の力をかさ上げしてますからねえ。
正直、造船を含む大陸開発に力を入れていたら、民間の生活までとてもじゃないけど手が……
(この上、史実並みに軍艦造った日にはトンでもないことに!)
>>611
>それが身にしみた、元若手将校や古参下士官たちが
>戦後、企業を興したんだよね。
現在大陸開発で需要が旺盛ですから、ベンチャー企業が入り込む余地も大いにあるでしょうね。
既存の企業家も金持ってるから投資し易いだろうし。
……ただ、戦後米兵器を目の当たりにした様なショックまではムリかと。
- 617 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/02(土) 08:05:09 ID:X0DjDoks0
- >>612
>とりあえず欧米相手にに攻勢作戦掛けられる能力は無いわけだから、75mm高射砲や8サンチ高角砲を搭載した3号突撃砲や、47mm砲を搭載した九五式改造の砲戦車でお茶を濁すしか無いんじゃないの...
突撃砲に大して歩兵と砲兵が強い関心を示しています。
(歩兵は、戦車の集中運用により戦車の支援がまず望めなくなったため、新たな歩兵支援専用の機動兵器を求めている
砲兵は、新分野への参入と予算獲得を目論んでいる)
丁度軽戦車の保有枠が半減されたことにより、S20年度より当面軽戦車の生産(年80〜90両)が停止となりました。この分の生産余力を利用して、年30両程の調達を希望しています。
ま、予算が獲得できれば、の話ですが。
要求としては、
・車体は三式中戦車を利用する。
・ドイツ突撃砲を参考とした密閉砲塔とする。
・破城鎚としての敵陣強襲を主任務とするため、できる限り重装甲とする。この際、機動力は犠牲となっても構わない。
・主砲は既存の九〇式或いは三八式野砲を改修した砲とする。
です。(運用思想古っ!?)
ま、歩兵と砲兵の要求ですからね……ははは…………orz
ちなみに独立中隊(各6両?)での運用を想定しています。
重要局面で投入されるのですね。
- 618 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/02(土) 08:07:08 ID:X0DjDoks0
- >>613
各企業、開発関連の受注で忙しいですから、結構儲かってるでしょう。
……なのに(統制により)労働者の給料がさして上がってないのがミソ。
今のところ、失業率の大幅低下と過剰残業による見せ掛けの収入増により誤魔化されていますが……
>>614
>戦前の日本が軽産業国家だったことw忘れてはいかんな
肝心の工作機械も満足に造れませんしねえ……
重工業を、といっても金は無いし軍事以外は国内の需要が無いですし。
- 619 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/02(土) 09:40:49 ID:U.nv0ZwU0
- >>617
突撃砲車体に3号を使用するのはもったいないんじゃ...
歩兵用に九八式車体に、四一年式山砲か短57mm砲の突撃砲が安上がりですし、
砲兵は九七式や三式車体に10cmや15cm砲搭載の自走砲に……の方がしっくりきますが
あるいは歩兵輸送用の半装軌車両(一式半装軌装甲兵車)の話が前に出てたような気がしますが、それに7.5cm山砲を載せた自走砲というのもありかと
- 620 名前:名無し三等兵@F世界:2008/02/02(土) 11:55:30 ID:dDKWsT0E0
- >突撃砲車体に3号を使用するのはもったいないんじゃ...
>歩兵用に九八式車体に、四一年式山砲か短57mm砲の突撃砲が安上がりですし、
>砲兵は九七式や三式車体に10cmや15cm砲搭載の自走砲に……の方がしっくりきますが
破城鎚としての役割を求められているので、貫通力の低い短砲身では厳しいじゃないかな?
それに、野砲が通常の師団から無くなった分の補完という意味もあるのでは?
- 621 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/02(土) 12:03:23 ID:U.nv0ZwU0
- あと3号に九〇式か、三八式野砲を搭載して通常の戦車として完成させられないでしょうか?
どちらも長砲身というよりは中砲身ぐらいなんで、3号戦車でもターレットを拡大すれば搭載できるように思えるのですが…
(47mm砲だと97式改が既にある訳ですから、運用性がよくてもあまり必要性がないのでは)
- 622 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/02(土) 13:13:25 ID:yUGlcZ7M0
- 悲しき三式戦車と言った所ですか。
なにか史実の四式の57ミリ砲型の初期検討案みたいな戦車で史実はM4の為強化されたけど、脅威の低さと大蔵省の立場の強化でスペックダウン。その内に強化案の存在も忘れられそうなのが帝國の官僚組織かと。DEに乗っ取られる危惧を吉田氏も抱くのも最もか。
足回りは、トーションバーは、無理で4号の板バネで妥協でも、やっぱりヘタルか。
特殊弾としてHEAT弾も一緒に付いてきたらタ弾も開発できたも知れないけど、帝國版バズーカやパンツァーファーストは稲葉氏が来るまでは無理かも。
- 623 名前:名無し三等兵@F世界:2008/02/02(土) 15:19:10 ID:dDKWsT0E0
- >>621
コストダウンが大幅に図られていますから、他の戦車と弾薬の共用が可能な47mm砲が選ばれたのでしょう。
九〇式野砲(改修)を載せると、史実通りの三式中戦車になりますが、予算が大幅に減額されていますからねえ…。
試作ぐらいはされているのかもしれないけど…。
- 624 名前:名無し三等兵@F世界:2008/02/02(土) 15:42:55 ID:dDKWsT0E0
- 連続ですいません。
>くろべえさん
野砲搭載の砲戦車と言えば、昭和16年制式化の一式砲戦車(ホニT)があったことを思い出しましたが、これの量産はされないのでしょうかね?
背の高いオープントップ式防盾という点が劣ってはいますが。
「砲戦車」だから、歩兵や砲兵にまわってこないのが問題?
(史実のドイツでは「駆逐戦車」は戦車兵、「自走砲」は砲兵、「突撃砲」は歩兵)
- 625 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/02(土) 17:50:03 ID:U.nv0ZwU0
- >>620
>破城鎚としての役割を求められているので、貫通力の低い短砲身では厳しいじゃないかな?
15cmくらいの重砲であれば短砲身は問題では無いし、汎用性も高いです。
7.5cmカノン砲という中途半端な性能だからこそ砲兵では能力不足となったわけですし、対戦車以外であれば、
例えば史実の四式自走砲のように三八式15cm榴弾砲か、或いは20cm、24cm砲弾改造の噴進砲搭載で突撃臼砲(シュトゥルムティーガー方式)というのも
……日本人にはぶっ飛びすぎた発想の産物であるでしょうが、
- 626 名前:名無し三等兵@F世界:2008/02/02(土) 23:05:36 ID:dDKWsT0E0
- 考えたら、旧式で大口径な重砲は転移で失った要塞砲の代わりとして大陸方面で使用中なんじゃないかな?
(『特務砲術科』や「ホラズム」の話から)
だから、砲戦車や自走砲を作る程の数が内地に無いかも。…くろべえさんの設定次第ですが。
- 627 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/03(日) 00:22:35 ID:K3ArTEDc0
- これで、転移男の所持PC内に「世界の兵器 陸海空宇宙編」が
それぞれスペックと動画付きであったら帝国関係者は
ノイローゼになるんちゃう?
「駄目だ!どうやっても勝ち目がない・・・」と。
基礎技術で四半世紀遅れているし、理論もなぁ・・・・
- 628 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/03(日) 01:33:36 ID:1iYxEpnk0
- 彼は手切れ金とやらでPCパーツをどっちゃり買い込んだんじゃないっけ?
まあ同時にディスカバリーチャンネルのDVDとか買ってそうだが。
- 629 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/03(日) 03:17:26 ID:PrNDtOqYO
- スターウォーズ見せてやればいいのに
- 630 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/03(日) 10:21:12 ID:oVuuhHNoO
- VFXやCG技術に驚くと・・・
- 631 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/03(日) 11:12:11 ID:rnieKo0I0
- マクロス見せてやれよ。
「向こうの戦闘機は人型に変形するのか!?」
- 632 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/03(日) 12:43:14 ID:kMQvuW4U0
- 佐藤御大の一連の作品をよんで「あの時あーしていれば・・・」
しかし、稲葉ってネットもコミケもとらやメイトもない環境で
良くノイローゼにならんで生きていけるなぁ・・・・
いくら、犬ミミ少女と同居とか、おにゃの虎がいても漏れには無理だ・・・
- 633 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/03(日) 13:52:49 ID:IOTd4zYs0
- それはお前が末期なだけ
- 634 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/03(日) 15:19:54 ID:LtBS9b3I0
- >>627
それは既に作者から「ない」と答えをもらってるはず
稲葉のPCに入ってるのは、大半が萌え関連
軍事や各種技術関連の情報データはさわり程度だそうですよ
- 635 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/03(日) 18:02:47 ID:5cdVuct20
- >「駄目だ!どうやっても勝ち目がない・・・」と。
>基礎技術で四半世紀遅れているし、理論もなぁ・・・・
転移男の帝國はその辺を十分わかってるって前にくろべえ氏が言ってた。
ゆえに大量の核による道連れ戦略をとってるとも。
転移後米中心の多国籍軍に攻め込まれた時や経済制裁によりにっちもさっちもいかなくなった時、
あるいは一部の核放棄引き換えに経済・技術援助を引き出すために。
- 636 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/03(日) 18:43:26 ID:8q4xnRLc0
- >>632
ノビーやエロゲデヴならともかく、カゲキ先生やなっちだったらgkbr
- 637 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/03(日) 20:18:37 ID:U.nv0ZwU0
- 萌えと兵器が絡んだものならどうだろう?
「戦艦越後」の船魂とか、戦車少女とか(オマケとしてデータが載っているみたいな)
- 638 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/03(日) 21:27:38 ID:PrNDtOqYO
- こんなのか
ttp://www.ikaros.jp/moeseries/
- 639 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/03(日) 22:17:55 ID:tPQPSKP20
- >>636
萌え萌え大戦略とかか
天下の光栄があんなの出すなんてなあ・・・
- 640 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/03(日) 22:18:40 ID:tPQPSKP20
- ↑すまんアンカーミス
>>637だった
- 641 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/03(日) 22:27:58 ID:U.nv0ZwU0
- そう、それ。
たまたまはまってて、PCゲーム化した美少女戦略SLGや、攻略本とか買ってたとかね
- 642 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/04(月) 00:05:30 ID:uMLz8Bco0
- 空母を綺麗なお姉さんとか、頼りがいのあるアネキとする
萌えマンガ満載な雑誌を見て・・・・
「この手があったか!」
企画を出した担当官は、海軍長老に睨まれて腹を切る寸前までいったそうな
- 643 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/04(月) 13:35:15 ID:X0DjDoks0
- どうも、くろべえです。
SS投稿します。
- 644 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/04(月) 13:36:16 ID:X0DjDoks0
- 帝國召喚 ジャンク編1「転移男」短編
『或る“や(まなし)・お(ちなし)・い(みなし)”な話』前編
――――午前零時、“まんぷく”。
ギシ……ギシ…………
「…………」
「…………」
並んで床についていたシャオとロンは、先程から無言で天井を眺めていた。
ギシ……ギシギシ……
ここ最近、家鳴りがする。
しかも、だんだん頻度と音の大きさが増してきているのだから、尋常ではない。
ククク、ケケケ……
……そして、時折聞こえる不気味な笑い声。
いったい、何時から我が家はお化け屋敷になったのだろうか?
「シャオ……」
遂にたまりかねたのか、ロンがシャオに声をかける。
そして、真剣な表情で彼女を見た。
「なに、お父さん?」
故に、シャオも真剣な声で応じる。
たぶん、父も自分と同じことを考えている――そう確信して。
父は娘の態度に頷き、重々しく口を開いた。
「やらないか」
- 645 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/04(月) 13:37:25 ID:X0DjDoks0
- 「ウホッ! いい作品…」
同時刻、因幡は自室でにやけながら漫画本を読んでいた。
題名は“火の鳥”。言わずと知れた“漫画の神様”の代表作の一つである。
そして、現在読んでいる巻は完結巻(!)
完結巻、である。因幡が元いた世界(地球世界)では遂に未完で終った“火の鳥”であったが、この世界(アルフェイム世界)では数年長生きしたせいか、何と完結していたのだ。
……これを見つけた因幡が、思わずダッシュで買ったことは言うまでもないだろう。周囲の白い眼を華麗にスルーし、帰りの電車内でそれを黙々と読み続ける――大の大人が公共の場で漫画を読むという行為は、“帝國”では決して褒められた行為ではない。ましてや高級将校の軍服を着ていれば尚更だ――という夢中っぷりだ。(この行為が投書されて新聞に載り、部長の血圧がまた上がることになるのだが、まあこれはまた別の話であろう)
そして日付も変わりようやく読み終えた因幡は、感に堪えない、といった表情で呟いた。
「凄い、凄すぎるぜアルフェイム…… コレ、“まんだらけ”に持って行ったら一体幾らで売れるよ?」
思わず舌なめずりしてしまう。
無論、社会の違いからか細部はやや異なるが、それでも正真正銘本物の“火の鳥”シリーズが、どの巻も尻切れ蜻蛉ではなくきちんと最後まで描かれ、しかも完結しているのである。これはちょっとした“お宝”であろう。
地球世界で唯一人、自分だけがそれを持っている――そう考えると、知らず知らずのうちに顔がにやけてしまう。
- 646 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/04(月) 13:38:01 ID:X0DjDoks0
- 「ククク…… 思えば“負け組”通り越して“負け犬”人生だったが、俺も運が向いたものよ!」
考えてみれば、こっちに来てからというもの、全てが今までと真逆だ。
イヌミミ少女やぬこミミ少女とお近づきになれた上、現在一つ屋根の下という“ソレナンテエロゲ”状態。
あまつさえ、職業は天下の公務員&外資系エリート証券マン真っ青の高待遇……
井上!永山!俺は“勝ち組”になったぞ!
「主人公や……俺がこの物語の主人公なんやっっっ!」
ウケケケ……
完全に逝ってしまい、凄く不気味な声で笑う因幡。
……冒頭の“不気味な笑い声”のヌシは、実はコイツだったのである。
バンッ!
と、笑いが頂点に達した正にその時、勢いよく扉が開いた。
「因幡さん、入りますよ!」
そして、返事も待たずにシャオが入ってくる。
……普段の彼女からは、想像もつかない乱暴さだ。
「うおっ!? ……何だシャオちゃんか、どしたの?」
我に返った因幡は、訳もわからず目をパチクリさせている。
(この状況にも関わらず、ちょっと“期待”してドキドキなのはヒミツだ)
- 647 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/04(月) 13:38:51 ID:X0DjDoks0
- 「部屋検めだ」
その疑問に、シャオの後ろからロンがずずいっと出て、重々しい口調で告げる。
が、因幡はそんなことよりも、ロンの頬に大きくつけられた“手形”に興味深深だ。
「ロンさんまで……っていうか、そのでっかい“もみじ”どうしたんですか?」
「……いや、ちょっと“帝國”語の難しさを再確認しただけだ。気にするな」
「何年“帝國”語話してるんですか!? お父さんのバカッ!」
シャオは真っ赤になって怒る。
部屋検めをしよう→部屋検めをしないか→部屋検めをやらないか→(部屋検めを)やらないか
……ま、そんな訳だ。
(特に学校に行って習った訳でなく、フィーリング――それも戦場で――で身に着けたロンの“帝國”語は、やはり少しどこかおかしかった)
「と、とにかく部屋を調べさせてもらいます!いいですね!」
言うが早いか、シャオは部屋の探索を開始した。
それを横目に、ロンが追加説明する。
「どうもここ最近、居間の天井が軋むんだよなあ。 ……おまえ、一体何置いてるんだ?」
……ちなみに居間の上は因幡の部屋である。疑われるのも当然、と言えよう。
- 648 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/04(月) 13:39:38 ID:X0DjDoks0
- 「? 特に何『あー! 何ですか、コレは!?』も」
押入れを開けたシャオが思わず叫ぶ。
何と中には、漫画がギッチリと詰まっていた。
押入れ一杯に、だが規則正しく積み重ねられた漫画本――
「おお、こりゃあ壮観だなあ」
「感心しないでよ! これだけで優に100s超えてるよ!お相撲さん並だよ!?」
ぶっちゃけ、それ以上だ。
「……しかしなあ、幾らウチが古いとはいえ、コレだけであれ程軋むってのも『あ、そこは……』うおっ!?」
苦笑しながらベットに腰を下ろしたロンがひっくり返る。
ベットだと思ったのは、古週刊誌を積み重ね、その上に板を敷きシーツで覆い、布団を載せただけの“なんちゃってベット”だったのだ。
「だめですよ、ちゃんと気をつけ無いと直ぐに崩れちゃうんですから……」
「お、おまえなあ……」
「つ、机の下にまでぎっちり……」
机の下を覗き、シャオが絶句する。
続々と現れる漫画の前に、流石に苦笑いしていたロンも顔色を変えた。
- 649 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/04(月) 13:40:28 ID:X0DjDoks0
- …………
…………
…………
結局、因幡の部屋からは数千冊(たぶん)もの漫画本が押収された。その重量、ウン百s(そりゃあ軋むわ)
山の如く積み上げられた漫画を前に、シャオとロンはただただ無言で立ち尽くす。
「…………」
「…………」
「えへ」
居たたまれなくなり、因幡は軽く笑ってみた。
と、それが合図になったのか、二人は顔を向き合い頷き合う。
そして、“行動”を開始した。
「い、いやあ〜〜!」
漫画本をまとめて紐で縛り、次々と運び出していく二人に、因幡は悲痛な声を上げて抵抗する。
が、獣人親娘の前には文字通り蟷螂の斧に過ぎない。彼に許された行為は、ただシクシクと二人の足元で泣き崩れることだけだ。
「お、お代官さま! お願えでございます、お慈悲を、お慈悲を〜〜」
- 650 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/04(月) 13:41:05 ID:X0DjDoks0
- 「あきらめろ。つーか、なんで同じ漫画が三冊もあるんだよ……」
「やだなあロンさん、買う時は“鑑賞用”“保存用”“布教用”に三冊買うのが常識じゃあないですかっ!」
「……どこの世界の常識だ、ソレは」
握り拳で力説する因幡を、ロンは白い目で見る。
――くっ!
内心、因幡は歯噛みする。
この二人、どうやら本気で全部捨てる気のようだ。
……そして、それを止める手段は無い。
何てこった!この世には神も仏も無いのかっ!
因幡が激しく神を呪っていた丁度その時、暢気な、どこか寝ぼけた様な声で一人の少女が入ってきた。
「どーしたんですかー」
「ああ、沙羅ちゃん! へるぷみー」
地獄に仏、とばかりに因幡はすり寄る。
彼女の名前は虎城沙羅。その姿からは想像もつかないが、狼人であるロンやシャオを上回るパワーとスピードを持った虎人のお嬢さんだ。シャオの同級生……の筈だったのだが、色々あって現在は“まんぷく”の住み込み店員をやっている。(非常に優秀な生徒だったのに、つくづく残念な話である。気の強い彼女は決して認めないだろうが、因幡に人生を狂わされた様なものだ)
- 651 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/04(月) 13:42:01 ID:X0DjDoks0
- 「ふえ?」
だが片手に愛用の大きな枕を抱え込み、かつネコの着ぐるみパジャマを着た沙羅は、軽く首を傾げながらもぼうっと突っ立ったままだ。
……どうやら完全に寝ぼけている様である。ま、そうでなければ彼女が“こんな姿”を人前に晒す筈も無いのではあるが。
ゴン!
「あうちっ!?」
「……ごめんね虎城さん、起こしちゃって」
沙羅にしがみつこうとした因幡をグーで殴ると、シャオはすまなそうに頭を下げた。
「だいじょうぶですよー、うちのいちぞくはやこうせいですからー」
「そ、そうなんだ……」
まったく説得力の無い台詞と、普段とはまったく異なる態度に、シャオは曖昧に笑う。
「そうなんですよー」
ZZZ……
「え、え〜と、明日も早いからもう寝たらどうかな?」
- 652 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/04(月) 13:42:32 ID:X0DjDoks0
- 「……そーします。でわ」
そう言うと、沙羅はふらふらと帰っていった。
……一体、何しに出てきたのだろう?
「ああっ!? 沙羅ちゃんカムバッ〜〜ク!!」
「さて、と。じゃあ私達も早く終らせちゃいましょうか」
「だな」
因幡を無視し、二人は作業を再開する。
最後の望みを絶たれ、因幡は完全にorz状態だ、
「捨てるなんて酷いや……」
ポン
そんな因幡の肩を、シャオが優しく叩いた。
「大丈夫ですよ、捨てる訳ないじゃあないですか」
「え……」
その思いがけない言葉に、因幡は顔を上げてシャオを見る。
シャオは 優しい……とても優しい表情だ
「チリ紙交換屋さんに交換して貰うだけですよ」
「鬼〜〜〜っっっ!!」
翌朝、居間には大量のトイレットぺーパーが積み上げられたという。
- 653 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/04(月) 13:44:46 ID:X0DjDoks0
- SS投下終了。
題名どおり、今回は“や(まなし)・お(ちなし)・い(みなし)”な話です。
レスの返事は後日改めて……
- 654 名前:でん:2008/02/04(月) 16:19:34 ID:0E919J7g0
- いなばきたー!!
最近遅いなーとおもったらこれの伏線だったのか!!
この調子でいなばかむおん!!
- 655 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/04(月) 19:26:15 ID:Bd3wyNqw0
- その高給で部屋とまでは言わないから倉庫くらい借りろよ…南無
- 656 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/04(月) 20:06:53 ID:yUGlcZ7M0
- シャオちゃん、古本屋の方が高く売れますよ。
あと一部は“まんぷく”に置けばお客さんも喜ぶかと。回転率は落ちるかもしれませんが。
因幡に改名とは、兎人にクラスチェンジですか。
- 657 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/04(月) 20:29:18 ID:y5G13e4g0
- >>655
稲葉(因幡?)はいつでも手の届く所にマンガor雑誌を置いておきたい性質なんだろ
それより新キャラキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
オラは萌えたゾーーーー!!!!!!!!!!!
しかも同棲とかソレナンテエロゲ??
- 658 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/04(月) 21:31:56 ID:S8g3uMA20
- 火の鳥大地編は第二次世界大戦が舞台だったはずだが、この世界ではどうなったのだろうか。
- 659 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/04(月) 22:09:41 ID:Tq.G7TEQ0
- 火の鳥完結巻か・・・それを読むためなら、
二度と現日本に帰ってこれないのも覚悟して転移を望む奴が大勢出てきそうですな。
- 660 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/05(火) 00:01:43 ID:Ag3vcAig0
- コミケと同人ショップがないとなぁ〜
あと、ネットも。
そーゆー訳で転移希望者は少なめでしょうな。
それと
おにゃの虎キター!!!
言い続けたかいがあったなぁ・・・・(遠い目)
- 661 名前:名無し三等兵@F世界:2008/02/05(火) 01:08:48 ID:TzZzhaIQ0
- くろべえさん、投下乙です。
いなばさん、高級将校姿で電車通勤なんだ?
ということは、高級将校になっていることは、もう「まんぷく」の2人にばれているのかな?
しかし、いなばの眼鏡にかなった数百種のアルフェイム世界の漫画。
陸海軍漫画戦争(特務砲術科)のおかげか?
帝國陸海軍もあるし、満鉄の血を引くレムリア鉄道(旧版)もあるし、
行ってみたいぞ!アルフェイム世界の帝國!!
- 662 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/05(火) 02:30:35 ID:nG.iD8SY0
- いやーくろべぇ氏の作品は凄く面白い!!のだが
2戦級?のばかり出てくるから・・・
一航戦は無理にしてもせめて軽空母あたりは出てきてほしいです
戦艦も旧作で金剛型がやっと出てたぐらいだし
燃費はいいですよ飛鷹型はw
あと100万ヒット超えおめでとうございます
- 663 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/05(火) 05:38:16 ID:z6A.KDYUo
- この世界なら、貸本屋が未だ全盛だったり。
- 664 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/05(火) 07:21:49 ID:oVuuhHNoO
- 陸海軍漫画戦争で当時の子供達は漫画を公然と見られるようになったと思いきや、
やっぱり大の大人が漫画を読むことは褒められたものじゃないんですね〜
- 665 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/05(火) 07:47:03 ID:aE.ogAMI0
- 未完漫画で石ノ森の009天使編を連想したが、元世界の外国人が大量に出てくる
009は描かれなかったかもしれんなあ。
- 666 名前:名無し三等兵@F世界:2008/02/05(火) 08:37:09 ID:TzZzhaIQ0
- >>662
安心しろ、補助空母なら出てきたじゃないか。角田少将と共に。
客船改造の神鷹型だけどもね。
でも航空戦隊で合計5万トン以上の空母だ!
- 667 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/05(火) 09:16:08 ID:U.nv0ZwU0
- この世界じゃ太陽編みたいな獣人が出る作品が多く作られてるだろうな…
元々その傾向が強かったし、
あと戦車についてですが、九五式に砲塔リング径を広げて九七式の砲塔を乗っけた四式軽戦車というのがありますが、
九五式に出来るのなら九八式軽戦車の車体に、九七式改の砲塔と47mm砲を搭載出来るようにした“五式軽戦車”というのはどうだろう?
(九八式は車体機銃が無いので、砲塔同軸機銃に改造する必要があるが)
これが可能になれば(九五式改造の)四式+五式軽戦車が生産に移行すれば、四式への砲塔撤去で残った九七式車体を、自走砲や突撃砲に活用出来、
→以降、九七式の生産ラインを段階的縮小と、7.5cm砲搭載型三式中戦車と五式軽戦車のハイローミックス体制へ……
と、云う妄想が浮かんだのだが、どうだろう?
それと日露戦役時の海軍旧式艦艇に、ホチキス3ポンド速射砲こと40(?)口径47mm単装砲という砲があるので、もしかしたら海軍の倉庫に死蔵されて可能性が…
(同一の物かは確認できませんが、大戦間のイギリスにてビッカース系戦車などに3ポンド戦車砲として採用されてます)
- 668 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/05(火) 10:11:18 ID:U.nv0ZwU0
- すいません、おまけですが、
九七式軽装甲車の派生型で、九八式装甲運搬車の荷台に、短57mm砲と防盾を搭載して、歩兵直協の軽自走砲に
- 669 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/05(火) 10:14:10 ID:5cdVuct20
- >>662
そんな貴方に悲報。
旧版にいた大鳳、現行版にはいません。
- 670 名前:名無し三等兵@F世界:2008/02/05(火) 10:43:56 ID:j8Q/pS820
- >>667
>それと日露戦役時の海軍旧式艦艇に、ホチキス3ポンド速射砲こと40(?)口径47mm単装砲という砲があるので、もしかしたら海軍の倉庫に死蔵されて可能性が…
もしかしたら、転移時の装甲巡洋艦にまだ搭載されているかもね。
- 671 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:39:10 ID:X0DjDoks0
- >突撃砲車体に3号を使用するのはもったいないんじゃ...
庇を貸して母屋を〜じゃないけど、トラクタ生産の合間に戦車造ってますからね、生産力に限りがあるのですよ。
製造やめた九五式の分(80〜90両/年)に九七式から三式の生産に移行したことにより増えた工数を引いただけしか余力が……
最大でも三式30両、実際は20両程じゃあないかなあ。
で、その分だけ九七式のライン残しても効率が……かといって九五式じゃあ力不足だし。
どうせ数が造れないなら、重装甲重武装可能な三式で、と考えたのでしょう。
>あと3号に九〇式か、三八式野砲を搭載して通常の戦車として完成させられないでしょうか?
できるでしょうが、それは後期型とかそのあたりになるでしょうね。
>47mm砲だと97式改が既にある訳ですから、運用性がよくてもあまり必要性がないのでは
九七式改はあくまで“つなぎ”ですから。
で、一式がぽしゃった以上……
>足回りは、トーションバーは、無理で4号の板バネで妥協でも、やっぱりヘタルか。
一応、四号の足回りを、としていますがどうだろ?少数生産とはいえ厳しいかな?
史実通り、つる巻きバネ&平衡式連動懸架装置にしとくべきか……
- 672 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:41:13 ID:X0DjDoks0
- >特殊弾としてHEAT弾も一緒に付いてきたらタ弾も開発できたも知れないけど、帝國版バズーカやパンツァーファーストは稲葉氏が来るまでは無理かも。
こっちの世界じゃ必要ないからなあ……
稲葉までとはいかなくても、大分遅れるかも。
>野砲搭載の砲戦車と言えば、昭和16年制式化の一式砲戦車(ホニT)があったことを思い出しましたが、これの量産はされないのでしょうかね?
戦車生産の激減により先送り→三式車体登場でお蔵入りです。
>例えば史実の四式自走砲のように三八式15cm榴弾砲か、或いは20cm、24cm砲弾改造の噴進砲搭載で突撃臼砲(シュトゥルムティーガー方式)というのも
余裕のある三式車体を使えば可能でしょうね。
三式が多数出回る二〇年代も半ばになれば、そういった動きが出てくるかも。
>考えたら、旧式で大口径な重砲は転移で失った要塞砲の代わりとして大陸方面で使用中なんじゃないかな?
大丈夫です、三八式は勿体無くて使ってませんから。
(使ってるのは加式とか安式……)
>大量の核による道連れ戦略
稲葉の登場で、“帝國”は判断の正しさを再確認したでしょうね。
最盛期のアメリカよりに準ずるほどの核をもってる以上、手出しようとする馬鹿はいないでしょうから。
……まあ通常兵器にしても、80年の米軍並みの質と量がある訳だから、ぶっちゃけアメリカ以外がどうこうできる相手じゃないんですけどね。(少なくとも英仏中じゃ攻め込むのは自殺行為)
- 673 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:42:19 ID:X0DjDoks0
- ここから今回の返レスです。
>>654
>最近遅いなーとおもったらこれの伏線だったのか!!
や、純粋に時間がとれなかっただけです。ごめんなさい……
>>655
>その高給で部屋とまでは言わないから倉庫くらい借りろよ…南無
確かに高給取りですが、例の借金返済で人並み以下に(笑)
>>656
>シャオちゃん、古本屋の方が高く売れますよ。
こっちの世界みたいに高く売れるマンガ専門店(KBOOKとかまんだらけとか)が無いのですよ。大規模な古本屋も少なく、1冊10銭どころか「一束いくら」です。
>因幡に改名とは、兎人にクラスチェンジですか
なんかおかしーなーとは思ってました(笑)
>>657
>しかも同棲とかソレナンテエロゲ??
ギャルゲです(笑)
>>658
>火の鳥大地編は第二次世界大戦が舞台だったはずだが、この世界ではどうなったのだろうか。
対レムリア戦争とか対4ヵ国戦争とかかも。
- 674 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:42:59 ID:X0DjDoks0
- >>659
>火の鳥完結巻か・・・それを読むためなら、
>二度と現日本に帰ってこれないのも覚悟して転移を望む奴が大勢出てきそうですな。
ちなみに、こっちの世界のマンガはその経緯ゆえか史実よりも秩序だっています。(国が保護してますし)
手塚先生はその大御所の一人ですから、発表の場に事欠かないのですよ。
……ついでに、アニメ製作環境はこっちと雲泥の差ですね。ま、アメリカほどじゃあないですが。
>>660
>言い続けたかいがあったなぁ・・・・(遠い目)
攻略キャラがいつまでも一人だけってのもアレなので、そろそろだそうかな、と。
>>661
名無し三等兵様、有難うございます。
>いなばさん、高級将校姿で電車通勤なんだ?
今まで近所にぷーと思われていた(そりゃそうだ!)ので、やむなく……
>>662
>いやーくろべぇ氏の作品は凄く面白い!!のだが
有難うございます。
>2戦級?のばかり出てくるから・・・
>一航戦は無理にしてもせめて軽空母あたりは出てきてほしいです
ウチの帝國はビンボですからねえ。
おまけにフリートビーイングだし。
>あと100万ヒット超えおめでとうございます
これも皆様のおかげです。
何か記念考えなきゃ……
- 675 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:43:57 ID:X0DjDoks0
- >この世界なら、貸本屋が未だ全盛だったり。
流石にそれはないです。
>>664
>やっぱり大の大人が漫画を読むことは褒められたものじゃないんですね〜
こっちより道徳とか煩いですからね。
稲葉はその立場と肩書きゆえに大分スルーしてますが。(空気読めない、ということもある)
>>665
>009
獣人とか、この世界の人々で代用してるかも。
>>667、668
>四式軽戦車
車内が狭くて操作性最悪、とも聞きますが。
>九八式軽戦車
新規製造になるので、一からラインを引く羽目になりますからねえ。
>これが可能になれば(九五式改造の)四式+五式軽戦車が生産に移行すれば、四式への砲塔撤去で残った九七式車体を、自走砲や突撃砲に活用出来、
>→以降、九七式の生産ラインを段階的縮小と、7.5cm砲搭載型三式中戦車と五式軽戦車のハイローミックス体制へ……
>と、云う妄想が浮かんだのだが、どうだろう?
陸軍としては、従来の
年産九七式中戦車70〜80両、九五式軽戦車80〜90両、九七式軽装甲車70〜80両
を、昭和20年より
年産三式中戦車70〜80両、九七式軽装甲車50両、突撃砲20両
とする腹つもりです。
……九七式軽装甲車がローなのですよ(泣)
>九七式軽装甲車の派生型で、九八式装甲運搬車の荷台に、短57mm砲と防盾を搭載して、歩兵直協の軽自走砲に
……載るかな?13ミリあたりは考えてたけど。
- 676 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:44:31 ID:X0DjDoks0
- では後編投下。
- 677 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:45:16 ID:X0DjDoks0
- 帝國召喚 ジャンク編1「転移男」短編
『或る“や(まなし)・お(ちなし)・い(みなし)”な話』後編
ガラ〜〜ン
「…………」
すっかり殺風景になった部屋(漫画しかなかったんかい!)の中、稲葉は無言で机の前に座っていた。
カチッ
手持ち無沙汰になり、何となく机上のノートPCを起動させる。
漫画本が消えた今となっては唯一残された娯楽品だ。 ……尤も既に所有権は国に移り、官品となっていたが。
カタカタ……
ノートPCが映し出す、故郷の残り香――もう一体何度見たことだろう? それは漫画の世界に逃げ込み、考えない様にしていたことを、嫌でも思い出させる。
「くっ!?」
思わず頭を抱え、蹲る。
考えちゃ駄目だ!
が、その想いとは真逆に故郷のことが、自分がいなくなった後のことが、次々と思い浮かんでくる。
- 678 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:45:59 ID:X0DjDoks0
- 楽しみにしていったマンガやアニメの続き、
期待しているゲームの続報、
巡回していたHPの更新……
見なきゃいけないもの、大分溜まってるだろうな。あ゛“溜まってる”っていや、仕事山のようにあったのそのままだよ……皆怒ってるだろうなあ。もしかしなくてもクビかな、これは。
で、その連絡が実家にいって――いかん!そこから先は考えるな!
考えちゃ駄目だ!
考えちゃ駄目だ!
考えちゃ駄目だ!
「う……」
が、考えてしまった。禁断の扉を開けてしまった。
忘れろ!
忘れろ!
忘れろ!
そう、必死で自分に言い聞かせる。
が、所詮不可能な話だった。
開かれた扉からは、洪水の如く様々な想いが押し寄せて来る。
「だ、誰か…頼む……お願いだ…………」
- 679 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:46:32 ID:X0DjDoks0
- その重さに耐え切れず、苦悶の表情で哀願する。
「誰か俺の部屋のパソコン、HDDを全消去してくれっっっ!!」
……それは、魂の咆哮だった。
パソコン――それは魔法の箱。持ち主の欲望を満たしてくれる、神の業を持った悪魔の箱。
人は、己の心の奥底を晒すのと引き換えに、願いを叶えて貰う。
つまり、パソコンは持ち主のことを“何でも知っている”のである。
……特に、負の方面において。
「い、いやあ! 見ないで、お願い!?」
ゴロゴロ
羞恥の余り、稲葉は部屋を転げ回る。
あのPCには……あのPCにはっ!
己の性癖丸判り、なうっふん画像とか映像とか、
いいトシして何だよ、な萌画像とか萌映像とか、
中二病全開!のイタい自作小説とか……
とにかく色々詰まってるのである。ぶっちゃけ、アレ残しては死ねない。
「くっ! もしアレを見られたりしたら、リアルでそいつを殺しかねんぞ、俺……」
- 680 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:47:58 ID:X0DjDoks0
- それほどの秘密なのだ。
……が、そのパソコンは遥か次元の彼方に存在し、もはや手に届かない。
「神よ!我を召喚せし偉大なるアルフェイムの神よ! 貴方も同好の士ならばこのイタさが判るでしょう! ……だから助けて、プリーズっ!!」
万策尽きた稲葉は天に向かい、一心に祈る。所謂“神頼み”というヤツだ。
がこの姿、他人が見れば――
「……アンタ、何馬鹿やってるのよ?」
――となる訳である。
「沙羅ちゃん? むむう、一体いつの間に……流石ぬこ」
まるで馬鹿を見るような目で自分を見るネコミミ少女の登場に、稲葉は相好を崩す。
が、ネコミミ少女の方はその発言にいたく気分を害したようで、稲葉を締め上げた。
ギリギリ……
「だ、か、ら、あたしは“虎”だって何度も言ってるでしょ! それに“ぬこ”って何よ“ぬこ”って!?それを言うなら“ねこ”よ“ねこ”っ!」
「相変わらずいい突込みの沙羅ちん萌え〜」
「こっちは相変わらず訳がわかんないわよ……」
- 681 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:48:46 ID:X0DjDoks0
- はあ、と溜息を吐いてネコミミ少女は稲葉を開放した。
対する稲葉は、締め上げられて息が上がっているにも関わらず、ネコミミ少女に親指を上げて見せる。
「グッジョブ!」
「誰か助けて……」
まるで異星人とでも会話しているような気分になり、ネコミミ少女は天を仰いだ。
…………
…………
…………
「で、沙羅ちんは一体何しに? ハッ!まさか俺に会いたくてっ!?」
「だから沙羅ちん言うなって何度…… 昼食の支度が出来たから呼びに着ただけよ、残念でした」
「ちぇ〜つれないな〜」
「どうでもいいけど、片付かないから早く食べちゃってよ。アンタは年中旗日だからいいけど、あたしは仕事があるんだから!」
そう言うと、ネコミミ少女は扉をビシッと指差した。
……要は、早く居間に行け、ということだろう。
- 682 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:50:34 ID:X0DjDoks0
- 紹介が遅れたが、彼女の名前は虎城沙羅。間違いでも何でもなく、昨晩の夢遊病少女だ。(性格がぜんぜん違うが、まあ気にスンナ)
年齢は遅生まれのため16歳。170cm弱という女子にしては高い身長に発育良好なボディを持った金髪金眼の美少女さんである。
ちなみにチャームポイントはツリ目とネコミミ&シッポ(稲葉談)だ。
先に触れた通り、沙羅はシャオと同じ高専一年生だったが、現在は訳あって“まんぷく”の店員をやっている。
活動時間の長さとそのそつのなさ……そして何よりその“胸”から、既に看板娘の座をものにした、と言っても過言では無い。
……シャオ、何気にピンチである。
ま、稲葉にとっては“両手に花”、余は満足じゃ状態だったが。
「へいへい、今日のご飯はな〜にかなっと。――あ、そういや俺のプレゼント、ちゃんと使ってくれてたんだね。とっても似合ってたよ、“ぬこの着ぐるみパジャマ”♪」
「なっ!? どうして知って――」
思いがけない稲葉の言葉に、沙羅は顔を真っ赤にして口篭る。 ……やはり昨晩の記憶は無いようだ。
(実はあの着ぐるみパジャマ、因幡の贈り物だったりする。貰った時は激怒したものが、ちゃんと着ているあたり、結構気に入っている様だ)
「愛しの沙羅ちんのことだもの、何でもお見通しさ!」
「か、勘違いしないでよね! 単に捨てるのは勿体無いからとっておいてるだけ、あるのに着ないのは勿体無いから一度だけ、仕方がなく着ただけなんだからね!」
- 683 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:51:21 ID:X0DjDoks0
- 「うんうん判ってる判ってるよ、きっとその時は他にパジャマが無かったからだよね」
「そ、そう!その通りよ! ……だから絶対、気に入ってなんかないんだからね!本当よ!」
――あ〜、これはいいツンデレだな〜〜
真っ赤になって必死に弁解する沙羅に、稲葉は萌え萌えだ。
シャオとはまた違う反応が新鮮で、実にイイ。
「と、とにかくっ! 早くしないとご飯抜きよ!!」
「はいはい」
「“はい”は一つ!」
「んじゃ、電源切るから待ってよ」
「へ?お仕事やってたんだ。 ……悪かったわね、邪魔して」
稲葉がPCを付けていたことに気づくと、沙羅はすまなそうな声で謝る。
……学業優秀とはいえバリバリの文系、おまけに機械オンチの彼女にとり「あのよく判らない機械(PC)の電源付けてる=仕事している」だったのだ。
そんな調子で謝られてはバツが悪い。が、かといって訂正するのも話がややこしくなるだけだったので、稲葉は曖昧に返事を返す。
「ま、まあね。やっぱり気になる?」
- 684 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:53:05 ID:X0DjDoks0
- 「あたりまえでしょう! “それ”があたしの“本当の仕事”なんだから!」
えっへん。
胸を張る沙羅。
そう、“まんぷく”の住み込み店員とは世を忍ぶ仮の姿、その正体は稲葉の秘書……というか監視役だったりする。ま、仕事が遅い作家の尻を叩く編集、みたいなものなのだが。
とはいえ、一応まがりなりにも軍属である。本来一生徒だった沙羅に与える筈も無い職――だったのだが、未だ軍務を諦めきれていない彼女は、一族のコネを総動員して志願したのである。(当然学校は中退だ)
「……何故だろう? 世を忍ぶ仮の姿の方が社会的に安定しているような気が」
「……う゛」
痛い所を突かれ、沙羅は口篭る。
……正直、「早まった」という気はしないでもない。(というか、すっごくする)
若干26歳で“帝國”陸軍技術中佐、情報工学の世界的権威――その秘書、という肩書きに目が眩んでしまった。これで胸を張って一族に会える、と思ってしまったのだ。
それがまさか、こんなことになるとは……orz
「やっぱ、復学した方がいいんじゃ?」
「……うるさい、黙れ」
- 685 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:53:48 ID:X0DjDoks0
- が、後悔先に立たず。両親や姉に土下座までして得た職を、放り投げる訳にはいかぬのだ。
「あたしの辞書に“後退”の文字はないわ! ただ前進あるのみ!」
「先が崖でも?」
「自分で言うなっ!」
ゲシッ!
稲葉のいらん突っ込みに、沙羅の拳が飛んだ。
…………
…………
…………
「……上司に対する気遣いとか、もう少し考えてもイイと思うけど」
悶絶もののボディブローに、稲葉は腹を擦りながら抗議する。
が、沙羅はにべもない。
「中将閣下から、許可が出てるわ」
「……部長」
「それに、ちゃんと加減してるわよ。あたしが本気で打ったら、お腹に大きな穴が空くわよ?」
「((((;゜Д゜))))カ゛クカ゛クフ゛ルフ゛ル」
- 686 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:54:29 ID:X0DjDoks0
- 「これに懲りたら、ちゃんとなさい」
勝ち誇った顔の沙羅。 ……これはこれで可愛いけど、ちょっと癪である。
故に彼女に一矢報いるべく、稲葉は行動に出た。
「ううう……判りましたよ、沙羅さま……」
「わかればよろしい。あと“さま”も禁止」
稲葉は消そうとする際、PCをさり気なく沙羅の方向に向けた。
高解像度の液晶画面が、沙羅の目に留まる。
「あら? ……へえ、こんな小さいのにTVになるの? しかも凄くきれい」
思惑通り、沙羅は画面を覗き込んだ。
始めてみるハイヴィジョン画像に、彼女は興味津々だ。
「映ってるの宇宙? でも、これ何かしら? 人工衛星……には見えないわね」
「MS-06C“斬鬼(ザク)”だ」
「?」
「ま、判りやすく言えばロボットかな?」
「ロボットって、あのマッチ箱重ねた様な姿で、目から怪光線、お腹からミサイル出すあれ?」
- 687 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:55:16 ID:X0DjDoks0
- 「何時のロボットだよ……」
あんまりな沙羅のイメージに、稲葉は苦笑しつつ画面を拡大する。
と、ザクの洗練されたフォルムが大きく映し出された。その余りのリアルさに、沙羅は驚いてしまう。
「うわ、これもしかして本物?」
「もち! “帝國”宇宙攻撃軍に配備されたばかりの、正真正銘の新型機動兵器だぞ」
かかった!と稲葉は内心舌なめずりしながら頷く。
「宇宙攻撃軍? ……戦略宇宙軍じゃなくて?」
沙羅は首を捻る。
戦略宇宙軍は戦略軍――陸海軍の戦略部隊を統合した任務軍――の宇宙部門だ。宇宙関連は全て戦略宇宙軍隷下の筈なのだが……
「機密兵器だからな、特別なんだ」
「でも戦略宇宙軍だって機密の塊……」
「ま、“ゲ号計画”級の機密だからな。宰相直属なのさ」
「“ゲ号計画”級って……なんでアンタがそんなの知ってるのよ!?」
……ちなみに“ゲ号計画”とは、マンハッタン計画の“帝國”版である。
- 688 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:56:39 ID:X0DjDoks0
- 「だって、コレ造ったの俺だし」
「うそっ!?」
「だから、“25で中佐”なんだよ」
「う゛……」
……その家業故か、なまじ知識があるだけに、稲葉の言葉は説得力を持って感じられた。
が、もしそれが事実とすれば――
「じ、じゃあ、何であたしにそんなこと教えるのよ!変じゃない!」
そう、もしこれが“ゲ号計画”並の機密だとすれば、ホイホイと教える筈が無い。
そんな沙羅の反撃に、だが稲葉は薄く哂った。
「や、だって“知らないまま”じゃ、可哀想だろ?」
「な、何よ……」
気圧され、思わず後ずさる。
「君は不幸にも画面を見てしまった。 ……その資格が無いにも関わらず、機密の塊である画面を」
「ちょっちょっとだけよ!?」
- 689 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:57:43 ID:X0DjDoks0
- 「言い訳は憲兵隊本部でしてくれ。こんな結果になって残念だよ、沙羅くん」
「け、憲兵隊本部……」
沙羅の脳裏に、憲兵隊に連れて行かれる自分の姿が浮かんだ。
ありもしない背後関係を徹底的に吐かせられる自分、数々の拷問にかけられる自分……
「あ、あうあう……」
ガクッ!
その恐怖に耐え切れず、沙羅は意識を手放した。
「おおう、やり過ぎたか?」
失神した沙羅を前に、稲葉は頭を掻いた。
普段の強気な態度は表面的なものだとは気付いていたか、まさかこれ程とは――
「そんな所がいっそう萌え〜だけど、これは流石にまずいよなあ……」
介抱する、との名分でちゃっかり上半身を抱き抱えているヤツが言う台詞ではないが、それはそれだ。
とりあえず頬をぺちぺちと叩いてみる。
- 690 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 13:58:15 ID:X0DjDoks0
- 「うう〜ん、
痛いのは嫌
苦しいのは嫌
怖いのは嫌……」
「……駄目だ、こりゃあ」
軍に入らないで正解である。
もう一度叩くと、ゆっくりと薄目を開けた。
「あれ…わたし……」
「お、気付いたか?」
「!」
ぼんやりと暫く周囲を見渡していた沙羅だったが、全てを思い出したのか勢いよく飛び起きる。
「おちつけ」
「ふーっ!」
まるで追い詰められたネコ、である。
やれやれ、と稲葉は告白した。
「あれ、全部嘘だから」
「……へ?」
- 691 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 14:00:35 ID:X0DjDoks0
- 「だいたい、今の技術であんなん造れる訳ないから」
「じ、じゃああの映像は……」
「ニセモノ」
「…………」
……暫し、整理してみる。
色々あったが、自分が嵌められた、ということだけは確定だ。
ふつふつと怒りがこみ上げてくる。
そうだった、コイツはこういうヤツだった。
――奴は、正真正銘の馬鹿だ。
“中将閣下のお言葉”が、沙羅の脳裏に蘇る。
――が、ただの馬鹿ではない。これで無能なら銃殺してやるのだが……
ええわかります、よくわかります閣下!あたしも同じ気持ちで一杯ですからっ!!
――だが余りに目にあまるようなら、“教育”してやってくれ。遠慮はいらん。
それが今なのですね、閣下!
――何なら手足の一本や二本折ってかまわん。病院のベットで仕事が出来る程度に、痛めつけてやれ。
了解であります!
- 692 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 14:03:25 ID:X0DjDoks0
- 沙羅の復讐が始まった。
「さ、沙羅ちゃん? 何か怖いよ?」
目を攻撃色で染め、一歩また一歩と近づく沙羅に只ならぬものを感じ、稲葉は後ずさる。
やべえ……何かBADENDっぽい……なんとか落ち着かせねばっ!
何でもいいから会話を……
「な、何で目がそんなに赤いんだい?」
「それは狩猟本能に染まっているからよ」
「な、何か爪が大きくなってるんだけど……」
「それは獲物を逃がさないためよ」
「じ、じゃあ牙が大きくなってのは――」
「アンタを切り裂くために決まってるでしょっっっ!!」
言うが早いか、沙羅が飛び掛った。
「ひー、勘弁っ!?」
チ〜〜ン
合掌。
- 693 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/05(火) 14:04:39 ID:X0DjDoks0
- SS投下終了。
……ホントに「やまなし、おちなし、いみなし」な話でした。
ではまた。
- 694 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/05(火) 14:40:52 ID:1iYxEpnk0
- 稲葉自重しろwwwwwwwww
- 695 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/05(火) 17:37:18 ID:0E919J7g0
- ぜひとも、虎城沙羅様が秘書になるまでの経緯を
お願いします
- 696 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/05(火) 18:10:33 ID:qU9vgbiI0
- 投下乙ですwww
出来れば平成帝國の軍組織(戦略宇宙軍など)についてkwsk
- 697 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/05(火) 18:55:33 ID:5Pkmz3wA0
- >若干26歳で“帝國”陸軍技術中佐、情報工学の世界的権威
・・・・w
>だが稲葉は薄く哂った
稲葉って、ご近所さんたちや周囲の皆様以外には、”わりとしっかり”
帝國軍人やってるみたいですな。
で、(中身はともかく)見た目は”凄い”虎人の専属ガード兼、個人秘書付きですか・・・
「技術指導」とかで邦国巡回なんぞやった時は、現地で威張り腐っている
「僻地送り」の面々とか、貴族の馬鹿息子とかを真っ青にさせたり
本気で「お慕いしております 稲葉様」とか言うお嬢様が・・・・
滞在期間が一週間以内の時限定で!(笑)
でも、「若干26歳で帝國(本国)陸軍技術中佐にして、(傍目には)帝国重臣である
陸軍中将閣下の腹心(見た目、あんな態度をとりながら何かと目をかけられている・・・)
ですから、「名のある御家のご子息・・・」とか「実は、爵位持ちで・・・」とか
思われてるんだしょうな。
性格と言動を別としても、見た目と年齢が「おきらくな良家のボンボン」にしか見えないし。
邦国で私服でうろついているとき、トラブルに巻きまれて、軍服でばっちりきめたおにゃの虎が
すっとんで来て、この方が帝國陸軍中佐殿と言ったときには・・・・
リアル水戸黄門!
ああ・・・見たいです
- 698 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/05(火) 19:35:48 ID:U.nv0ZwU0
- 稲葉空気嫁w ま、自分が言うことじゃないけど…
しかし稲葉の好みに狙ったような新キャラですね、このまま嫁さんになる可能性は有るんだろうか?
>>675
>九七式軽装甲車の派生型で、九八式装甲運搬車の荷台に、短57mm砲と防盾を搭載して、歩兵直協の軽自走砲に
……載るかな?13ミリあたりは考えてたけど
ご返答頂き有難うございます。いわゆる日本版ユニヴァーサル・キャリアですね。
九八式装甲運搬車は、最大積載量1t、乗員含めて約八名程度、47mm砲牽引可能、と云うカタログデータで、戦後復興時にはブルドーザーに
ドイツがユニヴァーサル・キャリアに37mm砲搭載したり、迫撃砲搭載したりしてますから、
95式の37mm戦車砲より軽い、重量150kgの短57mm砲とか、あと20mm、25mm対空機銃搭載型、各種支援車両とか出来ると思いますが
- 699 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/05(火) 20:04:52 ID:5ovI49020
- 戦略宇宙軍と聞いてソ連のデカイICBMの群れを思い出した
- 700 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/05(火) 20:16:46 ID:yUGlcZ7M0
- 稲葉氏よ、良く判る。
現実に交通事故に遭ったら、まず処分して貰うよう友人に頼む腐女子が居ると良く聞きますし、稲葉氏の元の部屋もどの様な惨状か? 警察が来て証拠漁りされたらもう帰って来れませんね。
>自走砲
ラインを増やすより纏める方に移って、3号系がメインになるかも。
エンジンは意地でも空冷ディーゼルにこだわるのが帝國印。
ブルドーザーやパワーショベルのボディーにチハを使っていれば、まだラインが残っていていじり甲斐の在る車体で派生型が出てもいいんですが、貧乏でアイデアは有っても金は無いから理想の編成は何時になるか?
- 701 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/05(火) 20:23:07 ID:f8ThrQTI0
- おバカな稲葉もいいけど真面目に仕事してる稲葉も見てみたいなと思う今日この頃
- 702 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/05(火) 20:32:29 ID:5Pkmz3wA0
- >若干26歳で“帝國”陸軍技術中佐、情報工学の世界的権威
>>情報工学の世界的権威!!!
帝大で講座持っててもおかしくはないな。
で、「素質のある」帝大生の一部の面々に「特別教育を!」
半世紀くらい遅れて(そして、史実よりゆっくりと)帝国が萌え国家化する
種子を密かに蒔いて水やって日を当てて・・・と、やってるっぽい。
お父さんお母さんを泣かせた、「後の世に名を残す人物」群(笑)が
輩出され、史書には、教鞭をとった短期間で善悪それぞれだが、
それ程の人材を輩出した別名「稲葉教室」の名が轟いたのは十年後と記されている。
- 703 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/05(火) 20:46:56 ID:hFpsSWNg0
- >>702
興奮するのは勝手だけど、sageようよ。
貴方はいつもそうじゃないか?
- 704 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/06(水) 08:05:08 ID:X0DjDoks0
- どうも、くろべえです。
今回ラストが尻切れトンボでしたが、これはここで好感度判定があるためです(笑)
シャオの好感度高
→シャオが登場、仲裁イベントへ。
沙羅の高感度一定以上&シャオの好感度が上記に達していない
→沙羅がかなり手加減してくれ、その後手当てイベントへ。
沙羅の高感度一定以下&&シャオの好感度が上記に達していない
→入院イベント。
隠しで薔薇族イベントがある、という噂も!?
>>694
>自重
稲葉は萌えに生き、萌えに死すのです。
>>695
>ぜひとも、虎城沙羅様が秘書になるまでの経緯をお願いします
何れでてくるかと。
>>696
696様、有難うございます。
>平成帝國の軍組織
未だ陸海の二軍制です。
米軍に例えれば、
陸軍は陸軍&空軍主力&沿岸警備隊主力
海軍は海軍&海兵隊&空軍の一部&沿岸警備隊の一部
といった所ですね。
- 705 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/06(水) 08:06:09 ID:X0DjDoks0
- そんな訳で陸海軍共にかなりのマルチ能力がありますから、米軍ほど統合が進んでおりません。
ま、流石に世界規模で展開していることもあり、戦略軍(戦略核&航空宇宙戦力)と輸送軍(兵站)は陸海軍統合部隊となっていますが。
あと陸軍の各方面軍と海軍の各方面艦隊は担当区域が一致しており、(中央或いは現地司令官同士が)その気になればかなりの協力が出来るかと。
>>697、702
>帝大で講座持っててもおかしくはないな。
院生相手ですけど、持ってます。
けど相手が出来良すぎなんで……
>>698
>しかし稲葉の好みに狙ったような新キャラですね、
コンセプトの一つが“ギャルゲ仕様”ですから(笑)
>このまま嫁さんになる可能性は有るんだろうか?
攻略すれば可能です。
>ご返答頂き有難うございます。いわゆる日本版ユニヴァーサル・キャリアですね。
や、単に九七式軽装甲車(機銃タイプ)の武装を強化したヤツです。
九八式装甲運搬車は確かにユニヴァーサル・キャリアの母体として適しています。
けど正直、機甲戦力の不足から各種支援車両に用いる位ならば、装甲車として造るでしょうね、陸軍は。 ……ビンボですから。
でも金持ちになればきっと!
- 706 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/06(水) 08:06:55 ID:X0DjDoks0
- >>699
>戦略宇宙軍と聞いてソ連のデカイICBMの群れを思い出した
帝國の核兵器の特徴は
デカい(信頼性を確保すると共に長寿命を得るため)
大威力(1発でも大惨禍を引き起こせるように)
高速(対応を困難にさせるため)
です。
「俺が死ぬ時はお前らも道連れだ!」ですから。
>>700
>警察が来て証拠漁りされたらもう帰って来れませんね。
友情パワーで友人達が壊してくれましたが、それがかえって事件性を疑われることになり、科研へ……
>ラインを増やすより纏める方に移って、3号系がメインになるかも。
転移直後のの二割弱しか、生産力を割り当てられていませんからねえ……
>エンジンは意地でも空冷ディーゼルにこだわるのが帝國印。
権益もできちゃってますしね(笑)
よほどの大馬力にならない限りは無理でしょう。
……下手したら、製造可能なディーゼルを基準に、次期主力戦車の重量が決められたりして。
>>701
>おバカな稲葉もいいけど真面目に仕事してる稲葉も見てみたいなと思う今日この頃
遊びの合間に仕事してるような男ですからねえ……
でも、一話くらいはいいかも。
- 707 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/06(水) 10:32:07 ID:5cdVuct20
- >権益もできちゃってますしね(笑)
>よほどの大馬力にならない限りは無理でしょう。
>……下手したら、製造可能なディーゼルを基準に、次期主力戦車の重量が決められたりして。
幸か不幸かアルフェイムではそんなハンデすら問題になりえないでしょうね。
T-62レベルですらすんげえオーバーキルなんじゃないでしょうか。
- 708 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/06(水) 14:37:12 ID:LtBS9b3I0
- >幸か不幸かアルフェイムではそんなハンデすら問題になりえないでしょうね。
>T-62レベルですらすんげえオーバーキルなんじゃないでしょうか。
人間相手ならな
戦略宇宙軍とかできてるのを見る限り、治安維持以外で人間を相手にするような時代はもう終わってると思うよ
- 709 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/06(水) 18:09:38 ID:MvndB.IA0
- 外伝とかいいから早く戦争! 戦争!
- 710 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/06(水) 18:52:20 ID:U.nv0ZwU0
- もう相手は月国家になってるんだっけ?
マスドライバーからの隕石落とし対地球からのICBM…
それなんて逆襲のシャ(ry
- 711 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/06(水) 19:09:25 ID:v1BVRZUA0
- 捨てられるとは……如何にしても気の毒なり。
シャオちゃんもひどい!
自分も、あんたの荷物ばっかりと言われてるから身につまされるなぁ。
- 712 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/06(水) 20:23:16 ID:beQIKp0M0
- ふむ・・・・
シャオの好感度高&沙羅の好感度一定以上
うれしはずかし修羅場イベント
は、なしですか。残念ですなぁw
- 713 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/06(水) 20:45:30 ID:vRWw061U0
- >若干26歳で“帝國”陸軍技術中佐、情報工学の世界的権威
>虎人の専属ガード兼、個人秘書付き
>傍目には)帝国重臣である陸軍中将閣下の腹心
見合い話希望!
ふつーに考えれば、中将は間違いなし、上手くいけば大将も・・・に見えるし。
ついでに、おせっかいな近所のおばはんとかが、シャオちゃんとか沙羅ちゃん
それぞれ別々に「良い人だし、アンタたちが何やっても笑ってゆるしてくれてるけど・・・
身分違いだからね!勘違いしちゃいけないよ」とか。
若き独身高級軍人とか情報工学の世界的権威とか中将閣下の腹心とか
帝大大学院で教えているとか・・・文字情報だけ見てると爵位持ちで
娘しか持たない中堅どころが「婿養子に」と望んでもおかしくはないのですな。
- 714 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/06(水) 22:16:34 ID:LtBS9b3I0
- >>713
つ >>703
さすがに毎度毎度やられると、ちょっと辟易する
- 715 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/06(水) 22:24:33 ID:5ovI49020
- >>714
ここまでくるとアンチが嫌がらせにレスしてんじゃないかと思う
どうみても会話が成り立ってないし・・・
- 716 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/06(水) 22:35:00 ID:v1BVRZUA0
- まぁ712はいいとして702はなによ。「記されている」とか何勝手に話し作ってんだ。
- 717 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/06(水) 22:58:06 ID:mNpI.aRg0
- 米軍スレでsageる必要何処にある?と居直ってたやつと同一人物だな。
- 718 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/07(木) 01:25:13 ID:kaMGoG.c0
- だいぶ前から粘着してるしな。ていうかまず図図し過ぎだろ。
自分の希望的な妄想ばっか。そういうのはチラシの裏か日記帳に書けっての。
こういう奴をキモオタって言うの?
- 719 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/07(木) 01:49:00 ID:OcFhknOs0
- どうもせここを2chと勘違いしてるアホなんでしょ。
苦情はこちらへ。
管理人への要望・削除依頼スレ
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1079385932/
- 720 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/07(木) 01:56:11 ID:D3QUVjlE0
- いろいろ苦情を言いたいのは実に共感できるんだが、スレの空気もあるのでほどほどに。
- 721 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/07(木) 11:28:57 ID:Il9dO2Oc0
- そこで空気を読まずほかにこっちで未完の作品で向こうで続いてほしい作品を
語ってみる。隆慶一郎作品とかゲッターとか。あと帝国のない地球では
戦場にかける橋や007は二度死ぬはないんだなあとか。
- 722 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/07(木) 12:17:10 ID:X0DjDoks0
- >>707
>T-62
T55レベルでさえ何時の日か……(遠い目)
>>709
>外伝とかいいから早く戦争! 戦争!
お待たせしました。
>>710
>もう相手は月国家になってるんだっけ?
直接殴り合ってる訳じゃあないですけどね。
極東でも火種が燻ってますし、まだまだ平和は遠いです。
>>711
>捨てられるとは……如何にしても気の毒なり。
捨ててません、トイレットぺーパーと交換しただけです(笑)
>>712
>シャオの好感度高&沙羅の好感度一定以上
>うれしはずかし修羅場イベント
>は、なしですか。残念ですなぁw
そこまでまだ沙羅の好感度上げられませんので。
>>713
>見合い話
仕事真面目にやるまでNGです。部長が潰します(笑)
- 723 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/07(木) 12:17:46 ID:X0DjDoks0
- >>721
関係ないけど、松本零士の作品は“帝國”で凄い人気だろうなあ……
ヤマトもそうだけど、999の劇場版とかなんて作画も演出も神だし。
この重厚さは今のアニメ(これはこれで好きだけど)には無いものですよ。
……や、つい最近始めてニコ動で999の映画見て鳥肌立っちゃって。(もちろん即行レンタルでゲット&リターン)
ではSS投下。
久しぶりの本編です。
- 724 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/07(木) 12:18:50 ID:X0DjDoks0
- 帝國召喚016
クノス島を制圧した“帝國”軍――より正確には北方方面艦隊――は、ロッシェル王国に対し、交渉の席に着くように呼びかけた。
……もはや勝負あった、と言わんばかりの態度である。
だがそれは、大いなる錯覚に過ぎなかった。
その事実を、“帝國”軍は直ぐに思い知ることとなる。
――――ロッシェル王国王都“シャラント”、王城。
『クノス島陥落!』
その報に、王国上層部は震撼した。
たかが辺境の蛮族相手に、ワイバーン1個連隊を失ったばかりか、あまつさえ国土まで奪われたのである。
屈辱、と言ってよい。
直後に“帝國”より届けられた記録水晶が、その思いを一層強いものにする。
市庁舎たるクノス城より王国旗が引き摺り下ろされ、“帝國”旗が翻る――その光景は、国辱以外の何者でも無かった。
「……もはや事ここに至っては、結論は一つしかありませんな」
無言で映像を凝視していた重臣達は、その終了後に互い
- 725 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/07(木) 12:19:23 ID:X0DjDoks0
- に頷き合う。
……そう、これは単なる名誉不名誉の問題ではないのだ。
「左様、南海に居座る“帝國”軍を、何としても叩き潰すのみ!」
それは、“紛争”が“戦争”となった瞬間だった。
国家というものは、多かれ少なかれ皆“威信”という目に見えない看板を背負っている。
これが大きければ交易や外交を始めとする対外的な活動で様々な利便を得られるし、少なければ見向きもされない。特に対外交流が盛んな中央世界においては、死活問題とも言えるものだ。
幸い、とでも言うべきか、ロッシェル王国は大きな威信を持っていた。それ故に大陸同盟でも指導的な……いや、特権的とでも言うべき地位(*1)を保持している。
が、その威信が大きいほど、失ったときの影響は大きい。ヤクザではないが、『この商売、舐められてはやっていけない』のである。だからこそ、是が非でも恥を雪がねばならなかった。
この責任云々だの、そんな瑣末なことはどうでもいい。後で幾らでも追求できる。
目先の算盤勘定、ましてや安っぽい誇りなど関係ない。そんな段階はとうに過ぎている。
大陸同盟の盟主として……いや、中央世界の文明国として、何としても“帝國”軍を叩き潰さねばならなかった。
ロッシェル王国は“帝國”の呼びかけを無視し、戦争の決意を固めた。
- 726 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/07(木) 12:19:55 ID:X0DjDoks0
――――同時刻、“帝國”領ピグニス。第一九航空隊司令部。
「現在使用可能な機体は――
第七航空戦隊が艦戦×26機(常用22+補用4)、艦攻×36機(常用30+補用6)の計62機(常用52+補用10)、
第一九航空隊が艦戦×19機(常用16+補用3)、艦攻×22機(常用18+補用4)の計41機(常用34+補用7)、
――以上、艦戦×45機(常用38+補用7)、艦攻×58機(常用48+補用10)、総計103機(常用86+補用17)です。
ただし一割近い機が被弾しており、一部規定の性能に達しなくなった機もあります」
第一九航空隊司令横川大佐は、副官の報告に眉をしかめた。
開戦時には――
第七航空戦隊が艦戦×33機(常用27+補用6)、艦攻×42機(常用36+補用6)の計75機(常用63+補用12)、
第一九航空隊が艦戦×22機(常用18+補用4)、艦攻×22機(常用18+補用4)の計44機(常用36+補用8)、
――以上、艦戦×55機(常用45+補用10)、艦攻×64機(常用54+補用10)、総計119機(常用99+補用20)を保有していたのだから、20機近くを失った計算となる。
これは、当初の想定を上回る“大損害”だった。
「我が隊の損害は軽微だが、それは練度も数も上の七航戦が盾となってくれたお陰だ。 ……これがもし、『我が隊単独だったら』などと考えたらぞっとするな?」
- 727 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/07(木) 12:20:27 ID:X0DjDoks0
- 「まったくです」
司令の言葉に、部下達も頷く。
実際、敵の侮り難い実力を散々に見せ付けられている以上、それは当然の感想だった。
「……しかし、思ったよりベテランの損害が多いな?」
副長が顔をしかめた。
七航戦から送られてきた資料によれば、零戦の被撃墜数は7機。
が、うち半数近い3機がいわゆる“ヴェテラン”だ。残りの被撃墜機や被弾機も、技量に覚えのある連中が少なくない。
「七航戦によると、大半が巴戦時のものだそうです。 ……推測ですが、腕に自信がある故に慣れぬ戦いに戸惑い、或いは消極的な戦い方に業を煮やしたのでしょう。無論、率先して戦ったからこそ、とも評せますが」
それだけでないことは明白だろう、付け焼刃故の弊害だ。
「今後、戦法の徹底を図るべきですな」
「ですが、この戦法は機体に過度の負担をかけますから、整備の手間も馬鹿になりません。我が隊の整備兵は若く数も未充足ですので、整備にも限界が……」
「搭乗員の練度も、お世辞にも高いとはいえません。空中分解する機体が出る恐れもあります」
「となると、怪しい機体は除ける必要があるな……その補給、馬鹿にならんぞ?」
- 728 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/07(木) 12:21:27 ID:X0DjDoks0
- 飛行長の言葉に、飛行隊長、整備長、主計長がそれぞれの立場から注文をつける。
同様の意見が次々に上がった。
「……そもそも、零戦自体がこんな戦い方を想定していないからな、消耗が大きいのも無理はない」
「それもそうだが、数的優位だって常に保証できる訳じゃあないぞ? ましてやこの前みたいな二倍三倍の数ともなると、こっちの負担が大きすぎる。とても現実的ではない」
……そう、仮に相手の倍の戦力を用意したとしても、常にそれだけの優位を維持できるよう、運用することは容易なことではない。
搭乗員の疲労、
機体の消耗、
燃料弾薬の消費、
整備にかかる負担
等々、負担が大き過ぎるのだ。(ましてやロッシェル王国の航空戦力は、常用だけでも七航戦と一九空の三倍にも達している)
結局導き出された結論は、(少なくとも現在の態勢では)『短期的ならともかく、長期的に行える戦法ではない』『もし敵が総攻撃に出れば、たちまち守勢に追い込まれる』というものだった。
和平か、それとも戦争か――“帝國”軍現地部隊は、固唾を飲んでロッシェル王国の出方を見守った。
- 729 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/07(木) 12:22:10 ID:X0DjDoks0
――――ロッシェル王国王都“シャラント”、飛竜軍司令部。
「やあ、英雄殿の御登場だ!」
飛竜軍司令官アルベルト・カペー王弟中将は、銀剣付守護騎士章を胸に下げた一人の飛竜騎士の登場に、相好を崩した。
そして、まあかけろ、と席と葉巻を勧める。
「光栄です、閣下」
オーベール・ガリ中佐は恐縮しつつも、その言葉に甘えることとした。
…………
…………
…………
「久しぶりに、大いくさとなる」
二三の世間話を重ねた後、カペー中将は本題に入った。
葉巻を吹かしつつ、ガリ中佐を見る。
「……申し訳ありません、我らの力が至らぬばかりに」
「死者を鞭打つのは好きじゃない」
ガリ中佐の言葉に、カペー中将は僅かに顔をしかめる。
- 730 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/07(木) 12:22:41 ID:X0DjDoks0
- ……この育ちの良い将軍は、その結果はどうであれ、最後まで戦った男達を悪く言うことを良しとしない――そういうどこか非情に徹しきれない、甘いところがあった。(これは美徳であり、同時に欠点でもある。現に彼は第13飛竜連隊の全滅を聞き、第13飛竜連隊長ギスラン・クロケット大佐の処分を中止するよう騎士団長に命じていた。このような行為は、信賞必罰を旨とする軍事組織の長としては失格だろう)
「は、重ね重ね――」
「それに、だ」
カペー中将はガリ中佐の言葉を遮る様に、言葉を続ける。
「むしろ、第13飛竜連隊は限られた権限内でよくぞ戦った、と言えるだろう。悪いのは我々だよ…… 敵の質と量を過小評価した挙句、徒に現地部隊の手足を縛った、ね」
ジュッ!
そう言い終えると、乱暴に葉巻を灰皿に押し付けた。
「が、いい加減頭の固い年寄連中も目が覚めた。 ……君達の尊い犠牲によって、だがね。高過ぎる授業料だったが、それでもその犠牲は決して無駄ではなかった、と思いたいものだよ」
「…………」
ガリ中佐は、カペー中将の独白を黙って聞いていた。
……将軍は、一体何故自分にこんな話を聞かせるのだろう?
- 731 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/07(木) 12:23:41 ID:X0DjDoks0
- 「我が軍の最終目標は、二つある。一つは奪われた国土の奪還、そしてもう一つは――」
そこで鋭くガリ中佐を見る。
「“帝國”軍の殲滅。この二つ、何れも欠けてはならない。この為に我が飛竜軍は第3飛竜騎士団と、その後詰めに第2飛竜騎士団を投入する」
計2個飛竜騎士団……飛竜軍第一線兵力の半数を投入する大作戦だ。
その規模の大きさに、ガリ中佐も興奮して身を乗り出す。
「それは凄い! それだけあれば――」
「私としては、これでも不足だがね…… ま、政治だから仕方がないが」
めんどうなことだ、とカペー中将はつまらなそうに鼻を鳴らす。
彼としては、各騎士団から引き抜いたワイバーン・ロード連隊を集成した臨時騎士団で一気に敵空中戦力を撃破、その後第3飛竜騎士団による対地対水上攻撃によって“帝國”軍を殲滅しようと考えていた。
が、その余りに大規模な兵力投入計画は、大陸同盟諸国の懸念と干渉を招いた。
――ロッシェル王国軍は大陸同盟軍の中核である。その本分を忘れ、徒に牛刀をもって鶏を裂く行為は固く謹んで頂きたい。
ロッシェル王国の対“帝國”戦への戦力投入は、そのまま大陸同盟軍の弱体化、ひいては対レムリア安全保障の低下に繋がる――そう、彼等は見做したのだ。
- 732 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/07(木) 12:24:11 ID:X0DjDoks0
- この考えが正しいかどうかは兎も角、お陰でロッシェル王国軍は投入戦力を限定せざるを得なくなった。具体的に言えば、投入するのは第2・第3飛竜騎士団の2個騎士団のみ、しかも実際に敵の矢面に立つのは第3飛竜騎士団のみであり、第2飛竜騎士団は後詰め、予備に過ぎない。 ……まあ拠点の受け入れ能力を考えれば、妥当なところではあるのだが。(だからこそ、当初はフルワイバーン・ロードの集成騎士団を投入しようとしたのだ)
「とはいえ、第3飛竜騎士団は第13飛竜連隊を失っているため、僅か2個連隊に過ぎない。 ……これでは些か心許ない」
「はあ」
何が言いたいのかさっぱり判らず、ガリ中佐は曖昧に返事する。
「そこで、君の出番だ。君はある独立中隊を率い、今回の作戦に参加して欲しい」
君にはそうする権利と義務がある――そう、カペー中将は真剣な目で彼を見た。
*1 ――――特権的とでも言うべき地位――――
ロッシェル王国は北東ガルム文明圏でも有数の大国であり、その威信を背景に大陸同盟でも指導的な地位を築いていた。この地位には、特権とでも言うべき様々な特権が伴っていた。その代表的なものだけでも――
・拒否権を代表とする、大陸同盟内における巨大な発言力。
・自国通貨が大陸同盟における標準通貨(の一つ)として採用されており、大きな経済的恩恵を受けている。
・魔道兵器開発に必要な資金のかなりの部分を、同盟諸国からの協力金や輸出により賄っている。
――等々、かなりの権益である。逆に言えば、これを失った際には計り知れないダメージがあるだろうことは、想像に難くない。
- 733 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/07(木) 12:26:57 ID:X0DjDoks0
- SS投下終了。
……キマイラ部隊?
今回は第2章導入部です。あと例のナイスボートな外伝(間章?)は、第2章前半と被るので一時中断です。
- 734 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/07(木) 18:22:05 ID:d0xt2x220
- 投下乙です。
王弟はなかなか人望がありそうですね。
大佐の処分を取り消しってことは、家族にはお咎め無しですか?
いち早く帝國の危険性を提言してるし、優秀な人物のようですな〜
独立中隊はワイバーン・ロードだけで編成された部隊ですかね・・・
オラ、早く次回を読みてぇゾ!!
- 735 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/07(木) 20:19:33 ID:FcrtjwXU0
- 本編とかもう忘れたわー
- 736 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/07(木) 20:28:59 ID:6YfydoEQ0
- くろべえさん、投下乙です
>クロケット大佐の処分中止
帝國軍なら理解されるかも。でも後々問題が出そう。
>同盟諸国の干渉
今はまだ帝國を蛮族、辺境国と見ているからの制限で実態を知っていたら全力投入に賛成して帝国敗北か。情報は本当に大切です。
>殲滅戦
護衛の駆逐艦が秋月型と云わなくても松型なら対空火力があるから対抗出来るけど、旧版と違い対艦攻撃能力の上がった改訂版では空母の損失もあるか?
>航空戦力
問題は地上戦力の絶望的な貧弱さかと。
作戦参謀連中が増援歩兵として来いと現場から恨まれそう。
>松本零士
コピー機が出来ないと、活躍できないかと。
おいどんシリーズは、一人暮らしの稲葉氏のお話と見られたりして。
- 737 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/07(木) 21:44:55 ID:PrNDtOqYO
- >>717
ID
- 738 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/07(木) 22:18:19 ID:8q4xnRLc0
- >>730
>そう言い終えると、乱暴に葉巻を灰皿に押し付けた。
F世界ではどうか知りませんが、こちら側でコレをやると「不味い葉巻だった」
という意思表示になります
- 739 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/07(木) 23:20:15 ID:IdyyGcys0
- >おいどんシリーズ
いや、稲葉は80年代週間サンデー的境遇だろ
- 740 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/07(木) 23:29:26 ID:D3QUVjlE0
- 投下乙です。
いよいよ第2章、期待してます。
>ロッシェル軍
洋上での航法能力とかどの程度の物なんですかね? 地文航法しか出来ないとかだ
と論外ですし、推測航法の能力が有るのか気になります。組織的な策敵ができるの
かとか、基本全て単座騎っぽいので洋上飛行不利そうとか、正直かなり機動部隊に
掻き回されそうな。
- 741 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/08(金) 11:26:25 ID:X0DjDoks0
- >>734
734様、有難うございます。
>王弟はなかなか人望がありそうですね。
ありますが、同じ位かそれ以上に「やはり甘く無責任」という声も。
>大佐の処分を取り消しってことは、家族にはお咎め無しですか?
反逆罪とかの重罪でも無い限り、家族への咎めは元からありえません。
(ただ“家”に罰が与えられた場合、もろにその影響を受けたでしょうが)
>いち早く帝國の危険性を提言してるし、優秀な人物のようですな〜
軍事馬鹿、とも言えます。
仮にも王弟、将軍である以上、政治も合わせて考えるべきなのですが……
>オラ、早く次回を読みてぇゾ!!
有難うございます。
>>735
>本編とかもう忘れたわー
第一章最終話が2007/10/05(金) 投稿となっていますからねえ。
実に4ヶ月ぶりですか……
>>736
736様、有難うございます。
>>クロケット大佐の処分中止
>帝國軍なら理解されるかも。でも後々問題が出そう。
責任ある人たちからすれば、「だからあの方は駄目なのだ」
命令された騎士団長(大佐の直属の上司)からすれば、上に加えて「自分の判断を否定されたようなもの」「通常の指揮系統を無視した不当な介入」……
- 742 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/08(金) 11:27:22 ID:X0DjDoks0
- >>同盟諸国の干渉
>今はまだ帝國を蛮族、辺境国と見ているからの制限で実態を知っていたら全力投入に賛成して帝国敗北か。情報は本当に大切です。
何時の時代でも、こういった間違いはありますからねえ……
コレをより多くやった方が負ける……
>>殲滅戦
>護衛の駆逐艦が秋月型と云わなくても松型なら対空火力があるから対抗出来るけど、旧版と違い対艦攻撃能力の上がった改訂版では空母の損失もあるか?
空母3隻に対し、護衛が旧式駆逐艦4隻ですからねえ。
貧弱すぎるよ。
>>航空戦力
>問題は地上戦力の絶望的な貧弱さかと。
この時期、海軍の陸戦戦力は非常に乏しいです。
というのも、基地や根拠地隊が多数編制されたため人が足りなくなり、やむを得ず既存の特別陸戦隊まで解体して、何とか帳尻合わせしたのですよ。
だから編制上は各方面艦隊に1個、連合艦隊に連合陸戦隊(4個編成)、計12個の特別陸戦隊がありますが、方面艦隊の8個は司令部+1個中隊のみで、連合陸戦隊の各陸戦隊みが唯一、縮小編成ながらも大隊級の戦力を維持している、という有様です。(いわば虎の子)
……これに恨みもあります、GFが北方方面艦隊に特別陸戦隊を提供することはまず無いでしょう。
だから陸軍に声をかけたのですね。
で、歩兵第二八聯隊が実戦力の1/3以下の戦力で戦う羽目になったのは、様々なアクシデントが重なったためです。(これについては後々SSで)
- 743 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/08(金) 11:27:54 ID:X0DjDoks0
- >>738
>>そう言い終えると、乱暴に葉巻を灰皿に押し付けた。
>F世界ではどうか知りませんが、こちら側でコレをやると「不味い葉巻だった」
>という意思表示になります
……それは知りませんでした。
では、「異世界だから」ということで(笑)
>>740
740様、有難うございます。
>洋上での航法能力とかどの程度の物なんですかね?
その内出てくるかと。
ただ、やはり基本対地の直協空軍ですからねえ……
- 744 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/08(金) 18:19:08 ID:5cdVuct20
- >情報は本当に大切です。
お互い相手を蛮族となめてますしね。
先に敵の真の力を理解したほうが有利に立てる(かもしれない)中、いち早く理解するのはどっちだ?
- 745 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/08(金) 19:08:22 ID:MsAR/znU0
- ここで痛い目見たほうが帝國には良い薬だと思うけどなぁ
空戦はともかく地上部隊が旧版はほとんど書かれなかったから
そっちにも期待大だよ
- 746 名前:陸士長:2008/02/08(金) 19:23:31 ID:KNJCSNJU0
- 更新お疲れ様です。
いや、何というか相手甘く見過ぎだよ海軍さん。
イルドーレとか吹けば飛ぶような輩じゃないんだし。
確かに一度痛い目に遭った方が、帝國の技術体制その他に灸を据えれると思いますね。
陸さんも自分達が潤っているからってm9(^Д^)してる暇は無し。
自分達が世界に対して圧倒的少数だと言う事を自覚しなきゃ。
- 747 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/08(金) 19:44:51 ID:bTIRYHX20
- しかし、ロッシェル一国でも相当強力ですねぇ。。
機体性能がそれほど勝っているわけでもないのに加え、数的優位も危ういとはw
新型機でも出ないことにはでかい戦争は無理っぽいですね。
アメリカならいざ知らず、悲しいほどに工業力の低い帝國に消耗戦は痛すぎますし。。。
レムリアとか瞬殺されるぽw
- 748 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/09(土) 00:50:11 ID:C4R5x5eE0
- なんか、正面でのにらみ合いと小競り合いをやってる最中に
DEと外務省が、「外交的闘争」で勝利の果実を掴むような気が・・・
それくらいやらんと、帝國で外務省が生き延びるのは難しいと思うし
- 749 名前:長崎県人:2008/02/09(土) 01:50:45 ID:2MxH4A12O
- 海軍なら集まったのを幸いに、地上で皆殺しにすりゃいいじゃなぁい、と、攻撃案を言い出すと思った漏れは、間違いなくマリーが憑いておりますでしょうな
しかし、迎撃にワイバーンがあっぷあっぷで高度を上げようとしたところを、三号六番で纏めて焼き殺すとか、やってくれませんかねぇ。艦攻一機で六発積めますから、九機で五十四発。十分プギャーしながら落ちていくワイバーンが見れると思うのですが
ちなみに開発は史実が昭和十四年からで、十七年秋には配備始まってんで、出し惜しむ理由も不足もないと考えますがねぇ。対地攻撃にも適してますし
- 750 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/09(土) 02:36:02 ID:nJh/RZU.0
- ↑
それは、あんたがやったネタでしょうなんで他人にまでやらせようとするの?
- 751 名前:長崎県人:2008/02/09(土) 11:06:42 ID:2MxH4A12O
- >>750さん
いやいや、拙作のは、殆ど地上撃破に使われております。空中撃破、あるいは帝國機を狙うのに、下腹からは危険だ、とする風説を流せないものかと考えまして。ワイバーンに高度をとってから攻撃しなければならないというルールを押し付けられたら、酷い負担を相手にかけられると考えるのですが・・・
急降下による一撃離脱戦法という負担を自分にかける前に、相手に不得手なルールを押し付けてやるのが、帝國が望む、損害を押さえて俺のターンするのに必要だと考えましてレスしたのですそ。気に食わなければごめんでした。まぁ読者の勝手な願いというやつです。聞き流してくだちぃ
- 752 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/09(土) 11:09:00 ID:X0DjDoks0
- >>744
>いち早く理解するのはどっちだ?
どっちも気づかぬまま、「どちらかの持ち金が尽きるまで戦い続ける」可能性も(笑)
>>745
>空戦はともかく地上部隊が旧版はほとんど書かれなかったから
>そっちにも期待大だよ
有難うございます。次のステージは大陸本土ですから陸軍主役ですね。
>>746
陸士長さま、有難うございます。
>いや、何というか相手甘く見過ぎだよ海軍さん。
やー、でも戦記とか読んでると、陸海共に敵の出方をこっちの都合で判断したり、戦法もワンパターンで教訓学んでなかったり(或いは秘密主義で伝わってなかったり)ですからねえ。
……ぶっちゃけ今もそうだから報われないorz
>>747
>機体性能がそれほど勝っているわけでもない
実は、零戦はワイバーンよりも戦闘機としてはずっと強いです。あれ、所詮は襲撃機なんで。
ですから幾ら腕の差があるとはいえ、「ちゃんと攻めれば」低練度のピグニス航空隊でも互角以上に戦えるでしょう。
ただ、「いろいろな問題」が非常にネックになっていまして……
- 753 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/09(土) 11:10:38 ID:X0DjDoks0
- >>748
>DEと外務省が、「外交的闘争」で勝利の果実を掴むような気が・・・
ここら辺に関してはノーコメントで。ごめんなさい。
>それくらいやらんと、帝國で外務省が生き延びるのは難しいと思うし
今日の産経新聞に、「日朝交渉の過程を記録したファイルの重要部分が欠落」との報道がありました。
小泉訪朝直前の記録2回分が無い。
他の存在する記録にも、1兆円と言われる援助金に関するやり取り部分が無い。
十中八九、何かヤバい密約をしたのでしょう。
日韓基本条約に関する交渉過程も未だにダンマリ……(怒)
“帝國”世界の外務省は生き残るでしょうが、本音は「もういいから全員死ねよ」ですよorz
……けどまあ、個人的な怒りとかをSSに入れると、更に質が落ちるからなあ。自重自重。
>>749
>集まったのを幸いに、地上で皆殺し
そういえば、史実の日本もよくやられてましたよね、それ。
飛行場整備能力が貧弱だから1箇所に戦力集中し、集まった所を……
- 754 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/09(土) 14:21:47 ID:X0DjDoks0
- ではSS投下。
- 755 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/09(土) 14:23:20 ID:X0DjDoks0
- 帝國召喚016-2
――――“帝國”領昭北諸島、北方方面艦隊旗艦“香取”。
「――回答期限まで残り24時間を切りましたが、未だロッシェル王国からの回答はありません」
「これに対し、王国軍は各地で活発な動きを見せております。特に飛竜軍の動きは大規模で、確認できただけでも――」
次々ともたらされる報告に、艦隊司令部は緊張に包まれる。
これ等の情報は、全てある一つの方向性を示していた。
……『ロッシェル王国軍が、大攻勢の準備を整えつつある』という。
が、それを聞いた長官は、ただ一笑に付すのみであった。
「ふん、所詮は異界の土人か…… まだ彼我の実力差が判らんと見える」
「いかがなさいますか?」
「出てきたら叩き潰す、徹底的に。 ……それだけのことだ」
自信満々の長官の言葉に、だが参謀の一人が懸念を示す。
「お言葉ですが、敵が動員しつつある戦力は『ワイバーンだけでも優に100を超える』とのこと。
……そうなれば、クローゼ方面における彼我の戦力比は完全に逆転しますが」
- 756 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/09(土) 14:24:08 ID:X0DjDoks0
- 長官の眉が吊り上る。
「……我が軍が負ける、とでも言いたいのかね?」
「そこまでは申しません。ですが、思わぬ苦戦を余儀なくされる可能性も捨て切れません。そうでなくとも、出血は先の比ではないでしょう。既に少なからぬ物資を消費し、死傷者も100名近い以上――」
バンッ!
その言葉に激高し、長官は机を叩く。
「では、どうしろと言うのかね! 尻尾を巻いて逃げろ、とでも!?」
「せめて対抗上、我等も戦力を増強するべきかと」
「……君は馬鹿か? そんな戦力、一体何処にある?」
長官は乱暴に吐き捨てる。
「ここ(昭北島)の第一六航空隊を投入しようにも、方面唯一の航空拠点たるピグニスに、2個航空隊を運用する広さも設備もない。
空母を増強しようにも、GFからの援軍などおよそ不可能な話だ。 ……これで一体どうしろ、と?」
「確かに、第一六航空隊全てを受け入れることは、現状では困難でしょう。しかし艦戦部隊だけなら――」
「それに、だ!」
- 757 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/09(土) 14:25:03 ID:X0DjDoks0
- 尚も進言しようと試みる参謀を黙らせ、長官は言葉を続ける。
「確かに、敵の航空戦力は飛躍的に増強されるだろう。だが、それでやっと我等と『互角かやや多い』程度だ。
……“帝國”海軍はほぼ同数の、それも土人友の軍相手に負ける程に、脆弱なのかね?
違う、断じて違う! 一体諸君らは、何時からその様な腑抜けになったのか!?」
「長官の仰る通りです、我々が負ける筈がありません」
「先の想定外の損害も、現地部隊の戦意に欠けた、引け腰な戦いにあったものと思われます」
参謀達の多くは、長官の意を汲み主戦論に傾きつつあった。
……いや、元より彼等は積極的な攻勢論者だ。
長官同様、彼等の多くは武勲を立てる機会を得るために運動し、進んで北方方面艦隊司令部に配属されたのである。故に、これは当然の成り行きだった。
部下の追従に気を良くした長官は、満足気に頷く。
「まったく、臆病者に限って直ぐに悲観論を唱えたがる。『戦場で十分な兵力を与えられることなどまずあり得ない』というのに愚かなことよ…… 足らぬを工夫するが軍人ではないか?」
「その工夫ですが…… 敵が戦力を集めるのを、指をくわえて見ている手はありません。停戦を破棄し、叩くべきです」
- 758 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/09(土) 14:25:41 ID:X0DjDoks0
- 自らを売り込むべく、参謀の一人が長官が好みそうな作戦を進言する。
確かに今回の停戦は相互の合意に基ずくものではなく、“帝國”側からの一方的なものに過ぎない。
故に、ロッシェル側が既に丸二日も何らボールを投げ返さない以上、破棄してもさほど問題では無いだろう。
が、長官はこの進言に大いに頷きながらも、退けた。
「その積極さは大いによろしい! ……が、『豚は肥してから喰え』だ。敵が集め終えるまで、待ってやろうじゃあないか」
「は!」
「しかし、現地の指揮官達はどうも積極性に欠けます。大丈夫でしょうか?」
あれだけの航空優勢でさえへっぴり腰だったというのに大丈夫か、と今度は別の参謀が指摘する。
司令部の督戦命令を散々無視した一六空及び七航戦両司令の評判は悪い、口々に同意の声が上がった。
長官も思わず考え込む。
「む……」
「督戦が必要ではないでしょうか。もしよろしければ――」
「いや、俺がいこう」
「は?」
- 759 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/09(土) 14:26:15 ID:X0DjDoks0
- 「長官権限により司令を一時解任し、七航戦を直卒とする。貴様は、一六空を督戦しろ」
「それは流石に……」
GFとの亀裂が決定的になりかねない――そう言い掛け、口篭る。
が、察した長官は自信満々に言い放った。
「土人共に、本物の“帝國”海軍の力を見せてやる必要があるのだ! いいから直ぐに飛行艇を用意しろ!」
――――クノス島、一木支隊第一中隊駐屯地。
「今日も来てますね」
「……ああ。連中、諦めてないな」
空を飛ぶワイバーンを眺めつつ、二人の男は呟いた。
一人は“帝國”人、もう一人は(上手く化けてはいるが)ダークエルフだ。
「で、何の用ですか?森安大尉殿」
「用が無ければ呼んではいかんのかね?モートン少尉」
- 760 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/09(土) 14:26:47 ID:X0DjDoks0
- この間の賭けの負け分なら、確か『給料日まで待ってくれ』だったのでは?と茶化すモートン少尉に、森安大尉も乗る。
……暫し笑いあった後、森安大尉は封筒を一つ差し出した。
「……これは?」
「やる。“負け分”なんて端金よりも、もっといいものが入っている」
「? ……! これは!」
一読したモートン少尉の顔が驚愕で歪む。
中に入っていたのは、一枚の命令書。昭北島への一時出張命令だった。
「ま、実質的には数日分の休暇だな。いいなあ、羨ましい」
「何故?」
モートン少尉は、厳しい顔で問い質す。
が、森安大尉の表情は変えず、飄々と答える。
「金が惜しくなったから。 ……それだけだよ」
「何でも、部隊は二〜三日後には敵本土に乗り込むらしいですね。 ……それもたった1個大隊で」
「直ぐに、後続の部隊も来るさ」
「……来ませんよ、知ってるくせに。『大内海のどこかで大規模な反乱が起きたらしい(*1)。そこに急遽投入されたそうだ』と私が教えた筈です」
- 761 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/09(土) 14:27:36 ID:X0DjDoks0
- 「そうだったか?」
「それにこれは方面艦隊司令部からのもの、一体どうやって……」
「司令部に兄貴がいる。参謀なんだ」
「なら――」
「俺は、無理だ」
森安大尉は機先を制した。
「不可能、とまでは言わんが難しい。それに何より、そこまで恥知らずにはなれん。 ……が、お前は部外者だ。馬鹿な“帝國”人に付き合う義理など無いさ」
ま、何れにせよ命令だから今夜には立たんとな、と笑う森安大尉。
……それを見て、モートン少尉は心底怒った顔で吐き捨てた。
「見損ないましたよ」
そして、憤然と立ち去る。
その後姿を身ながら、森安大尉はポツリと呟いた。
「……それはお前の目が節穴だからさ。俺は、元からそういう男だよ」
暫くして、今度は中隊指揮班付の准尉が、軍曹と兵を連れてやって来た。
(兵の方は、何やら両手に鞄を持っている。かなり重そうだ)
- 762 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/09(土) 14:28:47 ID:X0DjDoks0
- 「中隊長殿! 中隊総員、手紙を書き終えました!」
「御苦労。至急、モートン少尉に渡せ」
「は!」
准尉が目配せすると、軍曹と兵が駆け出していく。
それを見送った後、准尉が頭を下げた。
「久しぶりの手紙ですから、皆喜んでおりました。ありがたくあります」
「秘密任務が多かったからなあ……無理も無い」
「あと――」
准尉が声を潜める。
「他中隊の兵の分まで、本当によろしかったのですか? もし上にばれたら……いえ、自分らが決して言わせません!ですが、万一……」
「何、構わんよ。出世はとうに諦めている。それに、いっそ黒部少尉の様に辺境暮らしもいいかもしれない」
そう言いながら、森安大尉は運悪く辺境中の辺境に飛ばされた、かつての部下を思い出した。
「ああ、あの…… どうしてるでしょうねえ、あの暢気な少尉……いえ中尉殿は」
- 763 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/09(土) 14:29:45 ID:X0DjDoks0
- 「ま、飯の不味さを嘆いているんじゃあないか?」
「……目に浮かぶようですな」
僅か数年前の話だというのに、二人はまるで遠い昔を懐かしむ様な表情で笑う。
一木支隊に出撃命令が下されたのは、その次の日のことであった。
*1 ――――『大内海のどこかで大規模な反乱が起きたらしい』――――
いわゆる“モエシアの大乱”のこと。
<モエシアの大乱>
大内海モエシア文明圏で起きた、“帝國”史上屈指の反乱。指導者の名前をとり、“ファルカスの大乱”ともいう
- 764 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/09(土) 14:30:28 ID:X0DjDoks0
- SS投下終了。
- 765 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/09(土) 14:42:39 ID:i.kmv40Q0
- 投下乙です。やはり一木支隊には死亡フラグが立つのか…
- 766 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/09(土) 15:44:02 ID:ftGhzJfs0
- 食いしん坊男爵の名前登場━━(゚∀゚)━━
- 767 名前:陸士長:2008/02/09(土) 15:44:13 ID:KNJCSNJU0
- 投下乙です。初戦は痛い目を見そうですね。
相手を甘く見る傾向がますます酷くなっています。
正直、戦争になるのかなぁ……いや、戦いが云々じゃなくて日本側が戦時体制に移るのかという意味で。
- 768 名前:ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2008/02/09(土) 17:13:16 ID:Bohu6sek0
- くろべえ氏投下お疲れ様です。
上層部は敵さんをちとなめ過ぎですね。
特に長官が、マーケットガーデン作戦のブラウニング司令官みたいです。
>一木支隊
おお、一木支隊の登場ですな。ガダルでは悲惨な結果になった彼らですが、
この世界では史実以上に活躍できればいいですね。
- 769 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/10(日) 00:27:03 ID:NsMln7tE0
- 戦時体制になっては面白くない。戦力の釣り合いが崩れてしまいますから。
敵一師団に一師団以下の戦力を投入する戦力逐次投入の誰がみてもわかりやすい無能軍人は火葬戦記の基本です。
この軍人がいないと殆どの火葬戦記は尺が稼げませんし盛り上がりません。
>一木支隊
ガダルには米軍の妨害で援軍物資が届きませんでしたが、ここでは敵の海上妨害は問題にならないので無能軍人が関わるかどうかが焦点でしょうね。
支隊は負けるようですが、日本軍人のやせ細った惨めな写真がどこかに掲載されることはないですから気は楽ですね。
むしろ相手の貴族に日本軍弱しとなめる無能貴族軍人が登場し活躍するのがお約束ですから。
- 770 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/10(日) 11:04:46 ID:U.nv0ZwU0
- 久しぶりに架戦ノベルズを見ていたところ、陸軍の九九式88mm高射砲って、海軍の連装高角砲としてちょうどいいんじゃないかと考えたんだが、どうかな?
生産性もいい上、長10cm高角砲を除いて、射程、射高能力を凌駕しており、駆逐艦の大半が平射砲なことから、
88mm砲で、例えば後部砲塔や、一部魚雷発射管を撤去、増設する対空兵装強化案とか
融通してもらう陸軍には撤去した12.7cm、15cm砲などの平射砲を、既存砲架(九六式十五榴など)に載せたり、
真ん中で切断して2門の榴弾砲に仕立てることで既存重砲の生産を抑えるってことは出来んのだろうか?
帝國には未だ40mmクラスの対空機銃が生産半ばであることなどから、中口径砲増設もけっこう有効なのでわ…
- 771 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/10(日) 11:21:48 ID:U.nv0ZwU0
- >>770
やばい、ネタ、雑談スレの方が良かったでしょうか?
そうだったらスマソ...
- 772 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/10(日) 12:54:54 ID:mNpI.aRg0
- >>751
その間地上部隊上空はがら空きになるわ、近接航空支援は行えないわとなるわけですな。
そして、陸軍から
『海軍航空隊は自分達のことしか考えてない!俺たちはどうなっても言いというのか!』
と文句が噴出するわけですな?
- 773 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/10(日) 12:58:08 ID:k1ji2tYM0
- >>770
史実の陸軍と海軍の関係を知ってたら、出てこない発想だと思うよ
物理的に可能でも感情的に不可能なことって存在すると思うんだ
>>770の例はそれに類するものかと
実際にやろうとすると、まずは陸軍と海軍の関係改善から行わないといけないと思う
しかしそこは良くも悪くも変化を嫌う日本人
史実の敗戦と同じくらいのショック療法を行わないといけないんじゃないかな?
そういった事情を考慮すると、海軍は海軍で別に開発したほうが現実的
ないない尽くしの日本でそういうことするのはとても非効率的なのだが…
あれ?何故か目から汗が出てきたよ
- 774 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/10(日) 13:32:23 ID:X0DjDoks0
- >>765
765様、有難うございます。
>死亡フラグ
……ノーコメントです(笑)
>>766
>食いしん坊男爵の名前登場━━(゚∀゚)━━
まあ彼は幸運だった、ということで。
>>767
陸士長様、有難うございます。
>相手を甘く見る傾向がますます酷くなっています。
変わってません、始めからこんなものです。
単なる土人狩り程度にしか思ってないのですね〜
>日本側が戦時体制に移るのかという意味で。
無理です。
帝國は現在、開発関連の生産で大わらわ、兵器生産は現状で手一杯です。
……ま、現在でもある意味戦時体制で生産してるわけですが。
>>768
ヨークタウン様、有難うございます。
>上層部は敵さんをちとなめ過ぎですね。
米軍相手でも当初「同数以下で勝てる」なんて考えていた方々ですから(笑)
>この世界では史実以上に活躍できればいいですね。
今でも既に史実以上の武勲を立てていますが、更に機会を与えられた訳です。
この作戦が成功に終れば、一木大佐もちと早いけど少将に昇進して転任でしょうね。
- 775 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/10(日) 13:33:25 ID:X0DjDoks0
- >>769
>戦力逐次投入
史実の帝國の十八番です(笑)
(実際には、全力投入しようにも物理的に不可能だった、ということもありますが……)
>無能軍人
豚は太らせてから喰え、なんていって返り討ちにあったこともあるそうですorz
お約束以上にお約束なのが史実の帝國……
>>770
>陸軍の九九式88mm高射砲って、海軍の連装高角砲としてちょうどいいんじゃないかと考えたんだが、どうかな?
阿賀野と改阿賀野の高角砲を九九式に変更しておりますが、その位ですね。
ちなみに阿賀野に載ってた長砲身3インチ高角砲と交換です。(重戦車の戦車砲にするのだ)
ぶっちゃけ生産数に限りがあるから、とても海軍艦艇に多数装備させるほど回せないでしょうねえ。
九九式は唯一の、といって良い程の陸軍要地防空砲ですから。(陸軍は内地の防空も担当してるから大変……)
- 776 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/10(日) 14:09:52 ID:U.nv0ZwU0
- >>775
>ぶっちゃけ生産数に限りがあるから、とても海軍艦艇に多数装備させるほど回せないでしょうねえ
やっぱり新規生産となると生産制限が掛かりますか...
となると既存の物の流用、50口径12.7cm平射砲を、八九式12.7cm高角砲の機構を流用し、(仮称)五式12.7p高角砲を開発
→既存の砲身をどんどん改造しようとするも金が無い...→ orz
なんという堂々巡り...
>唯一の、といって良い程の陸軍要地防空砲
ワイバーンの高空飛行能力から云って、八八式75mm高射砲で問題ない様にも思えますが、
- 777 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/10(日) 15:27:45 ID:oc5I7sZo0
- 内地は重要ですけど、大内海のど真ん中にある内地に防空は逆に必要ないような・・・
不測の事態もあるんでしょうけど、縮小しても問題無いような。
もしくはもう縮小して大陸に分散してるんですかね?
- 778 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/10(日) 19:14:05 ID:BMyUebHo0
- やっぱ両側で無能軍人が交互に出てくるのね。
それを撃破する凡軍人や凡貴族の有能者が両側で登場すると。
お約束をいかに面白くもってくかが戦記小説の醍醐味ですからね。
土人狩り程度、まあ所詮帝国の認識は土人駆除だよ。
明治の日本のように西欧もしくは日本の文化を入れて文明開化できない国はみんな土人の集団という認識が一般。
社会構造が近世以前ではどうやっても偏見はとれません。戦線で敗北してもこれは変わらないですよ。
書類や新聞記事から貴族全盛期の社会構造が伝わる限り愚かな土人、しかし形から名称だけでも変えれば認識は変わるでしょうけどね。
これは同じくF世界側にも言えることです。
それと敗戦してからのショックで陸海軍の仲はますます険悪になったのが正解では。
海軍が陸軍への罪のなすりつけに成功して逃げ延びた形ですから。対米戦は海軍の領分だったのですから。
- 779 名前:名無し三等兵@F世界:2008/02/10(日) 23:45:01 ID:TzZzhaIQ0
- >>776
旧版時代に設定された秋月型の量産型である改秋月型なんて、九八式から八九式にグレードダウンですよ。
それぐらい貧乏ですからねえ。
>>唯一の、といって良い程の陸軍要地防空砲
>ワイバーンの高空飛行能力から云って、八八式75mm高射砲で問題ない様にも思えますが
八八式は、耐久性に難有りですからねえ。
野戦防空の為に軽量化されて脆い八八式よりは、九九式の方が要地防空に向いているでしょう。
- 780 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/11(月) 02:38:56 ID:DYWwgS5M0
- >くろべえ様
>この作戦が成功に終れば、一木大佐もちと早いけど少将に昇進して転任でしょうね。
転任先って九段の坂を登った圧迫感のある鳥居がおっ立っているy・・・ゲフンゲフン
- 781 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/11(月) 05:57:38 ID:W752Wr8E0
- で、偉い人は責任をとらないで逃げる・・・のが、今までの「当たり前」
だったのが、DEが中枢を司る「情報省」が緻密な調査報告を陛下と宰相に・・・・
潔く腹を切る度胸があるかな?
- 782 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/11(月) 14:37:25 ID:X0DjDoks0
- >>776
>やっぱり新規生産となると生産制限が掛かりますか...
恐らく海軍は、当分は史実通りにいくかと。
>ワイバーンの高空飛行能力から云って、八八式75mm高射砲で問題ない様にも思えますが、
要地防空の場合、重さは余り関係ないから華奢な八八式より堅牢かつ高性能な九九式の方がいいです。
特に内地防空の場合、四発級重爆撃機の来襲を想定していますから。
>>777
>内地は重要ですけど、大内海のど真ん中にある内地に防空は逆に必要ないような・・・
史実程の増強こそされませんが、内地各軍の防空部隊は防空旅団から師団級の高射砲集団に昇格しています。
……再転位時には、本土空襲も想定できますからね。流石に元のままでは。(ま、本気で取り組んでいる訳ではないのですが)
>>778
>やっぱ両側で無能軍人が交互に出てくるのね。
史実を考えれば、十分あり得るレベルなのが怖いです(笑)
>形から名称だけでも変えれば認識は変わるでしょうけどね。
この時代、情報は新聞かラジオくらいのものですからねえ。
国が全部握ってるから何でもできる……
>>779
>野戦防空の為に軽量化されて脆い八八式よりは、九九式の方が要地防空に向いているでしょう。
あと、高射砲を新型に更新する予算が出やすいからです(笑)
- 783 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/11(月) 14:38:19 ID:X0DjDoks0
- >>780
や、普通に勲功ポイント(笑)が貯まったのですよ。
>>781
……陸軍将校の中には、後に大陸で大地主になったものも少なくありません。
特に某中将など、多数の鉱山と実に10万町歩もの農園を……
おまけ
そういえば以前少し出た戦車の話に関連して、対戦車砲の話ですが、こっちの世界では一式機動47mm速射砲は量産を見送られました。
……理由は金と資材がかかるから。貧乏って悲しいですね。
代わりに、師団砲兵の装備から外された九〇式野砲が、常設師団の師団速射砲隊に配属されています。
(あと独立野砲兵聯隊や独立野砲兵大隊1にも配備)
一式機動47mm速射砲の数割増しの威力だけど、それ以上に重っ!
そりゃあ突撃砲なんて話も出てくるわ……
- 784 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/11(月) 14:43:46 ID:X0DjDoks0
- あ、1っていうのはミスです。念のため。
あと独立野砲兵聯隊や独立野砲兵大隊1(←コレ)にも配備
- 785 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/11(月) 18:57:26 ID:bQfMWnJQ0
- この世界における「満州一旗組」が、どんな境遇で、またどんな生活か
興味がありますね。
しかし、軍人(将校)が、支配階級(士族・貴族扱い)と言うことは
ますます、海兵・陸士の倍率が上昇しますね。
文官に対する武官の優位が過ぎると道を誤る気がします。
- 786 名前:陸士長:2008/02/11(月) 19:18:57 ID:KNJCSNJU0
- >特に某中将など、多数の鉱山と実に10万町歩もの農園を……
つまり、実績や能力よりも序列とコネと世渡りですか。
現実世界よりも腐っている所はより腐りそうですねぇ。
- 787 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/11(月) 19:32:35 ID:73sbaA5Q0
- ↑旧版では、在野・政府関係筋の既存上位階級(華族)は軍に少なく、対外交渉で難儀した云々の記述がありました。
あとsageられたら如何ですか。
- 788 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/11(月) 21:15:50 ID:U.nv0ZwU0
- 史実でも機械化運用前提で、散々重いと言われてきた九〇式野砲を師団の、其れも速射砲隊じゃ無理なんじゃ…
陸軍既存兵器なら三八式野砲か、それと同性能の九五式野砲、
海軍だと機動47mmの砲架に、思い切って60口径25mm機銃か、前に出てたホチキス47mm単装砲を載せる。
25mm機銃は47mm程ではなくても、へたな37mm砲よりも高射程、高威力で、かつ仰角を抑える事で、軽く出来るでしょうから御奨めですが、
ああでも25mmだと新規生産になるから駄目かな...
- 789 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/11(月) 22:57:24 ID:PrNDtOqYO
- >…必要ないけど。
- 790 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/12(火) 09:24:30 ID:i/BGxRX.0
- 結局それか。よく厭きないな
- 791 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/12(火) 12:05:19 ID:X0DjDoks0
- >>785
>この世界における「満州一旗組」
あきらめて内地で何らかの労働に従事するか、神州島に開拓に赴くか、軍属として大陸に行くか……
まあ後二者のどちらかでしょうかねえ。(やはり夢がある開拓かな)
>文官に対する武官の優位が過ぎると道を誤る気がします。
軍事政権ですからねえ……
それに文官だって国家統制による権力集中で、その権力は昭和初期の比ではありません。
……官僚国家“帝國”。
>>786
>つまり、実績や能力よりも序列とコネと世渡りですか。
世の中そんなもんです(笑)
特に大陸の将校は王侯貴族ですから、上手くやればウハウハでしょう。
(黒部男爵が王になれたのも、そんな彼等の煙幕として、という側面があります。
彼が庶民の英雄、或いは人気者になればなる程、彼等の行為もまた……
かくして陸軍は宣伝戦に勝利し、腐敗を叩かれるどころか大きなイメージUPを果たしたのです)
>現実世界よりも腐っている所はより腐りそうですねぇ。
膨大な年金を前にした厚生省みたいなもの……かなあ?
>>788
>史実でも機械化運用前提で、散々重いと言われてきた九〇式野砲を師団の、其れも速射砲隊じゃ無理なんじゃ…
おまけに大半が馬匹牽引……
正直、歩兵の手には余ります。
故に砲兵が担当してますが、なのに「速射砲」隊です。
いちおう、「重」をつけて通常とは区別してはいるのですが???
>陸軍既存兵器なら三八式野砲か、それと同性能の九五式野砲、
九五式と迷いましたが、やはり貫通力という観点から九〇式としました。
……正直、50o(90度ではなく実戦状態で)抜けるのは実質コイツしかないですからねえ。
- 792 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/13(水) 23:04:53 ID:mExcODrI0
- 帝國上層部とかモノの見えている人間には「綱渡り」と「奈落落ち」の
危機感が凄まじいと思いますが、庶民レベルでは、明治維新以来の
抑圧から開放され、反動から文化的盛り上がりが凄いかと。
「大正浪漫」とか文学や映画や”自由な言論”に対する要望とか意見とか
好況と人手不足の嵐から労働運動も一般の支持をえられず、
”普通選挙運動”や”職業婦人の権利拡大”なんかが盛り上がっているような気が。
議会からも、軍抑制の声が出てくるでしょう。
で、治安維持法の廃止・・・大幅な制限を加える改定とか。
列強が消失して、海外に居るのは”土人”ばかり。
資源は掘ればいくらでも出てきて、人手は足りないし給料も上がる。
臣民の声が高くなりそうだ
- 793 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/13(水) 23:14:37 ID:sNLd.xws0
- 軍が無けりゃ植民地の獲得も維持もできず、生産した物品を捌く海外市場も無けりゃ
経済成長も頭打ち。
- 794 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/13(水) 23:56:10 ID:jIUAS9F20
- 超劣化大英帝国だけにねえ
- 795 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/14(木) 06:40:46 ID:I/5p94DI0
- >>793
すくなくとも旧版の外伝では、帝國では軍主体の政治が長く続いたらしいし、
今の繁栄を維持発展させて行くには軍が必要だって事くらいはちゃんと国民も分かってたんだろうな。
つか、現代日本じゃあるまいに、列強、清華、月と、あからさまに敵対する諸国家が存在するのに、
軍の縮小を望むなんて、どこの売国奴だよw
- 796 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/14(木) 12:31:32 ID:dzclX93c0
- 外のことをよく知らない一般庶民だったら、軍の縮小を考えてもそう不思議ではない。
軍を縮小すれば税金は安くなるし、人手不足も解消される。そこから先のあれやこれやは、その時になるまでわからない。
時代民族を問わず、庶民なんてそんなもの。
- 797 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/14(木) 13:57:16 ID:P7cJg.KY0
- 軍縮に持って行くにも、それを煽る要素が必要だろ。
戦後日本はそれを変節したマスメディアが担った訳だけど、
現在の帝國は統制経済の元、報道に関しても軍に好意的というか腰巾着状態だと思うけどね。
そしてその軍を持て囃す報道を庶民は信じてるんじゃないの?
第一、転移後に大規模な動員解除したばかりでしょ>帝國
- 798 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/14(木) 18:36:25 ID:pnAJCyuo0
- 戦前日本は、どっちかってーとマスコミ好戦的だったからなぁ。朝日とか。
- 799 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/14(木) 18:47:33 ID:YhgatitQ0
- どっちかってーと ってレベルじゃねえだろ
- 800 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/14(木) 19:20:30 ID:pnAJCyuo0
- すまん。そうだな。とっても好戦的だった。
- 801 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/14(木) 19:35:46 ID:VdWG7.xQ0
- 今でも、弱者に対しては好戦的なままだろ。
- 802 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/14(木) 20:06:00 ID:2BTnvrmA0
- マスコミが率先して、「外の世界は土人ばかりで皇軍は無人の沃野を
進軍するがごとく」とか宣伝してるんじゃないの?(一時期までは)
そこまで、景気の良い話ばかりだと「そろそろ軍も縮小して生産に」と
誰でも考えるだろ。
喜んで徴兵された人間(もしくは彼の家族)は、正直少数派だったろうし。
- 803 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/14(木) 20:17:39 ID:P7cJg.KY0
- カナ姫さまは帝國臣民の間で人気出るんでしょ?
土人ばかりの国なんて説明で済ませてるとは思えんが。
それに黒部大尉が軍神に祭り上げられた時の、外国に情報を売ったとかの報道内容や
帰ってきたときに母親がダークエルフの事を知ってたことなどからすると、
一般にもある程度は「外」の情報は流れてるだろうよ。
つか、現在進行形で戦争やってるのに、政府がそういう厭戦的な空気を作るわけないじゃんか。
- 804 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/14(木) 20:46:47 ID:rnieKo0I0
- 未開の土人相手だから楽勝と吹いておきながら泥沼化すれば、
政府は激しく責任追及されるでしょうな。
- 805 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/14(木) 22:00:33 ID:VhNXpGcw0
- 中国相手に泥沼になったとき責任追及されたっけ?
- 806 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/15(金) 00:21:54 ID:pMwrLAXs0
- 文明レベルが中世かそれ以前の相手ならば、泥沼になることはまずない
身分によって明確に支配者と被支配者が分かたれてる場合、泥沼に引きずり込もうにも民衆がついてこない
さらにそういう社会制度では愛国心など期待できないので、脱走兵が出まくることから散兵の必要なゲリラ戦なども一部の錬度の高い常備軍を除き不可能(そういう常備軍はよほど追い詰められない限り、精神的な問題でゲリラ戦は不可能)
宗教が出張ってこないかぎり、あまり心配しなくてもいいと思う
こういう意見出すと、必ず中国や旧ソ連の例を出して反論する人がいるので、その前に一言
共産主義もある意味宗教
- 807 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/15(金) 00:30:45 ID:7k.qn0Q.0
- 旧版本編では、まさにその宗教じみたエルフ問題で泥沼突入しそうだったけどな
- 808 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/15(金) 05:05:46 ID:PrNDtOqYO
- >>806
ベトナムは?
- 809 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/15(金) 06:52:56 ID:5wHaWlEk0
- >>808
・優秀な指導者
・愛国心に溢れた兵士
・心の支えになる宗教(共産主義)
・ゲリラ戦に適した国土
・(フランス人を除外すれば)皆「被支配者」側
- 810 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/15(金) 11:45:44 ID:PrNDtOqYO
- 陳興道タン…
- 811 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/15(金) 12:06:20 ID:Zpiqwr4Y0
- 中国もソ連もベトナムもナショナリズムによるところが大きいだろ。
- 812 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/15(金) 13:45:14 ID:jIUAS9F20
- ナショナリズムが盛り上がったのは、王制しか経験してない民とそれ以外の民の質的違いによる物では無いかな?
また其処が806に述べられたる意味での中世以前の文明か否かの分かれ目だと思う。
- 813 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/15(金) 17:28:29 ID:QAQuroWw0
- 中世でも異民族に対しては相当反抗したけどね。
もっともそれも大分宗教がらみだけど。
- 814 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/16(土) 12:42:50 ID:plfr242k0
- 転移男
稲葉、帝大で講義するでござる の投下希望!
- 815 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/16(土) 15:45:38 ID:5cdVuct20
- >>814
君が書け。
ただでさえ本編でやるべきことがたまってるのにこれ以上くろべえ氏の負担増やすな。
- 816 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/16(土) 16:35:20 ID:qipIAXJk0
- 例の奴だろ
- 817 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/16(土) 17:08:26 ID:Il9dO2Oc0
- なぜかおじいちゃん、さっき読んだばかりでしょという電波が
- 818 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/16(土) 18:04:45 ID:0E919J7g0
- 俺も転移男は好きだけどねー
ゆっくり待ちましょーよ
- 819 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/16(土) 21:20:08 ID:Mxno44u60
- 拙者 別人でござる
- 820 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/18(月) 14:19:01 ID:LyPPIJW.0
- >民主化
確かに、徐々に民主化はされていくでしょう。
……けど、どうしてもくろべえには『民主化の旗手たる帝國』ってのが想像できません(笑)
考えてみれば自力で民主化したことないし(大正のアレも少し違う気がする)
なんか周りはもっとアレだし、『これでいいんじゃ?』って感じで適当なトコで満足して停滞しちゃいそうな気がします。気のせいかなあ?
(行き着く先がアメリカ並に好戦的な、戦前の英国以上の階級社会……だったらイヤだ)
>転移男
もう少し後で……ごめんなさい。
<訂正>
前回の集計で誤りがありました。
……あんまり前だったのでつい。
第八航空戦隊が艦戦×26機(常用23+補用3)、艦攻×42機(常用36+補用6)の計68機(常用59+補用9)、
第一九航空隊が艦戦×17機(常用16+補用1)、艦攻×16機(常用12+補用4)の計33機(常用28+補用5)、
――以上、艦戦×43機(常用39+補用4)、艦攻×58機(常用48+補用10)、総計101機(常用87+補用14)です。
となります。
では久しぶりのSS投下。
- 821 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/18(月) 14:19:46 ID:LyPPIJW.0
- 帝國召喚
北方方面艦隊司令長官は、少なくともその戦意に不足は無かった。
彼は指揮権を握ると、ただちに第一次攻撃隊を出撃させる。
クノス島沖に遊弋する第八航空戦隊からは、艦戦×18機、艦攻×18機の計36機。
ピグニス島の第一九航空隊からは、艦戦×9機、艦攻×6機の計15機。
――以上、艦戦×27機、艦攻×24機の総計51機。全機一丸となって大陸本土へと向かう。
その目標は、港湾都市サンザック。
戦力集中の原則に従い、実に可動機の六割――戦闘機に至っては七割――もの戦力を継ぎ込んだ、“帝國”軍の総攻撃が始まった。
――――ロッシェル王国、港湾都市ヴィエンヌ。
ヴィエンヌは王国南部に位置する王国有数の港湾都市であると同時に、海軍の艦隊司令部と飛竜軍の連隊司令部(飛竜第13連隊)が置かれている一大軍事拠点でもある。
故に、その守りはクノス島のそれとは比較にならぬ程充実していた。具体的には――
- 822 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/18(月) 14:20:20 ID:LyPPIJW.0
- 飛竜軍は、クノス島で全滅した飛竜第13連隊に代わり、飛竜第3連隊(飛竜2個中隊欠)と飛竜第8連隊第3・第4中隊を、
海軍は、王国南部海域を担当する1個艦隊のほぼ全力を、
地上軍(*1)も、戦時体制に移行したヴィエンヌ軍管区に加え野戦軍(*2)を、
それぞれ展開させており、海からの攻撃に対する守りとしては些か過剰――少なくとも彼等の軍事常識からすれば――な程だった。
無論、これは反撃を意図してのことである。
が、攻勢に出るには未だ物資の集積が不十分であり、今しばらくの雌伏を余儀なくされていた。
……そんな時、“帝國”軍が来襲したのだ。
<ヴィエンヌ、第3監視所>
要衝だけあり、ヴィエンヌには複数の監視所が設置されている。
これらの施設は望遠鏡による目視警戒に止まらず、天候や昼夜に左右されない生命/魔力探知機を用いた魔道による広域警戒も行っており、高い早期警戒能力を誇っていた。
当然、“帝國”軍攻撃隊もかなり早い段階で察知された。が……
「……おや?」
「どうした?」
対空用の半球水晶を覗き込んでいた相棒の声に、対水上用の半球水晶を覗き込んでいた下士官が声をかける。
- 823 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/18(月) 14:21:05 ID:LyPPIJW.0
- 「いや、どうも機械の調子がおかしいんだ」
「……またか」
相棒の言葉に、下士官はうんざりした様な声を上げた。
……一体、これで何度目だろう?
見ると、相棒の半球水晶からは中感度の生命反応が探知されている。
だが、魔力反応はゼロ。ピクリとも動かない。
「こりゃあ、おかしい」
「だろう?」
探知距離と感度から考えて、生命反応は人間換算でおおよそ100人分といったところだ。
これだけの生命反応が飛んでいるとなれば、その発する魔力たるや相当なものだろう。ただ100人の人間が歩いているのとは訳が違う。
にも関わらず無反応ということは――
「……故障、だな」
「旧型の方が良かったなー」
相棒が懐かしむ。
この新型、大幅に探知距離を引き上げた上に敵味方識別機能まで組み込んだ……は良いが、処理すべき情報が飛躍的に増えたせいか、はたまた感度を上げすぎたせいか、頻繁にシステムダウンしてくれる困り者だ。やむを得ず出力を大分絞って運用しているが、こういった誤作動が珍しくない。
- 824 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/18(月) 14:21:45 ID:LyPPIJW.0
- 「コレ造ったはいいけど、結局没ったヤツらしいぜ。何でも、他じゃあ前の型を改良したもの使ってるらしい」
「なんでウチだけ? ……というか、なんでこんな欠陥品が制式採用されたんだ?」
「さあ?」
二人は首を捻る。
……この二人の会話はロッシェル王国の魔道技術、その限界を端的に表していた。
この新型探知機、実は仮想敵たるレムリア王国の新型探知機に触発され、開発されたものだ。
……が、何とか同程度のカタログデータを持たせたは良いが、結果はこのざま。魔道先進国を自称しているとはいえ、レムリア王国を始めとする“真の先進国”(列強)と比べ未だ様々な分野で立ち遅れていることを痛感させられる結果に終った。
とはいえ対抗上、そして面子の上からも開発失敗を認める訳にはいかない――故に制式化され、少数が生産・配備されたのである。ヴィエンヌに配備されたのは、『最も脅威が少ない』と判定されたからに過ぎない。(このことからも、ロッシェルが海からの攻撃に対して無関心だったことが伺える)
何れにせよ、彼等は故障と判断。報告を受けた所長も“いつもの誤作動”と判断し、警戒を発令することはなかった。
……もしこれが半日程前ならば、或いは発令していたかもしれない。いや、むしろそうしていただろう。
が、既に警戒態勢から20時間近く経過し、些か気が緩んでいた。それ故に、彼等は“狼少年”を信じることが出来なかったのだ。
- 825 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/18(月) 14:22:46 ID:LyPPIJW.0
- 更に運が悪いことに当時天候の状態が悪く、目視での発見も遅れた。
ロッシェル軍が発見した時、攻撃隊は既に目前まで迫っていたのである。
少なくともこの段階では、勝利の女神は“帝國”軍に微笑んでいた。
――――ヴィエンヌ上空。
攻撃隊がヴィエンヌ上空に達した時、空に敵影は無かった。
見ると、敵の大半はようやく離陸したばかり。
トトトトトト……
天佑、とばかりに指揮官は突撃の命を下す。
艦戦隊は、郊外南北の二つの飛行場から離陸しつつあるワイバーンに、
艦攻隊は、飛行場(飛竜巣)や軍港、各種貯蔵施設を始めとする地上目標に、
それぞれ騎兵の如く突進した。
<南飛行場上空>
南に位置する飛竜巣に向かったのは、
ワイバーン制圧を任務とする――
一九空 艦戦隊(艦戦×9機)
“神鷹”艦戦隊(艦戦×6機)
――の艦戦15機に、
- 826 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/18(月) 14:23:17 ID:LyPPIJW.0
- 飛竜巣襲撃をを任務とする――
一九空 艦攻隊(艦攻×6機)
――の艦攻6機、計21機である。
艦戦隊は艦攻隊に先行し、露払いとばかりに殺到する。
敵は、12機のワイバーン。
「突撃!」
さして役に立たぬ無線機から流れる隊長の声が聞こえた……のかどうかは判らぬが、未だ高度を稼げないワイバーンに、十分な加速を付けた艦戦隊が襲い掛かった。
クノス島上空でのこともあり、油断も手加減もする気は更々無い。事前の手筈通り、小隊毎の徹底的な一撃離脱戦法だ。
機銃弾を喰らい、たちまち数機のワイバーンが堕ちた。
……どうやら、楽ないくさになりそうだった。
<北飛行場上空>
北に位置する飛竜巣に向かったのは、
ワイバーン制圧を任務とする――
“瑞鷹”艦戦隊(艦戦×6機)
“祥鷹”艦戦隊(艦戦×6機)
――の艦戦12機に、
飛竜巣襲撃をを任務とする――
“神鷹”艦攻隊(艦攻×6機)
――の艦攻6機、計18機である。
- 827 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/18(月) 14:23:47 ID:LyPPIJW.0
- 艦戦隊は艦攻隊に先行し、露払いとばかりに殺到する。
敵は、12機の“ワイバーン”。
「突撃!」
さして役に立たぬ無線機から流れる隊長の声が聞こえた……のかどうかは判らぬが、未だ高度を稼げない“ワイバーン”に、十分な加速を付けた艦戦隊が襲い掛かった。
クノス島上空でのこともあり、油断も手加減もする気は更々無い。事前の手筈通り、小隊毎の徹底的な一撃離脱戦法だ。
たちまち数機のワイバーンに機銃弾が命中する。が――
!?
平然と、向かってくる。だいぶ……いや、恐ろしく速い。
一撃後に離脱しようと試みるが……逃げ切れない!
ブレスを喰らい、たちまち1機の零戦が火達磨となった。
……彼等が相手にしていたモノは、ワイバーンであってワイバーンではなかった。
ワイバーンから生殖機能を除去して得た“空容量”に、人工的な魔力回路を組み込むことにより、数倍もの出力増を得た超ワイバーン“ワイバーン・ロード”――それが、その正体だった。
330ミール/h(約485q/h)という、ワイバーンの50%増の高速、
やはりワイバーンの50%増のブレス出力、
何より、ワイバーンのブレスすらも防ぐ防護結界(零戦の機銃弾はこれに阻まれたのだ!)を持つ、ワイバーンに似ているがまったく異なる存在……
そしてこれに騎乗するは、徹底的に空対空戦闘を叩き込まれた竜騎士(*3)である。
- 828 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/18(月) 14:24:51 ID:LyPPIJW.0
- 『ワイバーンを堕とす為の存在』
『空中優勢を得るための切り札』
それが、ワイバーン・ロードなのだ。
ワイバーン対策しか立てていなかった艦戦隊は、大混乱に陥った。
転移初期……ことにロッシェル戦役において、“帝國”軍航空隊は陸海問わず敵航空戦力に対して苦戦を強いられた。零戦や隼といった第一線級の戦闘機が、ワイバーン・ロードはおろかワイバーンにすらしばしば撃墜されたのだから、尋常ではない。
何故、この様な事態になったのだろう?理由は幾つも考えられる。代表的なものでは――
・初期の“帝國”戦闘機は格闘戦用であり、より格闘戦に適していた敵に対して格闘戦では劣勢を強いられた。かといって一撃離脱を行おうにも、中途半端な能力しかなかった。
・初期の“帝國”戦闘機(ことに陸軍機)は火力が低く、ワイバーン・ロードの防護結界を撃ち破るには多くの場合反復攻撃が必要だった。対する敵は(防御の貧弱さから)一撃で“帝國”軍機を堕とせた。
・無線機の劣悪さから連携が不十分だった。対する敵は高性能の無線により、連携が十分取れていた。
・敵の高機動に翻弄された。
――等が挙げられている。が、“高機動”とは何だろう?多くの元搭乗員が語ったことによりすっかり定着した感のある表現だが、抽象的過ぎてよく判らない。
加えて、幾ら“高機動”とはいえワイバーン・ロードは兎も角、半分以下の速力しか出ないワイバーンにすら翻弄されるとは、首を傾げざるを得ない。
- 829 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/18(月) 14:25:52 ID:LyPPIJW.0
- 実は、これに関して的確に表現した台詞がある。“帝國”海軍の撃墜王の一人、笹井醇一予備役海軍少将の言葉だ。
『連中の動きがあまりに飛行機のそれと異なるので、当初は誰にも偏差射撃が出来ませんでした』
……要するに、機動する敵の未来位置が予測できぬため『狙って撃てぬ』ということだ。この違和感は、ベテラン程大きかったと言う。
笹井少将はまた、いかにも講道館柔道の有段者らしい表現もしている。
『まあ、左利きの相手と組む(柔道する)感じですかねえ』
これにより少なからぬ数のベテランが調子を崩され、堕とされたという。(ましてや新米など、違和感云々以前に圧倒的な腕の差でワイバーンにすら苦戦する始末だ)
結局、“帝國”軍航空隊が圧倒的な優位を確保したのは、紫電改や疾風といった『この状況を力尽くで押し切れる』、重火力重装甲の大馬力高速戦闘機を大量に投入してからのことだった。
それまでの間、“帝國”軍航空隊は予期せぬ苦戦を強いられ続けたのである。
この空戦は、その嚆矢だった。
ワイバーン・ロードはただの一撃で零戦を火達磨にするが、零戦は数撃を与えてなお堕とせない。(*4)
一撃離脱しようにも速度差は殆ど無く、それも圧倒的な“腕の差”で帳消しにされてしまう。
何より情報が殆ど無い、その上数も同数――およそ考えられる中で最悪の状況だった。
- 830 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/18(月) 14:26:44 ID:LyPPIJW.0
- かくして戦いは一方的な結果で幕を閉じる。
――ヴィエンヌ南飛行場上空の戦い――
・参加機数
“帝國”軍 零戦12機、九七式艦攻6機
ロッシェル軍 ワイバーン・ロード12騎
・損害機数
“帝國”軍 零戦12機、九七式艦攻6機
ロッシェル軍 無し
……如何に『苦戦を強いられた』とはいえ、この様な完敗は空前絶後のことである。
“帝國”海軍……いや、“帝國”軍がこの日を“史上最悪の日”“屈辱の日”としたのも、無理も無いことであった。
*1 ――――地上軍――――
飛竜軍と海軍を除いた地上戦を担う軍の総称。あくまで俗称であり、地上軍なる組織が存在する訳ではない。
*2 ――――野戦軍――――
各軍の部隊を混成した臨時編成の軍で、独立して一正面の作戦を遂行する能力を保有する(ものと見做されている)戦略単位。戦時に編成される。
- 831 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/18(月) 14:27:16 ID:LyPPIJW.0
- *3 ――――徹底的に空対空戦闘を叩き込まれた竜騎士――――
ワイバーンは言わば“襲撃機”であり、騎乗する竜騎士は対地対空偵察等なんでもこなせるようバランス良く訓練するが、対するワイバーン・ロードは“戦闘機”であり、転換前に基本的な訓練を行った後は空戦技術のみを徹底的に叩き込まれる。(これはあくまでロッシェル王国の場合だが、他国でもこれ程ではないもののワイバーン・ロード乗りは空戦を専門とし、他は全て余技と見做されている)
*4 ――――『ワイバーン・ロードはただの一撃で零戦を火達磨にするが、零戦は数撃を与えてなお堕とせない。』――――
ロッシェル事変当初、“帝國”軍航空隊は高価な20mm弾の使用を厳しく制限されていた。角田少将や横川大佐はこれを半ば無視していたが、長官直卒となった当時は内規通りとされた。即ち、各門30発――それも対地攻撃時のみその使用を許可する、だ。かくして零戦隊は、僅か7.7mm機銃2挺で強固な防護結界を持つワイバーン・ロードに立ち向かう羽目となった訳である。
- 832 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/18(月) 14:27:53 ID:LyPPIJW.0
- SS投下終了。
- 833 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/18(月) 14:55:39 ID:LyPPIJW.0
- う゛あ……
訂正
>>821
その目標は、港湾都市サンザック。
↓
その目標は、港湾都市ヴィエンヌ。
>>830
――ヴィエンヌ南飛行場上空の戦い――
↓
――ヴィエンヌ北飛行場上空の戦い――
申し訳ない……
- 834 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/18(月) 15:20:34 ID:Il9dO2Oc0
- GJ!
ピンチシーンから圧倒的性能で逆転。ロボットアニメの主人公機乗り換えの回もかくや
といったところでしょうか。やられる側視点だとこれほどへこむとは思わなかったなー。
- 835 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/18(月) 18:32:05 ID:yYL132d.0
- くろべえ氏投下乙です
・・・ 帝 國 マ ズ く な い か ?
この時点で一撃離脱戦法に耐え得るのって陸軍の鍾馗くらいでは?
どっちにしろ短期決戦にならなそうな悪寒・・・(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
- 836 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/18(月) 18:46:30 ID:Cnil8xgk0
- 投下乙です。
いくら舐めきってる上に指揮官がアレとはいえ、
ロッシェル相手にこの損害では、レムリア相手にしたときにはどうなることやら……w
- 837 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/18(月) 19:35:36 ID:vQQe3Wkg0
- ピンチがあるほうが面白いがあっというまに10年は立ち直れなくなる予感
- 838 名前:長崎県人:2008/02/18(月) 19:55:26 ID:2MxH4A12O
- くろべえ氏投下おつ〜
んで、ちょっと頭を捻ったんですが。この時期とっくに二号銃が配備された頃で、弾も真珠湾やらフィリピン航空戦が無いのに、弾が高価でどころか、余りまくって腐ってませんか?
それからもう一つ、沖合から飛んできた零戦は燃料が減って軽荷状態(弾が少ないなら尚更)かつ、離脱戦で追われて撃墜ならば、降下をする零戦を越える速度を出さないといけないわけで、ワイバーンロードの降下速度って650キロ以上?あ り え ね ぇ !と噴き出しました。最高速は、初期型フィンランドバッファロー同程度の速度なのに・・・
よっぽど整備兵が駄目だった場合しか敗因が見つからないのでありますが・・・空母内で整備状況良いはずなのに・・・
そこらへんしっかり突き止めてくだちぃm(__)m
しかしこれで航空役立たず、まともな対艦能力を持たぬ異世界側故、戦艦の時代クルー?(゜▽゜)
- 839 名前:名無し三等兵@F世界:2008/02/18(月) 19:55:42 ID:DX9fFP720
- くろべえさん、投下乙です。
北方方面艦隊を犠牲にして聯合艦隊の空戦力を向上できると思えば…。
あとは…、急いで「試製雷電」と「紫電」もってこーい!
- 840 名前:陸士長:2008/02/18(月) 20:10:35 ID:KNJCSNJU0
- 投下乙です。
色んな要素が絡みましたが……惨敗過ぎっすねぇ。
確かに隼や初期型零戦じゃ拙いですよ相性が最悪。
とまぁ、多分長官が責任の擦り付け合いや胴間声を上げるのは兎も角。
ベテランが乗った重戦闘機早くこーいと叫びたいです。
アメさんならサンダーボルトとかワイルドキャット惜しげもなく投入してワイバーンロード磨り潰すでしょうね……嗚呼、貧乏は敵。
- 841 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/18(月) 20:38:23 ID:Tq.G7TEQ0
- 自信満々にゴリ押しした挙句に「土人」相手にこの一方的な敗北・・・
長官は脳溢血でお亡くなりになるんじゃ・・・?
- 842 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/18(月) 21:48:17 ID:nJh/RZU.0
- >838
まーた大はしゃぎで浅はかな事を言う、あなたの世界とは違うの。
- 843 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/18(月) 21:52:54 ID:5cdVuct20
- 確か仮想戦記では、味方の足を引っ張る無能な長官は、敵の攻撃で無残な死を遂げてくれたら盛り上がるんですよね。
というわけでガリ中佐と指揮下の中隊に期待。
- 844 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/18(月) 21:55:27 ID:uKLmD7Oc0
- >>838
今回の戦闘機は余裕を持ってトレーニング用の重りを積んでたんですよ。
トレーニング内容は将来に備え不十分な性能下(爆装零戦想定、本物は高いので重りで代用)での日本軍伝統の格闘戦での技能訓練です。
小さな戦闘のうち上記の戦訓が欲しかったに違いありません。
真珠湾、フィリピン用の石油弾丸は沿岸植民地に使ったことにすれば話は合います。
何にしても突っこむのは野暮ってもんですよ、頭の中で何とか埋め合わせときましょうよ。
- 845 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/18(月) 22:14:05 ID:6dAhUIRs0
- >>842
そいつは多分、自分の世界だと思ってるよw
- 846 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/18(月) 22:17:03 ID:mNpI.aRg0
- >>838
大軍縮の影響で2号銃が配備されなかったとか、
大軍縮の影響でたまに撃つ弾さえなかったとか
対米戦もないのに史実と同様の進歩するって決め付けんのはどうなのよ?
まあ何はともあれくろべえさん投下乙。
- 847 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/18(月) 22:30:52 ID:zJj.4.CE0
- >838
零戦が格闘戦に拘っていたのは、急降下等の一撃離脱戦法に著しく向かないから。
急降下後は速度が大幅に落ち、速度の回復も物凄く遅い。
そこを狙われたらひとたまりもない。
- 848 名前:名無し三等兵@F世界:2008/02/18(月) 22:53:10 ID:TzZzhaIQ0
- >>843
海軍甲事件inアルフェイム世界、ですな。
- 849 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/18(月) 23:03:53 ID:oVuuhHNoO
- 投下乙です
なんというか、帝國南無です
ダークエルフからワイバーンやワイバーン・ロードの情報を訊かなかったのでしょうか?
>>845
自分の世界ってか、自分の考えは絶対に正しいって奴ですな
しかも露骨に相手を馬鹿にする態度も嫌な奴
- 850 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/18(月) 23:07:17 ID:or3duDzc0
- >>847
機体剛性も足りないしなぁ。
ネジ一本に至るまで徹底的に軽量化したツケかね。
まぁ、悪い判断だとは思わないが。
- 851 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/18(月) 23:59:59 ID:7zBDbWQk0
- 西暦1941年12月8日転移なので、その転移時点で対米戦向けの既存の弾薬自体は備蓄していたはずです。
新装備配備は無いでしょうけど。
零戦三二型は対中華民国戦等もあったおかげで昭和十六年十二月には生産まではいってますね。本格量産は十七年からですけど。
二号銃装備の52や22甲は昭和16年転移だと無いかもしれませんね。
=====================================
旧版の対空誘導魔法弾の初登場時も思ったことですが、
ダークエルフからの情報で既知の兵器性能について「実は○○だったんですよ」という展開は
ダークエルフに悪意があるのか、彼らが気づけないほど無能か、情報を帝国軍が無視しているか等になり
前者2つの場合はダークエルフの価値が大きく下がり、後者では軍の責任問題ですね。
- 852 名前:長崎県人:2008/02/19(火) 00:25:41 ID:2MxH4A12O
- >>844さん
そりゃもっともなのですが、クノス島他で使った分の量も、空母の小型さから角田さんらが内規を無視して載せたとしても使用量がそれに勝るか、いや、同等近くになるかというと・・・やはり私は疑問なので、くろべえさんに書いていただきたく、としたわけなのです。それならそれでいいのですが
>>846さん
対米戦用意の弾と、ライン縮小決定から実行までのあいだの分。決定後にこれだけは保持するという生産数(あまりな縮小は戻って来た陸軍さんへの雇用もちょっと関わってくるでしょう)分、何故足りないかが高価だからだけでなく、それに説明がほしいな、と。決め付けてる訳じゃ無いですよ〜
>>847さん
そうなのではありますが、上がって来たばかりのワイバーンロードにも加速時間が必要な訳で、少なくとも離脱したあとに開いた距離を詰める事を考えると、12:0の原因には、なにか別なネタもあるんでないかとwktkな訳なのです
あるいはものすごく降下速度が速いのか・・・
>>842さん>>845さん>>849さん
疑問なりなんなり、これいいんじゃないかな?とか思う事を言う方が、あるいは短いのでも書いて投下してみる方が、いいんじゃまいか?実際するかどうかは別なんだし
- 853 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/19(火) 00:40:28 ID:Ed0pzdmk0
- >>852
態度について指摘します。いくらなんでも、「噴き出した」は無いと思うのですよ。
投下乙って言ってればいいんじゃないですよ。
お互い気持ちよくいくようにしましょうや。
- 854 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/19(火) 00:59:01 ID:6j1Z306s0
- 今回は戦闘に負けることが必要であって、その理由はなんでも良かったと考えればどうでしょうか。
指揮、機体性能、武装、情報不足、補給、魔法いくらでもあげられます。
極論すればロードワイバーン性能を+50km/h訂正すれば結果は同じになります。
- 855 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/19(火) 03:43:38 ID:ymBIkDCk0
- >>853
ファビョるな
- 856 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/19(火) 08:22:42 ID:PrNDtOqYO
- 油がぶ飲みして空襲されに行くの?>戦艦
- 857 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/19(火) 09:48:25 ID:or3duDzc0
- >>851
新版ではDEは帝國に全賭する気はまだ無いみたいなことを
臭わせてたし、旧版では資源地帯創作にリソース食われたから
そう言ったこと(他国の情報収集)がちょっとおろそかになってる
んじゃなかったけ?
- 858 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/19(火) 12:51:12 ID:LyPPIJW.0
- >>834
834様、有難うございます。
>やられる側視点だとこれほどへこむとは思わなかったなー。
自分も「もう少し損害少なくしてもいいんじゃないかな?」ってかなり悩みました。
……けど、悪条件が重なってるからこの損害も妥当だし、物語上も必要だし、という訳でこうなりました。
ま、開戦初期の零戦神話みたいなものですか。
イエローモンキー(蛮族)がまともな航空戦力をもっている筈が無い!
↓
惨敗(←今ココ)
↓
予想外の性能と未知の技術に恐怖を……
↓
ここから先は米軍ならば徹底的に調べ上げ、敵を丸裸にするのですが……はてさて帝國はどうすることやら。
>>835
835様、有難うございます。
>・・・ 帝 國 マ ズ く な い か ?
種明かし……という訳ではないですが、ぶっちゃけ米軍みたいに基本原則を守れば勝てます。
でもまあ帝國ですから、何時気づきますかねえ……(気づいても実行できるか?)
>この時点で一撃離脱戦法に耐え得るのって陸軍の鍾馗くらいでは?
むー、陸軍だと鍾馗くらいかな?飛燕は加速が悪くて少し厳しいかも。(海軍だと試験中の雷電・紫電?)
でも隼だろうが零戦だろうが、ワイバーン・ロードと比べて「劣ってる」という訳ではありません。どちらも一長一短、やりようによっては十分互角以上に戦えます。
防御力こそ劣っていますが速度は上ですし、何より数が違いますからねえ
(ま、向こうはそれを補って余りある「腕」と「無線による効果的な編隊戦法」がありますが、そこはそれ)
- 859 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/19(火) 12:52:17 ID:LyPPIJW.0
- >>836
836様、有難うございます。
>ロッシェル相手にこの損害では、レムリア相手にしたときにはどうなることやら……w
この戦いで学習できれば大分マシになるでしょうけど、少しキツイかも。
>>837
>ピンチがあるほうが面白いがあっというまに10年は立ち直れなくなる予感
引き篭もってもまあ何とかやっていけますから、それも手でしょうね。
……「金儲け主義の経済界」と「報復に燃える軍」「無責任なほど好戦的な民衆」を無視できれば。
>>838、852
長崎県人様、有難うございます。
……しかし、やっぱり海軍さんと話しているようだ(笑)
>弾も真珠湾やらフィリピン航空戦が無いのに、弾が高価でどころか、余りまくって腐ってませんか?
真珠湾やらフィリピン航空戦が無いから、生産量もそれ相応なのですよ。それに数造っても、20o弾が高価なことに変わりはありませんよ?そりゃあ多少は安くなるでしょうが……
砲弾は備蓄できますから、蛮族相手に無駄な浪費はしないに越したこと無いでしょう。
(とはいえ、20o機銃弾は(九九式だし)転移数年前からの生産だから、そんなにストック無いんじゅあないかなあ?や、コレに関してはまったく根拠の無い妄想ですが)
- 860 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/19(火) 12:53:50 ID:LyPPIJW.0
- 今回の件は、備蓄状況云々以前の吝嗇な理由によるものです。
20o弾は7.7o弾より遥かに高価(10倍以上?)です。コイツを使わうのと使わないでは弾薬費が軽くウン倍は違うでしょう。
「蛮族相手の紛争など7.7o弾で十分、無駄遣いするな」ということです。
……この辺は当初ロッシェル側も同じ感覚でして、まあどっちもどっちですかねえ。
>ライン縮小決定から実行までのあいだの分。決定後にこれだけは保持するという生産数(あまりな縮小は戻って来た陸軍さんへの雇用もちょっと関わってくるでしょう)分
兵器生産が縮小されても、工場の稼動は落ちません。
戦車工場はトラクタ造ってるし、
砲兵工廠は色んな金属製品を造ってます。
弾薬工場も色んな化学製品造ってることでしょう。
>それからもう一つ、沖合から飛んできた零戦は燃料が減って軽荷状態(弾が少ないなら尚更)かつ、離脱戦で追われて撃墜ならば、降下をする零戦を越える速度を出さないといけないわけで、ワイバーンロードの降下速度って650キロ以上?あ り え ね ぇ !と噴き出しました。最高速は、初期型フィンランドバッファロー同程度の速度なのに・・・
この辺はSS中の表現に多少の誇張があったかもしれませんが、零戦はワイバーン・ロードより一割程優速なだけですよ?
加えて零戦は強度が低く、急降下&急上昇を繰り返した日には本気で空中分解しかねません。(空中分解しなくとも、こんな飛行数回もすれば二線落ちかスクラップ……)
ワイバーン・ロードと比べ、飛行性能が優れているとは言い切れないかと思いますが。
- 861 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/19(火) 12:54:58 ID:LyPPIJW.0
- ……あと今回の場合、零戦は「ワイバーン相手ならば十分な降下速度でぶつかった」のですよ。急降下からの引き起こしも大変ですから、ある程度余裕を持たせないと。乱戦では返り討ちに会いかねませんからねえ。(コレ書くと美しく無いので当然SSでは削除)
で、その後は本気出したものの押し切られました。
・火力は向こうが上(事実上7.7o機銃×2だったので……)
・防御力も向こうが上(向こうは一撃でこちらを落とせるがこちらは二撃三撃加えても……)
・こっちは付け焼刃&手信号で編隊を組んでるが、向こうは熟練&無線連絡で組んでる。
・向こうはコクピット?が与圧されている。(中低空域での戦闘ではあるが……)
・何より、腕が違う。
……仮に最初から本気でも、どう考えても勝てませんよ。これじゃあ。
>>839
名無し三等兵様、有難うございます。
>北方方面艦隊を犠牲にして聯合艦隊の空戦力を向上できると思えば…。
といいますいか、上で書いた様なロッシェル側の優越点を学んで欲しい訳ですよ。
まともな航空無線とか防御力とか編隊戦闘とか与圧とか……
>急いで「試製雷電」と「紫電」もってこーい!
どちらかというと紫電かな?コイツなら(動きさえすれば)……
- 862 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/19(火) 12:56:09 ID:LyPPIJW.0
- >>840
陸士長様、有難うございます。
>確かに隼や初期型零戦じゃ拙いですよ相性が最悪。
やりようはありますが、如何にせん舐め過ぎでした。
せめて20o使えてれば最初の一撃で1機か2機、その後の戦闘でも或いは幾らか喰えたでしょうに……
>>841
>長官は脳溢血でお亡くなりになるんじゃ・・・?
どちらかというと逆に蒼白かも。
>>843
>方の足を引っ張る無能な長官
う〜ん、この時点では無能とまでは言い切れないかも。
一応持てる戦力の大半をぶつけてるし、20o弾の件も中央の方針に従っただけだし。
>>846
846様、有難うございます。
2号機銃については、米重爆とかに遭遇してませんから重いの嫌われて未だ採用されておりません。
ただワイバーン・ロードと遭遇したことから、今後採用されるかも。
>>847
>急降下後は速度が大幅に落ち、速度の回復も物凄く遅い。
そんな訳で制限ギリギリの降下ではなく、ある程度余裕を持たせた降下となったのですよ。ワイバーン相手ならばこれでも十分ですから。
- 863 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/19(火) 12:56:40 ID:LyPPIJW.0
- これがクノス上空で得た戦訓だったのですが……
>>848
>海軍甲事件
ちなみに現在の“帝國”海軍のGF長官は古賀峯一大将であります。
>>849
849様、有難うございます。
>ダークエルフからワイバーンやワイバーン・ロードの情報を訊かなかったのでしょうか?
開戦前の米軍が、零戦のリポートを読んだ時と同様の反応です(笑)
あと、ダークエルフに近代兵器の何が判るか、ってのもあります。
……まあダークエルフ自身、通り一編にしか解説していないのですけどね。
>>850
>まぁ、悪い判断だとは思わないが。
相手が想定していたものではなかった、てのが悲劇ですよね。
……でも酸素魚雷よりはマシかあ。
- 864 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/19(火) 12:58:53 ID:LyPPIJW.0
- >>851
>旧版の対空誘導魔法弾の初登場時も思ったことですが、
>ダークエルフからの情報で既知の兵器性能について「実は○○だったんですよ」という展開は
>ダークエルフに悪意があるのか、彼らが気づけないほど無能か、情報を帝国軍が無視しているか等になり
>前者2つの場合はダークエルフの価値が大きく下がり、後者では軍の責任問題ですね。
あ、これは解説した方がいいかもしれませんね。
新版では――
ダークエルフは確かに臣従しましたが、あくまで「臣従しただけ」です。主契約たる資源探索こそ積極的に行っていますが、それ以外は通り一遍的なものです。
中世の王と諸侯、「御恩と奉公」の世界……と言ったら言い過ぎですが、少なくとも現段階ではそれに近い感じです。
といいますのも、ダークエルフにとり情報は資産であり、軽々しく安売りできるものじゃあないのですよ。まあこれ以上は今後のSSで。
(あと彼等は情報の価値が時と共に下落していくことを重々承知しています。それ故彼等は――)
>>854
負ける必要もありましたし負ける理由もあった、そういうことですかねえ。
「学んでくれ」ということですよ。
- 865 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/19(火) 18:19:25 ID:rWGDjXcs0
- くろべえさん乙ですっ
帝國は学ぶの遅いけど、いったん学べばアメリカ以上に
うまく戦えると信じています!
がんばって><
- 866 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/19(火) 20:38:57 ID:6rTp6X7.0
- そして、目端の利く人間が戦訓を活用するまで
”一銭五厘”の皆様方が、一山幾らで靖国行きの隊列に加わるわけで・・・
財産を抱えて引退した「元」えらいさんを、生き残った元・部下が惨殺!
てな事件が、大陸政策二代目あたりに複数発生しそうだ・・・
- 867 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/19(火) 20:56:57 ID:VYXCBEK60
- 投下 乙です
日本軍側に厳しい展開ですね。
初戦で全滅では、戦訓持って帰るやつがいないので
あと何回かは空戦ぼろ負けの悪寒。。。
- 868 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/19(火) 21:13:24 ID:GMeVnp1A0
- 投下乙
今回は、前任者の作り上げた戦訓をまるっきり無視した結果だから、
頭が交代しない限り、犠牲を積み重ねそうですね。
- 869 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/19(火) 21:43:52 ID:JmU9PXeE0
- 必要な情報が必要なときに得られていない情報屋ではダークエルフの情報屋としての価値が大きく下がります。
この点がどうなっていくかですね。それについて以下へ。
ダークエルフについてですけど
・ダークエルフは全世界に散らばって諸侯に使われていた。
・暗殺&工作&潜入も得意。
こうなってくると各国の地理状況、政治体制、主たる兵器、宗教は大体既知の情報知識になりますね。
となると「理由として、こんな驚きの事実が」という帝国の情報不足を理由とした後手の説明は二つの結果のどちらかを生みますね。
・後手の説明があるほどダークエルフへの不信感の増大や情報源としての価値が減少。
・帝国は明らかに情報を知り得る者(捕虜、寝返った人物)からも情報収集をしない行為を繰り返す。あるいは情報伝達経路の途絶の繰り返し。
ダークエルフの過去の活動範囲とか過去の雇用形態とかもう少し控えめに押さえた方が良いと思います。
WW2の日本軍なら開戦前に既にラバウルやセイロン島などの地図、敵兵器性能が手に入る状況になってますから。
- 870 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/19(火) 22:09:36 ID:sNLd.xws0
- >・後手の説明があるほどダークエルフへの不信感の増大や情報源としての価値が減少。
だから聞かれれば答えるでしょ、相応の対価を貰えれば。何を聞くかそしてその情報をどう評価するかは
帝國自身だし。
道具を使いこなすのは使い手の責任。良く切れるナイフで手を切ったからって、ナイフのせいにするほど
帝國は愚かだと主張するなら、これ以上言う事はありませんが。
- 871 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/19(火) 22:11:46 ID:5cdVuct20
- 単にたかが土人とあなどってろくにDEから聞こうともしなかっただけじゃないでしょうか。
DEとしても向こうから聞いてこない限り答える必要はないわけですから。
ヘタに讒言して不興買うのもいやだろうし。
- 872 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/19(火) 22:35:56 ID:jG45JmrY0
- 機体性能で圧倒できない以上消耗戦しか・・・
開発事業中止してまた軍事偏重国家になってもレムリアには勝てなさそうですがw
まぁ何か学ぶとしたら、とりあえず当分大人しくしてようって事だとw
帝國経済がやばいのは仕方がないので、ケインズもびっくりな超大型公共事業を乱発で凌ぐとかw
もちろん債権乱発してw
資源取り放題な状況もありますし、国民の上昇機運も強いようですから案外上手くいきそうではありますがw
- 873 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/19(火) 22:52:06 ID:sNLd.xws0
- >>872
債権乱発は良いけど買ってくれる相手が居ないぞ。新参の異世界国家に
信用なんてないし、国内だけでは捌けないだろ。
- 874 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/19(火) 23:53:07 ID:ugMaD2Xs0
- >>873
後先考えずに日本銀行に買い取ってもらうとか
経済がめちゃくちゃになるが
なあにかえって免疫が(ry
- 875 名前:長崎県人:2008/02/20(水) 00:15:01 ID:2MxH4A12O
- くろべえさん投下おつ〜
なるほど、そんな感じですか・・・ですが実の所、ワイルドキャットでも降下速度は同程度(初期加速は零戦有利、回復はワイルドキャット)なので、米軍でも敗北確定なあたり、ロードめっちゃつえぇぇぇっ!ちなみに米軍の機上無線も、ヘルキャットで43年のクェゼリンで、不通になって困ったとかあるあたりからして、日本なら44、45年あたりじゃないとキビシィかと
まぁ、戦訓自体の採用は早いかもしれませぬな、史実でもミッドウェーの次である二次ソロモン海戦か南太平洋海戦だったかあたりで、ゲンダーがとにかく航空機を用意でき次第上げさせたりしてるらしいので(結果は逐次投入で、航空機の損害増大ですが)
あとは前衛隊を置く対空陣形の採用とか、ま、やるこたやってますし、海軍は次を期待ですかな?
- 876 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/20(水) 01:34:53 ID:PrNDtOqYO
- >>868
格闘戦やると死ねるから一撃離脱
以外の戦訓て何?
陸式が出会った暴走ワイバーンのバリア?
- 877 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/20(水) 04:18:22 ID:U.nv0ZwU0
- >>839
どう見ても52型登場フラグ...
むしろ雷電、紫電(+強風)は開発中止して、零戦54型などの強化改修に比重を置いた方が即効性が高いし、金も掛からんと思うが...
- 878 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/20(水) 05:53:10 ID:U.nv0ZwU0
- >>877
あと川西は、紫雲や紫電よりも二式大艇の陸攻化の方が、陸戦より物になりそうな気がするんだが...
業界の住み分けにもなるし、
まあ其れも海軍航空本部の指導力いかんだけど...
- 879 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/20(水) 12:03:26 ID:1LB7c8FY0
- 海軍が負けて陸軍が尻ぬぐいするのは、旧作から変わらない伝統だから今更とやかく言われても困る。
海軍に期待するだけ無駄だろう。
- 880 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/20(水) 20:46:43 ID:JmU9PXeE0
- >>870さん
私は情報元からの情報収集は一通り行っているもしくは近く行うと予想しています、
よって今後の展開について>>869を書きました。
情報としての価値は望む情報を得られるかという柔軟性にあります。
つまり「F世界D国のDD軍事基地には高射砲等の対空砲はあるか」という問いに対し「いいえ、対空砲はありません」で終わり
対空砲ではない「誘導式マジックミサイル?」は聞かれてないから故意に答えないでは情報屋としての価値は減少します。
また情報収集というのは認識の違いを理解する作業でもあります。
一軍といっても数も構成も違います、「大きな街」という言葉もF世界とでは意味合いは異なります。
本当に聞かれた単語にしか回答できないならその事実を情報収集の過程理解しているか?になります。
- 881 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/20(水) 21:06:01 ID:5cdVuct20
- >開発事業中止してまた軍事偏重国家になってもレムリアには勝てなさそうですが
いや、さすがに戦時体制に移行すりゃあ最終的に勝てるでしょう(損害はともかく)。
帝國ははるばる海を渡ってレムリア本土を攻撃できますが、
レムリア(というかアルフェイムは)は航海・船舶技術が悲惨な状態なので遥か海の向こうにある帝國本土を攻撃できませんし。
- 882 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/21(木) 03:11:36 ID:PrNDtOqYO
- 我彼の戦力差がたいしてないのに、はるばる海を渡らざるを得ない時点で圧倒的に不利
何故にレムリアの勝利条件を敵国本土の占領にするのか?レムリアの勝利条件は敵遠征軍の撃退
構図的には元寇と一緒
日本はそんな何個も何個も遠征軍を派遣し維持出来るような燃料が豊かな国じゃない
- 883 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/21(木) 09:11:53 ID:0TUjgjg.0
- 戦争には勝てるが何時になるかは言っていない
つまりその気になれば100年後や200年後ということも可能だろうということ・・・!
ってことかもしれない
- 884 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/21(木) 09:51:46 ID:S2Ee2pIw0
- ワイバーンロードの性能UPはもう頭打ちだけど、戦闘機はこれから幾らでも性能が上がるからな。
日本本国は攻撃を受ける心配は無いんだから、派遣軍が小競り合い続けてる間に
勝てる機体を開発、投入すれば最終的には勝てるわな>レムリア単体
ま、他列強や清華のことを考えると、そんな単純な問題では済まないんだろうけど。
- 885 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/21(木) 10:03:46 ID:D3QUVjlE0
- というか消耗戦に持ち込んだ段階で向こうが耐えられなくなると思うが。
まあそんなんより大内海開発しようぜ、ってのが普通だろうけど。
- 886 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/21(木) 10:33:30 ID:S2Ee2pIw0
- 生物兵器だからなぁ>ワイバーン
消耗したら補充が追いつかないよな
- 887 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/21(木) 14:45:31 ID:LyPPIJW.0
- >>865
865様、有難うございます。
>帝國は学ぶの遅いけど、いったん学べばアメリカ以上にうまく戦えると信じています!
貧乏には貧乏なりの戦い方があるのですよ……たぶん。
米英なら、人間が山砲担いで山や密林越える、何て想像しないだろうからなあ……
>>867
867様、有難うございます。
>日本軍側に厳しい展開ですね。
歴史に残りますよ、これは……
>>868
868様、有難うございます。
ちなみに角田少将は、クローゼ方面次席司令官というあやふやな役職(流石に飛ばすのは憚られた)でクノス島に飛ばされました。
>>869
これに関しては後々……
>>875
長崎県人様、有難うございます。
>米軍でも敗北確定
ただ米軍の場合、海軍設営隊がピグニスに魔改造を施して、帝國以上の大飛行場とか造ったり、クノスにもたちまち飛行場造ったりで大部隊展開しそうですよね。
B17とかB24なんか零戦の20oでも手を焼いたのだから、出てきた日には……
ではSS投下。
- 888 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/21(木) 14:46:41 ID:LyPPIJW.0
- 帝國召喚
――――ロッシェル王国、ヴィエンヌ北飛竜巣上空。
「ちっ、少々時間をかけ過ぎたか……」
最後の1騎を堕とした後、大隊指揮官(*1)である第3飛竜連隊第1中隊長ジャック・ネッケル少佐は、苦虫を噛み潰した様な表情で呟いた。
……その眼下では、飛竜巣が燃えている。襲い掛かってきた敵を返り討ちにしたはいいが、慎重に慎重を期したこともあり、むざむざ爆撃を許してしまったのだ。
――第13(飛竜)連隊が『僅か1日でやられた』と聞いたから、どんな強敵かと思えば!
どうやら敵を過大評価し過ぎたらしい。
“眼”で辺りを見渡すと、やはり他空域の敵も爆撃をあらかた終え、既に退避行動に移っている。これでは試合に勝って勝負に負けた様なもの、あまりに苦い勝利だった。
「……なら、少しでも取り返さんとならんな」
そう不敵に笑うと、ネッケル少佐は騎首を新たなる敵に向けた。
「これより追撃戦に移る!全騎続け!」
- 889 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/21(木) 14:47:11 ID:LyPPIJW.0
- ――――“帝國”海軍第八航空戦隊、旗艦“祥鷹”(*1)。
――いったい、どうなってるんだっ!?
明らかに大きく数を減らした攻撃隊の帰還に、司令部は戸惑いを隠せなかった。目の前の現実を、認められないでいたのである。
だが攻撃隊の損害が集計され数字として突きつけられると、誰もが蒼白となった。
第一次攻撃隊
・参加機:艦戦×27機、艦攻×24機、計51機
第八航空戦隊(艦戦×18機、艦攻×18機、計36機)
“瑞鷹” 艦戦×6機、艦攻×6機
“祥鷹” 艦戦×6機、艦攻×6機
“神鷹” 艦戦×6機、艦攻×6機
第一九航空隊(艦戦×9機、艦攻×6機、計15機)
・未帰還機:艦戦×15機、艦攻×11機、計26機
第八航空戦隊(艦戦×13機、艦攻×8機、計21機)
“瑞鷹” 艦戦×6機、艦攻×1機
“祥鷹” 艦戦×6機、艦攻×1機
“神鷹” 艦戦×1機、艦攻×6機
第一九航空隊(艦戦×2機、艦攻×3機、計5機)
……実に、50%もの損耗。
非情な現実を前に、“祥鷹”艦橋は重い沈黙に支配された。
- 890 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/21(木) 14:47:43 ID:LyPPIJW.0
- ――――ロッシェル王国、ヴィエンヌ上空。
更に7騎を堕とした所で、ようやくワイバーン・ロード隊は追撃を止めた。
(これ以上の追撃は流石に竜を無駄に消耗させるだけ、と判断したのだ)
「全騎、追撃止め!」
魔道通信を通じ、ネッケル少佐が命令する。
合わせれば1個連隊ほどの損害を敵に与え、対する我が方は損害ゼロ――文句なしの完全勝利である。
が、これはあくまでワイバーン・ロード隊のみに限った話に過ぎない。他に目を向ければ――
ワイバーン隊は、12騎中10騎を喪失した。対する戦果は僅か1騎……
やはり奇襲を受け、未だ魔力出力も不十分な上昇中に上空から襲われたのが痛かった。これによりまず4騎を失い、戦力比が2対1に開く。そして魔力出力は未だ定格に達せず――この状況下では、全滅しなかっただけでも上出来だろう。まして1騎といえど敵を堕としたのは、賞賛に値する。(ワイバーン・ロードとて状況は同じだが、元の出力が違う。何より“最初の一撃”を防げたのは大きい)
地上施設も少なからぬ被害を受けた。特に、敵が爆撃戦力の半数を割いた南北飛竜巣の損害は大きく、その機能に大きなダメージを受けている。対空攻撃で敵2騎を堕としたものの、到底割に合うものではないだろう。
これ等の事実を考えれば、ワイバーン・ロード隊の戦果も決して手放しでは喜べない。いみじくも第1中隊長が考えた様に、彼等は『試合に勝って勝負に負けた』のである。
……そして何より、敵の攻撃はまだ終ってはいなかった。
- 891 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/21(木) 14:48:19 ID:LyPPIJW.0
- 『連隊規模の敵空中部隊が接近中!至急迎撃に向かって下さい!』
「くっ、よりにもよって……」
地上部隊が用意した着陸地点――飛竜巣は暫く離着陸不能――に降りようとしていたネッケル少佐は、思わず罵声を上げる。
既に半数ほどの竜が降り、他も着陸体勢に入っている最悪……とは言わぬまでもかなり悪いタイミング(*3)だ。ネッケル少佐は舌打ちしつつ落としかけていた愛騎の魔力出力を上げ、再び上昇に転じる。
――しかしそれにしても、“連隊規模”とは!
どうやら敵は本当に1個騎士団を超える戦力を、はるばる海の向こうからあの狭苦しい島々に運び込んだらしい。そんな真似、我々(ロッシェル)には不可能だ。列強とてできるかどうか……
が、それ以上考えることは自分の仕事ではない。ネッケル少佐は目の前の仕事に注意を戻した。
敵は倍……加えて我が方はかなり消耗している、あまり無理は利かない。ことにブレスが不安だ、積極的な空戦は避けた方が良いだろう。よしっ!
「今度は爆撃阻止に全力を上げろ!1発の爆弾も落とさせるな!!」
第二ラウンドが始まった。
- 892 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/21(木) 14:48:55 ID:LyPPIJW.0
- ――――“帝國”海軍第八航空戦隊、旗艦“祥鷹”。
第二次攻撃隊
・参加機:艦戦×12機、艦攻×24機、計36機
第八航空戦隊(艦戦×5機、艦攻×18機、計26機)
“瑞鷹” 艦戦×2機、艦攻×6機
“祥鷹” 艦戦×1機、艦攻×6機
“神鷹” 艦戦×2機、艦攻×6機
第一九航空隊(艦戦×7機、艦攻×6機、計14機)
・未帰還機:艦戦×3機、艦攻×8機、計11機
第八航空戦隊(艦攻×6機、計6機)
“瑞鷹” 艦攻×2機
“祥鷹” 艦攻×1機
“神鷹” 艦攻×3機
第一九航空隊(艦戦×3機、艦攻×2機、計5機)
第二次攻撃隊は三割の損耗……第一次攻撃隊の被害を合わせれば37機、破棄された機体も含めれば40機を超える。
この数字は、攻撃前の常用機四割に匹敵した。
対する戦果は、二つの飛行場こそ壊滅に追い込んだものの他の施設は未だ健在、敵空中戦力も未だ有力――とてもこれだけの損害に釣り合うものではない。
「損害の大半は強化型ワイバーン“ワイバーン・ロード”によるものと思われます」
航空参謀が報告する。
- 893 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/21(木) 14:49:26 ID:LyPPIJW.0
- ダークエルフの事前情報では、ワイバーン・ロードはワイバーンを基に徹底的な改造を施したものだそうだ。何でも数倍に膨れ上がった出力を利用し、速力・火力・防御力を大幅に強化してあるらしい。
……そこまでは、信じていた。
が、『“帝國”軍の第一線戦闘機にも劣らぬ性能を有し、ことにその防御力には信じ難いものがある』と聞いた時には皆鼻で笑い、誰一人相手にしなかった。“専門家”である彼等にとり、その情報はあまりに常識外れの、馬鹿馬鹿しいものだったのだ。
加えて、ダークエルフ……というよりこの世界の人間に対する偏見もある。
『そんな能力、あり得ない。ダークエルフは“魔道兵器”とやらを過大評価している』
『所詮この世界の人間であるダークエルフに、近代兵器の何たるかが判る筈が無い。我が軍の兵器を過小評価し過ぎている』
軍はダークエルフの情報を、基本的に信用していた。 ……いや、むしろ重んじていた、といっても良い。
が、こと兵器情報に関しては別だった。その無知故に余りに科学技術を過小評価し、魔道技術を過大評価している――そう考えていたのだ。
このためワイバーン・ロードに関しても『生身の生物にそれ程の性能がある筈無い』とせいぜい“高性能な複葉機”程度に考えていた。(この時点になっても、だ!)
……だから、あり得なかった。こんな筈ではなかった。
如何に化け物とはいえ、生身の生物相手に近代兵器の粋たる零戦がここまで負けるとは――
- 894 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/21(木) 14:50:41 ID:LyPPIJW.0
- ドンッ!
「いったい、どうなってるんだっ!?」
長官は机を叩き、叫ぶ。
が、誰も答える者はいない。沈黙したままだ。
……そんな重い空気を、入室した通信士官が破った。
「一九空から入電!『第三次攻撃隊ノ要アリト認ム。我、艦戦8艦攻7ヲ出撃可能』!」
「出しましょう、長官!」
入電に勢いを得、“祥鷹”艦長が進言した。
彼は、第一次攻撃隊の半数ほどしかない第二次攻撃隊の方が損害が少ないことに注目した。もしや……敵は消耗しているのではないだろうか?
考えてみれば、相手は生身の生物だ。やってみる価値はあるだろう。
「馬鹿な!これ以上傷を広げる気か!?」
「少数機の攻撃では、無駄に損害を増やすばかりだ。そんなことより損傷機の戦列復帰に全力を尽くすべきだろう」
「一六空からの戦力抽出も検討すべきだ」
「いや、今後のこともある。“威力偵察”と考えれば、出す意味はあるのではないか?」
進言はたちまち圧倒的な反対にあったが、賛成も少数見られる。
賛成・反対両派は固唾を呑んで長官の裁定を見守った。
- 895 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/21(木) 14:51:23 ID:LyPPIJW.0
- 「……『敵飛行場を使用不能にする』という当初の目的は果たした。第三攻撃の必要は無いだろう(*4)」
暫し目を瞑って熟考していた長官は、ゆっくりと口を開いた。
「よって、暫くは戦力の回復と再編に努める。通信参謀」
「はっ!」
「一六空の艦戦隊を大至急進出させろ。あと、クノス島の一木支隊先遣隊にも連絡だ」
「一木支隊に……ですか?」
「一木支隊には、ヴィエンヌに上陸してもらう。陸空から敵を征圧するのだ」
「はっ!」
……この時点では、北方方面艦隊はクノス島の一木支隊が“一木支隊先遣隊”だと考えていた。
直ぐにでも3000を超える本隊が到着する、と信じていたのである。(少なくともその前提で考えれば、決して無謀な作戦では無かった)
だから、まさか、『後続部隊がこない』などとは思いもよらないでいた。
何れにせよ、こうして戦いの主役は空から陸へと移ることとなった。
“帝國”軍は地上部隊でもって一気にヴィエンヌを占領し、この“紛争”にケリをつけようとしたのである。
- 896 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/21(木) 14:52:16 ID:LyPPIJW.0
- *1 ――――大隊指揮官――――
この場合の“大隊”とは飛竜第3連隊の第1・第2中隊を集成した臨時の飛行群であり、正規のものではない。(飛竜連隊は数個の中隊から成り、その隷下に大隊は存在しない)
*2 ――――旗艦“祥鷹”――――
当初、第八航空戦隊の旗艦は“神鷹”だったが、指揮官交代に伴い“祥鷹”に旗艦が移された。(一説では「長官が前任である角田少将の陰を嫌ったため」ともされているが定かではない)
*3 ――――『かなり悪いタイミング』――――
離陸は、通常でも“数時間の飛行”に匹敵する負担を竜を与える。それが急激な離陸、ましてや垂直離陸なら尚更だ。(垂直着陸中に再び上昇するのも、少なくない負担だ)
今回はそれに加え、『戦闘後に休養の間もなく再離陸』とかなりの負担を強いている。この“負担”は、その性能に直結した。
(燃料や弾薬を再補給すれば動く航空機(機械)と違い、ワイバーン(或いはワイバーン・ロード)は生物である。その消耗は通常、休養による自然回復を待つしかない)
*4 ――――『第三攻撃の必要は無いだろう』――――
こちらが苦しい時は敵も苦しい。度重なる酷使により、当時ワイバーン・ロード隊は消耗しきっていた。もし第三攻撃隊を出せば、多大な損害を与えられただろう。(少なくとも敵地上施設には致命的な打撃を与えられたに違いない) ……この後の地上戦の経過を考えれば、これは無視できぬ意味を持っていた。それ故に、この判断は後世で散々に批判されることとなる。
が、筆者は些かこの意見に同意しかねる。というのも、仮にヴィエンヌを早期占領しても戦争は続いた、と考えるからだ。ならば当時の可動機の少なさと考え合わせ、(その前提はどうであれ)戦力温存に走ったことを非難することはできない。
なお余談であるが、「角田少将ならば徹底的な反復攻撃を行っただろう」という声に対し、当の角田少将は「その時その場にいなければ判らない。『為にする批判』だ」と厳しく批判しているが、まったく同感だ。あれ程の損害を出して、なお平然としていられる人間はそうそういるものではない。それを考えれば、“凡将”とは評せても決して無能とは言い切れないだろう。(事実、この戦いにおける彼の判断に、致命的な間違いを見出すことは出来ない)
- 897 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/21(木) 14:52:48 ID:LyPPIJW.0
- SS投下終了。
- 898 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/21(木) 19:28:34 ID:rWGDjXcs0
- >一木支隊には、ヴィエンヌに上陸してもらう
ギャァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!
戦争ってホント思い通りにならないもんですよね(´・ω・`)
一木支隊の奮戦に期待しつつ
くろべえさん、乙です。
- 899 名前:陸士長:2008/02/21(木) 19:44:41 ID:KNJCSNJU0
- 投下乙です。
押して(空中より攻撃)ダメなら引いて(地上部隊で占領)ですか。
…………いや、無理っすよ長官。更なる燃料投下してどうするんですかい。
そもそも、制空権がワイバーン・ロードの所為で確保出来ないのに地上部隊展開したらワイバーンに襲撃されますよ。
何というか、ド壷が口を開けてそうです……。
- 900 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/21(木) 21:35:06 ID:hwOOI3sQ0
- まぁマトモな思考してたら、このまま泥沼に突っ込むよりは大内海の開発を優先させて地盤固めするはず。。。
でも帝國首脳部がマトモな思考してるかというと微妙なとこw
結局、中国戦線の戦訓を生かすことなく一進一退のジリ貧状態に、、、てな展開になりそうで怖いですねw
早くも崩壊の序曲がッ
- 901 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/21(木) 21:35:31 ID:3iv75Ik60
- 一木支隊はどこの世界でもこういう目にあうのか……
- 902 名前:ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2008/02/21(木) 21:55:30 ID:Bohu6sek0
- 投下お疲れ様です。
2波の攻撃で、帝國側は飛竜巣を破壊したものの、損失機が40機を超えるとは
かなり痛いですね。
制空権確保も不充分なのに、さらに一木支隊、それも予定より少ない数だけの部隊
を投入するとは・・・・・
思わず帝國側の対応にアイタタタ、と言いたくなりますね。
- 903 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/22(金) 01:42:41 ID:eYsfoCe.0
- しかし冷静に考えると出した攻撃隊の半数が未帰還になったら
臆病風に吹かれるのもわかる気がする
2回も攻撃すると戦力をほぼ消耗してしまうのだから
- 904 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/22(金) 12:46:09 ID:hFpsSWNg0
- 地理的な問題もあるしね。
こちらは増援を望むのは難しいけど、向こうは本国から引っ張ってこれるし。
政治的な問題で出せないけど、帝國側からはその辺りは確証持てないし。
ダークエルフは来ないって断言してくれるかも知れないけど、
軍の側がダークエルフをそこまで信用してないみたいだし。
反復攻撃を続行して向こうを撃滅しましたがこちらも壊滅しました…ではこれ以降がなぁ。
- 905 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/22(金) 14:26:15 ID:Oyk9xUWE0
- 普通は三割で壊滅らしいからな半分なんてもう全滅に等しいだろ
- 906 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/22(金) 15:54:58 ID:S2Ee2pIw0
- 投下乙です。
こんな馬鹿な思い込みで情報扱うわけねーじゃんwwwww
とか言いたいところだけど、当時の軍上層部だと素でやるだろうなぁ……。orz
- 907 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/22(金) 16:21:34 ID:gELh7m1s0
- >>905
近代戦において戦力3割喪失で全滅判定、5割喪失で壊滅判定じゃなかったか?
まぁ、全滅と壊滅の違いは、損害を与えた側から見るか損害を被った側から見るかの違いしかないけどね
- 908 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/22(金) 16:45:10 ID:5wHaWlEk0
- いえいえ、偉大なる同志スターリンの下では、最後の一兵が死ぬまで全滅ではないのです。
- 909 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/22(金) 18:43:08 ID:Bd3wyNqw0
- ハラショー
- 910 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/23(土) 11:28:43 ID:LyPPIJW.0
- >>898
898様、有難うございます。
>戦争ってホント思い通りにならないもんですよね(´・ω・`)
相手がいますからねえ。特に相手を舐めてるととんでもない目に……
>>899
陸士長様、有難うございます。
>そもそも、制空権がワイバーン・ロードの所為で確保出来ないのに地上部隊展開したらワイバーンに襲撃されますよ。
飛行場(飛竜巣)が使用できなければ、活動できてもその能力を抑えられる、と判断しています。
……や、間違ってはいないのですが、どうやらまだ飛行機感覚で考えているようです。(無理も無いかな?)
>何というか、ド壷が口を開けてそうです……。
軍もお役所ですから、一度決めたことはよほどのことが無い限り止められません(笑)
……洒落にならないか。
>>900
>まぁマトモな思考してたら、このまま泥沼に突っ込むよりは大内海の開発を優先させて地盤固めするはず。。。
経済界の突き上げとか、好戦的な庶民とか煩いですからねえ……
>>901
南無南無。
- 911 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/23(土) 11:30:13 ID:LyPPIJW.0
- >>902
ヨークタウン様、有難うございます。
>かなり痛いですね。
痛いどころか、とうに損害が予想を超えてます。
けど、退くに退けない。だから更なる戦力を投入し、傷口を広げる……
>>903
>臆病風に吹かれるのもわかる気がする
実際、洒落にならない損害ですからねえ。
中央に知られたら大変ですよ、元帥どころの話じゃあないです。
>>904
>反復攻撃を続行して向こうを撃滅しましたがこちらも壊滅しました…ではこれ以降がなぁ。
かくして、出せる限りの戦力をつぎ込みました。
これで負けたら終わりです。(陸軍に借りるかな?隼じゃあ苦戦しそうですが)
>>905
だから何としても負けを取り返す必要があるのですよ。
……何かギャンブルみたいだ。
>>906
906様、有難うございます。
>とか言いたいところだけど、当時の軍上層部だと素でやるだろうなぁ……。orz
実際、英米独と比べると泣けてきますよね……
ではSS投下します。
- 912 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/23(土) 11:31:15 ID:LyPPIJW.0
- 帝國召喚
二日後、とりあえず――あくまで『とりあえず』『応急的に』だ――戦力の回復と再編を終えた“帝國”軍は、行動を再開した。
未だ再建途上ではあったが、これ以上の空白は敵を利するだけ、巧遅より拙速を選んだのだ。
この時点(ロッシェル本土上陸作戦発動時)における、クローゼ方面の“帝國”軍序列は以下の通り。
北方方面艦隊(司令長官 及川海軍大将)
クローゼ方面(長官直卒)
・機動部隊(長官直卒)
第八航空戦隊
戦隊直属:空母“祥鷹”“瑞鷹”“神鷹”
第二二駆逐隊:駆逐艦“水無月”“文月”“皐月”“長月”
航空機:艦戦×12機(常用10+補用2)、艦攻×26機(常用22+補用4)の計38機(常用32+補用6)。
第一六航空隊艦戦隊:艦戦×24機(常用18+補用6) *“神鷹”搭載機としてピグニス島沖で訓練中。
歩兵第二八聯隊 *現在先遣隊の1個大隊のみ。
油槽船“黒潮丸” (10384総トン)
輸送船“新夕張丸”(5355総トン)
・クノス島守備隊(クローゼ方面次席司令官 角田海軍少将)
司令部
第一〇三設営隊
特設砲艦“第四千代田丸”
輸送船2隻“月山丸”“氣比丸”(各4500総トン)
・ピグニス島守備隊(第一九航空隊司令 横川海軍大佐)
第一九航空隊:艦戦×11機(常用11+補用0)、艦攻×10機(常用7+補用3)の計21機(常用18+補用3)。
- 913 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/23(土) 11:32:07 ID:LyPPIJW.0
- 肝心の航空戦力は、艦戦×47機(常用39+補用8)、艦攻×36機(常用29+補用7)の総計83機(常用68+補用15)。
一六空の投入により、艦攻はともかく艦戦はヴィエンヌ空爆以前の水準まで回復している。加えて同隊は“北の守り”だけあって、転移前からのべテランを擁する精鋭部隊だ。これに『敵飛行場が使用不能であること』『地上からの同時進行であること』を考え合わせれば、制空権の確保は十分可能と判断されていた。
これに支援された5000の陸兵により、敵本土の重要拠点ヴィエンヌを占領することによりその戦意を挫く、というのが“帝國”軍の構想である。
が、実のところ『南クローゼ(クノス島)の占領では駄目だったから今度はヴィエンヌ』という、些か泥縄的な発想に過ぎない。思わず蘇州→無錫→常州→南京と無定見に戦線を拡大した日支事変を連想してしまうのも、気のせいではないだろう。(そもそも一六空の投入とて想定外のことだ)
――とはいえ、ここまできて退く訳にはいかなかった。
既に少なからぬ物資を消費し、かつ思わぬ損害まで出している。 ……ならば、それ相応の果実を得ねば“面子”が立たぬではないか!
そして何より、官僚的な“帝國”が素早く“損切り”するなど不可能に近い。一度賽を振った以上、進むしか道は無いのだ。
かくして“帝國”軍は前進を決意し、ルビコン川を渡ることとなったのである。
ロッシェル本土上陸作戦における“帝國”軍の構想は――
第一段階:歩兵第二八聯隊先遣隊1000余名をヴィエンヌ市近郊の無人地帯に夜間上陸させる。その陽動及び支援として、ヴィエンヌ市に第二二駆逐隊主力による艦砲射撃を行う。
- 914 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/23(土) 11:33:03 ID:LyPPIJW.0
- 第二段階:本隊到着までの間、歩兵第二八聯隊先遣隊は橋頭堡を築くと共に可能なら周辺の敵軍を撃破、ヴィエンヌ市を攻略する。
第三段階:本隊到着後は、(停戦合意に達するまでの間)その戦果を拡大する。なお第二・第三段階にあたり、クローゼ方面の海上及び航空部隊は総力を挙げてこれを支援する。
――という、極めて単純なものだった。
これに従い、作戦第一段階として“帝國”軍は――
・歩兵第二八聯隊先遣隊を輸送船“新夕張丸”に乗船、これに護衛として駆逐艦“文月”を付け輸送船団を編成、ヴィエンヌ市近郊の無人地帯に夜間上陸させる。
・この陽動及び支援として、ヴィエンヌ市に第二二駆逐隊主力(駆逐艦“水無月”“皐月”“長月”)による艦砲射撃を行う。
――こととした。
これに従い、2群の部隊がロッシェル本土上へと向かう。
……が、先の夜間砲撃の例もある。当然のことながらロッシェル軍はヴィエンヌ市周辺に哨戒網を布き、夜間も警戒にあたっていた。
王国海軍第三艦隊に所属する、スループ艦“ラ・シール”もその1隻だった。
――――ロッシェル王国ヴィエンヌ沖、スループ艦“ラ・シール”。
「生反! 右40、10、複3の500、近ヅク速イッ!」(生命反応有り。右40度、距離10ミールに500人分の生命反応が3つに分かれ接近中、高速です!)
「魔反ナシッ!」(魔力反応は有りません)
- 915 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/23(土) 11:34:06 ID:LyPPIJW.0
- 対水上探知機から次々ともたされる情報に、“ラ・シール”艦橋は緊張に包まれた。
おりしも夜間の単独哨戒である。戦うか逃げるか、それともやり過ごすか――艦長は難しい選択を迫られる。
艦長は暫し熟考し、命令を下す。
「総員戦闘準備!通信班は(司令部への)打電準備、戦闘開始と共に打電!」
号令一下、既に戦闘配置に就いていた乗組員は、速やかに準備を整える。
甲板では砲に弾丸、バリスタに大矢が装填され、
動力室では“風の魔石”が起動され、
通信室では通信が入力・送信待状態にされ、待機。次の命令を待つ。
スループ艦“ラ・シール”は、優勢な敵――その反応から恐らくスループ艦か小型フリゲートが3隻――相手に戦う覚悟を決めたのだ。
――やはり、『魔力反応は無し』か……
緊張を紛らす為か、艦長は戦闘に傾注しつつもその頭の片隅で、ふとそんなことを考えた。
生命反応はあるのに、魔力反応は無い――そんな奇妙な現象が、“帝國”との戦闘にあたってしばしば報告されている。
……そう、丁度今のように。
が、魔力とは生きとし生けるもの全てが持つものであり、如何に魔導師でないにしろ500人からの人間がいれば、発する魔力はかなりのものとなる。探知できない筈が無いのだ。
- 916 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/23(土) 11:35:02 ID:LyPPIJW.0
――やはり、“ステルス”なのか? ……いや、まさか大内海の蛮族にそんな真似…………
常道からすれば、何らかの魔力低減措置(ステルス)を施している、と考えるのが妥当であろう。何しろ『魔力反応――ことに大魔力を発するワイバーンの――の低減』は中央世界の諸国で研究されているテーマだ、レムリアなどの列強諸国では既に実用段階に達した、という噂もある。が――
――そもそも、魔力反応“ゼロ”など考えられん……あり得んのだ。
そう、“ステルス”はあくまで『魔力反応を低減する』ことにより『探知され難くする』技術に過ぎない。数十騎もの空中戦力の発する魔力をゼロにするなど、不可能な話なのだ。
だが、だとしたら敵は、“帝國”軍はいったいどうやって――
まるで得体の知れない“何か”を相手にしている様な気がし、背筋に一瞬冷たいものが走る。
……もしや、我々は何かとんでもない相手と戦っているのではないだろうか?
まるで史上初めて戦竜軍団の突撃を迎え討ったペルガン王国の一歩兵隊長の様な気持ちで、艦長は“帝國”艦隊を待ち受けた。
さて“ラ・シール”が“帝國”艦隊を発見した時、当の本人は自分が見つかったなどとは露とも知らず、無灯火による隠密航行を行っていた。
- 917 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/23(土) 11:36:01 ID:LyPPIJW.0
- “水無月”“皐月”“長月”の3隻は、闇の中をひたすら大陸へと向かう。その速度、14ノット。(これ以上の速度では陽動の役目を果たせない――“新夕張丸”は最高でも15.5ノット――上に危険だ)
当然のことながら、“ラ・シール”に気づいていない。如何な“帝國”海軍の見張員とはいえ、この闇の中で15000mも先にいる300総トン程の小船を発見するなど、不可能な話だ。(加えて、質の良い見張員は旧式駆逐艦などに回されない)
……だから、先手を打ったのは当然“ラ・シール”だった。
「“魔法の矢”発射!」
距離5000まで詰めると、艦長は攻撃を命じる。
“魔法の矢”とはマジックミサイルの総称であり、この場合は軍艦搭載用の大型対空(マジック)ミサイルを指す。
当然対空用だが、魔力結晶を用いた炸裂式の弾頭を持ち、小なりといえどその爆発力は船(木造)に対してもかなりの効果を期待できる。
……そして何より、最大交戦距離5000と射程が長い。(艦砲の実用交戦距離は300m以下で、長距離弾を用いても500mに届かない……)
ゴウッ!
魔道式バリスタから“魔法の矢”が次々――艦載型の重発射機なので四連装――と放たれる。
全弾発射すると、艦長は次なる命令を下す。
「“風の魔石”最大、右30度!」
“風の魔石”とは艦の周囲を風の結界で覆い、結界内の風を自在に操る魔道機械であり、言わば“戦闘時に用いる補助機関”である。戦闘機動時には欠かせぬ存在だ。
- 918 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/23(土) 11:37:20 ID:LyPPIJW.0
- ヒュウウウー
艦に吹く風が、強まった。
発見と同時に風上へと移動したため本来の風速が加算され、“ラ・シール”は時速12ミールを超える速度で“帝國”艦隊へと突撃した。
――――駆逐艦“水無月”
「右30度より発砲炎!」
「何だと!? ――いや、合戦準備!」
見張りからの報告に、艦長や参謀達と“海図”をつき合わせた隊司令は慌てて迎撃を指示する。
――馬鹿な、我々が先手を打たれるだと!?
夜戦は“帝國”海軍の、中でも水雷部隊のお家芸である。
先制を受けたことに、隊司令は少なからずショックを受けた。
ドンッ!
音と共に、衝撃が襲う。
「一番砲塔に敵弾命中!」
「一番砲塔使用不能、砲員全員死傷!」
- 919 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/23(土) 11:38:09 ID:LyPPIJW.0
- 次々ともたらされる被害報告。
が、その数秒後、それをかき消す轟音が響いた。
ドッ――――――…………
見ると後方が大きく光り、真っ二つに折れる駆逐艦を映し出している。
「……“皐月”、沈没」
「――――あの馬鹿野郎っ!」
暫し呆然としていた隊司令は、見張り員からの報告に我に返った。
そして、腹の底からの大声で罵倒する。
あの大爆発は魚雷の誘爆によるものだ、間違いない。
が、魚雷は全艦陸揚げし、現在は全艦未搭載の筈だ。その筈だった。
……しかし、恐らく“皐月”の艦長はそれをしなかったのだ。
『魚雷が無ければ、駆逐艦は駆逐艦じゃあありません。たたのブリキ缶です』
かつて“皐月”艦長が涙ながらに訴えた言葉を思い出す。
兵学校の期数こそ違うものの、同郷で良く知ったる仲ゆえの言葉だ。
――ああそうだな、まったくの同感だ。俺だって予備魚雷の撤去までは我慢できるが、“魚雷の全廃”なんて到底我慢できんよ。
自分達駆逐艦乗りは、今まで毎日血反吐を吐きながらも水雷戦術の訓練と研究に明け暮れていたのだ。転移により状況が変わったからって、『はいそうですか』なんて納得できない。
その気持ちは痛いほどよくわかる。
- 920 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/23(土) 11:38:48 ID:LyPPIJW.0
――だが……だがな、俺達は軍人なんだぞ。そんな個人の感傷で、命令に背くことが許されるとでも思っていたのか!?
そしてその結果が“皐月”の轟沈だ。
あの爆発では、多くが即死したに違いない。つまらぬ個人の感傷で、多くの部下を道連れにしてしまったのだ。
……そして現在は作戦行動中。生き残って漂流している将兵を救助することは許されない。
深手を負っている者も多かろう。が、見捨てなければならない。彼に出来ることは、せいぜいこの戦闘後に浮き輪やボート、食糧などを投下してやること位だ。
「馬鹿野郎……本物の大馬鹿野郎が…………」
隊司令は暫し軍帽を深く被り、絶句した。
「敵艦らしきもの、距離4000、方向右30度!」
……が、その報告に目を大きく開き、勢い良く号令を下す。
「全艦撃ち方始め! あのクソッタレを叩き潰せっ!」
その数分後、“ラ・シール”は無数の12p砲弾を受けて“皐月”の後を追った。
- 921 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/23(土) 11:39:21 ID:LyPPIJW.0
- SS投下終了。
- 922 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/23(土) 11:41:49 ID:MVM7/wo20
- 乙!
撃たれ弱いなぁ。駆逐艦じゃしょうがないけど
- 923 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/23(土) 12:33:43 ID:oVuuhHNoO
- 投下乙です
駆逐艦が沈むとは・・・純然たる軍艦が魚雷を積んでいたとはいえ
撃沈されたことを艦隊司令部はどう捉えるのでしょうね
もしかしたら命令違反の末の沈没と片付けられるかもしれない・・・
- 924 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/23(土) 15:40:22 ID:or3duDzc0
- 投下乙であります!
しかし、艦艇撃沈よりも夜戦で先制を食らったことが
帝國海軍には衝撃だっただろうなぁ。
駆逐艦の沈没には命令違反という”理由がある”けれど
先制を食らったのには理由がないもんなぁ、今のところ。
電探開発促進フラグかな?w
- 925 名前:長崎県人:2008/02/23(土) 15:57:03 ID:2MxH4A12O
- くろべえさん投下おつ〜
敵は夜戦は挑んでこまいと油断してたサボ島沖海戦で、見張り員は距離一万で発見、七千で敵艦を識別。衝突しまくりのブーゲンビル沖では、霧雨で状況が悪いなか、日本側は米側を一万で確認だったかと。相手艦が小さいのもあるでしょうが、四千まで気付かないのは・・・なにやってんのよ
しかしまぁ、上が知ったらこの隊司令、気合いが足らん!魚雷失って、夜間識別(異世界で測量もまだまだだし、陸地に近付くのに見張り軽視は明らかな落ち度になるかと)までおろそかにする腑抜けになっている、さっさとクビにすべし!論が台頭するような実績を作っちゃいましたね
寧ろ士気低下に何もしなかった分、皐月艦長(手段はアレだったにしろ)より無能の烙印がつくかな?隊の把握が出来てなかったんだから
ま、問題は最終的にスループ搭載の魔法の矢の有効性ですが、スリガオで西村艦隊が魚雷艇を発見した距離がわかれば良い判断材料になるんですが・・・資料がないorz
- 926 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/23(土) 16:19:18 ID:mNpI.aRg0
- >>925
基本風任せの帆船だし、見え方も動力艦と違うんでないのかね?
それはそうと、能書きたれてる暇あったら続きを書け!いや書いてくださいおながいしまふ。
- 927 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/24(日) 04:26:31 ID:bufIRtqw0
- この段階で戦死が続出だったら、列強相手にするのが怖くなると思うな。
やっぱ、大内海で引きこもって国力増進・情報収集に一世代くらい努めたほうが
色々幸せになれそうな気がする・・・
- 928 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/24(日) 09:31:50 ID:oe58ZDuc0
- なんか改定後だと1章だけ浮かね?
- 929 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/24(日) 10:55:43 ID:LyPPIJW.0
- 補足です。
――――“魔法の矢”――――
いわゆる“マジックミサイル”で、この場合はロッシェル王国軍の主力対空(マジック)ミサイルを指す。
本来は対空用だが、作中の用に対艦への転用も可能。(ただしあくまで「戦闘力を喪失或いは低減させる」程度の威力であり、流石に撃沈は難しい)
その性能は以下の通り。
最高速度 470〜480ミール/h(約700q/h)
最大射程 7ミール(約10q)
最大交戦距離
対ワイバーン・ロード 2000パッシス(約3000m)
対ワイバーン 3400パッシス(約5000m)
対水上艦艇 3600パッシス(約5300m)
ちなみに対艦モード時には威力を稼ぐため、推進に用いる魔力を大幅に減らしている。
また、対空戦闘時には単発では目標に撃ち落される可能性が高いため、1目標につき2発の発射――それも出来れば別個の発射機から――を(教本では)基本としている。
……が、これでも撃墜率は低い――特に対ワイバーン・ロードには――上に故障が少なくないため、実戦部隊では『1目標につき2発射機より2発』、即ち『4発の発射』を強く推奨していた。
(つまり“ラ・シール”の「四連装発射機×1」という数字は、必要最低限のものでしかない、ということだ)
- 930 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/24(日) 10:56:21 ID:LyPPIJW.0
- >>922
922様、有難うございます。
>撃たれ弱いなぁ
砲が剥き出しですからねえ〜
建造よりそろそろ20年、酷使もあってガタがきてるでしょうし。
>>923
923様、有難うございます。
>駆逐艦が沈むとは・・・
死傷者が一気に倍以上に……orz
>撃沈されたことを艦隊司令部はどう捉えるのでしょうね
「隊司令の監督不行き届き」でしょうかねえ。
で、魚雷が誘爆したのだら撃沈はあたりまえ、とか……
>>924
924様、有難うございます。
>艦艇撃沈よりも夜戦で先制を食らったこと
一番重要なトコですよね、これ。
15000も先でみつけられたら、肉眼ではお手上げでしょう。
対抗するには電探しか……
- 931 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/24(日) 10:57:51 ID:LyPPIJW.0
- >>925
長崎県人様、有難うございます。
>四千まで気付かないのは・・・なにやってんのよ
ぶっちゃけ、小型艦の夜間識別距離が判りません(笑)
スループ艦は約300総トンだから、全長は駆逐艦の半分以下かな?
で、駆逐艦を「10000で発見」として単純に半分の5000、ただし作中にあるように二流の見張員なので八掛けで4000、としました。
あ〜、でも帆船だからマストがデカい分、上構は大きい?それぞれ7000〜8000、5000〜6000程度にした方がよかったかな?
ま、要再検討ですね。ゴメンナサイ。
>さっさとクビにすべし!論が台頭するような実績を作っちゃいましたね
普通に監督不行き届きですからねえ。おまけにフネまで失ったとなると……左遷決定、ですな。
(とはいえ、戦闘中の更迭は無いのが帝國クオリティ)
>魔法の矢の有効性
上にあるように、あくまで対空用ですから。
シーチャパラルみたいなもんですよ。
>>927
>この段階で戦死が続出だったら、列強相手にするのが怖くなると思うな。
大丈夫です。一度決まったことはちょっとやそっとでは止め(止められ)ません。それが帝國です。
……追加投資は十分あり得ますが。
>>928
確認してみますね。(今更手遅れかも……)
- 932 名前:ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ:2008/02/24(日) 11:15:12 ID:Bohu6sek0
- くろべえさん投下お疲れ様です。
ううむ、敵はスループ船1隻、それに対してこちらは駆逐艦1隻喪失でしたか。
帝國軍人からすれば、なんとも割に合わない戦果ですね。
魚雷が命取りとなってしまいましたな。とりあえず、散ってしまった乗員達に合掌です。
今後も、帝國軍は苦労するんだろうなあ(;´∀`)
- 933 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/24(日) 22:37:44 ID:PrNDtOqYO
- 1章2話の
>“軍艦の王者”戦列艦といえども、彼等から見れば“カモ”でしかない。
と
>『海上兵力は如何足掻いてもワイバーンには勝てない』――これがこの世界の常識なのだ。
辺りで、艦船に効果的な対空兵器はないと思いこんでましたですはい
まあ、ワイバーンの撃墜率は低いみたいだから効果的な対空兵器というよりは、弾数考えると偵察機に対する嫌がらせ程度か
ワイバーン撃墜率と主力艦の魔法の矢搭載数の匙加減が難しいな
- 934 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/24(日) 23:37:36 ID:hwOOI3sQ0
- この軍部の間抜けぶりをシビリアンコントロールに繋げていければいいんですがねw
まぁ今も昔も日本人ってのはアレな人々なので、無理かw
- 935 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/24(日) 23:44:28 ID:i/BGxRX.0
- 朝鮮民族のアレさ加減と比べると日本程度じゃ霞んじゃうけどナー
- 936 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/25(月) 12:04:48 ID:rWGDjXcs0
- >>934
シビリアンコントロールの失敗が軍政じゃなかったっけ・・・?
っていうか、シビリアンコントロールしたところで現状の
何が解決するのかよく分からんのだが。
- 937 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/25(月) 12:14:56 ID:D3QUVjlE0
- >>931
被発見率には全長より全高の方が影響する、と聞いたことがあります。
陸戦の話ですが…
- 938 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/25(月) 12:17:18 ID:UubYwkYg0
- 異世界転移して周りは封建制国家群っていう状況で、
フットワークの鈍い上に、すぐに衆愚に陥りやすい日本の文民統制には期待できないよねえ。
- 939 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/25(月) 14:53:05 ID:rnieKo0I0
- >>936
横レスだが、
官僚主導の欠点は、失敗の責任を取らずに被害を拡大再生産する事である。
それを改めるには、民意の洗礼を受けた政治家による官僚支配が必要だ。
と、そういう意味だと思う。
SS内で失敗を積み重ねている軍も官僚の一部なんだし。
>>938
フットワークは官僚主導の方が鈍くなる。
- 940 名前:938:2008/02/25(月) 15:12:53 ID:UubYwkYg0
- ああごめん。軍官僚を文民の中に入れて考える癖が出てしまった。
- 941 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/25(月) 17:58:18 ID:QAQuroWw0
- 戦前の政治家は鈍くもないし愚かでもないぞ。
世界大恐慌に対応できずに国民の離心を招いたが、世界大恐慌をなんとかできたのは
世界でもヒトラーただ一人だったから別に日本の政治家が劣っていたというわけでもない。
軍政は国民の意見を反映できないという点で根本的な矛盾がある。
それを覆す結果を示せば支持を得られるが、結果を示すにも限界がある。
何よりも日本の軍事独裁のイデオロギー的なトップである天皇自身がそれを望まない。
また領土拡大期が終わって発展期に入れば軍事独裁にとっては不利な状況となる。
日本の未来のビジョンを提供する存在が領土を拡大する軍隊から発展の主役である企業に移るのだから。
もっともssには関係ない話だけど。
- 942 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/26(火) 03:18:13 ID:hwOOI3sQ0
- >>936
負けが込んでて、このまま突っ走っても絶対国益にならないって分かってるのに、
軍人が意地になって突っ走れるのが軍国クオリティ。
まぁ、省益しか考えない糞官僚も同じだけど、それが軍人だと悲惨なことになると。
文民統制きいてればそんなことにはならないでしょ。
ま、日本人全体がファビョってりゃ文民も糞もなく戦争マンセーで意味ないんだろうがw
- 943 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/26(火) 07:38:03 ID:hFpsSWNg0
- >>934 = >>942
煽るのもどうかと思うが、まずはsageろ。
- 944 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/26(火) 07:45:37 ID:LyPPIJW.0
- >>832
ヨークタウン様、有難うございます。
>割に合わない戦果
旧式とはいえれっきとした一等駆逐艦ですから、とうてい割に会いません。
加えて言えば、転移以降の戦闘により失われた海軍艦艇としては、文句なしに最大……
>>833
>艦船に効果的な対空兵器はないと思いこんでましたですはい
ワイバーン1騎(ロードは無理)落とせるかどうか、程度の対空攻撃力を備えています。
想定としては、お察しの様に『敵偵察機による襲撃の防御』ですね。
基本的に海軍は、航空優勢の傘の下で活動する“沿岸警備隊”なのですよ。
(海の向こうからワイバーンがわんさか、なんて想定外……)
>ワイバーン撃墜率と主力艦の魔法の矢搭載数の匙加減が難しいな
ぶっちゃけ、2基搭載してようやく単騎襲撃2回に対応できるレベルですからねえ。
加えて設置するには広いスペースと射界が必要ですし、コストも馬鹿になりません。
運用環境と費用対効果、そして海軍の地位を考えれば、最低レベルに落ち着くのも仕方が無いかと。
>>834〜942
>シビリアンコントロール
時代が進み、社会が豊かになれば軍政を続けられなくなるでしょうね。
とはいえ、それでもやはり一定以上の政治力を残し続けるだろうなあ……
転移初期における軍の功績(基礎を作ったのは軍)、
帝國を仮想敵から守る、という役割を担うことによる発言力、
を考えれば。
(あと軍と政治家が適当なトコで妥協しちゃいそう。で、国民もそれ支持しちゃうんだろうな〜)
- 945 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/26(火) 15:24:51 ID:LyPPIJW.0
- SS投下します。
- 946 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/26(火) 15:25:25 ID:LyPPIJW.0
- 帝國召喚
“帝國”艦隊が夜襲を敢行しようとしていた当時、ヴィエンヌ港沖には艦隊司令官自ら率いる第3艦隊(*1)の主力が展開していた。
その戦力、大型フリゲート艦“リベルテ”以下、スループ艦“ファンタスク”“マラン”“テリブル”“トリヨンファン”の計5隻。
残る1個戦隊(スループ艦4隻)を周辺哨戒に当てていることを考えれば、艦隊のほぼ全力といってよいだろう。
彼等は消息を絶った“ラ・シール”の仇を討つべく、そして何よりヴィエンヌ港突入を阻止すべく、“帝國”艦隊を待ち構えていたのである。
――――ロッシェル王国ヴィエンヌ港沖、大型フリゲート艦“リベルテ”。
さすが王国海軍が4隻しか保有しない虎の子だけあって、“リベルテ”の探知機(生命探知機)は真っ先に来襲する“帝國”艦隊を捕捉した。
『生反! 右10、10000、複2の300、近ヅク速イッ!』(生命反応有り。右10度、距離10000パッシス(約15000m)に300人分の生命反応が2つに分かれ接近中、高速です!)
伝声管から伝えられる情報に、艦橋は軽い緊張に包まれる。
艦隊司令官は戦闘を行うべく号令を発した。
「最大戦速!全艦続け!」
その言葉は直ちに戦闘通信(*2)を通じ、各艦に伝達される。
命令を受けた各艦は“風の魔石”を発動、単縦陣で旗艦に続く。
- 947 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/26(火) 15:26:42 ID:LyPPIJW.0
- 10000……9000……8000……
“帝國”艦隊との距離は、徐々に縮まっていく。
そして距離が7000パッシス(約10000m)程まで縮まった時、それは起こった。
カッ!
強烈な光と音が突如闇を引き裂き、ロッシェル艦隊を照らし出す。
“帝國”艦隊が照明弾を打ち上げたのだ。
「くっ、見つかったか……」
画竜点晴を欠く事態に、艦隊司令官は舌打ちする。
が、こちらは敵の倍以上の戦力だ。このまま――
『敵増速!速……40ミールっ!? 敵艦隊は時速40ミール(約32ノット)以上でこちらに向かってきます!』
……40ミールっ!?
艦橋に、驚愕の声が次々と上がる。
「馬鹿なっ、間違いではないのか!?」
その報告に艦隊司令官は目を見開き、思わず伝声管を奪って探知室に確認する。
現在、味方艦隊の速度は時速12ミール(約10ノット)――これが“風の魔石”を使い、更に追い風を受けての数字である。
……にも関わらず敵艦隊は、風下からこちらの三倍以上の速度で向かってくる、というのだ!
- 948 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/26(火) 15:27:51 ID:LyPPIJW.0
- 『――いえ、間違いありません! 敵艦隊は、確かに時速40ミールでこちらに向かってきます!』
提督という雲上人からの直接の問いとは知るはずもない探知員は、自信満々に答えた。(彼にも艦隊旗艦探知員――つまり艦隊一番の腕を持つ探知員――という誇りがあるのだ)
それを聞いた艦隊司令官は、伝声管の蓋を乱暴に閉めると振り返り、何かを命じようと口を開く。
「くっ!全艦――」
が、その言葉は轟音でかき消され、最後まで伝えることは適わなかった。
「敵艦発砲!右20度に至近弾です!」
「!? 敵との距離はっ!?」
「……7000パッシスです。連中、7000で砲撃を開始しました」
信じられない、と言わんばかりの艦隊司令官の問いに、艦長も同様の表情で……だがきっぱりと頷いた。
……その合間にも敵弾は次々と艦周囲の海面に着弾し、派手な音と水柱を上げている。信じ難い射程、信じ難い発射速度だ。
そして、水柱は徐々に近づいている。このままでは――
「ええいっ!敵艦隊との距離はっ!?」
「6000パッシス(約8800m)です!」
- 949 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/26(火) 15:28:26 ID:LyPPIJW.0
- それを聞き、艦隊司令官は決断した。
「変針、左90度!全艦“魔法の矢”発射準備!」
「!? この状況でですか!?」
艦長が声を上げる。
……確かに、威力設定を最小にすれば“魔法の矢”は届くだろう。
が、この状況で敵前回頭するなど、自殺行為もいいところだ。
それでも、艦隊司令官は命じる。
「このままではジリ貧だ!」
「……わかりました」
艦長とて、他に方法がある訳では無い。(ようは『このまま直進して砲の射程内に入り込む』か『回頭して“魔法の矢”を放つ』か、ジリ貧かドカ貧かの違いだ)
そして何より、上官の命は絶対だった。
命令は戦闘通信を通じ、直ちに各艦に伝達された。
その直後、“リベルテ”艦橋に12p砲弾が命中し、艦隊司令官以下の艦隊司令部員を吹き飛ばした。
……それでも、命令は生きていた。
最後の命令に従い、“リベルテ”は敵弾を受けつつも最後の力を振り絞って回頭する。旗艦に従い、各艦も順次回頭を始めた。
が、回頭時に無防備になった右舷に次々と砲弾が命中、ロッシェル艦隊は片っ端から撃沈されていく。
それは、さながら『死の敵前大回頭』だった。
- 950 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/26(火) 15:28:56 ID:LyPPIJW.0
――――駆逐艦“水無月”
「やはり、いたか」
敵艦隊が待ち構えている、と踏んで照明弾を上げた――どうせもう見つかっている――のだが、どんぴしゃり、である。
前方の、照明弾により照らし出された敵艦隊が、その判断の正しさを証明していた。
意を強くした隊司令は、勢い良く号令をかける。
「最大戦速!撃ち方始め!」
距離10000で“帝國”艦隊は射撃を始めた。 ……この距離では、敵艦隊に反撃の手段は無い。
5門の三年式12p砲が、毎分50発という高レートで短時間に大量の砲弾を発射する。
圧倒的な優速により距離を保ちつつ、圧倒的な鉄量を叩きつける――が、いっこうに命中しない。
「……夜間とはいえ、酷すぎないか?」
「しょせんはトンボ釣りに回された駆逐隊だ。仕方が無い、よ」
誰とも無しに上がった声に、隊司令は憮然として答えた。
- 951 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/26(火) 15:29:27 ID:LyPPIJW.0
- 如何な精鋭揃いの“帝國”海軍といえど、全員が一流という訳ではない。
加えて、優秀な人員は重要な部隊に優先して回される。
……そして悲しむべきことに、第二二駆逐隊は重要な部隊とはほど遠い位置にあった。ならば回される人材も推して知るべし、であろう。
これに夜間という悪条件が加われば、こういう結果になるのは当然だった。
――やはり、もう少し距離を詰めるべきか。
自問しつつも、だが隊司令は首を振った。
今はまだ大丈夫のようだが、これ以上距離を縮めればまた“あの攻撃”を受けるかもしれない。
今度は1隻ではなく5隻だから、さぞかし盛大に撃ってくるだろう。その損害は、馬鹿にならない。
ただでさえ既に駆逐艦1隻と100人からの死傷者を出しているのだ、余計な危険は冒したくなかった。
……保身、ではない。
監督不行き届きでこれだけの損害を受けた以上、海軍は彼に責任をとらせることは間違いない。
おそらくこの一連の戦いが終れば解任され、予備役に編入されることだろう。
が、だからこそ……であるからこそ、これ以上の損害を出したくなかった。何としても作戦を成功させねばならなかった。
このままで終るなど、真っ平御免だったから。
- 952 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/26(火) 15:30:29 ID:LyPPIJW.0
- そう隊司令が逡巡していた時、奇跡は起こった。
「はあ?」
「連中、気でも狂ったか?」
その光景に、“水無月”艦橋に、唖然とした声が次々と上がった。
……なんと、敵艦隊が突然回頭を始めたのである。敵艦の大きな横腹が、無防備に次々と曝け出されていく。
如何に練度が高くないとはいえ、的が数倍になれば当たらぬ筈が無い。先程とはうってかわり、攻撃が次々と命中していく。
「敵1番艦沈没!」
「敵2番3番艦大火災!」
景気の良い報告が次々ともたらされる。
敵艦隊の全滅は、もはや時間の問題だった。
「天佑、か」
隊司令は胸を撫で下ろした。
第二二駆逐隊が武装カッターを蹴散らしつつヴィエンヌ港に突入したのは、それから間もなくのことである。
第一次クローゼ海戦
“帝國”軍
沈没:駆逐艦“皐月”
小破:駆逐艦“水無月”
ロッシェル軍
沈没:大型フリゲート艦“リベルテ”
スループ艦“ファンタスク”“マラン”“テリブル”“トリヨンファン”“ラ・シール”
他、地上施設及び人員被害多数。
- 953 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/26(火) 15:31:09 ID:LyPPIJW.0
*1 ――――第3艦隊――――
王国南部海域の警備を担当する方面艦隊。司令官は少将。
その編制は以下の通り。
第3“方面”艦隊(司令官 少将)
┣━艦隊司令部:大型フリゲート艦×1
┣━戦隊×2 :各スループ艦×4
┗━根拠地×数個
ちなみに、根拠地とは「周辺海域の警備」及び「艦隊支援」を任務とする“基地隊”。
*2 ――――戦闘通信――――
この場合、海軍艦艇が僚艦との連絡時をとる際に使用する魔道通信を指す。
特徴としては「指向性が極めて強い」「到達距離が極端に短い」「送信可能な情報量が少ない」「安価で信頼性が高い」等が挙げられる。
(つまり傍受どころか探知さえ難しい、ということだ)
- 954 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/26(火) 15:31:40 ID:LyPPIJW.0
- SS投下終了。
- 955 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/26(火) 17:16:50 ID:wDr0citw0
- 乙であります
一瞬東郷ターンを喰らったかと思った
- 956 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/26(火) 17:32:33 ID:b2NwxlJk0
- 乙です。
馬鹿な判断つっても、こんな敵は前代未聞だし判断ミスもクソないよなー、8000m以上
離れてて誘導弾も無しに、狙いがつけられるっていうのも理解してなさそうだし。
戦艦の砲戦距離なんか知ったら……
- 957 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/26(火) 19:49:41 ID:rWGDjXcs0
- 投下乙であります。
>>956
>戦艦
たいした理由もなく
大和の艦砲射撃でF世界の町一個消滅させてみたい
とか思った俺は間違いなく外道
- 958 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/26(火) 21:06:35 ID:hwOOI3sQ0
- >>943
別段煽った意識はないんだがね。
だって日本の民度低いのも、戦前の軍政が結局は国益を大いに損ねた事も事実だし。。。
今だって霞ヶ関の官僚どもは国益なんか考えてないでしょう・・・。
あと、sageなきゃいけないって、理由が良く分からないんだけど。
確かに2chなどの人の出入りが多い板なんかでは、まったりやってる所をいきなりageられてしまうと、
荒しを呼び込む事になるのでsageろ、とはよく言う。
コレは筋が通っているという。
で、過疎の分家でしかもスレの上位3を行き来してるこのスレでsageなきゃならない意味ってあるのかな?
板全体で1日に数えるほどしか付かないんだし、レス付けたらとりあえずageといても問題ないのでは?
正直、分家におけるsageろageるな議論って個人の趣味の問題な気がする。
- 959 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/26(火) 21:30:44 ID:oVuuhHNoO
- sageろというのに強制力はないけどね、
この掲示板だと下がってる状態から上がると
作者さんが投下したと思ってチェックするからじゃないの?
- 960 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/26(火) 22:09:44 ID:z4bRGpbM0
- 名無しのレスなんて猿でも書ける様な無価値なものばかりなんだから態々ageる必要もないだろ。
って感性を持った板住人が主流の掲示板でageれば当然それなりの軋轢は覚悟してもらわないとね。
- 961 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/26(火) 22:10:52 ID:I1eVCtMg0
- >>958
>今だって霞ヶ関の官僚どもは国益なんか考えてないでしょう・・・。
まあ、確かに民度が高いなんて自分たちでいうのはナンセンスだし
実際にそれほど高いとは思えんが、
民度ってのは市民社会、つまり一般国民の成熟度を表す基準だろ。
主権者じゃなく、権力者側の腐敗をいっしょくたにするな。
そして、官僚は国民が選出するものじゃない。
- 962 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/26(火) 22:15:59 ID:gPIvbcJY0
- 国益を考えてる人はいるよ。
そんなに悲観的になるなよ。
- 963 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/26(火) 23:37:56 ID:PrNDtOqYO
- >>961
1種の受験者は国民なんだから国民に愛国心が芽生えなきゃ同じでしょ
なくはないが、薄いでしょ>愛国心
- 964 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 02:34:38 ID:22sU6IUw0
- 「日本の民度が低い」とか、
「霞ヶ関の官僚どもは国益なんか考えてない」とか・・・・・・。
正直言って、自分勝手な先入観やイメージで語っているというような印象を受けてしまうんだが・・・・・・。
もしそうなら、それこそが「民度の低い」行為であるわけで・・・・・。
実際はどういう根拠の元に判断しているんだ?
- 965 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 02:41:07 ID:vEvo/GtA0
- 爆釣ですね
- 966 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 03:35:52 ID:I1eVCtMg0
- >>964
民度と愛国心は別物だろ。
愛国心過多なお隣の国々の民度や官僚のモラルは高いのか?
つか、「愛国心高ければ官僚になる」とか、どんだけ〜。
>>964
田中芳樹あたりの小説じゃね?w
- 967 名前:966:2008/02/27(水) 03:36:37 ID:I1eVCtMg0
- あ、上の方のアンカーは>>963宛ね
- 968 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 07:02:08 ID:oVuuhHNoO
- いい加減他でやってください、と・・・
スレがkskしてると投下があったと思うだろ
- 969 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 07:57:35 ID:6MSTolII0
- 荒れるのは確かにアレだけど、ここはSS投下専用スレじゃあるまい。
というか、SSが投下されてから一日程度、
その間の20レス少々の書き込みで小説が投下たと思ったとか愚痴るなんて
どれだけ我慢を知らないんだか。
- 970 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 08:29:10 ID:plyjV73Q0
- >>969
何でそんな喧嘩腰なん?煽る様なコメでもなしに
別に連載SSじゃなくて単発が来るかも知らんし
その20レスぐいと伸びるってSSktkrか荒れてる時か位しかなくね?
議論はもっとじわじわ伸びる方だと思うしさ
- 971 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 10:53:57 ID:6MSTolII0
- 自分もその「荒れ」書き込みの一つになってるって自覚くらいしたら?
「やめろやめろと言うよりも、自分で話題を振って話を逸らせれば?」ってことだよ。
そもそも、罵りあってるわけじゃあるまいに、955以降はまだ十分議論の範囲だろ。
- 972 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 11:36:02 ID:Yofv3FQg0
- 見なさいこの醜い罵り合いを!!
これが日本の民度です!!
日本人は所詮戦犯国の二等国家ということが証明されました!!
- 973 名前:くろべえ ◆7dmdXxLH3w:2008/02/27(水) 12:00:31 ID:LyPPIJW.0
- >>955
955様、有難うございます。
>東郷ターン
東郷ターンの失敗版です(笑)
>>956
956様、有難うございます。
>前代未聞
砲の性能が違い過ぎますからねえ。
戦艦の主砲なんて知ったら……
>>957
957様、有難うございます。
>大和
この世界の町の規模なら、よほどの大都市でなくちゃあオーバーキルですね、きっと。
- 974 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 12:15:03 ID:rWGDjXcs0
- >官僚
お国のため、っていって雀の涙みたいな残業代で
朝早くまで働いてる人濡れ知ってるよ〜(・∀・)
あと直接会ったことはないけど、どこの部署が
新しい産業創出のためがんがってるとか、
教授に教えてもらったりすることよくあるよ〜?
最近は海洋基本法関係が熱いかも?
ただま、黒いカラスを何万匹集めてきたところで、
カラスが黒いとは限らないところが辛くはあるが
- 975 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 12:49:51 ID:uB3eO1fk0
- まあ、あれだ。
国益を考えていない人”も”いる
と
国益を考えていない人”しか”いない
の間には
マリアナ海溝より深い溝と、ヒマラヤ山脈より高い壁があるっつーこった。
- 976 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 12:56:18 ID:i/BGxRX.0
- >>972って、もしかして挑発のつもり……なのか? 一連の流れ見ても哀れみしか感じないんだが……。
- 977 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 13:32:13 ID:eK5hkLm60
- >>975
「悪貨は良貨を駆逐する」「いやいや人類は1割のリーダーと3割の働き者と6割の怠け者で回ってきた」
「待て今は怠け者八割で、実質回ってないだろう」「いやいやそんな感覚だけで言われても、ソースは?」
っていう風に何時までも議論がくるくる回り続けそうではありますね。
そして「結局その人の知る範囲で希望が持てるかそうでないかが決めてな気がしますが、まあどちらも間違ってはおらんですよ、ええはい」
と玉虫色の回答を出す人間も涌く、とw(例>>977)
- 978 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 13:53:01 ID:z4bRGpbM0
- 愛国心にしろ国益にしろ単純に計量出来る訳ではないものを論拠にした官僚批判なんて
大して意味も価値もないんだがねぇ。
と言うことで久し振りのスレ立て
皇軍(明治〜WW2の日本軍)がファンタジー世界に召喚されますたが何か?vol.18
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/4152/1204087700/
- 979 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 15:46:12 ID:JkIszNcM0
- >>977
>玉虫色の回答を出す人間も涌く
まぁ、それも仕方ないでしょう
1人の人間の見える範囲なんて限られてますから
- 980 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 19:29:59 ID:iKUAp18A0
- >>931
日本海軍の教本なんか見るに敵艦で一番最初に見えるのはマストなんですよ。
なので、発見に関してはマストトップや舷側高が発見距離に影響するのではないでしょうか?
- 981 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 21:16:16 ID:hwOOI3sQ0
- 普通にニュース見てるだけでも官僚さん達が自分らの縄張り第一にしてるのは明らかでそ。。
どうやったら今後10年で道路予算に59兆円投下とか言い出せるんだか。。。
日本の道路予算は諸外国と比べても、国土に比する予算額が異常だそうで。
例挙げだすときりがないけどさ。
とりあえず、官僚だめだめじゃんって思ってる人間は多いんじゃない?
田中芳樹とか関係なくw
東大生だって、昔は官僚希望がトップだったのが今じゃ2番3番らしいし。
理由は「国のために働いているようにみえないから」らしいw
- 982 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 22:02:11 ID:gPIvbcJY0
- だってさ、楽な所にはもう道あるんだもん。拡幅しようと思えば沿線上で地価が高い。
新しいルート探そうと思えば山越え谷越え。工事費もかかるわな。
それでも。交通的に地域格差はまだあるし。地域を活性化させようと思ったら道整備が一番楽なのよ。
長野県の泰阜村も、道が整備されたおかげで中京の軽井沢を目指す! なんて気力も出てきた。
近くに住んでるものの実感です。
- 983 名前:F世界逝き:F世界逝き
- F世界逝き
- 984 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 22:58:21 ID:2mnM/fak0
- なんで一部の人のためにみんなで負担してんだ。
必要なら自分たちで出せよ。
- 985 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 23:10:36 ID:rWGDjXcs0
- >>981
藻前の個人的な印象なんて誰も聞いてないし
他人様が同じ印象をもっていたとしても
藻前の正しさを証明したことにはならない。
>>984
富の再分配のため。
政治の基本目的です。
すべて自己負担なら国家含めてあらゆる共同体は不要だ罠。
- 986 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 23:20:07 ID:Gbn.XPoE0
- >>985
>>981は大体そんな世論が形成されてるんじゃないの?的な発言だと思うが。
別に正しいとか正しくないとか、0か100かなんてだれも期待してないでしょ。
そういう話だったか?w
食いつく意味が分からんが。
国益を考えている官僚もいるだろうが、考えてない官僚もいる。
んで、考えてない官僚が結構目に付くよねって程度の話でいいんじゃないのか?
- 987 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/27(水) 23:43:14 ID:gPIvbcJY0
- 印象で言えば。昔に比べてマシになってきたよなって思う自分のような人もいるわけで。
ちょうど今夜、今年度で退職する所長さんの話を聞いたんだが昔はひどかったと言うべきかおおらかだったと言うべきか。
昔は公務員は麻雀と将棋と囲碁と酒が飲めればできる! と教育されて鍛えられたとか、勤務時間に酒飲んでたとか、
出張の時は電車の中で酒飲んで到着する時はすっかり出来上がっていたとか。
誇張もあるだろうけどね。
社保庁だって悪いのは今働いてる若いもんじゃなくて、とっくに退職しちゃってるOBだろ?
- 988 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/28(木) 04:08:30 ID:06AlI5rQ0
- >>981
新聞やニュースで見聞きした情報を鵜呑みにした感想を持つのはどうかと思うぞ。
「新聞には〜と書いてあったから、〜は〜に違いない」
「ニュースで〜といっていたから、〜は〜に違いない」
「多くの人が〜と思っているから、〜は〜に違いない」
こういうのは情報に踊らされているだけで、民度の高い行いとは思えないな。
ひょっとしたら、戦前や戦中もそんな人が多くいた結果が太平洋戦争だったのかもしれんぞ。
- 989 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/28(木) 09:14:02 ID:rWGDjXcs0
- >>986
俺的には擁護したがる意味が分からんのだが。
>普通にニュース見てるだけでも官僚さん達が自分らの縄張り第一にしてるのは明らかでそ。。
という意見が根拠薄弱だと指摘することの何に
藻前は不自然さを感じたんだ?
- 990 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/28(木) 10:20:18 ID:D3QUVjlE0
- そろそろスレ違いでないかおまいら。
もはや召還話でもなんでもなくなってるぞ。
- 991 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/28(木) 14:58:25 ID:N/eAJa2w0
- >>985
逆に言えばどこまで再分配のために負担できるかが、共同体とそうじゃないかの境目だよな。
もう、あいつらなんかほっとけ、俺は俺だ。ということを実行した瞬間に
共同体じゃなくなる。
ちなみにこの外れた人達をどうするのかも問題になってきます。
こうなると、もう一度組み込むか、他に行ってもらうか、殺すか、死んでもらうくらいしか選択肢が無い。
資本主義原理に共同体なんていう概念は無いな。自分以外は全て利益をあげるために餌
- 992 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/28(木) 15:18:00 ID:rWGDjXcs0
- >>990
や、すでに次スレあがってるんで、好きなように消費しようかと
>>991
>資本主義原理に共同体なんていう概念は無いな。自分以外は全て利益をあげるために餌
新古典派はそう言ってたけど、最近は
資本主義もまた、共同体の存在を前提としている
という意見が広まっているそうだ。
旧共産圏や中央アジアでの自由主義経済の失敗から
理論がやや修正されたらしい。
- 993 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/28(木) 20:43:17 ID:nQOganX20
- >>989
いや、官僚は元々縄張り意識強いもんだと思うけどなー
んま、官僚の縄張意識や腐敗は今始まったことではないし、日本固有の問題でもないけどね
てゆうか省の垣根なしに、日本国のために日の丸を向いて全省庁一丸となって!とか、どうも想像できんw
予算の半分が赤字なのに、まだ道路に59兆円投下しろとか
本当に日本国の利益を考えてたら、そんなこと・・・
道路も大切だけど、軍事だって福祉だって他にやることイロイロあるけど、「いや、道路だ!」って言うのは、
国益とは関係ないところで意思決定してるとしか思えないんだが
もし国益を考えてその結論だとしたら、相当な視野狭窄だとしかw
道路関連予算の方が防衛費より多いというw
- 994 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/28(木) 21:35:03 ID:QzHHt1T20
- 官僚の自分としてはどっちでも良いのですよ。保守だけのが楽だし。
ただ、会社からその手の先生方に話が通ると私共へ(正確には事業所所長へ)話が通り
作業をすることになるのです。
作らせたくないならその手の先生方特に某古賀に連なる県議とかを
個人攻撃してとして悪評を立ててください。
悪評が立ってそれが定説になってる状態ならどこから出たかわからない
「内部録音記録」「内部資料」も効果を生みますから。
なにもない時にそんなことやっても自己犠牲自己満足で終わるのがヲチ。
危険なことはしたくないんだよ。
まあ”栃木佐野で人死+京都麻薬再就職のゴミ”や下水、福祉よりはうちはましだけどね。
- 995 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/28(木) 21:36:52 ID:rWGDjXcs0
- >>993
もう一度言うが藻前の個人的な感想なんて聞いてない。
- 996 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/28(木) 21:46:39 ID:tOZp2J1w0
- >>993
予算だって人それぞれに考えがあって、主張してるんですけどね。
結局あなたは予算が自分の考えるとおりに分配されない限り、
縄張り意識だ、腐敗だ、視野狭窄だと言い続ける人だと思いました。
- 997 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/28(木) 22:28:20 ID:nQOganX20
- >>995
お前こそちゃんと嫁
予算編成からして「官僚の縄張り意識がでてる」って言ってるだろうが
これは個人的感想じゃなく事実だろ
例に今一番ホットな道路に59兆円云々と出してやってるだろうが
多少個人的意見を入れたが、全てを主観で主張しているわけじゃないだろ
てゆうか、否定しかできなのは一番の能無しだろ
「官僚は縄張り意識が強いわけではない」客観的根拠を示して、
お前は間違っていると論破するなら素直に謝るしかないわけだが。
証拠不十分って言うだけなら小学生でも言える罠
>>995は結局それしか言ってないだろ
- 998 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/28(木) 22:34:39 ID:nQOganX20
- >>996
人それぞれの考えって何?
それこそ色々あるよね、利益誘導だって考えの一つなわけだし
てゆうか、その考えが国益を向いているかどうかって話なんだけどそこ全然触れてないよね
- 999 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/28(木) 22:38:00 ID:xFHa2sJQ0
- >>997
とりあえず、否定しかできない奴が多すぎて激しく具体性に欠ける。
まさに雲を掴むようなレス。
とりあえず否定して「論破したぞ!」っていう感じなのかね。
- 1000 名前:名無し三等陸士@F世界:2008/02/28(木) 22:39:16 ID:nQOganX20
- お、もう1000かw
とりあえずこれ以上連中とやりあうのも不毛なんで埋めとくわ
乙。
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