メカAG http://twitter.com/NATROM/status/342095461152333824 | 福島県の小児甲状腺がんについて、「ややこしい計算をしなくても、それほど福島と他の地域で大差ないのではなかろうか」というメカAGさん(疑似科学ニュース )による推測。魚拓。 http://megalodon.jp/2013-0605-0859-28/nebula3.asks.jp/153913.html … ローカル保存もしておこう。念のため。ごめんなさい。よく考えたらこの件は俺の方がおかしい。ということで消したのだが、抜け目なく保存してたのね。いやはや、俺の間違い。勘違い。基本的にあれで正しいように思う。甲状腺癌の有病率についても、 がん診療ガイドライン│甲状腺腫瘍│診療ガイドライン http://jsco-cpg.jp/guideline/20.html | わが国の2003 年における甲状腺癌推定罹患数は8, 069 例(男性 2, 023 例,女性 6, 046 例)であった。人口10 万人当たりの粗罹患率は男性 3. 25,女性 9. 26,年齢調整罹患率*は男性 2. 56,女性 7. 17 であった。 | わが国における甲状腺癌の有病率は人口1, 000 人当たり1. 3(男性 0. 6,女性1. 9)と推定される。40年前のデータらしいが1000人に1人らしいから、例の1000人に5人とそれほど違わない。ということで、俺の間違い。 * * *こんなエントリも書いてるのね…。いつ書いたんだ。俺がエントリ書いてから、そんなに時間経ってないと思うのだが。 「疑似科学ニュース」の「福島の甲状腺癌の変な^2話」 - NATROMの日記 http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20130605#p1この件はNATROMの部分も片瀬久美子の文章も、少なくとも俺の文章よりは正しい。俺の間違いのために、よけいな文章を書かせて時間を無駄にさせてごめんなさい。 * * *一応自分なりの整理。この式 有病率=罹患率*平均有病期間は、罹患率というのは毎年新たに癌になる人、有病率というのはある時点での癌になってる人。有病期間が7年なら現時点で癌になってる人は7年前、6年前、…1年前の合計なのだから、病気になっている期間をかければ求められるというシンプルなもの。患者が治るか死亡するかすればその患者は癌でなくなるから、有病率のカウントから外れる。死亡と治癒が同列というのも変だが、人口はおおむね一定だから、死亡する人がいる一方で新たに生まれる人もいるわけで、その意味では治ったのと同じ。したがって片瀬久美子が10万人に4.9人を罹患率として使うのは正しいし、有病率についても0.49%すなわち1000人に4.9人を使うのも、上記の40年前の有病率が1000人に1人というデータと照らせば、おかしなものではない。 * * *ただ、NATROMのこのエントリ 「有病割合≒罹患率×平均有病期間(D)」という式の適用可能性 - NATROMの日記 http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20130422#p1 | ここでは(D)を「癌がスクリーニング検査で検出可能な大きさになってから臨床的な症状を引き起こすまでの期間」と定義し、「平均有病期間」と区別するため「潜在期間」と呼ぶ。集団における疾病の発生状態が安定している場合において、 | ・有病割合≒罹患率×潜在期間(D) | という式が成立する点については、おそらくは異論はないものと考えるこれは別な話だよね。もちろん別な話だと書いてあるけれど。 有病率=罹患率*平均有病期間の方は理論的にそうなるという値。 | ・有病割合≒罹患率×潜在期間(D)の方は、スクリーニング検査で発見できる癌の割合と、それが症状に出る割合。まあそれを潜在期間として定義したのだから、これも理論的には正しいわけだけど、もとの津田敏秀の話とはまた別のこと。俺も最初、津田敏秀はスクリーニング検査によって検出される率と、これまでの統計を比較するために、何らかの方法でこの値を求めているのかと思ったんだよね。そういうわけでもなかったが。 * * *まあ、日頃、俺に恨みを持ってる人たちは、ここぞとばかり、どんどん叩けばいいと思うよ。俺は反撃できない。 * * *追記2013-06-05 http://twitter.com/NATROM/status/342096322456854529 | 私だったら、ケンカしている最中に、わざわざ潜在的な敵に言及しないな。あまりそういう賢い計算はしないので。NATROMが間違ったこと言ってるなと思ったので、そう書いた。まあ見苦しい負け惜しみだけど、エントリを消したのはあなたのブログを読む前なんだけどね…。最初のエントリを書いた後なんか釈然としなくてあれこれ考えているうちに、俺の方がおかしいと気づいた。とりあえず消して「やっぱあってた」というエントリを書いてる途中にtwitter見たら(ry http://twitter.com/ph_nglui_/status/342132132841406464 | 文章の流れが読み辛い。 メカAGってやつがアホだとわかれば十分。自分の方の基礎的な理解が足りないのに、相手が間違ってると思い込んで嬉々として長文を書いたアホ。 | daibutsuda | うーん、真面目な医療の話かと思えば最後は個人攻撃か・・・。この記事をチョイスしてくるBLOGOS編集者のセンスもどうかと思うが(もうちょっと客観的で医療的に意味のありそうな記事をNATROM氏はほかにもたくさん書いているのに!)・・・。この件はあれぐらい批判されてもしかたない。間違い以前に必要な水準を満たしていない…。 https://twitter.com/NATROM/status/342248633246285825 | 「削除した文章をもとに個人攻撃するのは、誹謗中傷罪」というブコメに、はてなスターが5つ。全部kiya2015さんという人による。元にちょいと調べたら、kanoseさんのブログの[メカAGさんにお返事 http://goo.gl/bzVBL ]というエントリーを発見した。ほう。見てみたがkiya2015ってkanose側についてた人なんじゃないの?まあよくわからんが。削除云々は一般論としてはともかく、今回の件はこうして復活させてるわけで、その人よくしらないんじゃ?俺の味方というよりあなたの敵なんじゃ(w http://twitter.com/NATROM/status/342250227073421312 | 「この人そういう人だったんだ!」って、私も今頃気づきました。ああいう人だったのは何年も前から知っていましたが。よくわからんが、kanoseもNATROMもいままで俺をどういう人だと思ってたんだ?政治には口出ししないとか?山本弘の時に南京虐殺とか話題にしてたんだけどね。とはいえ当時はいまと比べれば平和だったからね。対中国も対韓国も。あなたも変わらないと時代に取り残されちゃうよ?平和主義を主張していれば平和だった時代は終わった…。まあ要するに政治的話題に興味がない人達には、メカAGも政治的話題に興味がないように見えた、というだけなんじゃ?これって考え始めるとなかなか深いね…。 * * * * * * * * *消した最初の文章も載せておくか…。魚拓のコピーだけど。すでにリンクされてたのを知ってたら元のエントリを消さずに、そこに上記の文章を書いたのだが。書いてまだそんなに時間が経ってなかったので、読んでる人もいないだろうと思って消してしまった。↓以下最初の内容。これまで福島で甲状腺癌が増えているという話を耳にしても、あまり興味がなかった。というのも福島ではスクリーニングをしているらしい。検査を厳格にやればやるほど、普通の診察では発見されないような癌も発見されるから、見かけ上数値は増加する。まあこれについてはチェルノブイリでも同様のことがあったようだから、今更の話。 * * *なんか片瀬久美子関連のツイートを見てたら、背理法がどうとかいう話題が目についた。興味を惹かれて読んでみたけれど、背理法の話は削除したのかわからないがあまり残ってなかった。そもそもどんな話なのかを読んでみたところ、これらしい。 福島県での甲状腺がん検診のこれまでの結果で、甲状腺がんの発生が多発と言えるのか? - warblerの日記 http://d.hatena.ne.jp/warbler/20130323/1364060938もともとの話はこれで、 福島県での甲状腺がん検診の結果に関する考察 ver.3.02岡山大学大学院・津田敏秀氏 http://www.kinyobi.co.jp/blog/wp-content/uploads/2013/03/fefc48e1bcaef4b4191bb12c61f176731.pdf福島の甲状腺癌の発見率は計算すると通常の10倍ぐらいになるという主張。とはいえこの値が直ちに正しいと言っているわけではなく、ひとつの算出方法だということらしい。 * * *福島の38114人を検査したところ、3人に甲状腺癌が発見されたという。たとえ癌が存在してもそれが発見されるとは限らない。発見される確率を「発見率」、存在する確率を「発生率」とすると、以下の様な関係があるという。 発生率=発見率/平均有病期間平均有病期間というのはその病気が発見されてから治るもしくは死亡するまでの期間。この人は経験から7年と仮定した。38114人と検査して3人癌が発見されたから、発見率は3/38114。これを平均有病期間の7で割るとがんの発生率になるはず。だいたい100万人のうち11人に癌が発生することになる。一方で癌の発生率は大雑把には100万人に1人だという。つまり福島のがんの発生率は11倍も大きい。 * * *片瀬久美子はこれに反論しているのだが、なんか反論の方もおかしい。先に俺の結論を書く。片瀬久美子が引用している http://ganjoho.jp/public/statistics/pub/statistics01.htmlを見ると甲状腺の罹患率は男で10万人に3.4人だという。ところで福島の発見率は3/38114でこれは10万人に7.9人となる。この時点であれ?と思った。数値は違うが3.4人と7.9人なら、それほど大きな違いではないんじゃなかろうか。無論両者の数値の意味は違う。福島の場合、診察した人間に対して癌と診断された人数。罹患率の場合は人口あたりの癌と診断されている人数。分母には診察に来ない人も含まれるから当然こっちの方が数値は低い。それなら3.4と7.9ぐらいの差は出るのではないの?と。この後ややこしい計算をしなくても、それほど福島と他の地域で大差ないのではなかろうか。少なくとも10倍の違いが出るとは思えない。 * * *ここから片瀬久美子の計算の話。福島で甲状腺癌はそんなに増えてない(少なくともそれを示すデータは読み取れない)という結論は正しいと思うのだが、なんか計算がよくわからない。あちこちに出てくる「D」が冒頭の「平均有病期間」なのだが、これを片瀬久美子は何かのデータから求めようとしている。しかしなんのデータから求めようとしているのか? D=0.0049/(7.1/100000)=69で求めている。すなわち元記事の人が7年と見積もった平均有病期間を片瀬久美子は69年と算出している。 * * *しかしこの算出方法が理解不能。7.1/100000というのは10万人あたりの罹患率。男が3.4人、女が10.8人なので平均して7.1人としている。これは良いと思う。しかし0.0049という値は 成人の検診における超音波検査における甲状腺がん発見確率(有病割合)。「日本における甲状腺腫瘍の頻度と経過−人間ドックからのデータ」の表3 http://www.japanthyroid.jp/commmon/20100102_07.pdfから発見率0.49%を拾っていているようだ。 発生率=発見率/平均有病期間なのだから、変形すると 平均有病期間=発見率/発生率となるはず。で、片瀬久美子が計算しているのは D=0.0049/(7.1/100000)だから、0.49%というのが発見率、(7.1/100000)が発生率というkとになる。 * * *しかし…この7.1/100000というのは罹患率だよね。人口10万人に7.1人甲状腺癌を患っている人がいるということ。甲状腺癌を患っていると診断されている人なのだから、これはしいて当てはめるなら発見率なんじゃ?また0.49%というのは甲状腺癌の診断手法に関する記事のようだ。触診だと0.49%だが超音波だと0.72%といった比較の表がある。しかし0.49%の分子と分母はなんなのか?罹患率とかは10万人に7.1人とかなのに、0.49%なら1000人に5人だ。異常に大きい。元記事を読むと所見者数に対して癌と診断された割合らしい。所見者数というのは、なんらかの理由で検査が必要ですよと判断された人らしい。となるとこの数値というのは、同じ条件である程度比較はできるかもしれないが(触診よりも超音波の方がこんなに発見出来ますよ、と)、この数値自体はあまり意味がないのではなかろうか。 * * *思うにたまたま名前が「有病割合」(=発見率)と同じだったから、このデータを持ってきただけで、このデータ自体は 平均有病期間=発見率/発生率でいう「有病割合」(=発見率)とは、なんの関係もない数値ではなかろうか。つまり片瀬久美子は「発見率」も「発生率」も、よくわからない数値を割り算しているだけ。 * * *ということで一連の片瀬久美子の計算は俺にはでたらめとしか思えないのだが…。NATROMはコメントでこの片瀬久美子の計算は大きな問題はないと言っているが、ホントか?ちゃんと読んでないんじゃないのか。