真・女神転生IV

メガテン最新作。

ストーリー序盤から、流れに沿ってわかりやすいチュートリアルで
覚えることの多いシステム面を解説していく作り。
初心者であっても無理なくすんなりと始められます。

悪魔合体が大きく強化されていて
のめりこみすぎて、合体廃人になってしまいそう。
オススメ合体の機能があって、非常に便利で手軽ではありますが、
ついつい、もっといい組み合わせを模索して悩むのはいつも通りです。

今まで、ありそうで……　いや、無さそうでやっぱり無かった
戦闘中悪魔合体なんていう正気を疑うシステムを実装。
すれちがい通信で行う無差別合体なんてのもある。

あー、どこかの知らない親切なサムライさんが
俺の死にかけたヒーホーくんとシヴァを合体させてくれんかなぁ……

悪魔が主人公にスキルを教えてくれる『ウィスパーイベント』も搭載。
防御相性の事もあるし、ただ単に強い仲魔を作りゃいいというわけではないです。

ザコ戦でも死にやすいですが、全滅しても三途の川のカロンさんに金を払えば
復活させてくれます。金がもったいなければゲームコインでもいい。
特に使い道がなくて、無駄に３００枚貯まったまんまのコインを今こそ使う時！
2回全滅したらイージーモードを選ばせてくれるという親切設計。

ここまで褒めてばかりいましたが、残念な事もある。
それは何かというと……

仕事しろ！！　悪魔絵師！！

デビルサバイバーとかの時もそうだったが、
悪魔の絵がほぼ過去作の使い回し！

真１、真２の原画（悪魔大事典に載ったやつ）の塗り直し、
デビルサマナー、ソウルハッカーズ、真１、真２がプレステに移植された時に
描き直されたやつ、真３のものや、わずかに描き下ろされたストレンジジャーニーの時のやつ
ペルソナシリーズ用のものの流用。

通常悪魔の絵はほとんどこれですわ。
しかも、新悪魔は外部のイラストレーターに描いてもらったって、どゆこと？
そんな事は、みんな……　いや、とりあえず俺は望んでなかったです。

他の仕事で忙しかったのでしょうけど、
悪魔絵師金子一馬さんには悪魔イラストを描いてほしかったです。

そこだけ、残念だったな〜。

〜追記・『金をむしられた上に、楽しみを奪われた……！』〜

↑に、そこだけ残念と書きましたけど
残念な事はまだあった。
有料ダウンロードコンテンツの件です。
250円のもので、追加悪魔とレベル上げの補助をしてくれる要素という事で、
よく分からなかったけど、とりあえずダウンロードして見ることにしました。
これが大きな間違いでした。レベル上げ補助が度を越えています！
このコンテンツを導入後に追加されるクエストを始めると『死ん宿』というマップに飛ばされて
そこの敵が落とす『魔導書・厚』というアイテムを使っていけばいくらでもレベルアップできて
極めて短時間でレベル99に到達できてしまいます。
強い仲魔もガンガン作れて強力なスキルも習得し放題、
奥深い新システムだと思っていたウィスパーイベントがチョロくて安っぽいものに。
パラメータも高いから『マハ〜ダイン』などの魔法で敵の弱点を突けばダメージ1000超え、
突かなくても700ダメージは固い。
ザコ敵パーティは一撃で全滅、ボス戦も2ターン以上かかる事は無い。
まさか、メガテンを「簡単すぎてつまらない」と思う日が来るとは思いませんでした。
こういうダウンロードコンテンツを使うか使わないかで論議が起きていますが、
そもそも、存在する事が良くないと思います。
買えば良くないと思っても使ってしまってゲームの楽しさを損なう事になるし、
買わない人はレベル上げをしていても
「ダウンロードコンテンツ買えばすぐ終わる事をなに俺は何時間もかけてやってんだ？」
と思い、ゲームプレイに虚しさを感じる事でしょう。
このようなユーザーに悲しい選択をさせる企業の姿勢は改めるべきだと思います。
ゲームはオフラインのものですが、すれちがい通信があるから
出てすぐなのにレベル99になってると使ったのがバレてしまい、
受け取った相手にヘタレの烙印を押されてしまうのではないかと恥を覚えます。
ゲームに時間を割けない忙しい人のため…… 確実に最後まで楽しんで欲しいから……
そういう考えも分かりますが、これはやりすぎです。
理不尽に死にまくりの高難度メガテンを返せ！！ イベントだけ見たい奴ばっかじゃねーんだ！！

それでも良作という考えは変わりませんので、全体の評価はそのままにしますが、
おもしろさは星2個分下げざるを得ません。

女神転生は初代からちょこちょこプレイしてますが、さほどRPGをプレイしない
人間のレビューとしてご覧ください。

本編はやっぱりどこを取っても「メガテン」で嬉しくなりますね。
序盤のメガテンらしからぬ中世様式から打って変って、荒廃した東京に降り立った
瞬間に「いつもの東京に容赦無いアトラス」をじっくり堪能出来ます。

バランスについても、確かに中盤から楽になりますがうっかりオート戦闘にしよう
ものならザコにもフルボッコにされる、ユーザーに容赦無いバランスこそがこの
シリーズの醍醐味かとｗ

多くの人の指摘通り外部イラストレーターの新規悪魔採用は、残念ながら
「失敗」と思います。次回以降でも外部起用するのなら、悪魔絵師こと金子さんの
絵柄の方向性と外部委託者の方向性を統一するのが必須かと・・・

但し、全体的な満足度は極めて高いので、3DSで辛口RPGを求めてる人なら是非おススメ
したいゲームですね。

で、他のレビュアーが全然触れてない楽曲について。
こちらは文句無し、最高です！久々にゲームのサントラが待ち遠しくなるほどの
完成度ですよ！！
増子サウンドを祖とする、ダークでアグレッシブなメガテンサウンドが如何無く継承されてて
物凄く嬉しくなりました。
東京エリアのマップ音楽と戦闘曲、チャレンジクエストのボス戦などを筆頭に、これぞ
「音楽のメガテン」の面目躍如と言ったところでしょう。

往年のメガテンサウンドに愛着のある古参ファンはもちろん、新規ユーザーにもこの作品で
メガテンサウンドに触れて欲しいと切に願います。

女神転生シリーズは2~3(ノクターン、マニアクス)、ペルソナは2~4、デジタルデビルサーガ1~2
デビルサバイバー1~2を今までにやりました。要するにアトラスが好きなわけです。

まずは、どのゲームでも味わえない世界観。いつの間にか引き込まれているのは相変わらずです。
あの1枚の背景の中にポツンとシンプルな人物絵がある…私はそれだけでご飯3杯はいけます。
ただ、このシリーズ独特の、「暗い怪しげな雰囲気」は抑えられており、少し敷居を下げた感があるのは
昔ながらのファンにはちょっとガッカリといったところでしょうか。

また、悪魔を使役・合体しダンジョンを踏破していくというシステムが、このシリーズの醍醐味なワケですが
上記と同様に、この作品が初めてだという方にも相当入り易いように設計されていると感じました。

後、今回はシンボルエンカウントです。アクション要素が苦手な自分は、この点に関してはあまり好きではないです。
ドアを開けたら唐突に襲ってきて「フォウ！」ってなります。

前ナンバンリングタイトルから10年も経てば、会社側が想定しているユーザー層も変わってくるでしょう。
そういった意味で、今のところは「入り易く、難易度はそこそこに」といった印象を受けています。
ただ、断言出来ます。やはりアトラスにハズレはない。コンゴトモヨロシク。