種差など編入 三陸復興国立公園あす開園(2013/05/23 09:00)
 東日本大震災を受け、環境省が創設する三陸復興国立公園が24日、開園する。同省は八戸市の蕪島から宮城県の松島までの沿岸部にある自然公園を段階的に再編する計画で、今回は種差海岸階上岳青森県立自然公園と陸中海岸国立公園が対象。開園により、復興支援に向けた被災地の観光振興と環境保全の両立を目指したプロジェクトが始動。種差海岸は復興国立公園の「北の玄関口」として新たな役割を担う。
 種差海岸階上岳県立自然公園は、八戸市の国天然記念物「蕪島ウミネコ繁殖地」と国名勝種差海岸、金浜地区、階上町にある階上岳と階上海岸で構成される。面積は陸域2423ヘクタール、海域1900ヘクタール。3月に開かれた同省の中央環境審議会で編入が正式に決まった。
 国立公園化に伴い、種差海岸にある八戸シーガルビューホテルや鮫角灯台の一帯、天然芝生地向かいの噴水公園周辺を新たに第2種特別地域に指定。その他の地種区分は、県立自然公園を踏襲する。
 噴水公園周辺は、天然芝生地と合わせて集団施設地区に設定し、同省が2014年4月までにインフォメーションセンターを整備する。蕪島周辺では市が道の駅や芝生公園などを計画している。
 久慈市から宮城県気仙沼市までの陸中海岸国立公園は、そのまま復興国立公園に移行。被害が甚大な陸中海岸より南部の自然公園は今秋以降、編入の在り方を検討する。
 開園翌日の25日には種差海岸や階上岳、八戸市中心部で除幕式や記念式典が開かれ、国立公園編入を盛大に祝う。
 一方、同省は復興国立公園の創設を核とした「グリーン復興プロジェクト」で、蕪島から福島県松川浦までの沿岸約700キロを結ぶ「みちのく潮風トレイル」も計画。15年度末までの全線開通を目指しており、今秋にも八戸―久慈間約100キロが先行開通する予定だ。(川守田将和)


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